【公募増資・売出(PO)は買いか?】東映アニメーション(4816)

公募増資・売出(PO)
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こんにちは!

公募増資・売出(以下、PO)の実施を発表した銘柄に関して、POに応募して買った場合、利益を得ることができるのか?直近の経営状況や客観的な指標、株価モメンタム等を踏まえ、総合的に分析しました。

今回は、東証スタンダードから情報・通信業種の東映アニメーションです。

最後までお付き合いいただけるとうれしいです!

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  • 公募増資・売出(PO)とは?
既上場企業が新たに発行する株式(公募株式)や既に発行された株式(売出株式)を投資家に取得させることをいいます。
正確には、「PO」は「Public(公開の)Offering(売り物)」の略で、日本語では「公募」と呼ばれます。「公募」とは、「不特定かつ多数の投資家に対し、新たに発行される有価証券の取得の申込を勧誘すること」をいいます。
また、「売出」とは、「既に発行された有価証券の売付けの申込み又はその買付けの申込の勧誘のうち、均一の条件で50人以上の者を相手方として行う」ことをいい、通常は「公募」「売出」を合わせて「PO」と呼ばれます。
「新規公開株(IPO)」は未上場企業が直接金融市場からの資金調達や知名度・信用力の向上を目的として証券取引所に新規上場するために一般投資家に株式を取得してもらう行為であるのに対して、「公募・売出(PO)」は既に上場していて証券取引所での株式取引が行われている企業が追加の資金調達や大株主の保有株売却などを目的として一般投資家に株式を取得してもらう行為であり、「新規公開株(IPO)」と「公募・売出(PO)」の違いを簡単にいえば、実施する企業が「未上場」か「既上場」かの違いといえます。

POの概要

まとめ

今回のPOは、大株主(バンダイナムコHD、ソニー・ピクチャーズ エンターテイメント)からの株式の売出しです。売出価格等決定日や受渡期日、売出数量等は表1のようになっています。

ディスカウント率は、「売出価格等決定日」に決まり、その日の終値から数%です。

ちなみに、直近の主なPOのディスカウント率は、JR西日本(9021) 3.01%、日本郵政(6178) 2.01%、クリエイト・レストランツ・ホールディングス(3387) 3.09%となってますが、ほぼほぼ2~5%程度です。

ただ、ディスカウント率が大きいPOもあり、直近ではENECHANGE(4169)の8.1%が最大です。

注意点として、どの証券会社でも購入できるわけでなく、主幹事(今回はSMBC日興証券)はじめ、引受人の証券会社で購入申込可能です。

早ければ、2/27(火)の夕刻に、会社側から売出価格等のお知らせが適時開示であります。

このブログ記事も更新しますので、チェックしてくださいね💖

売出価格等決定日2024 年2月 27 日(火)
受渡期日
(POで買った場合はこの日から売却可能)
2024 年3月5日(火)
①株式の売出し
(引受人の買取引受けによる売出し)
数量
普通株式 3,893,300
(国内売出:2,326,300株、海外売出:1,567,000株
発行済み株式総数 42,000,000  の約9.26%
②株式の売出し
(オーバーアロットメントによる売出し)
数量
普通株式 583,900 実施決定(2/27)
SMBC日興証券が売出す。
売出価格16,199 円
(2/27決定:終値 16,700 円)
ディスカウント率3.00 %
(2/27決定)
申込単位数量100 株
主幹事SMBC日興証券
表1:東映アニメーション(4816) PO概要

【株式売出しの目的】

  • 同社は、スタンダード市場に上場を維持することは、同社の中長期的な企業価値向上に繋がる重要な要素であると考えており、
    2022 年4月に実施された株式会社東京証券取引所の市場区分の見直しにおいて、同社はスタンダード市場を選択した。
  • これまで、親会社である東映株式会社を始めとする様々な株主と映像製作事業や同社作品の放送などの幅広い分野で連携し、大きな事業シナジー効果を発揮してきたが、現状ではスタンダード市場の上場維持基準である「流通株式比率 25%以上」を充たしていない
  • 同社は、スタンダード市場の上場維持基準の決定後から現在に至るまで、上場維持のために、「事業法人等」に区分される株主に対し、上場維持への賛同、並びに所有する同社普通株式の全部又は一部を売却するよう働きかけを行ってきた。
  • 今回同社株主である売出人より同社普通株式の売却を応諾してもらい、グローバル・オファリングの実施を決定した。
    グローバル・オファリングを通じて、上場維持基準を充足し、規律あるガバナンスや独立した経営意思で企業価値向上を図る

としています。

今回のPO発表と同時に開示されたIR資料「上場維持基準の適合に向けた計画に基づく進捗状況について」によると、

今回の株式の売出しにより、東証スタンダードの上場維持基準の一つである「流通株式比率 25%以上」を充たす見込みとしています。

今回の株式の売出数量は、発行済み株式総数の約9.26%OAを含めた最大の株数で約10.6%)で、

直近の株式の売出のみのPOの売出株数比率(OAを含む)は、ベース 8.38%、山善 7.04%、ダイダン 5.48%、稲畑産業 17.2%でしたので、それらと比較すると中間的な数量です。

また、今回の売出株数(OAを含むと最大44,772百株)は、1日の平均的な出来高(25日平均:862百株(2/19時点))の約52倍となっており、これからすると多めの数量です。

そして、この銘柄の流動性は、直近の出来高(売買が成立した株の数量)の5日平均は1,031百株、25日平均は862百株で、流動性は平均的な水準です。(1日 1,000百株を平均的な水準としています。)

どんな会社?

1956年に産声をあげてから半世紀以上の長きにわたり、アニメーション製作の第一線で数々の作品を製作している会社です。

その数は、劇場作品262本、テレビ作品233本、総話数にして約13,500話※1という日本最大、世界有数のコンテンツ数を誇っています(※1:2023年3月末現在)。

主な事業内容は、主に劇場・テレビ向けの各種アニメ作品等の企画・製作及び放映権等の販売を行う映像製作・販売事業

製作した作品の商品化権等に基づき同社作品のキャラクターの使用をライセンス許諾しロイヤリティを得る版権事業キャラクター商品等を販売する商品販売事業を行っています。

同社グループは、「映像製作・販売事業」「版権事業」「商品販売事業」の3つのセグメントがあり、それぞれ、

  • 映像制作・販売事業
    主に劇場・テレビ向けの各種アニメ作品等を企画・製作し、作品の放映権やビデオ化権の販売、パソコン・携帯端末向けの映像配信サービス
  • 版権事業
    製作した作品に登場するキャラクターの商品化権許諾
  • 商品販売事業
    キャラクター商品の開発や販売等

2023年3月期通期のセグメント別売上高構成比は、

  • 映像制作・販売事業 42.6%
  • 版権事業 48.0%
  • 商品販売事業 7.0%
  • その他(イベント)事業 2.4%

となっており、「版権事業」が最も多く5割弱、次に「映像制作・販売事業」が多く4割強を占めています。

直近の経営概況

経営状況

【2024年3月期3Q(2023年4月~12月)の経営成績】

(2024年1月29日発表)

決算期売上高
[億円]
(前年
同期比
[%])
営業
利益
[億円]
(同)
経常
利益
[億円]
(同)
親会社株主
に帰属する
純利益

[億円]
(同)
2023年3月期
3Q累計
650
(53.0)
218
(52.1)
227
(57.4)
165
(64.2)
2024年3月期
3Q累計
671
(3.2)
177
(△18.5)
203
(△10.9)
145
(△11.6)
2024年3月期
通期会社予想
(2024年1月29日
修正)
830
(5.1)
205
(28.5)
215
(27.8)
155
(25.8)
通期予想に対する
3Qの進捗率[%]
80.886.694.494.1
表2:東映アニメーション 2024年3月期3Q経営成績と通期会社予想

表2の通り、前年同期比 増収減益で、売上高は微増利益面は1~2割の減益でした。

2024年3月期通期の業績予想は、今3Q決算発表と同時に上方修正(表4参照)しており、前期比 減収減益で、売上高は1割弱減利益面は3割弱の減益を見込んでいます。

その通期予想に対する進捗率は3Q終了時点で、売上高は8割でそこそこですが、利益面は9割前後に達しており順調です。

【2024年3月期3Qの状況、経営成績の要因】

当3Q連結累計期間において、同社グループでは「ワンピース」、「ドラゴンボール」シリーズ、「スラムダンク」、「プリキュア」シリーズといった主力作品群からの安定的な収益の確保・拡大を図りました。

この結果、当3Q連結累計期間における売上高は671億円(前年同期比3.2%増

営業利益は「聖闘士星矢 The Beginning」の棚卸資産の評価損を計上したことにより、177億円(同18.5%減経常利益は203億円(同10.9%減親会社株主に帰属する四半期純利益は145億円(同11.6%減となりました。

【セグメント別の業績】

セグメント別の業績は、表3の結果になりました。

主力の「版権事業」「映像制作・販売事業」前年同期比減収減益

「商品販売事業」増収増益

「その他事業」増収減益となっています。

セグメント売上高
[億円]
(前年
同期比
増減率
[%])
セグメント
利益
[億円]
(同)
映像製作
・販売
264
(△9.6)
48.6
(△42.9)
版権301
(△3.6)
143
(△8.8)
商品販売84.3
(139)
14.7
(7.1倍)
その他24.3
(105)
0.1
(△65.9)
表3:2024年3月期3Q累計 セグメント別業績

各セグメントの状況は以下です。

映像制作・販売事業

劇場アニメ部門では、4月に「聖闘士星矢 The Beginning」、6月に劇場版「美少女戦士セーラームーンCosmos《前編》」、劇場版「美少女戦士セーラームーンCosmos《後編》」、9月に「映画プリキュアオールスターズF」、10月に「デジモンアドベンチャー 02 THE BEGINNING」、11月に映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」を公開しました。

「映画プリキュアオールスターズF」、映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」が好調に推移したものの、

前年同期に公開し、大ヒットした映画「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」、「ONE PIECE FILM RED」、「THE FIRST SLAM DUNK」の反動により、大幅な減収となりました。

テレビアニメ部門では、「ひろがるスカイ!プリキュア」、「ワンピース」、「逃走中 グレートミッション」、「キボウノチカラ~オトナプリキュア’23~」、「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」、「おしりたんてい」、「いきものさん」の7作品を放映しました。

前年同期と比較して放映作品数が減少したことから、若干の減収となりました。

コンテンツ部門では、「ONE PIECE FILM RED」のブルーレイ・DVD発売により、若干の増収となりました。

海外映像部門では、前年同期に好調に稼働した映画「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」の海外上映権販売の反動減があったものの、

「ワンピース」の海外配信権販売映画「THE FIRST SLAM DUNK」の海外上映権販売が好調だったことから、増収となりました。

その他部門では、国内の映像配信権販売が前年同期の勢いには至らなかったこと等から、減収となりました。

この結果、映像製作・販売事業全体では、売上高は減収セグメント利益は、「聖闘士星矢 The Beginning」の棚卸資産の評価損を計上したこと等により減益と、減収減益となりました。

版権事業

国内版権部門では、「ドラゴンボール」シリーズのゲーム化権販売が前年同期の勢いには至らなかったものの、「ワンピース」のゲーム化権販売、商品化権販売が好調に稼働したこと等から、ほぼ横ばいとなりました。

海外版権部門では、「ワンピース」の商品化権販売が好調に稼働したものの、「デジモン」シリーズ、「ドラゴンボール」シリーズの商品化権販売が前年同期の勢いには至らなかったこと等から、減収となりました。

この結果、版権事業全体では減収減益となりました。

商品販売事業

映画「THE FIRST SLAM DUNK」の劇場物販及びEコマース、「ワンピース」、「プリキュア」シリーズのショップ事業が好調に稼働したこと等から、大幅な増収となりました。

この結果、売上高は前年同期比2.3倍セグメント利益は同7.1倍大幅な増収増益となりました。

その他事業

催事イベントやキャラクターショー等を展開しました。

「プリキュア」シリーズの催事が好調に稼働したことから、大幅な増収となりましたが、

イベント事業全体にかかる販売費増等により大幅な減益となりました。

【財政面の状況】

自己資本比率>(自己資本(総資本-他人資本)÷総資産)×100

2024年3月期3Q末時点で81.8%と前期末(76.1%)から5.7ポイント増加しています。

これは主に、それぞれ前期末比で、

  • 負債
    • 支払手形及び買掛金4,142百万円減少未払法人税等3,757百万円減少し、流動負債が合計で8,977百万円減少
    • 固定負債その他607百万円増加し、固定負債が合計で774百万円増加
  • 純資産
    • 利益剰余金8,250百万円増加し、株主資本が合計で8,302百万円増加
    • 為替換算調整勘定1,712百万円増加し、その他の包括利益累計額が合計で2,503百万円増加

したことによるものです。

自己資本比率の数値としては良好なレベルです。(20%以上を安全圏内としています。)

【今期(2024年3月期通期)業績の見通し】

今3Q決算発表と同時に、2024年3月期通期連結業績予想の上方修正を発表しています。

2024年3月期通期の業績予想は表4です。

売上高
[億円]
営業
利益
[億円]
経常
利益
[億円]
親会社
株主に
帰属する
当期純利益

[億円]
1株当たり
当期利益

[円]
1株当たり
配当金

[円]
前回
(2023/10/24)
発表予想
820190200135330.1390
今回修正予想830205215155379.04114
増減額1015152024
増減率[%]1.27.97.514.826.6
表4:東映アニメーション 2024年3月期通期業績予想数値の修正(2024年1月29日発表)

前回予想と比べ、売上高は微増利益面を1割前後の増額修正をしています。

修正の理由は、

  • 前年度に公開した映画の波及効果が継続し、国内における配信権販売や商品化権販売、並びに商品販売事業が期初見込みを上回り好調に推移したことから上記見通しになる見込み

としています。

なお、配当予想に関しても、同社は、

株主に対する利益還元を重要な政策の一つとして考えており、財務の健全性、成長が期待されるビジネス機会への投資、株主への利益還元のバランスを取りながら安定した配当を継続的に実施していくことを基本方針としていることから、

前期(2023年3月期)と同程度の配当性向を適用し、当初予想から年間1株当たり24円増配し、年間114円配当(期末一括配当)に修正しています。

株価指標と動向

株価指標

【2024/2/19(月)終値時点の数値】

  • 株価:16,100円
  • 時価総額:6,762億円
  • PER(株価収益率):42.4倍

PERは、同業で時価総額が近い、IGポート(3791) 26.1倍、サンリオ(8136) 38.2倍と比較すると高い水準です。

  • PBR(株価純資産倍率):5.40倍
  • 信用倍率(信用買い残÷信用売り残):0.63倍
  • 年間配当金(予想):114円(年1回 3月)、年間利回り:0.70%(配当性向 30.0%)

配当利回り0.70%で、東証スタンダードの単純平均 2.18%(2/19時点)と比較すると低い水準です。

表5のように、直近5年間の配当金は、1株当たり70~155円で推移しており、2021年3月期までは70円で一定でしたが、その後は連続増配を継続中です。

配当性向は、25~30%で安定しています。

決算期1株当たり
年間配当金
[円]
配当性向
[%]
2019年3月期7025.2
2020年3月期7025.0
2021年3月期7025.9
2022年3月期9430.0
2023年3月期15530.3
表5:東映アニメーション 年間配当金推移

この会社は、

株主に対する利益還元を重要な政策の一つとして考えており、財務の健全性、成長が期待されるビジネス機会への投資、株主への利益還元のバランスを取りながら安定した配当を継続的に実施していくことを基本方針としています。

内部留保金は、「IPを戦略の軸に据えたグローバル事業展開」をより一層強化し、

持続的成長と中長期的な企業価値向上に資するような事業機会やグローバル企画に積極的に投資するとしてます。

【株主優待】

この会社は株主優待があり、毎年3月末の年1回、100株以上保有の株主に、株主優待オリジナル「キャラクターQUO カード」株数に応じて進呈されます。

進呈されるQUOカードは、株主優待限定の描きおろしデザインを含む、人気の新作アニメーション2枚なつかしの名作アニメーション2枚(各 300 円)を1セットになっており、

  • 100株以上保有の場合:1セット(1,200円相当)
  • 300株以上:2セット(2,400円相当)
  • 500株以上:3セット(3,600円相当)
  • 1,000株以上:5セット(6,000円相当)
  • 3,000株以上:8セット(9,600円相当)
  • 5,000株以上:10セット(12,000円相当)
  • 10,000株以上:12セット(14,000円相当)

が進呈されます。

100株保有の場合、配当金+株主優待(1,200円相当)で利回りは0.78%となります。

アニメファンの方は、QUOカードの金額以上の価値を感じられ、うれしい内容ですね!

【直近の株価動向】

<週足チャート(直近2年間)>

2022年5月に安値(8,920円)をつけた後は、高値切り上げ安値切り上げの上昇トレンドで推移し、

2023年12月に高値(20,770円)をつけています。

<日足チャート(直近3か月間)>

昨年11月に安値(14,740円)をつけた後は、右肩上がりで上昇し、翌月に年初来高値(20,770円)をつけました。

その後は、しばらくもみ合いの値動きでしたが、今回のPO発表の翌営業日(2/15)に、POによる短期的な需給悪化懸念から、窓を開けて出来高を伴い、前日比 1,560円安(-8.40%)と急落しました。

その後も連続陰線で下落が続き、75日移動平均線(青線)を下抜けています。

今後は、昨年11月につけた直近の安値(14,740円)を割り込まずに上昇に転じていくのか、割り込んで下値模索を継続するのか、要注目です。

まとめ

【業績】

  • 今期(2024年3月期)3Qの業績は、主力作品群からの安定的な収益の確保・拡大を図ったが、利益面は「聖闘士星矢 The Beginning」の棚卸資産の評価損を計上したことにより
    前年同期比 増収減益で、売上高は微増利益面は1~2割の減益
  • 今期通期予想は、前年度に公開した映画の波及効果が継続し、国内における配信権販売や商品化権販売、並びに商品販売事業が期初見込みを上回り好調に推移したことから、今3Q決算発表と同時に上方修正し、
    前期比 減収減益で、売上高は1割弱減利益面は3割弱の減益を見込む。
  • この通期業績予想に対する進捗率は、3Q終了時点で、売上高は8割でそこそこだが、利益面は9割前後に達しており順調

【株主還元】

  • 配当利回り(予想)は0.70%で、東証スタンダードの単純平均 2.18%(2/19現在) と比較すると低い水準
  • 3Qと同時に今期業績の上方修正したことに伴い、当初予想から年間1株当たり24円増配し、年間114円配当(期末一括配当)に修正した。
  • 直近5年間の配当金は、年間1株当たり70~155で推移しており、2021年3月期までは70円で一定だったが、その後は連続増配を継続中
    配当性向は、25~30%で安定している。
  • 株主優待があり、毎年3月末の年1回、100株以上保有の株主に、株主優待オリジナル「キャラクターQUO カード」株数に応じて進呈され、
    100株保有の場合、配当金+株主優待(1,200円相当)利回りは0.78%となる。

【流動性・売出株数】

  • 今回の株式の売出数量は、発行済み株式総数の9.26%OAを含めた最大の株数で10.6%で、
    直近の株式の売出のみのPO(山善、ダイダン、稲畑産業)の売出株数比率(OAを含む)と比較すると中間的な数量
    また、売出株数(OAを含む)は、1日の平均的な出来高の約52倍となっており、これからすると多い数量
  • 直近の出来高の5日平均は1,031百株、25日平均は862百株で、流動性は平均的な水準

【株価モメンタム】

  • 週足ベースの株価は、2022年5月に安値(8,920円)をつけた後は、高値切り上げ安値切り上げの上昇トレンドで推移し、2023年12月に高値(20,770円)をつけている。
  • 直近の株価は、昨年11月に安値(14,740円)をつけた後は、右肩上がりで上昇し、翌月に年初来高値(20,770円)をつけたが、その後は、しばらくもみ合いの値動き。
    そして、今回のPO発表の翌営業日(2/15)に、POによる短期的な需給悪化懸念から、窓を開けて出来高を伴い、前日比 1,560円安(-8.40%)と急落した。
    その後も連続陰線で下落が続き、75日移動平均線を下抜け
  • 今後の株価は、昨年11月につけた直近の安値(14,740円)を割り込まずに上昇に転じていくのか、割り込んで下値模索を継続するのか要注目。

以上のことから、

レベル
(⭐(最低)~
⭐⭐⭐⭐⭐(最高))
業績⭐⭐⭐
株主還元
(配当、株主優待等)
⭐⭐
株価モメンタム⭐⭐
流動性⭐⭐
株式の売出数量⭐⭐
総合判定⭐⭐
(中立)
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」

と判断しました。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。

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