こんにちは!
直近で公募増資・売出(以下、PO)を実施した銘柄に関して、POに応募して買った場合、利益は出たのか?
受渡期日当日と1週間後の結果を検証しました。
今回は、受渡期日が2024年6月のエクセディ、オプティマスグループ、コーア商事ホールディングスです。
最後までお付き合いいただけると嬉しいです💖
発行(売出)価格とその後の株価推移
まずは、発行価格で買って1週間(5営業日)後まで保有した場合、含み益なのか含み損なのか?確認していきましょう!
※売買手数料は考慮していません。
受渡期日の寄付又は大引けと1週間(5営業日)後の結果は、
エクセディは、全ての段階で損益プラス、
オプティマスグループは、受渡日の寄付や大引で売却した場合は損益プラスですが、受渡日1週間(5営業日)後の寄付の場合は損益マイナス、
コーア商事ホールディングスは、受渡日の寄付や受渡日1週間(5営業日)後の寄付で売却した場合は損益プラス、受渡日の大引の場合は損益マイナス、
でした。
とくに、エクセディは受渡日1週間後の寄付で売却した場合、9.1%の利益が出ています。
POで購入し、利益が出た方おめでとうございます!
ちなみに、私は今回は購入無しでした。皆さんはいかがでしたでしょうか?
それでは個別に見ていきましょう!
要因分析:エクセディ(7278)
この会社のPO発表時の評価は、表2のように判断していました。
レベル (⭐(最低)~ ⭐⭐⭐⭐⭐(最高)) | |
業績 | ⭐⭐⭐ |
株主還元 (配当、株主優待等) | ⭐⭐⭐⭐ |
株価モメンタム | ⭐⭐⭐ |
流動性 | ⭐⭐⭐⭐ |
株式の売出数量 | ⭐⭐ |
総合判定 | ⭐⭐⭐ (中立) |
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」
前期(2024年3月期)の業績は、売上収益の増加はあるものの、同社グループのAT(自動変速装置関連事業)セグメントにおける生産設備等につき、EV化の進展による需要の減少という事業環境の大きな変化を背景とした収益性の低下が見込まれることから、
対象資産の帳簿価額を回収可能額まで減額し、322億円の減損損失を「その他の費用」として計上し、
前期比 増収減益で、売上高は1割弱増、利益面は赤字転落で着地しました。
今期(2025年3月期)通期予想は、連結売上高は前年度をやや下回る水準で、利益面は2024年3月期における減損損失の計上に伴う償却費負担の減少や、部品、原材料およびエネルギー価格の上昇について売価への転嫁を進め、
設備の稼働率向上や諸経費の削減など、グループをあげて経営全般にわたる効率化をさらに推し進めることなどにより、利益を確保し、
前期比 減収増益で、売上高は微減、利益面は黒字転換を見込んでいましたね。
株主還元は、配当利回り(予想)は4.69%(5/29時点) で、東証プライムの単純平均 2.30%(5/28時点) と比較すると2倍以上の高い水準でした。
直近5年間の配当金は、年間1株あたり60~120円で推移しており、
配当性向は、最終赤字の年を除き、30%台~90%台で幅があります。
また、株主優待があり、毎年9月末に100株以上保有の株主は、1年以上継続保有の条件がありますが、3,000円相当のWEBカタログギフトが進呈され、
100株を1年以上継続保有という条件はありますが、配当金+株主優待(3,000円相当)で利回りは5.86%となっており、個人投資家にとってうれしい内容でしたね。
そして、今回の株式の売出しと同時に、自己株式の取得の発表を行っており、
今回の株式の売出数量(発行済み株式総数の最大(OA含む)約33.4%)に対し、約5割を市場で取得し、需給悪化の緩和を図っている点は安心感がありました。
株価モメンタムは、2022年12月に安値(1,562円)をつけた後は、高値切り上げ安値切り上げの上昇トレンドで推移し、2024年3月に高値(3,135円)をつけましたが、その後は調整していました。
直近では、今回のPO発表の翌営業日(5/28)は、POによる短期的な需給悪化を懸念され、窓を開けて出来高を伴い前日比 275円安(-9.60%)と急落しました。
この日の安値で年初につけた年初来安値を更新しましたね。
その後の株価は、この年初来安値を下抜けずにヨコヨコから上昇に転じていくのか、下抜けて下値模索をするのか注目していましたが・・・。
ご参考(PO前の分析):【公募増資・売出(PO)は買いか?】エクセディ(7278)
【PO発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
PO発表の翌営業日から2営業日後に一旦は年初来安値を再び更新しましたが、
それ以降はPOによる需給悪化が後退して勢いよく上昇し、PO発表前の株価に戻っています。
要因分析:オプティマスグループ(9268)
この会社のPO発表時の評価は、表3のように判断していました。
レベル (⭐(最低)~ ⭐⭐⭐⭐⭐(最高)) | |
業績 | ⭐⭐⭐⭐ |
株主還元 (配当、株主優待等) | ⭐⭐⭐⭐ |
株価モメンタム | ⭐⭐ |
流動性 | ⭐⭐⭐⭐ |
新株式の発行数量 | ⭐⭐ |
総合判定 | ⭐⭐⭐ (中立) |
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」
前期(2024年3月期)の業績は、ニュージーランド向けの輸送台数が54,002台と前年同期比51.9%増加し、また、3Q連結会計期間末より連結子会社化したAutopact Pty Ltdの売上も寄与したため、
前期比 増収増益で、売上高は2.2倍、利益面は2割強~2.3倍で着地しました。
今期(2025年3月期)通期予想は、オーストラリアの新たな子会社のグループ会社の加入により、同国における収益は格段に規模拡大が図られる見込みで、
前期比 増収増益で、売上高は2.4倍、利益面は5~6割の増益を見込んでいましたね。
株主還元は、配当利回り(予想)は4.08%(5/28時点) で、東証スタンダードの単純平均 2.33%(5/27時点) と比較すると高い水準でした。
直近5年間の配当金は、年間1株あたり4~17.5円(2024年3月末の1/4分割後換算の金額)で推移しており、連続増配を継続中している点は魅力的ですね。
配当性向は、20%台~30%台で安定していました。
会社の還元方針は、安定的な事業収益からの株主還元を確保しつつ、安定的な財務基盤の維持と新たな成長のための投資を勘案し、連結配当性向30%程度を目安としていましたので、安心感がありました。
ただ、今回の新株式の発行数量は、発行済み株式総数の最大約18.4%(第三者割当を含む)で、
直近の新株式の発行を含むPOの発行株数比率(第三者割当を含む)と比較すると多めの数量でしたので、この点は不安材料でした。
株価モメンタムは、2022年11月に安値(195.8円)をつけた後は、しばらく緩やかな上昇基調でしたが、
2023年中ごろから上昇のスピードを速めながら、上昇トレンドで推移し、2024年3月に上場来高値(1,101円)をつけました。
しかし、それ以降は調整していました。
直近では、3/29に上場来高値(1,101円)をつけた後は、高値切り下げ安値切り下げの下落基調で推移し、
今回のPO発表の翌営業日(5/27)は、POによる1株利益の希薄化懸念により、窓を開けて出来高を伴い前日比 104円安(-14.6%)と急落。
そして、その翌営業日も続落し、年初来安値を再び更新しましたね。
その後の株価は、下げ止まりがなかなか見えてこない中、下げ止まり後のヨコヨコから上昇に転じていくのか、安値を更新して下値模索を継続するのか注目していましたが・・・。
ご参考(PO前の分析):【公募増資・売出(PO)は買いか?】オプティマスグループ(9268) <2024年6月実施>
【PO発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
PO発表の3営業日後に株価は底を打ち、発行価格決定日の3営業日後まで一旦は上昇しました。
しかしそれ以降は下落に転じ、受渡日は何とか発行価格(635円)を割り込みませんでしたが、
POによる1株利益の希薄化懸念により、なかなか需給悪化は改善してきていません。
要因分析:コーア商事ホールディングス(9273)
この会社のPO発表時の評価は、表4のように判断していました。
レベル (⭐(最低)~ ⭐⭐⭐⭐⭐(最高)) | |
業績 | ⭐⭐⭐ |
株主還元 (配当、株主優待等) | ⭐⭐⭐⭐ |
株価モメンタム | ⭐⭐⭐ |
流動性 | ⭐⭐⭐ |
新株式の発行数量 | ⭐⭐⭐⭐ |
総合判定 | ⭐⭐⭐ (中立) |
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」
今期(2024年6月期)3Qの業績は、医薬品製造販売事業で受託製造の主力製品のうち増産体制の構築を進めていた注射剤において、本年1月から更に増産し販売数量が増加したこと等により堅調に推移したことや、同業他社からの代替需要等により既存製品が好調で、
前年同期比 増収増益で、売上高は微増、利益面は1割前後の増益でした。
今期通期予想は、医薬品の安定供給及び品質管理を最優先に努め、中長期的な視点にたって各事業に取り組み、
前期比 増収増益で、売上高は微増、利益面は微増~1割弱の増益を見込んでおり、
その通期予想に対する進捗率は、3Q終了時点で、売上高は7割強でそこそこ、利益面も8割強でそこそこでしたね。
株主還元は、配当利回り(予想)は1.78%(5/29時点) で、東証プライムの単純平均 2.33%と比較すると低い水準でした。
直近5年間の配当金は、年間1株あたり6~12円で推移しており、連続増配を継続中している点は魅力がありますね。
配当性向は、10%台~30%台で推移してました。
また、株主優待があり、毎年6月末に200株以上保有の株主は、クオカード1,000円相当(1年以上継続保有の場合は2,000円相当)が進呈され、
加えて、2024 年6月末現在の株主に限り、創立10周年記念株主優待として、500株以上保有の場合、2,000円相当が追加で進呈されます。
200株保有(1年未満継続保有)の場合、配当金+株主優待(1,000円相当)で利回りは2.47%となっており、個人投資家にとってうれしい内容でしたね。
株価モメンタムは、2022年11月に安値(575円)をつけるまでは下落基調で推移しましたが、
その後は高値切り上げ安値切り上げの上昇トレンドで推移し、2024年5月に高値(892円)をつけていました。しかしその後は調整していました。
直近では、高値切り上げ安値切り上げの上昇基調で推移して、5/27に年初来高値(892円)をつけました。
しかし、今回のPO発表の翌営業日(5/28)は、1株利益の希薄化懸念により、窓を開けて出来高を伴い前日比 126円安(-14.2%)と急落しましたね。
その後の株価は、2月につけた年初来安値(699円)を割り込まず、ヨコヨコから上昇に転じていくのか、割り込んで下値模索を継続するのか注目していましたが・・・。
ご参考(PO前の分析):【公募増資・売出(PO)は買いか?】コーア商事ホールディングス(9273)
【PO発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
PO発表の翌営業日以降も下落基調が続き、2月につけた年初来安値を更新しました。
しかしながら、受渡日(6/12)の翌営業日には株価は底を打ち、上昇に転じてきています。
まとめ
エクセディ(7278)、オプティマスグループ(6268)、コーア商事ホールディングス(9273)のPO予想と一週間(5営業日)後の株価は、表5の結果になりました。
銘柄名 | 事前予想 | 結果(損益)[円] (「受渡日の1週間 (5営業日)後始値」 ー「発行価格」) (騰落率[%]) | 判定 |
エクセディ | 中立 | +231 (+9.1) | × |
オプティマス グループ | 中立 | -26 (-4.1) | × |
コーア商事 ホールディングス | 中立 | +14 (+2.0) | 〇 |
※事前予想の「買い」は3%以上の上昇、「中立」は±3%、「見送り」は3%以上の下落を想定しています。
今回は1勝2敗、勝率0.333。反省ですm(_ _”m)
銘柄によって明暗が分かれましたね。
エクセディは、受渡日前から株価は底を打って、上場に転じ、
オプティマスグループは受渡日以降も下げ止まらず、
コーア商事HLDGSは、受渡日の翌営業日に底を打って上昇に転じてきています。
特に戻りが遅いオプティマスグループは、新株式の発行数量が、発行済み株式総数の最大約18.4%(第三者割当を含む)と多く、そのため需給悪化の解消が遅れている可能性があります。
今後の個別動向ですが、
エクセディは、直近でアクティビスト(物言う株主)の保有比率が高まったということで買いが集まり、株価上昇の勢いがついています。
配当利回りも高く、今後更なる上昇が期待できます。
オプティマスグループは、まだ下げ止まりを見せていない状況です。
ただ、業績は好調で配当利回りも高いですので、更なる業績の上振れが確認できれば、株価も上昇に転じてきそうです。
コーア商事HLDGSは、株価は上昇に転じてきてはいますが、まだまだPO発表前の株価には程遠い状況です。
ただ、6月末に期末一括配当と株主優待取りを控えていますので、今後も株価の戻りが継続しそうです。
参考になればうれしいです✨
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。