【結果検証:公募増資・売出(PO)は買いか?】三菱地所物流リート(3481)、ザイマックス・リート(3488)、明治電機工業(3388)

結果検証株式投資
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こんにちは!

直近で公募増資・売出(以下、PO)を実施した銘柄に関して、POに応募して買った場合、利益は出たのか?

受渡期日当日と受渡期日1週間後の結果を検証しました。

今回は、受渡期日が2022/3/2の三菱地所物流リートザイマックス・リート、 3/9の明治電機工業です。

最後までお付き合いいただけると嬉しいです💖

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発行価格とその後の株価推移

株価指標

まずは、発行(売出)価格で買って1週間(5営業日)後まで保有した場合、含み益なのか含み損なのか?確認していきましょう!

銘柄受渡期日発行
価格[円]
ディス
カウント率
[%]
受渡日
始値[円]
(増減[円])
受渡日
終値[円]
(同)
1週間後
の始値[円]
(日付)
損益[円]
(増減率[%])
三菱地所物流リート
(3481)
3/2
(水)
406,9652.50435,000
(+6.9)
440,500
(+8.2)
439,000
(3/9)
+32,035
(+7.9)
ザイマックス・リート
(3488)
3/2
(水)
113,0242.50114,800
(+1.6)
116,000
(+2.6)
113,900
(3/9)
+876
(+0.8)
明治電機工業
(3388)
3/9
(水)
1,0163.511,020
(+0.4)
1,015
(-0.1)
1,030
(3/16)
+14
(+1.4)
表1:直近のPO銘柄の発行(売出)価格とその後の推移

受渡期日の寄付又は大引けと1週間(5営業日)後の結果は、

三菱地所物流リートザイマックス・リートは全ての段階で損益プラス

明治電機工業は、受渡日の大引けで売却した場合は損益マイナスでしたが、それ以外は損益プラス

の結果でした。

三菱地所物流リートは、受渡日の大引けで売却した場合は8.2%もの利益が出ています。POで購入された方、おめでとうございます!

ちなみに私は、今回のPOでの購入は無しでした。

それでは個別に見ていきましょう!

要因分析:三菱地所物流リート(8157)

物流

このJ-REITは、昨今の外出自粛要請を背景としてECの利用拡大が加速している中、今後もオンライン消費の拡大や在庫拡大による物流施設需要の増加が見込まれ、収益が期待できました。

また、三菱地所の強力な物流施設開発力に基づく豊富なスポンサーパイプライン三菱地所投資顧問の不動産ファンド運用力も活かし、両社の強みをハイブリッド活用することで、安定的かつ着実な成長を実現できました。

2021年8月期の運用実績は、前期比 増収増益で、営業収益は2割弱の増収利益面は1割強の増益の結果で好調でした。

2022年2月期は、営業収益、利益面ともに微増の予想でした。

今回の公募増資による新規資産取得は、取得金額で約26.9%の増加率であり、

それからすると、修正された2022年8月期の営業収益や利益面の増額の割合(当初予想より、営業収益、利益面ともに2~3割の増額)は、取得金額と同程度の増収増益の効果があり、納得性がありましたね

分配金年利回り 3.4%(2/10時点)で、上場株式の年利回り(東証1部の単純平均:2.13%(2/9時点))と比較すると高水準でしたが、J-REITの平均的な利回り(5~6%台(2021年10月時点))と比較すると少し物足りませんでした。

しかしながら、分配金の直近5期は、毎期増配しており、新規資産取得後の2022年8月期は前期比 208円増配2023年2月期も引き続き321円増配の予想であるところが魅力的でしたね。

投資口価格のモメンタムは、昨年末に上場来高値をつけた後は、他のJ-REITと同様に今年に入って下げ続け、1月後半からもみ合いが続いており、

今回のPO発表の翌営業日(2/8)は、前日比 13,500円安(-3.2%)したが、翌日(2/9)と翌々日(2/10)は値を戻してきていたため、期待が持てましたね。

ご参考(PO前の分析):【公募増資・売出(PO)は買いか?】三菱地所物流リート投資法人(3481)

【PO発表後の株価の動き】

<日足チャート(直近3か月)>

出所:楽天証券サイト

PO発表後の投資口価格は、発行価格等決定日以降もそれほど大きな動きはありませんでしたが、

受渡日の前日(3/1)から上昇し始め、一度も発行価格を割り込むことはありませんでした

現時点(3/18)では、25日移動平均線(赤線)を大きく上回り、これからどんどん上昇していきそうな気配です。

要因分析:ザイマックス・リート(3488)

オフィスビル

このJ-REITは、不動産マネジメントのリーディングカンパニーであるザイマックスグループがこれまで培ってきた知見やノウハウを活用し、キャッシュフローの安定性に着目したポートフォリオ運営を行うことで、不動産が持つ本来の価値を最大限に引き出し、投資主価値の最大化を目指していました

ザイマックスグループの不動産マネジメントノウハウの蓄積が相対的に豊富なオフィス、商業施設及びホテルを主用途とする物件を重点投資対象(メインアセット)として組み入れ、そのノウハウ活用により安定運用可能と考える物件を重点選定しており収益が期待できました。

2021年8月期の運用実績は、前期比 増収減益で、営業収益は微増利益面は微減でした。

2022年2月期は、前期比 増収増益で、営業収益は2割増、営業利益は3割増を予想しており、ポートフォリオの約12%を占めるホテルに関しても宿泊需要は低迷期を脱し固定賃料の復活によって賃料収入の安定性も回復していました。

今回の公募増資による新規資産取得は、取得金額で約21.2%の増加率であり、

それからすると、修正された2022年8月期の営業収益や利益面の増額の割合(当初予想より、営業収益、利益面ともに15%前後の増額)は、やや物足りない予想でした。

分配金年利回り 5.6%(2/16時点)で、上場株式の年利回り(東証1部の単純平均:2.19%(2/15時点))と比較すると高水準で、J-REITの平均的な利回り(5~6%台(2021年10月時点))と比較しても同水準でした。

分配金の直近5期の推移は、2,900~3,900円で推移しており、決算期によって増減が大きくなっているため、少し安定性に欠けるイメージでしたね。

投資口価格のモメンタムは、昨年の7月にコロナショック時の安値の2倍程度の高値(129,100円)をつけた後は調整していましたが、値を戻しつつあり、その高値に近づいていました

直近は、2/7に高値(128,900円)をつけた後は調整しており、今回のPO発表後も下落基調で推移していましたので、節目の120,000円程度で下げ止まるかどうかというところを注目していましたが、結局は節目を割り込みました

しかし、発行価格等決定日の3営業日後(2/25)に下げ止まっています

ご参考(PO前の分析):【公募増資・売出(PO)は買いか?】ザイマックス・リート(3488)

【PO発表後の株価の動き】

<日足チャート(直近3か月)>

出所:楽天証券サイト

PO発表後の投資口価格は、発行価格等決定日の営業日後(2/25)以降は上昇に転じ

受渡日(3/2)以降は下落する場面もありましたが、一度も発行価格(113,024円)を下回らずに推移しています。

現時点(3/18)では、75日移動平均線(青線)や25日移動平均線(赤線)を勢いよく上抜けてきていますので、今後の上昇が楽しみです。

要因分析:明治電機工業(3388)

エコカー

この会社の2022年3月期3Qの業績は、自動車ビジネス強化に向けた体制整備ものづくりにおけるカーボンニュートラルへの貢献エンジニアリング事業の競争力強化などの主要施策に対する取り組みをスタートさせ、

前年同期比 増収増益で、売上高は1割弱増、利益面は3~4割増益となっており好調でした。

2022年3月期通期予想は、会計基準が異なっているため前期比比較はできませんでしたが、

通期予想に対する進捗率は、3Q終了時点で売上高は3/4弱、利益面は営業利益は少し遅れていましたが、それ以外は3/4ほどに達しており順調でした。

配当金年利回り 4.1%(2/21時点) で、東証1部の単純平均2.18%(2/18時点) と比較すると高い水準で、

直近5年間の配当金55~82円で推移しており幅がありましたが、

配当性向は、2021年3月期を除いて30%前後で一定であり、会社の方針も30%を目処としており安心感がありましたね。

株価モメンタムは、昨年1月に高値(1,598円)をつけた後は調整し、右肩下がりの下落トレンドで推移しており、

直近の株価は、1,200~1,300円程度のレンジ内で推移していましたが、
今回のPO発表後の翌営業日(2/21)は、1株利益の希薄化と短期的な需給悪化懸念で窓を開けて大きく売られ、前日比207円安(-16.6%)となり、

この下落で、コロナショック時の安値を下回ってしまいました

下値目処がない中、どこまで下がるか不安な面があり、節目の1,000円程度で下げ止まるのかどうか注目していましたが、

結局、PO発表直後に下げ過ぎたせいか、1,000円程度で下げ止まりましたね

ご参考(PO前の分析):【公募増資・売出(PO)は買いか?】明治電機工業(3388)

【PO発表後の株価の動き】

<日足チャート(直近3か月)>

出所:楽天証券サイト

PO発表後の株価は、発行価格等決定日(3/2)までは値を保ったのですが、

それ以降は下落基調で推移し、受渡日には発行価格(1,016円)を下回る場面もありました

しかし受渡日以降は、緩やかですが上昇に転じて、発行価格を上回って推移しています。

今後は25日移動平均線(赤線)や75日移動平均線(青線)に向かって上昇し、上抜けてくるのか注目ですね。

まとめ

まとめ

三菱地所物流リート(3481) 、ザーマックス・リート(3488)、明治電機工業(3388)のPO予想と一週間(5営業日)後の株価(投資口価格)は、

銘柄名事前予想結果(損益)
(「1週間(5営業日)後始値」
ー「発行価格」)
[円](%)
判定
三菱地所物流
リート
買い+32,035
(+7.9)
ザイマックス
・リート
買い+876
(+0.8)
×
明治電機工業中立+14
(+1.4)
表2:事前予想と結果
※事前予想の「買い」は3%以上の上昇、「中立」は±3%、「見送り」は3%以上の下落を想定しています。

でした。

今回は2勝1敗、勝率0.667とまあまあの結果でした。

3月がスタートしてから地合いが悪かっただけに、どの銘柄も株価は下がらなかったということで健闘したと思います。

今後の株価(投資口価格)の動向ですが、

三菱地所物流リートは、現時点(3/18)では、25日移動平均線を大きく上回り、これからどんどん上昇していきそうな気配です。

75日移動平均線も上抜ければ、更なる上昇が期待できそうです。

ザイマックス・リートは、75日移動平均線や25日移動平均線を勢いよく上抜けてきています

今後の上昇が楽しみです

明治電機工業は、緩やかですが、上昇基調で推移しています。

今後需給が徐々に改善して、株価のさらなる上昇に期待です。

参考になればうれしいです✨

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。

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