【立会外分売は買いか?】プラネット(2391)

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こんにちは!

直近で立会外分売の実施を発表した銘柄に関して、分売で買った場合、利益を得ることができるのか?直近の経営状況や客観的な指標、株価モメンタム等を踏まえ、総合的に分析しました。

今回は、東証ジャスダックからサービス業種のプラネットです。

最後までお付き合いいただけるとうれしいです!

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  • 立会外分売とは?
新規株主を増やすことを目的として、上場会社が大株主である銀行やオーナー経営者などの保有株を小口に分けて、証券取引所の立会外で不特定多数に売り出すこと。
取引開始前など取引時間外(=立会外)に売り出されることからこのように呼ばれる。
  • 立会外分売の魅力
    • 前日終値より安く購入可能
      • 立会外分配における買付側の購入価格は確定値段(1本値)で、分売実施日の前日終値よりディスカウントされるのが一般的。過去の例では、約3~5%のディスカウントで実施されています。(ディスカウント率は取引所の規定により最大10%)
    • 買付手数料はかからない
      • 立会外分売による買付は、通常の立会時間内の取引と種類が異なるため一般的に手数料はかからない。(売却時には通常の手数料が発生)
    • 即日売却OK
      • 立会外分売で取得した株式は、実施日(買付当日)から売却することが可能
  • デメリット:抽選で外れることもある
    • 買い申し込みが多いと、抽選ではずれて購入できないこともある。

立会外分売の概要

まとめ

実施日や株数は以下です。実施予定日は幅があり、実際の実施日と販売価格は、会社側から実施日前日に発表があります。

分売数量は決まっていて、100株単位で最大4,000株まで購入できます。

早ければ3/23(水)の夕刻に、会社側からの適時開示で分売値段のお知らせがあります。このブログでも追記しますので、チェックしてくださいね💖

分売予定期間2022 年3月 24 日(木)
分売数量120,000 
発行済み株式総数 6,632,800 株の約1.8%
分売値段1,358 円(3/23決定)
ディスカウント率3.96 %(3/23決定)
申込単位数量100株
申込上限数量4,000株
表1:プラネット 立会外分売概要

【立会外分売実施の目的】

  • 東京証券取引所の市場区分見直しに関して、スタンダード市場における流通株式比率の基準を充たすべく、同社株式の分布状況の改善および流動性の向上を図る。

この会社は、今年4月からの東証の新市場区分である「スタンダード市場」の上場維持基準に対し、基準日(2021年6月30日)時点で、「流通株式比率」が18.4%(基準:25%以上)と基準を満たしておらず

今回の立会外分売は、この基準を満たすための施策の一環として実施するものです。

今回の分売数量は、発行済み株式総数の約1.8%とほどほどの数量※です。

※一概に言えませんが、目安として、5%以上:かなり多い、3%以上5%未満:多い、1%以上3%未満:ほどほど、1%未満:少ないとしています。

また、この銘柄の直近の出来高(売買が成立した株式の数量)の5日平均は9.6百株、25日平均は14.6百株で、流動性は極端に低い水準です。

どんな会社?

データベース

業界特化型のEDI(Electronic Data Interchange)基幹プラットフォームの構築・提供・運用をしている会社です。

EDI 【Electronic Data Interchange】 電子データ交換

EDIとは、商取引に関する情報を標準的な形式に統一して、企業間で電子的に交換する仕組み。受発注や見積もり、決済、出入荷などに関わるデータを、あらかじめ定められた形式にしたがって電子化し、インターネットや専用の通信回線網など通じて送受信する。

IT用語辞典 e-Wordsより

主に日用品・化粧品業界で運用されていますが、その他にも、ペットフード・ペット用品業界、OTC(Over The Counter:カウンタ越しの販売形態)医薬品業界にも採用され、現在は消費財流通の情報インフラとして機能しています。

事業は、「EDI事業」「データベース事業」「その他事業」の3つがあり、

内容は以下になっています。

  • EDI事業
    • 資材サプライヤー・メーカー・卸売業間の商取引に必要なデータ交換を行うEDI事業、データサービス。
    • 参加企業は、業界で統一されたフォーマットと標準化されたコードを利用することで、複数の企業とEDIを容易に開始することができる。
    • 「基幹EDI」「MITEOS」「Web発注」「販売レポートサービス」「資材EDI」等のサービスがあり、同社の中核事業。
  • データベース事業
    • 「取引先データベース」「商品データベース」等のサービスがある。
    • 「取引先データベース」
      EDIサービスの納品指定先に用いられる「標準取引先コード」情報を提供するサービス
    • 「商品データベース」
      日用品・化粧品、ペットフード・ペット用品、OTC医薬品等の商品情報を提供するサービス
  • その他事業
    メーカー・卸売業・小売業間のマーチャンダイジング業務を支援する情報提供サービス「バイヤーズネット」等のサービス

2021年7月期通期の事業別売上高構成比は、

  • EDI事業 91.5%
  • データベース事業 8.2%
  • その他事業 0.3%

となっており、「EDI事業」が9割を占めています。

直近の経営概況

経営状況

2022年7月期2Q(2021年8月~2022年1月)の経営成績】(2022年2月22日発表)

決算期売上高
[百万円]
(前年同期比[%])
営業利益
[百万円]
(同)
経常利益
[百万円]
(同)
親会社株主に
帰属する
当期純利益
[百万円]
(同)
2021年7月期2Q累計1,521
(0.4)
373
(19.4)
384
(19.9)
261
(21.8)
2022年7月期2Q累計1,551
(2.0)
353
(5.6)
362
(5.7)
245
(△6.1)
2022年7月期通期
会社予想
3,090
(0.8)
675
(4.3)
690
(5.0)
470
(△5.6)
通期予想に対する
2Qの進捗率[%]
50.252.352.552.1
表2:プラネット 2022年7月期2Q経営成績

2022年7月期2Q累計の業績は、前年同期比 増収減益で、売上高は微増利益面は微減の結果でした。

2022年7月期通期の業績の予想は、前期比 増収減益で、売上高は微増利益面は微減を見込んでおり、

通期予想に対する進捗率は2Q終了時点で、売上高、利益面ともに1/2程度順調です。

【2022年7月期2Qの状況、経営成績の要因】

同社事業が中心的に関わる一般消費財流通業界においては、一部の感染症対策関連商品で前年の特需への反動が見られましたが、消費者の衛生に対する意識は引き続き高く、前年並みに推移しました。

また、化粧品OTC医薬品の一部については、インバウンド需要の消失の影響が一巡したものの、外出機会減少などに伴う需要減少の影響が残り、前年を大きく上回るには至りませんでした

一方、コロナワクチンの副反応対策として解熱鎮痛剤に特需がみられたことに加え、在宅時間の増加により、自宅で快適に過ごすための高機能商品やペット関連商品の需要が増えたことなどから、全体としての需要は、引き続き堅調に推移しました。

このような状況のもと、同社は継続して感染予防策をとるとともに、「プラネット ビジョン2025」に基づき、中立的な立場で「企業間取引における業務効率の追求」「企業間におけるコミュニケーションの活性化」「流通における情報活用の推進」「社会に役立つ情報の収集と発信」を行うことで業界と社会に貢献すべく各施策への取り組みを継続しました。

事業別の活動状況は、以下のとおりです。

EDI事業

日用品・化粧品ペットフード・ペット用品OTC医薬品(一般用医薬品)に加え、健康食品や介護用品などの隣接した各業界において、

メーカー・卸売業間の「基幹EDI」サービスのさらなる普及活動を継続しました。

また、業界のオンライン取引の一層の推進を図るべく、主に中小メーカー・大手卸売業間の「Web受注-仕入通信サービス『MITEOS(ミテオス)』」や、卸売業の販売実績をメーカーに通知する「販売データ」を簡易に利用できる「販売レポートサービス」の普及活動に注力しました。

さらに、一般消費財流通業界の物流業務に関する課題解決策として同社のEDIを提供し、メーカー・卸売業間のシステム標準化・効率化を進めています。

この活動の一環として、2022年1月に、公益財団法人流通経済研究所とともに『日用品における物流標準化ガイドライン』を取りまとめました。物流業務の課題解決にはシステム対応だけでなく外装表示や荷姿の標準化も必要なことから、基本的な指針をガイドラインとしてまとめたものです。

データベース事業

各データベースサービスの付加価値向上のための取り組みを継続しました。

小売業の店舗や、卸売業の支店・物流センターなどを示す「標準取引先コード」を蓄積した「取引先データベース」において、さらなる機能改善に向けた調査を継続しました。

また、製品知識や販売促進に関する様々な情報をタイムリーかつ簡単に発信したいメーカー担当者と、魅力的な商品や販促情報を知りたい卸売業・小売業担当者とをつなぐ、流通業界に特化したマッチングサービス「THE PRODUCT TIMES(ザ プロダクト タイムズ)」は、実際に使って効果を体感してもらうため、メーカー向けに無料キャンペーンを実施するなど、ユーザー獲得に向けた活動を継続しました。

その他事業

AI・ビッグデータ活用の調査研究、開発への取り組みを継続しました。

これらの各事業の取り組みの結果、

主に基幹EDI」の売上増加などに支えられ、当2Q累計期間の売上高1,551百万円(前期比2.0%増)となりました。

売上原価は、運用業務のアウトソーシングに伴う費用などの増加により524百万円(前期比0.5%増)販売費及び一般管理費は、研究開発費や業務委託費などが増加したことにより674百万円(前期比7.9%増)となりました。

その結果、営業利益以下は表2の数値となっています。

【財政面の状況】

自己資本比率>(自己資本(総資本-他人資本)÷総資産)×100

2022年7月期2Q末時点で82.8%と前期末(83.0%)から0.2ポイント減少しました。

自己資本比率の数値としては良好なレベルです。(20%以上を安全圏内としています。)

キャッシュ・フロー

2022年7月期2Q累計のキャッシュ・フロー(以下、CF)の状況

  • フリーCF(営業活動によるCFと投資活動によるCFを合計した金額)※ 291百万円のプラス
    • 営業活動によるCF 337百万円の収入(前期 408百万円の収入)
    • 投資活動によるCF 46.1百万円の支出(前期 110百万円の支出)

フリー・キャッシュ・フロー:プラスの場合、会社が使える資金があることを意味し、マイナスの場合、会社が自由に使うことができる資金が少ないことを意味する。

前期(2021年7月期)2QのフリーCF(プラス298百万円)から7百万円悪化しています。

これは主に、ソフトウェアの取得による支出が前年同期比で68.7百万円減少したにより、投資活動によるCFの支出が減少しましたが、

税引前四半期純利益22.1百万円減少売上債権額12.8百万円増加したこと等により、営業活動によるCFの収入が減少したことが要因です。

【今期(2022年7月期通期)業績の見通し】

当期は、従来に引き続き、日用品・化粧品、ペットフード・ペット用品、OTC医薬品(一般用医薬品)に加え、

健康食品や介護用品などの隣接した各業界へ同社の主たる事業であるEDIの普及活動を続け、

中長期的に安定した成長を目指していく計画です。

通期の見通しは、 2021 年9月 15 日付「2021 年7月期決算短信〔日本基準〕(非連結)」の業績予想と変更はありません。

株価指標と動向

株価指標

【2022/3/16(水)終値時点の数値】

  • 株価:1,450円
  • 時価総額:96.2億円
  • PER(株価収益率):20.5倍

PERは、同業で時価総額が近い、エムスリー(2413) 41.4倍、サイバーリンクス(3683) 13.9倍、インフォマート(2492) 3,325倍と比較すると、低めの水準です。

  • PBR(株価純資産倍率):1.89倍
  • 信用倍率(信用買い残÷信用売り残):ー(信用売り残無し
  • 年間配当金(予想):42円(年2回 1月 21円、7月 21円)、年間利回り:2.9%(配当性向 59.3%)
決算期1株当たり
年間配当金(円)
配当性向(%)
2017年7月期3954.0
2018年7月期4049.4
2019年7月期40.554.7
2020年7月期4161.5
2021年7月期41.555.2
表3:プラネット 年間配当金推移

年利回りは2.9%で、東証ジャスダックの単純平均 1.97%(3/15時点) と比較すると高い水準です。

表3のように、直近5年間の配当金は、少しづつですが、連続増配しています。

配当性向は、50~60%程度と高めで安定して推移しています。

この会社は、

株式公開企業として、株主尊重の意義の重要性を認識し、株主への永続的かつ安定的な利益還元を行うことを最重要課題と考えています。

また、企業の成長力の強化と経営効率の向上を目指すための内部留保の蓄積を勘案しながら各期の業績を考慮に入れて利益配分を決定することを基本方針としています。

また、剰余金の配当は中間配当と期末配当の年2回行うことを基本方針としています。

【直近の株価動向】

<週足チャート(直近2年間)>

出所:楽天証券サイト

週足ベースの株価は、一昨年のコロナショック時の安値(1,005円)から上昇し、昨年2月に高値(1,650円)をつけました。

しかしその後は、緩やかながら、高値切り下げ安値切り下げの下落トレンドで推移しています。

<日足チャート(直近3か月間)>

出所:楽天証券サイト

直近の株価は、1,350~1,500円程度のレンジ内で推移しており、75日移動平均線(青線)や25日移動平均線(赤線)が下向きで、緩やかな下落トレンドでしたが、

今回の立会外分売発表の翌営業日(3/16)は、短期的な需給悪化懸念から売られると思いきや逆に上昇し、前日比 30円高(+3.6%)で高値引け(高値と終値が同値)で終了しました。

3/16時点では75日移動平均線を上抜けていますので、これをキープしさらに上昇していくのか、再び下落トレンドに戻るのか要注目です。

まとめ

まとめ

【業績】

  • 2022年7月期2Qの業績は、「基幹EDI」の売上増加があったが、運用業務のアウトソーシングに伴う費用研究開発費や業務委託費などが増加があり、前年同期比 増収減益で、売上高は微増利益面は微減の結果。
  • 2022年7月期通期予想は、前期比 増収減益で、売上高は微増利益面は微減の見込み。
  • 通期予想に対する進捗率は、2Q終了時点で、売上高、利益面ともに1/2程度で順調

【株主還元】

  • 配当金年利回りは2.9%で、東証ジャスダックの単純平均1.97%(3/15時点) と比較すると高い水準
  • 直近5年間の配当金は、少しづつだが、連続増配している。
    配当性向は、50~60%程度と高めで安定して推移

【流動性・分売数量】

  • 直近の出来高5日平均は9.6百株、25日平均は14.6百株で、流動性は極端に低い水準
  • 分売数量は、発行済み株式総数の約1.8%とほどほどの数量

【株価モメンタム】

  • 週足ベースの株価は、一昨年のコロナショック時の安値(1,005円)から上昇し、昨年2月に高値(1,650円)をつけたが、
    その後は、緩やかながら、高値切り下げ安値切り下げの下落トレンドで推移
  • 直近の株価は、1,350~1,500円程度のレンジ内で推移し、直近では緩やかな下落トレンドだったが、
    今回の立会外分売発表の翌営業日(3/16)は、短期的な需給悪化懸念から売られると思いきや逆に上昇し、前日比 30円高(+3.6%)で高値引けで終了。
  • 今後の株価は、3/16時点では75日移動平均線を上抜けており、これをキープしさらに上昇していくのか、再び下落トレンドに戻るのか要注目。

以上のことから、

レベル(最低⭐~最高⭐⭐⭐⭐⭐)
業績⭐⭐⭐
株主還元(配当、株主優待等)⭐⭐⭐⭐
株価モメンタム⭐⭐⭐
流動性
分売数量⭐⭐⭐
総合判定⭐⭐⭐(中立)
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」

と判断しました。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。

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