【立会外分売は買いか?】旭コンクリート工業(5268)

コンクリート株式投資

直近で立会外分売の実施を発表した銘柄に関して、買った場合、利益を得ることができるのか?直近の経営状況や客観的な指標、株価モメンタム等を踏まえ、総合的に分析しました。

最後までお付き合いいただけると嬉しいです!

  • 立会外分売とは?
新規株主を増やすことを目的として、上場会社が大株主である銀行やオーナー経営者などの保有株を小口に分けて、証券取引所の立会外で不特定多数に売り出すこと。
取引開始前など取引時間外(=立会外)に売り出されることからこのように呼ばれる。
  • 立会外分売の魅力
    • 前日終値より安く購入可能
      • 立会外分配における買付側の購入価格は確定値段(1本値)で、分売実施日の前日終値よりディスカウントされるのが一般的。過去の例では、約3~5%のディスカウントで実施されています。(ディスカウント率は取引所の規定により最大10%)
    • 買付手数料はかからない
      • 立会外分売による買付は、通常の立会時間内の取引と種類が異なるため一般的に手数料はかからない。(売却時には通常の手数料が発生)
    • 即日売却OK
      • 立会外分売で取得した株式は、実施日(買付当日)から売却することが可能
  • デメリット:抽選で外れることもある
    • 買い申し込みが多いと、抽選ではずれて購入できないこともある。

第8回目は、東証2部からガラス・土石製品業種の旭コンクリート工業です。

分売の概要

コンクリート トンネル

実施期間や株数は以下です。実施予定日は幅があり、実際の実施日と販売価格は、会社側が実施日前日に発表しますので前日にならないとわかりません。ただ、販売数量は決まっていて、最低100株単位で、最大10,000株まで購入できます。

早ければ、5/26(水)の夕刻に、会社側からの適時開示で実施日と分売価格のお知らせがありますので、チェックしてくださいね💖

分売実施予定日2021/5/27(木)~2021/6/2(水)
分売数量660,000株
発行済み株数13,233,000株の約5.0%
申込単位数量100株
申込上限数量10,000株
実施の目的当社株式の分布状況の改善及び流動性の向上を図るため

分売株数が、発行済み株数の5.0%とかなりの数量という印象です。

また、この銘柄の直近の出来高の5日平均は6,400株、25日平均が2,900株です。今回の分売数量は25日平均の約228営業日分ですので普段の出来高(売買が成立した株式の数量)すると、結構な数量です。この銘柄の流動性からみると、分売数量はかなり多いという認識です。

事業内容

官公需が主体のコンクリート製品を製造販売する会社です。大株主として、日本ヒュームや太平洋セメントなど東証1部上場会社が名を連ねています。

事業セグメントは、コンクリート製品の製造販売の「コンクリート関連事業」と当社が保有するマンション等の賃貸の「不動産事業」に分かれており、

2021年3月期通期の売上高構成比率は、

  • コンクリート関連事業 99.4%
  • 不動産事業 0.6%

となっており、ほとんどコンクリート関連事業で占められています。

直近の経営状況

経営状況

2021年3月期通期の経営成績は、

  • 売上高 84.2億円(前期比 14.1%減
  • 営業利益 5.1億円(同 10.6%減
  • 経常利益 5.7億円(同 2.6%減
  • 親会社株主に帰属する当期純利益 4.1億円(同 7.4%増

となっており、減収で、利益面は純利益のみ増益の結果となっています。

要因としては、コンクリート製品業界では、民間設備投資はコロナ禍での手控え感から冷え込み、一方、公共工事は堅調でしたが、受注を巡る競争は激化し、また製品納入先の工事が総じて遅れがちとなるなど、厳しい状況が続きました。
こうしたなか当社は、製品販売活動において選別受注強化による利益率向上に取り組み、併せて、耐震性・止水性に優れた接着継手工法「TB(タッチボンド) 工法」など、当社技術・工法の普及を図っています。

当期純利益が、前期より増加した理由は、特別利益として投資有価証券売却益58百万円、特別損失として固定資産除却損等16百万円を計上し、税金費用等205百万円を差し引きした結果です。

今後の見通しとして、2022年3月期通期予想は、

  • 売上高 70.0億円(前期比 16.8%減
  • 営業利益 5.7億円(同 12.2%増
  • 経常利益 6.0億円(同 4.5%増
  • 親会社株主に帰属する当期純利益 3.9億円(同 4.9%減

となっており、2021年度は減収ですが、純利益以外は増益の計画です。

建設土木業界でも、官公需では一定の工事量確保が見込まれますが、住宅・オフィスビル等の民需には多くを望み得ず、少ないパイを巡っての受注獲得競争など難しい局面が続くと考えており、こうしたなか、新型コロナウイルス感染症への備えを万全なものとして事業への影響回避・極小化に努めつつ、販売・生産の両部門が一体となって、お客様の声に迅速かつ的確にお応えできる体制を構築していくとのこと。

収益性向上・経営体質強化に向けては、販管費の見直し・節減を聖域なく実施し、棚卸資産の削減を継続して進めていくとのことです。

財務面では、自己資本比率が、2021年3月期末時点で72.0%と前期末から3.3ポイント上昇しています。

また、営業活動によるキャッシュフローは、6.5億円で前期より0.4億円ほど減少していますが、問題ないレベルと考えます。

株価指標

株価指標

5/25(火)終値時点の数値

  • 株価:758円
  • 時価総額:100.3億円
  • PER:25.5倍

PERは、同業で時価総額が近い、日本コンクリート(5269) 11.6倍、高見澤(5283) 5.0倍と比較すると、高い水準となっています。

  • PBR:0.97倍
  • 信用倍率(信用買い残÷信用売り残):ー(信用売り残無)
  • 年間配当金(会社予想):13円(年1回 3月)、年間利回り:1.7%

今期の予想配当金は、配当利回りは1.7%と、東証1部の単純平均1.79%(5/21現在)と比較し少し低めですが、ほぼ平均程度といえるでしょう。配当性向は直近で40~45%前後となっており、ほどほどに高いです。

※直近5年間の配当金は、以下のようになっています。

決算期年間配当金
2017年3月期12円
2018年3月期12円
2019年3月期12円
2020年3月期13円
2021年3月期13円
※旭コンクリート 年間配当金推移

直近5年間では、あまり変化ありませんが、2020年3月期に1円増配しています。

週足チャート(2年間):

※出所:楽天証券サイト

株価は、昨年のコロナショック前の水準にすでに回復しています。しかし、今回の立会外分売の発表後急落しており、5/20の発表から現在(5/25)までで5.4%下落しています。短期的な株式の需給悪化懸念から売られているようです。

まとめ

まとめ

2021年3月期通期の経営成績は、当期純利益以外は減収減益、2022年3月期の計画も減収増益(当期純利益は減収)となっており、業績に対する勢いはあまり感じられません。

配当金は配当性向が40%とそれなりなのですが、金額は東証2部平均の水準なので、あまり魅力は感じられません。

一時的に今回の立会外分売での需給懸念から株価が下がっているとはいえ、今後、株価が上昇してキャピタルゲインが得られるかということに関しては懐疑的ですので、今回の分配は「中立」とさせていただきます。

※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。

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