こんにちは!
直近で立会外分売を実施した銘柄に関して、立会外分売で買った場合、利益は出たのか?
分売日当日と分売後1週間後の結果を検証しました。
今回は、2024年3月に分売が実施されたRIZAPグループ、大村紙業、川崎設備工業です。
最後までお付き合いいただけると嬉しいです💖
分売値段とその後の株価推移
まずは、分売値段で買って1週間(5営業日)後まで保有した場合、含み益なのか含み損なのか?
確認していきましょう!
※売買手数料は考慮していません。
銘柄 | 分売日 | 分売 値段 [円] | ディス カウント 率[%] | 分売日 始値[円] (騰落率[%]) | 分売日 終値[円] (同) | 一週間後 の始値[円] (日付) | 損益[円] (騰落率 [%]) |
RIZAP グループ (2928) | 3/15 (金) | 377 | 3.82 | 393 (+4.2) | 405 (+7.4) | 396 (3/25) | +19 (+5.0) |
大村紙業 (3953) | 3/19 (火) | 778 | 2.99 | 786 (+1.0) | 804 (+3.3) | 802 (3/27) | +24 (+3.1) |
川崎設備工業 (1777) | 3/27 (水) | 648 | 2.99 | 650 (+0.3) | 654 (+0.9) | 650 (4/3) | +2 (+0.3) |
分売日の寄付又は大引と1週間(5営業日)後の結果は、
全ての銘柄は、全ての段階で損益プラス、
でした。
特に、RIZAPグループは、分売日の大引で売却した場合は7.4%の利益が出ています。
分売で購入し利益が出た方、おめでとうございます!
ちなみに私は、今回は購入無しでした。
それでは個別に見ていきましょう!
要因分析:RIZAPグループ(2928)
この会社の立会外分売実施前の評価は、表2のように判断していました。
レベル (⭐(最低)~ ⭐⭐⭐⭐⭐(最高)) | |
業績 | ⭐⭐⭐⭐ |
株主還元 (配当、株主優待等) | ⭐⭐⭐ |
株価モメンタム | ⭐⭐⭐ |
流動性 | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
分売数量 | ⭐⭐ |
総合判定 | ⭐⭐⭐ (中立) |
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「見送り」
今期(2024年3月期)3Qの業績は、注力している「chocoZAP」の会費収入の増加により、
前年同期比 1割弱増の増収、利益面は営業利益と税引前利益は赤字幅拡大ですが、当期利益は赤字幅縮小でした。
今期通期予想は、chocoZAP 事業の収益が好調に推移することが見込まれることから、今3Q決算発表と同時に利益面のみ上方修正し、前期比 増収で、赤字幅縮小を見込み、
その通期予想に対する進捗率は、3Q終了時点で、売上収益は7割強でそこそこでしたね。
株主還元は、配当金(予想)は今期は無配ですが、
来期(2025 年3月期)通期連結決算での黒字化を前提に、「連結配当性向 20%」を今後の配当方針としていました。
また、株主優待があり、毎年3月末に100株以上保有の株主は、株数に応じて、「chocoZAP 利用料割引」又は「株主優待ポイント」(400株以上保有のみ)が進呈され、
2024年3月末時点の株主は、「chocoZAP 日本一達成記念特別優待」ということで、内容が拡充され、100株保有の場合、従来はchocoZAP2 カ月無料だったものが「chocoZAP6 カ月半額」となり、
100株保有の場合、株主優待(3,278円÷2×6カ月=9,834円)の利回りは24.2%にもなっていましたね。
一方、最大55万個(5,500万株)の「第2回募集新株予約権」があり、新株が発行されれば最大106.7億円の資金調達し、その分の希薄化(発行済み株数の最大9.88%)が生じる点については懸念がありました。
株価モメンタムは、2022年9月に安値(135円)をつけた後は、しばらくヨコヨコで推移していましたが、
2023年10月以降は急上昇して、直近ではこの安値の約3倍の株価となっていました。
直近の株価は、昨年末に安値(252円)をつけた後は、高値切り上げ安値切り上げの上昇基調で推移し、今年3/5に年初来高値(579円)をつけましたが、
その後は調整しており、今回の立会外分売発表の翌営業日(3/8)は、分売による短期的な需給悪化と新株予約権(最大5,500万株)による希薄化を懸念され、出来高を伴い窓を開けて売られ、前日比 80円安(-16.4%)とストップ安まで急落しましたね。
その後の株価は、25日移動平均線や50日移動平均線で下げ止まり、上昇に転じていくのか、下抜けて下値模索を継続するのか注目していましたが・・・。
ご参考(立会外分売前の分析):【立会外分売は買いか?】RIZAPグループ(2928)
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月間)>
分売発表の翌々営業日に、一旦は50日移動平均線を割り込みましたが、長い下髭をつけてその日のうちにこの移動平均線の上に浮上し、その後は数営業日は上昇基調で推移しました。
そして、分売日(3/15)以降は下落基調でしたが、分売値段(377円)を割り込まずに推移しています。
要因分析:大村紙業(3953)
この会社の立会外分売実施前の評価は、表3のように判断していました。
レベル (⭐(最低)~ ⭐⭐⭐⭐⭐(最高)) | |
業績 | ⭐⭐⭐⭐ |
株主還元 (配当、株主優待等) | ⭐⭐⭐⭐ |
株価モメンタム | ⭐⭐⭐ |
流動性 | ⭐⭐ |
分売数量 | ⭐⭐ |
総合判定 | ⭐⭐⭐ (中立) |
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「見送り」
今期(2024年3月期)3Qの業績は、主力の「段ボールケース」と「段ボールシート」の売上高が伸び、
前年同期比 増収増益で、売上高は1割弱増、利益面は1~2割増でした。
今期通期予想は、顧客の段ボールニーズに対し、いち早く・的確に応えていき、
前期比 増収増益で、売上高は1割強増、利益面は1割~8倍の増益を見込み、
その通期予想に対する進捗率は、3Q終了時点で、売上高は7割でそこそこ、利益面は8割強で順調でしたね。
株主還元は、配当利回り(予想)は3.65%(3/12時点) で、東証スタンダードの単純平均 2.18%(3/11時点) と比較すると高い水準で、
直近5年間の配当金は、年間1株あたり10円で一定ですが、今期の配当金は、配当方針が変更され3倍の30円の配当予想となっていました。
そして、2023年11月に、株主還元方針が変更され、1株当たり配当金の下限値を設置することとし、
安定的な経営基盤の確立に努めるとともに内部留保を充実させ、配当は1株当たり年間配当金の下限を30 円とした安定配当の維持を基本方針としていましたね。
株価モメンタムは、2022年の年末に安値(501円)をつけた後は、緩やかながら上昇基調で推移していましたが、
2023年11月に株主還元方針の変更が発表され、それ以降急伸し、2024年1月に高値(1,080円)をつけ、その後は調整していました。
直近の株価は、昨年末に安値(727円)をつけた後は上昇基調で推移し、今年1/26に年初来高値(1,080円)をつけました。
しかしその後は調整しており、今回の立会外分売発表の翌営業日(3/12)は、分売による需給悪化を嫌気され、前日比 15円安(-1.80%)と急落し、75日移動平均線を下抜けましたね。
その後の株価は、昨年末の安値(727円)を割り込まず上昇に転じていくのか、割り込んで下値模索を継続するのか注目していましたが・・・。
ご参考(立会外分売前の分析):【立会外分売は買いか?】大村紙業(3953)
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月間)>
分売発表以降、直近の安値(727円)は割り込まず、期末一括の配当権利付き最終日までヨコヨコで推移しました。
そして、配当落ち日以降は、分売による需給悪化がなかなか解消されず、ずるずると下落基調で推移しています。
要因分析:川崎設備工業(1777)
この会社の立会外分売実施前の評価は、表4のように判断していました。
レベル (⭐(最低)~ ⭐⭐⭐⭐⭐(最高)) | |
業績 | ⭐⭐⭐⭐ |
株主還元 (配当、株主優待等) | ⭐⭐⭐ |
株価モメンタム | ⭐⭐⭐⭐ |
流動性 | ⭐⭐ |
分売数量 | ⭐⭐ |
総合判定 | ⭐⭐⭐ (中立) |
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「見送り」
今期(2024年3月期)3Qの業績は、受注高が249億円(前年同期比 37.6%増)となり、
前年同期比 増収増益で、売上高は1割増、利益面は1割強増でした。
今期通期予想は、ESG経営を推進して、黒字安定経営の継続を目指し、
前期比 増収増益で、売上高は1割強増、利益面は1割弱増を見込み、
その通期予想に対する進捗率は、3Q終了時点で、売上高、利益面ともに6~7割でそこそこでしたね。
株主還元は、配当利回り(予想)は2.64%(3/21時点) で、東証スタンダードの単純平均 2.16%(3/19時点) と比較すると高い水準で、
直近5年間の配当金は、年間1株あたり10~18円で推移し、配当性向は、10~30%程度でした。
会社の還元方針は、企業体質の改善、経営基盤の強化を図りながら、安定配当の継続を行うことを基本方針としていました。
株価モメンタムは、2022年4月に安値(396円)をつけた後は、高値切り上げ安値切り上げの上昇トレンドで推移し、2024年1月に高値(709円)をつけていました。
直近の株価は、今年1月末に年初来高値(709円)をつけるまでは上昇基調でしたが、その後はこの高値を超えられず、ヨコヨコで推移し、
そして、今回の立会外分売発表の翌営業日(3/21)は、出来高は増加しましたが、それほど株価は変動せず、前日比 13円安(-1.87%)と下落しましたね。
その後の株価は、25日移動平均線や75日移動平均線をキープし、上昇基調を継続するのか、下抜けて下落トレンド入りするのか注目していましたが・・・。
ご参考(立会外分売前の分析):【立会外分売は買いか?】川崎設備工業(1777)
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月間)>
分売発表以降は下落基調で推移しましたが、75日移動平均線の上をキープし、
分売日以降も分売値段(648円)を割り込まずに推移しました。
ただ、なかなか上昇の波に乗ってくるようなこともなくヨコヨコで推移しています。
まとめ
RIZAPグループ(2928)、大村製紙(3953)、川崎設備工業(1777)の立会外分売の事前予想と1週間(5営業日)後の株価は、表5の結果になりました。
銘柄名 | 事前 予想 | 結果(損益) (「5営業日後始値」 ー「分売値段」) [円](騰落率[%]) | 判定 |
RIZAP グループ | 中立 | +19 (+5.0) | × |
大村紙業 | 中立 | +24 (+3.1) | × |
川崎設備工業 | 中立 | +2 (+0.3) | 〇 |
※事前予想の「買い」は3%以上の上昇、「中立」は±3%、「不参加」は3%以上の下落を想定しています。
今回は1勝2敗、勝率0.333。反省です(__)
今回は、3月20日以降は日経平均がさえない動きだったこともあり、総じてどの銘柄も、分売日以降に目立った上昇は見られませんでした。
そして、上昇に転じるというところまで至らず、下落基調が続いています。
今後の個別動向ですが、
RIZAPグループは、直近ではヨコヨコの動きですが、50日移動平均線の上をキープしています。
chocoZAP 事業のさらなる上ブレが確認できれば、株価の伸長が期待できそうです。
大村紙業は、3月末に期末一括配当の権利落ちとなり、それ以降は株価はさえない状況です。
年間配当金の下限が1株当たり30円ということで安心感がありますので、いずれ株価が戻ってくるものと考えます。
川崎設備工業は、現状では75日移動平均線で踏みとどまっている状況です。
業績は安定していますので、ヨコヨコからの上昇転換に期待です。
参考になればうれしいです✨
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。