こんにちは!
直近で公募増資・売出(以下、PO)を実施した銘柄に関して、POに応募して買った場合、利益は出たのか?
受渡期日当日と1週間後の結果を検証しました。
今回は、受渡期日が2023年10月のAnyMind Group、AB&Company、NATTY & SWANKYです。
最後までお付き合いいただけると嬉しいです💖
発行(売出)価格とその後の株価推移
まずは、発行(売出)価格で買って1週間(5営業日)後まで保有した場合、含み益なのか含み損なのか?確認していきましょう!
※売買手数料は考慮していません。
受渡期日の寄付又は大引けと1週間(5営業日)後の結果は、
NATTY & SWANKYは全ての段階で損益プラス、
AnyMind GroupとAB & Companyは全ての段階で損益マイナス、
の結果でした。
NATTY & SWANKYは、受渡日の寄付で売却した場合、1.3%の利益が出ています。
POで購入し、利益が出た方おめでとうございます!
ちなみに、私は今回は購入無しでした。皆さんはいかがでしたでしょうか?
それでは個別に見ていきましょう!
要因分析:AnyMind Group(5027)
この会社のPO発表時の評価は、表2のように判断していました。
レベル (⭐(最低)~ ⭐⭐⭐⭐⭐(最高)) | |
業績 | ⭐⭐⭐⭐ |
株主還元 (配当、株主優待等) | ⭐⭐ |
株価モメンタム | ⭐⭐⭐ |
流動性 | ⭐⭐⭐ |
株式の売出数量 | ⭐⭐⭐ |
総合判定 | ⭐⭐⭐ (中立) |
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」
今期(2023年12月期)2Qの業績は、全てのプラットフォームにおいて売上収益および売上総利益が着実に成長し、
前年同期比 増収増益で、売上高は3割強増、利益面は営業利益は黒字転換、経常利益は2割強の減益、最終利益は7割弱の増益でした。
今期通期予想は、今回のPO発表と同時に上方修正して、前期比 増収増益で、売上高は3割強増、利益面は営業利益と経常利益は4割弱~16倍の増益ですが、最終利益は微減の減益を見込んでおり、
その通期業績予想に対する進捗率は、2Q終了時点で、売上高1/2程度でそこそこでしたが、利益面は2割強~4割弱と遅れ気味でしたね。
株主還元は、配当金は創業以来無配でしたが、
経営基盤の長期安定に向けた財務体質の強化及び事業の継続的な成長を目指すため、必要な内部留保の確保を優先していることは理解でき、今後の業績の拡大とともに株価が伸長すれば、株主の利益になることが期待できました。
株価モメンタムは、2023年3月に上場後、翌月4月に上場来安値(861円)をつけた後、同年6月に急上昇し、7月に上場来高値(1,587円)をつけました。
しかし、その後は急下降して1,000円を割り込んで推移していました。
直近では、今回のPOと通期業績の上方修正を発表した翌営業日は、POによる需給悪化懸念より通期業績の上方修正の好感が上回り、出来高を伴い前日比 44円高(+4.76%)と上昇していました。
その後は、25日移動平均線や75日移動平均線を上抜いて上昇に転じていくのか、直近の安値(885円)を下抜けて下値模索をするのか注目していましたが・・・。
ご参考(PO前の分析):【公募増資・売出(PO)は買いか?】AnyMind Group(5027)
【PO発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
PO発表の翌営業日(9/26)は、同時に通期業績を上方修正していたこともあり、大きく下落はしていなかったのですが、
その翌営業日から下落基調が始まり、直近の安値をあっさり下抜けて、受渡日1週間後までには、需給悪化が収まらず下げ止まりませんでした。
しかし、直近ではようやく下げ止まりを見せ、現時点(11/8)では、25日移動平均線(赤線)の上に浮上してきています。
要因分析:AB & Company(9251)
この会社のPO発表時の評価は、表3のように判断していました。
レベル (⭐(最低)~ ⭐⭐⭐⭐⭐(最高)) | |
業績 | ⭐⭐⭐⭐ |
株主還元 (配当、株主優待等) | ⭐⭐⭐⭐ |
株価モメンタム | ⭐⭐ |
流動性 | ⭐⭐⭐ |
株式の売出数量 | ⭐⭐ |
総合判定 | ⭐⭐⭐ (中立) |
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」
今期(2023年10月期)3Qの業績は、直営美容室運営事業が新規出店や直営店舗増加により、
前年同期比 増収増益で、売上収益は4割強増、利益面は5割強の増益で好調でした。
今期通期予想は、店舗数の増加など、全3セグメントとも堅調に推移すると見込み、
前期比 増収増益で、売上収益は3割強増、利益面は2割強増を見込んでおり、
その通期業績予想に対する進捗率は、3Q終了時点で、売上高は3/4程度でそこそこ、利益面は9割弱で順調でしたね。
株主還元は、配当利回り(予想)は2.53%(10/4時点) で、東証グロースの単純平均0.46%(10/3時点) と比較すると高い水準でした。
直近5年間の配当金は、前々期までは無配でしたが、前期(2022年10月期)に初配していました。
また、株主優待があり、10月末に100株以上保有の株主は、8,000円相当の自社オンラインストアで使用できる優待券(1枚)が進呈され、
100株保有の場合、配当金+株主優待(8,000円相当)で利回りは9.75%となっているところは魅力的でしたね。
そして、今回の株式の売出しと同時に、今回の同社株式の売出しに伴う株式需給への影響を緩和するため、自己株式の取得の発表を行っており、
今回の株式の売出数量(発行済み株式総数の最大(OA含む)約34.4%)に対し、約1/5程度を市場で取得し、需給悪化の緩和を図っていた点は安心材料でした。
株価モメンタムは、2021年11月に上場した翌月に上場来高値(1,609円)をつけましたが、その後は下落基調で推移し、翌年6月に上場来安値(675円)をつけました。
しかしその後は上昇に転じ、上昇基調で推移していました。
直近では、8月下旬に年初来高値(1,285円)をつけるまでは上昇基調で推移していたが、その後はヨコヨコで、
今回のPOと自社株買い発表の翌営業日(10/3)は、株式の売出しによる需給悪化懸念により、窓を開けて前日比 177円安(-14.1%)と急落しましたね。
その後は、5月につけた安値(976円)や年初来安値(896円)を下抜けずに上昇に転じていくのか、下抜けて下値模索をするのか注目していましたが・・・。
ご参考(PO前の分析):【公募増資・売出(PO)は買いか?】A B & C o m p a n y(9251)
【PO発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
PO発表翌営業日(10/3)以降は、売出価格等決定日の前営業日までは上昇しましたが、
それ以降は、再びPOによる需給悪化懸念が再燃して下落基調で推移し、受渡日1週間後には、売出価格を割り込みました。
そして、10月末権利の配当と株主優待権利落ちで、さらに下落しています。
要因分析:NATTY & SWANKY(7674)
この会社のPO発表時の評価は、表4のように判断していました。
レベル (⭐(最低)~ ⭐⭐⭐⭐⭐(最高)) | |
業績 | ⭐⭐⭐⭐ |
株主還元 (配当、株主優待等) | ⭐⭐⭐⭐ |
株価モメンタム | ⭐⭐ |
流動性 | ⭐⭐ |
新株式の発行数量 | ⭐⭐⭐ |
総合判定 | ⭐⭐⭐ (中立) |
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」
今期(2024年1月期)2Qの業績は、3月に価格改定を実施し、原価面は取引先の見直しや価格交渉を継続していること、自動発注システムの活用による食材ロスの削減等により原価の上昇を抑制等により売上高原価率が低減し、
前年同期比 増収増益で、売上高は2割強増、利益面は黒字転換でした。
今期通期予想は、1Q決算発表時に上方修正し、前期比 増収増益で、売上高は2割強増、利益面は黒字転換を見込み、
その通期業績予想に対する進捗率は、2Q終了時点で、売上高、利益面ともに1/2程度でそこそこでしたね。
株主還元は、配当利回り(予想)は0.14%(10/16時点) で、東証グロースの単純平均0.47%(10/13時点) と比較すると低い水準でした。
また、株主優待があり、100株以上保有の株主は7月末と1月末の年2回、全国の「肉汁餃子のダンダダン」で使用できるお食事券 10,000円分(1,000円券×10枚)が進呈され、
100株保有の場合、配当金+株主優待(10,000円相当×年2回=20,000円相当)で、利回りは6.11%となっているところは魅力的でしたね。
株価モメンタムは、2021年12月に安値(2,882円)をつけた後は、3,000円前後のヨコヨコで推移していましたが、2023年6月に入った後、急上昇し高値(4,230円)をつけました。
しかしその後は、高値を切り下げながら推移しました。
直近では、9/13に高値(4,035円)をつけた後は、下落基調で推移しており、
今回のPO発表の翌営業日(10/16)は、POによる1株利益の希薄化懸念から、窓を開けて出来高を伴い前日比 170円安(-4.83%)と急落しましたね。
その後は、1月につけた年初来安値(3,000円)を下抜けずに上昇に転じるのか、下抜けて下値模索をするのか注目していましたが・・・。
ご参考(PO前の分析):【公募増資・売出(PO)は買いか?】NATTY SWANKYホールディングス(7674)
【PO発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
PO発表の2営業日後を底にして、数営業日は上昇基調で推移しましたが、
その後はヨコヨコで推移し、受渡日(10/31)に窓を開けて急落しました。
そして受渡日以降は、何とか発行価格(3,273円)を割り込まず、3,300円前後で推移しています。
まとめ
AnyMind Group(5027)、AB & Company(9251)、NATTY SWANKY(7674)のPO予想と一週間(5営業日)後の株価は、表5の結果になりました。
銘柄名 | 事前予想 | 結果(損益)[円] (「受渡日の1週間 (5営業日)後始値」 ー「発行価格」) (損益率[%]) | 判定 |
AnyMind Group | 中立 | -217 (-25.7) | × |
AB & Company | 中立 | -6 (-0.5) | 〇 |
NATTY SWANKY | 中立 | +37 (+1.1) | 〇 |
※事前予想の「買い」は3%以上の上昇、「中立」は±3%、「見送り」は3%以上の下落を想定しています。
今回は2勝1敗、勝率0.667。まあまあでした(__)
どの銘柄も、受渡日以降、POによる需給悪化や1株利益の希薄化懸念が解消しきれず、下落基調の継続又はヨコヨコの展開でした。
特にAnyMind Groupは、売出価格から受渡日1週間(5営業日)後の下落率が25.7%とかなり大きくなってしまいました。
ただ、その分の今後の戻りも大きいと予想されます。
今後の動向ですが、
AnyMind Groupは、11月に入りヨコヨコからの上昇転換を見せつつあります。25日移動平均線の上を定着した後の、更なる上昇が期待できそうです。
AB & Companyは、10月末の配当を株主優待の権利落ちから、徐々に株価を押し上げつつあります。
10月以降の2つの窓埋めを目指す展開になりそうです。
NATTY SWANKYは、直近ではヨコヨコの展開が続いています。
ですが、1月末の株主優待権利取りに向けて、そろそろ上昇転換してもおかしくありません。
参考になればうれしいです✨
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。