こんにちは!
直近で立会外分売を実施した銘柄に関して、立会外分売で買った場合、利益は出たのか?
分売日当日と分売後1週間後の結果を検証しました。
今回は、2023年11月に分売が実施された秋川牧園、協和日成、トヨクモです。
最後までお付き合いいただけると嬉しいです💖
分売値段とその後の株価推移
まずは、分売値段で買って一週間(5営業日)後まで保有した場合、含み益なのか含み損なのか?
確認していきましょう!
※売買手数料は考慮していません。
銘柄 | 分売日 | 分売 値段 [円] | ディス カウント率 [%] | 分売日 始値[円] (騰落率[%]) | 分売日 終値[円] (同) | 一週間後 の始値[円] (日付) | 損益[円] (騰落率 [%]) |
秋川牧園 (1380) | 11/20 (月) | 1,010 | 2.98 | 1,037 (+2.7) | 1,030 (+2.0) | 1,034 (11/28) | +24 (+2.4) |
協和日成 (1981) | 11/21 (火) | 1,265 | 3.95 | 1,257 (-0.6) | 1,256 (-0.7) | 1,254 (11/29) | -11 (-0.9) |
トヨクモ (4058) | 11/21 (火) | 1,272 | 2.97 | 1,295 (+1.8) | 1,358 (+6.8) | 1,363 (11/29) | +91 (+7.2) |
分売日の寄付又は大引と1週間(5営業日)後の結果は、
秋川牧園とトヨクモは、全ての段階で損益プラス、
協和日成は、全ての段階で損益マイナス、
の結果でした。
トヨクモは、分売日1週間後(5営業日)の寄付で売却した場合は7.2%の利益が出ていました。
分売で購入し利益が出た方、おめでとうございます!
ちなみに私は、今回は購入無しでした。
それでは個別に見ていきましょう!
要因分析:秋川牧園(1380)
この会社の立会外分売実施前の評価は、表2のように判断していました。
レベル (⭐(最低)~ ⭐⭐⭐⭐⭐(最高)) | |
業績 | ⭐⭐⭐ |
株主還元 (配当、株主優待等) | ⭐⭐ |
株価モメンタム | ⭐⭐⭐ |
流動性 | ⭐ |
分売数量 | ⭐⭐⭐ |
総合判定 | ⭐⭐⭐ (中立) |
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」
今期(2024年3月期)2Qの業績は、鶏肉及び冷凍加工食品を中心に販売が好調に推移したことに加え、製品の値上げ効果もあり、売上高は増加。
利益面は、飼料価格や人件費の上昇などのコストアップ要因がありましたが、販売増及び値上げによる効果や工場等の生産性の向上が寄与し、
前年同期比 増収増益で、売上高は1割弱増、利益面は営業利益は黒字転換、経常利益と純利益は4倍弱~5倍強の増益でした。
今期通期予想は、生産卸売事業、直販事業ともに増収を見込んで、利益面は製品の値上げをさらに進め、飼料価格安定基金からの補填金収入の縮小等があり、
前期比 増収増益で売上高は1割弱増、利益面は営業利益は4倍強の増益、経常利益と純利益は4割弱の減益を見込み、
その通期予想に対する進捗率は、2Q終了時点で、売上高は5割程度でそこそこ、利益面は営業利益は5割程度でそこそこで、経常利益と純利益は8割を超過しており順調でしたね。
株主還元は、配当利回り(会社予想)は0.95%(11/10時点)で、東証スタンダードの単純平均 2.30%と比較すると低い水準でした。
直近5年間の配当金は、年間1株当たり5~10円で推移しており、2020年3月期までは5円でしたが、2021年3月期以降は2倍の10円配当となっていました。
また、株主優待があり、毎年3月末に500株以上保有の株主は、1,500円相当(1,000株以上は3,500円相当)の自社商品詰合せが進呈され、
少しハードルは高いですが、500株保有の場合、配当金+株主優待(1,500円相当)で利回りは1.23%となっていましたね。
株価モメンタムは、2021年12月に安値(1,025円)をつけた後しばらくヨコヨコで推移していましたが、2022年8月に急騰し高値(1,370円)をつけました。
しかしすぐに急騰前の元の値に戻り、それ以降は1,050円近辺でほとんど動きがない状況でした。
直近の株価は、9/28の1日のみ急騰し高値(1,094円)をつけましたが、その後は元の値に戻っており、1,040~1,060円の狭いレンジ内での値動きになっていました。
その後の株価は、1,040~1,060円のレンジ内を上抜け、上昇基調で推移するのか、分売による需給悪化を懸念されレンジ内を下抜けるのか注目していましたが・・・。
ご参考(立会外分売前の分析):【立会外分売は買いか?】秋川牧園(1380)
【立会外分売発表後の株価の動き】
分売発表翌営業日以降は、それほど大きな値動きはありませんでしたが、
分売日(10/20)に1,040~1,060円のレンジ内を下抜け、大きな陰線をつけて、分売値段(1,010円)に近づくような値動きとなりました。
しかし、分売値段は割り込まず、分売日以降はヨコヨコで推移しています。
要因分析:協和日成(1981)
この会社の立会外分売実施前の評価は、表3のように判断していました。
レベル (⭐(最低)~ ⭐⭐⭐⭐⭐(最高)) | |
業績 | ⭐⭐⭐ |
株主還元 (配当、株主優待等) | ⭐⭐⭐ |
株価モメンタム | ⭐⭐⭐ |
流動性 | ⭐ |
分売数量 | ⭐⭐⭐ |
総合判定 | ⭐⭐⭐ (中立) |
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」
今期(2024年3月期)2Qの業績は、ガス事業者の設備投資計画に基づく工事が好調を維持したことに加え、東京都水道局関連工事やLCS工事の受注も好調に推移し、利益面では、建築設備事業やガス設備事業において原価率の高い物件の完成が多かったことにより、
前年同期比 増収減益で、売上高は微増、利益面は営業利益は1割弱の減益でしたが、経常利益と純利益は1割弱~4割強の増益でした。
今期通期予想は、主力のガス導管事業で各ガス事業者の設備投資計画が引き続き堅調に推移することを見込み、前期比 増収減益で、売上高は微増、利益面は微減の減益で、
その通期予想に対する進捗率は、2Q終了時点で、売上高は5割程度でそこそこ、利益面は3割程度で遅れ気味でしたね。
株主還元は、配当利回り(会社予想)は2.07%(11/10時点)で、東証スタンダードの単純平均 2.30%と比較するとやや低い水準でした。
直近5年間の配当金は、年間1株当たり17~30円で推移しており、配当性向は20~30%で安定して推移していました。
また、会社の方針は、長期的かつ安定的な配当を維持・向上することを基本とし、配当性向 30%から引き上げを図り、2024年度に配当性向 40%を達成することを目標としており、この点は安心感がありましたね。
株価モメンタムは、2022年2月に安値(1,026円)をつけた後は、上昇基調で推移しており、2022年の年末に高値(1,678円)をつけましたが、その後は調整し、1,400円前後のヨコヨコの展開が続いていました。
直近の株価は、基本的には上昇基調で推移していましたが、
売買が全く成立しない日もあり、出来高が極端に少ないため、値動きが読みづらい状況でした。
ご参考(立会外分売前の分析):【立会外分売は買いか?】協和日成(1981) <2023年11月実施>
【立会外分売発表後の株価の動き】
立会外分売発表の翌営業日は売買が成立せず、その翌営業日(11/13)は、分売による需給悪化を懸念され、大きめの陰線をつけて下落しました。
そして、分売日(11/21)は分売値段(1,265円)に鞘寄せするように、窓を開けて下落し、結局分売値段を割り込みました。
そしてそれ以降、分売日の株価とほとんど変化なく、ヨコヨコで推移しています。
要因分析:トヨクモ(4058)
この会社の立会外分売実施前の評価は、表4のように判断していました。
レベル (⭐(最低)~ ⭐⭐⭐⭐⭐(最高)) | |
業績 | ⭐⭐⭐⭐ |
株主還元 (配当、株主優待等) | ⭐⭐⭐ |
株価モメンタム | ⭐⭐ |
流動性 | ⭐⭐ |
分売数量 | ⭐⭐ |
総合判定 | ⭐⭐⭐ (中立) |
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」
今期(2023年12月期)3Qの業績は、契約数が順調に積み上がり、売上⾼は伸長し、利益面は、⼈件費へ投資し販管費が増加しましたが、昨年程度の利益で、
前年同期比 増収増益で、売上高、利益面ともに3割弱増でした。
今期通期予想は、kintone連携サービスの認知の広まりやクロスセルなどが奏功し、今3Q決算発表と同時に上方修正し、
前期比 増収増益で売上高は3割弱増、利益面は3~4割の増益を見込み、
その通期予想に対する進捗率は、3Q終了時点で、売上高は、利益面ともに3/4程度でそこそこしたね。
株主還元は、配当利回り(会社予想)は0.75%(11/15時点)で、東証グロースの単純平均 0.50%と比較するとやや高い水準でした。
直近5年間の配当金は、年間1株当たり0~7円で推移しており、2021年12月期に初配した後は、連続増配を継続中でしたね。
また、会社の方針は、期末当期純利益の20%程度の配当性向を基準として、株主への継続的な利益還元を実施するとしていました。
株価モメンタムは、2021年11月に高値(2,650円)をつけた後は、右肩下がりの下落トレンドで推移し、2023年1月に安値(1,071円)をつけました。
しかしその後は、高値を切り上げながら推移していました。
直近の株価は、8/30に高値(1,663円)をつけた後は、下落基調で推移し、10/4に安値(1,300円)をつけ、その後は、ヨコヨコから一旦は上昇に転じましたが続かず、
そして、今回の立会外分売と今3Q決算発表、通期業績の上方修正発表の翌営業日(11/14)は、立会外分売による需給悪化を嫌気され、出来高を伴い前日比 141円安(-9.44%)と急落しました。
その後の株価は、10月につけた直近の安値(1,300円)や1月につけた年初来安値(1,071円)を下抜けずに上昇に転じていくのか、下抜けて下値模索をするのか注目していましたが・・・。
ご参考(立会外分売前の分析):【立会外分売は買いか?】トヨクモ(4058)
【立会外分売発表後の株価の動き】
分売発表後の翌営業日から分売日(11/21)の2営業日前まで下落基調で推移しましたが、それ以降は、分売による需給悪化懸念が後退し、上昇に転じました。
そして現時点(12/4)では、25日移動平均線(赤線)を超えて推移しています。
まとめ
秋川牧園(1380)、協和日成(1981)、トヨクモ(4058)の立会外分売の事前予想と1週間(5営業日)後の株価は、表5の結果になりました。
銘柄名 | 事前 予想 | 結果(損益) (「5営業日後始値」 ー「分売値段」)[円] (騰落率[%]) | 判定 |
秋川牧園 | 中立 | +24 (+2.4) | 〇 |
協和日成 | 中立 | -11 (-0.9) | 〇 |
トヨクモ | 中立 | +91 (+7.2) | × |
※事前予想の「買い」は3%以上の上昇、「中立」は±3%、「不参加」は3%以上の下落を想定しています。
今回は2勝1敗、勝率0.667。まあまあの結果でした。
秋川牧園と協和日成は、分売日に分売値段に鞘寄せするような値動きとなり、その後はヨコヨコの値動きになりました。
対照的に、トヨクモは、分売日の2営業日前で下げ止まり、それ以降は分売による需給悪化懸念が後退して上昇基調で推移しました。
分売日まである程度株価が落ち切れば、その後は反転して上昇に転じる傾向があるようですね。
今後の株価動向ですが、
秋川牧園は、分売日以降はヨコヨコの値動きが続いています。
分売前の1,040~1,060円のレンジ内に戻ってこれるかが焦点になりそうです。
協和日成も、分売日以降ほとんど値動きがありません。
分売前の株価に戻ってくるのは時間がかかりそうです。
トヨクモは、75日移動平均線を超えそうで超えれない状況です。
ただこの上値抵抗を超えてくれば、一段高も期待できそうです。
参考になればうれしいです✨
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。