直近で立会外分売を実施した銘柄に関して、立会外分売で買った場合、利益は出たのか?
分売日当日と分売後1週間後の結果を検証しました。
今回は、12/21(火)に分売が実施された三ツ知、 12/22(水)のエプコ、12/24(金)の植松商会です。
最後までお付き合いいただけると嬉しいです💖
分売値段とその後の株価推移
まずは、分売値段で買って一週間(5営業日)後まで保有した場合、含み益なのか含み損なのか?を確認していきましょう!
銘柄 | 分売日 | 分売 値段 [円] | ディス カウント率 [%] | 分売日 始値[円] (増減[円]) | 分売日 終値[円] (同) | 一週間後 の始値[円] (日付) | 損益[円] (増減率[%]) |
三ツ知 (3439) | 12/21 (火) | 2,525 | 3.52 | 2,451 (-74) | 2,415 (-110) | 2,414 (12/28) | -111 (-4.4) |
エプコ (2311) | 12/22 (水) | 716 | 3.50 | 740 (+26) | 769 (+53) | 780 (12/29) | +64 (+8.9) |
植松商会 (9914) | 12/24 (金) | 555 | 3.48 | 555 (±0) | 554 (-1) | 553 (1/4) | -2 (-0.4) |
分売日の寄付又は大引けと1週間(5営業日)後の結果は、
エプコは、どの時点で売却しても損益プラス、
三ツ知は、どの時点で売却しても損益マイナス、
植松商会は、分売日の寄付で売却した場合はトントンでしたが、それ以外は損益マイナスでした。
エプコを分売で購入された方、おめでとうございます!
ちなみに私は、今回は購入無しでした。
それでは個別に見ていきましょう!
要因分析:三ツ知(3439)
この会社の2022年6月期1Qの業績は、新型コロナウイルス感染拡大による一時期の稼働停止があった前年同期に比べ受注は回復しており、前年同期比 増収増益で、売上は3割弱増収、利益面は黒字転換しており好調でした。
2022年6月期通期予想は、会計基準が前期と異なるので単純比較はできませんが、前年比で減収増益を見込んでおり、
その通期予想に対する進捗率1Q終了時点で、売上高、利益面ともに1/4程度でそこそこの進捗でした。
株主還元は、配当は年利回り 2.3%(12/14時点)で、東証ジャスダックの単純平均1.70%と比較すると少し高い水準で、
直近5年間の配当金は、純利益が赤字だった2020年6月期を除き、年間55~65円で安定しており、
配当性向も、赤字の年を除き、20%台~30%台で安定していましたね。
流動性は、直近の出来高の5日平均は3百株、25日平均は6百株で、極端に低い水準でしたので、売りたい時に売りたい価格で売却できないということがありました。
株価モメンタムは、直近では、11月中旬に急騰して、11/22に高値(2,960円)をつけた後の株価は調整していました。
今回の立会外分売発表の翌営業日(12/14)はほどんど反応はなく、前日比変わらずで終了しましたが、
立会外分売による短期的な需給悪化を懸念して、分売日の1営業日前(12/20)と分売日(12/21)に売り込まれてしまいましたね。
ご参考(分売前の分析):【立会外分売は買いか?】三ツ知(3439)
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>※2021年12月末の1対2の株式分割前の価格で表示
立会外分売発表直後は、株価はほとんど反応はなかったのですが、
分売日(12/21)の1営業日前から急落し始め、分売日の翌営業日まで下落しました。
その後は、分売日1週間程度は株価を戻す動きとなりましたが続かず、結局元の下落トレンドに戻っています。
要因分析:エプコ(2311)
この会社の2021年12月期3Qの業績は、主力のD-TECH事業の利益の伸びが大きく、前年同期比 増収増益で、売上高は1割増、利益面は、営業利益は2割増でしたが、経常利益は微減、純利益は2割弱減益の結果でした。
その通期予想に対する進捗率は、純利益は4Qに株式売却益が発生する予定のために3Q時点では遅れていましたが、それ以外の売上、利益ともに3Q終了時点で3/4程度とそこそこの進捗でした。
株主還元は、配当は年利回り 4.0%(12/15時点)となっており、東証1部の単純平均1.96%と比較すると2倍の高い水準であり、
直近5年間の配当金は年間27.5円~30円で安定していて、配当性向は60%~80%台と高めでした。
会社の方針として、連結配当性向50%及び純資産配当率(DOE)8%を目安とした利益還元を安定的に実施するとしており、安心感がありましたね。
また、今回の立会外分売の目的は、来年4月からの東証の新市場区分における上場維持基準への適合へ向けて、「流通株式時価総額」「売買代金」の各項目の基準を充たすために実施されるもので、
目的が明確であり、流動性が高まることにより株価上昇につながると考えていました。
株価モメンタムは、週足ベースでは、昨年のコロナショック時の安値(665円)をつけた後、急激に上昇し、同年7月に2倍以上の高値(1,424円)をつけた後は、下落トレンドで推移していました。
今回の立会外分売発表の翌営業日(12/15)は、結局大きめの陽線で終値808円(前日比 26円安(-3.1%))で終了し、需給悪化懸念はそれほどないと思いきや、分売日(12/22)までは下落が続きました。
ご参考(分売前の分析):【立会外分売は買いか?】エプコ(2311)
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
分売発表後の株価は、分売日前日(12/21)まで下落しましたが、そこで下落は止まり、分売日(12/22)は、一度も分売価格(716円)を下回らず、出来高を伴い大きめの陽線で上昇しました。
その後も今年の大発会までは上昇を続け、それ以降は再び下げ始めています。
要因分析:植松商会(9914)
この会社の2022年3月期2Qの業績は、前年同期比 増収増益で、全ての取扱商品群で増収となっており、全体の売上は3割弱の増収、利益面は黒字転換しており好調でした。
2022年3月期通期予想は、前年比 増収増益で黒字転換を見込んでおり、
その通期予想に対する進捗率は、売上高は5割程度でそこそこでしたが、利益面はすでに通期予想に達しようとしており、
上方修正をしてもおかしくない状況でしたが、上方修正されておらず、保守的な印象がありました。
株主還元は、配当は年利回り 1.6%(12/17時点)で、東証ジャスダックの単純平均1.70%(12/16時点) とほぼ同じ水準ですが、
直近5年間の配当性向は、50%~80%台と高めで推移しているところは、株主にとっては良かったですですね。
流動性に関しては、直近の出来高の5日平均は22百株、25日平均は6百株で、流動性は極端に低い水準であり、
分売数量は、発行済み株式総数の約4.1%と多めの数量でしたのでその点は懸念されるところでした。
株価モメンタムは、2019年末から長い間下落トレンドで推移していましたので、上昇の気配が感じられませんでした。
今回の立会外分売発表の翌営業日(12/17)は、短期的な需給悪化懸念からか、大きめの陰線をつけて前日比 33円安(-5.1%)で終了して、下げが加速すると思いきや、分売日(12/24)以降は下げ止まりましたね。
ご参考(分売前の分析):【立会外分売は買いか?】植松商会(9914)
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
分売発表後の株価は、分売日(12/24)まで急落しましたが、何とか分売値段(555円)近辺で下げ止まりました。
そしてその後は、もみ合いの展開が続いています。
まとめ
三ツ知(3439) 、エプコ(2311)、植松商会(9914)の立会外分売予想と一週間(5営業日)後の株価は、
銘柄名 | 事前予想 | 結果(損益)[円](%) (「1週間(5営業日)後始値」 ー「発行価格」) | 判定 |
三ツ知 | 中立 | -111 (-4.4) | × |
エプコ | 中立 | +64 (+8.9) | × |
植松商会 | 不参加 | -2 (-0.4) | × |
※事前予想の「買い」は3%以上の上昇、「中立」は±3%、「不参加」は3%以上の下落を想定しています。
でした。
今回は0勝3敗、勝率0.000ということで大はずれでした。大反省ですm(_ _”m)
分売日の1週間後は大きく下げた三ツ知は、昨年12月末に株式分割するということで、12月末まではそれほど下がらないのではと見ていましたが、予想以上に大きく下げましたね。
エプコは、昨年末にかけての日経平均の上げに合わせて、値を上げてきたのではと考えています。
今後の株価動向ですが、
三ツ知は、2022年初にかけて株価は下げ続けています。
今後、どこで下げ止まるか要注目です。
エプコは、日経平均と連動するかのように、今年の大発会以降また下落し始めています。
配当利回りは比較的高いですので、今後の株価の戻りに期待です。
植松商会は、出来高が少なく売買が盛り上がっていないため、なかなか上昇のきっかけを掴めない状況です。
長い間、下落が続いていますので、何とか上昇に転じることに期待です。
参考になればうれしいです✨
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。