【立会外分売は買いか?】植松商会(9914)

機械工具株式投資

こんにちは!

直近で立会外分売の実施を発表した銘柄に関して、分売で買った場合、利益を得ることができるのか?直近の経営状況や客観的な指標、株価モメンタム等を踏まえ、総合的に分析しました。

今回は、東証ジャスダックから卸売業種の植松商会です。

最後までお付き合いいただけるとうれしいです!

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  • 立会外分売とは?
新規株主を増やすことを目的として、上場会社が大株主である銀行やオーナー経営者などの保有株を小口に分けて、証券取引所の立会外で不特定多数に売り出すこと。
取引開始前など取引時間外(=立会外)に売り出されることからこのように呼ばれる。
  • 立会外分売の魅力
    • 前日終値より安く購入可能
      • 立会外分配における買付側の購入価格は確定値段(1本値)で、分売実施日の前日終値よりディスカウントされるのが一般的。過去の例では、約3~5%のディスカウントで実施されています。(ディスカウント率は取引所の規定により最大10%)
    • 買付手数料はかからない
      • 立会外分売による買付は、通常の立会時間内の取引と種類が異なるため一般的に手数料はかからない。(売却時には通常の手数料が発生)
    • 即日売却OK
      • 立会外分売で取得した株式は、実施日(買付当日)から売却することが可能
  • デメリット:抽選で外れることもある
    • 買い申し込みが多いと、抽選ではずれて購入できないこともある。

立会外分売の概要

まとめ

実施日や株数は以下です。実施予定日は幅があり、実際の実施日と販売価格は、会社側から実施日前日に発表があります。

分売数量は決まっていて、100株単位で最大1,000株まで購入できます。

早ければ12/23(木)の夕刻に、会社側からの適時開示で分売値段のお知らせがあります。このブログでも追記しますので、チェックしてくださいね💖

分売予定期間2021 年 12 月 24 日(金)(12/23発表)
分売数量95,000 
発行済み株式総数 2,340,000 株の約4.1%
分売値段555 円 (12/23発表)
ディスカウント率3.48 % (12/23発表)
申込単位数量100株
申込上限数量1,000株
実施の目的東京証券取引所の新市場区分の「スタンダード市場」における
「株主数」「流通株式時価総額」の基準の早期達成するため、
同社株式の分布状況の改善および流動性向上を図る
表1:植松商会 立会外分売概要

今回の立会外分売の目的として、

来年4月からの東証の新市場区分の移行基準日時点(2021年6月30日)における、同社の「スタンダード市場」の上場維持基準への適合状況は、「株主数」(基準:400人以上)「流通株式時価総額」(基準:10億円以上)は当該基準を充たしておらず、

同社は、「株主数」に関しては 2023 年3月までに、「流通株式時価総額」に関しては 2026 年3月までにそれぞれ上場維持基準を充たすために各種取組を進めるとしており、

今回の立会外分売は、この基準を満たすために実施されるものです。目的が明確ですね。

分売数量は、発行済み株式総数の約4.1%と多めの数量※です。

※一概に言えませんが、目安として、5%以上:かなり多い、3%以上5%未満:多い、1%以上3%未満:ほどほど、1%未満:少ないとしています。

この銘柄の直近の出来高(売買が成立した株式の数量)の5日平均は22百株、25日平均は6百株で、流動性は極端に低い水準です。

どんな会社?

丸鋸

東北地区が地盤の機械、工具及び産業機械・器具の仕入販売をしている会社です。

取扱商品は以下です。

  • 機械
    金属工作機械、鍛圧機械、自動プログラミング、製缶・鉄骨機械関連
  • 工具
    切削工具、作業工具、測定工具・機器、ツーリング工作用機器、電動工具、空気工具、その他
  • 産機
    原動機、油・空圧機器、コンプレッサー、省力化・合理化機器、荷役・搬送機器、溶接機、管工機材、保管機器、環境改善機器、ME機器、化学製品、建機、その他
  • 伝導機器
    塾受、伝導機、伝導用品、変・減速機、その他
  • その他
    鋼材、OA機器、食品関連機器、家電品、季節商品、その他

同社は、機械、工具及び産業機器・器具等の販売事業の単一セグメントです。

直近の経営概況

経営状況

2022年3月期2Q(2021年3月21日~2021年9月20日)の経営成績】(2021年10月22日発表)

決算期売上高
[百万円]
(前年同期比[%])
営業利益
[百万円]
(同)
経常利益
[百万円]
(同)
親会社株主に
帰属する純利益
[百万円]
(同)
2021年3月期2Q累計2,398
(△29.2)
△49
(ー)
△25
(ー)
△37
(ー)
2022年3月期2Q累計3,061
(27.6)
19
(ー)
56
(ー)
36
(ー)
2022年3月期通期会社予想6,000
(17.8)
20
(前期赤字)
70
(前期赤字)
37
(前期赤字)
通期予想に対する2Qの進捗率[%]51.095.080.097.3
表2:植松商会 2022年3月期2Q経営成績

2022年3月期2Qの業績は、前年同期比 増収増益で、売上は3割弱増収、利益面は黒字転換しており好調です。

通期予想は、前年比 増収増益で黒字転換を見込んでおり、

その通期予想に対する進捗率は、売上高は5割程度でそこそこですが、利益面はすでに通期予想に達しようとしています。

上方修正をしてもおかしくない状況ですが、現段階では、通期予想に関しては上方修正されていません。

【2022年3月期2Qの状況、経営成績の要因】

機械工具業界は、新型コロナウイルス感染症の影響による企業活動が制限される中で、半導体関連の好調や、輸出増加に加え精密機械や医療機械などの生産・出荷量が上向き設備稼働率も向上するなど一部の業種で回復の動きが見られるものの、

一方で半導体不足の影響に加え、東南アジアの感染拡大などを背景に部品の調達が困難となり、国内外で自動車の減産は長期化が予想されるなど下振れリスクが懸念されており、先行きの不透明感が強まっている状況となっています。

このような状況のもと、同社は、新型コロナウイルス感染症の影響により満足な営業活動を行えない状況が長期化する中で、引き続き感染防止策や衛生管理対策を講じながら営業を継続し商品供給及びサービスの提供に努め、売上の回復を図ってきました。

また、営業の効率化及び採算性を目的とした営業所の統合や、あらゆる角度から利益創出に向けた対策に取り組んできました。

以上の結果が、表2の経営成績です。

【セグメント別の業績】

取扱商品別の売上高は、表3の結果になりました。

商品売上高[百万円]
(前年比[%])
機械134
(133)
工具794
(29.7)
産機1,504
(25.7)
伝導機器327
(36.1)
その他300
(3.2)
表3:2022年3月期2Q  取扱商品別売上高

全ての商品群で売上は伸びており、特に「機械」は前年同期比2倍以上の売上になっています。

【財政面の状況】

自己資本比率>(自己資本(総資本-他人資本)÷総資産)×100

2022年3月期2Q末時点で62.6%と前期末(64.2%)から1.6ポイント減少しました。

自己資本比率の数値としては問題ない水準です。(20%以上を安全圏内としています。)

キャッシュ・フロー

2022年3月期2Qのキャッシュ・フロー(以下、CF)の状況は、営業活動によるCF 12百万円の収入投資活動によるCF 55百万円の支出の結果、営業活動によるCFと投資活動によるCFを合計したフリーCF※は43百万円のマイナスとなっています。

フリー・キャッシュ・フロー:プラスの場合、会社が使える資金があることを意味し、マイナスの場合、会社が自由に使うことができる資金が少ないことを意味する。

前期(2021年3月期)2QのフリーCF(プラス52百万円)から95百万円減少しています。

これは主に、売上債権が前年同期比で757百万円増加して営業活動によるCFの収入が減少し、投資有価証券の取得による支出が67百万増加したことにより、投資活動によるCFの支出が増加したこと等によるものです。

【今期(2022年3月期通期)の見通し】

当2Qの業績は好調に推移し、2021年4月28日に公表された2022年3月期通期の業績予想に近づく利益水準で推移していますが、

新型コロナウイルスの影響等先行きの見通を算定することが困難な状況が続いて
いることから、業績予想は据置き
としています。

2Q終了時点で、通期予想に対してこれだけ進捗していますので、少し保守的な感じです。

株価指標

株価指標

【12/17(金)終値時点の数値】

  • 株価:620円
  • 時価総額:14.5億円
  • PER:35.4倍

PERは、同業で時価総額が近い、Cominix(3173) 6.3倍、トミタ(8147) 11.5倍、英和(9857) 6.3倍と比較すると、高い水準です。

  • PBR:0.48倍
  • 信用倍率(信用買い残÷信用売り残):ー(信用売り残無し)
  • 年間配当金(会社予想):10円(年1回 3月)、年間利回り:1.6%(配当性向 61.8%)

配当は年利回り 1.6%で、東証ジャスダックの単純平均1.70%(12/16時点) とほぼ同じ水準です。

直近5年間の配当金は表4のようになっており、年間5~30円で少し幅があります。

決算期1株当たり
年間配当金(円)
配当性向(%)
2017年3月期1047.3
2018年3月期1050.0
2019年3月期2045.4
2020年3月期3084.4
2021年3月期ー(赤字)
表4:植松商会 年間配当金推移

配当性向は、50%~80%台と高めで推移しています。

この会社は、

株主への利益還元の維持・向上を念頭に、安定配当に努めることを基本として、

さらに長期的な視野に立って安定的な経営基盤を確保するための内部留保を勘案して方針を決定するとしています。

内部留保は、財務体質の強化に努めながら積極的な事業展開と経営環境の急激な変化に備えるとともに、新たな成長につながる投資などにも充当する考えです。

【直近の株価動向】

<週足チャート(直近2年間)>

出所:楽天証券サイト

株価は、2年前の2019年末に高値(1,149円)をつけた後、26週移動平均線(赤線)を一瞬上回り、上昇に転じそうな時期もありましたが続かず、

長期的な下落トレンドが継続しています。

<日足チャート(直近3か月間)>

出所:楽天証券サイト

直近の株価は、10/22に2022年3月期2Q決算発表日の発表前に、出来高を伴い大きな陽線で高値(781円)をつけましたが、その後は続かず、以前の下落トレンドに戻っています。

今回の立会外分売発表の翌営業日(12/17)は、短期的な需給悪化懸念からか、大きめの陰線をつけて前日比 33円安(-5.1%)で終了しています。

今後は、かなりさかのぼりますが、2016年の株価(600円程度)の下値抵抗で下げ止まり、上昇に転じていくのかさらに下抜けていくのか要注目です。

まとめ

まとめ

【業績】

  • 2022年3月期2Qの業績は、前年同期比 増収増益で、全ての取扱商品群で増収となっており、全体の売上は3割弱増収、利益面は黒字転換しており好調。
  • 2022年3月期通期予想は、前年比 増収増益で黒字転換を見込んでおり、その通期予想に対する進捗率は、売上高は5割程度でそこそこだが、利益面はすでに通期予想に達しようとしている。
    上方修正をしてもおかしくない状況だが、現段階では上方修正されておらず、保守的な印象。

【株主還元】

  • 配当は年利回り 1.6%で、東証ジャスダックの単純平均1.70%(12/16時点) とほぼ同じ水準。
  • 直近5年間の配当金は年間5~30円で少し幅があるが、配当性向は50%~80%台と高めで推移。

【流動性】

  • 直近の出来高の5日平均は22百株、25日平均は6百株で、流動性は極端に低い水準。
  • 分売数量は、発行済み株式総数の約4.1%と多めの数量。

【株価モメンタム】

  • 週足ベースの株価は、2年前の2019年末に高値(1,149円)をつけた後、26週移動平均線を一瞬上回り、上昇に転じそうな時期もあったが続かず、長期的な下落トレンドが継続。
  • 直近の株価は、10/22に2022年3月期2Q決算発表日の発表前に、出来高を伴い大きな陽線で高値(781円)をつけたが、その後は続かず、以前の下落トレンドを継続。
  • 今回の立会外分売発表の翌営業日(12/17)は、短期的な需給悪化懸念からか、大きめの陰線をつけて前日比 33円安(-5.1%)で終了。
  • 今後は、2016年の株価(600円程度)の下値抵抗で下げ止まり、上昇に転じていくのか、さらに下抜けていくのか要注目。

以上のことから、

レベル(最低⭐~最高⭐⭐⭐⭐⭐)
業績⭐⭐⭐
株主還元(配当、株主優待等)⭐⭐⭐
株価モメンタム
流動性
分売数量⭐⭐
総合判定⭐⭐(不参加)
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」

と判断しました。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。

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