こんにちは!
直近で公募増資・売出(以下、PO)を実施した銘柄に関して、POに応募して買った場合、利益は出たのか?
受渡期日当日と1週間後の結果を検証しました。
今回は、受渡期日が2024年3月のシード、平和堂、センコーグループHLDGSです。
最後までお付き合いいただけると嬉しいです💖
発行(売出)価格とその後の株価推移
まずは、発行価格で買って1週間(5営業日)後まで保有した場合、含み益なのか含み損なのか?確認していきましょう!
※売買手数料は考慮していません。
受渡期日の寄付又は大引けと1週間(5営業日)後の結果は、
シードは、受渡日の寄付や大引で売却した場合は損益プラス、受渡日1週間後の寄付は損益マイナス、
平和堂は、受渡日の寄付や大引で売却した場合は損益マイナス、受渡日1週間後の寄付は損益プラス、
センコーグループHLDGSは全ての段階で損益プラス、
でした。
センコーグループHLDGSは受渡日1週間後の寄付で売却した場合、7.6%の利益が出ています。
POで購入し、利益が出た方おめでとうございます!
ちなみに、私は今回は購入無しでした。皆さんはいかがでしたでしょうか?
それでは個別に見ていきましょう!
要因分析:シード(7743)
この会社のPO発表時の評価は、表2のように判断していました。
レベル (⭐(最低)~ ⭐⭐⭐⭐⭐(最高)) | |
業績 | ⭐⭐⭐⭐ |
株主還元 (配当、株主優待等) | ⭐⭐⭐ |
株価モメンタム | ⭐⭐⭐ |
流動性 | ⭐⭐ |
新株式の発行数量 | ⭐⭐ |
総合判定 | ⭐⭐⭐ (中立) |
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」
今期(2024年3月期)3Qの業績は、主に国内のコンタクトレンズ販売が伸長し、利益は、売上高増加及び生産数量の増加に伴う量産効果が出て原価率が低減され、
前年同期比 増収増益で、売上高は1割弱増、利益面は2.2~4.5倍の増益でした。
今期通期予想は、主力商品である国産の「シード1dayPureシリーズ」を中心に売上高が伸長し、利益は売上高増加及び生産数量の増加に伴う量産効果が出て原価率低減が実現され、今3Q決算発表と同時に上方修正して、
前期比 増収増益で、売上高は1割弱増、利益面は営業利益と経常利益は3倍強の増益で純利益は黒字転換を見込んでいました。
その通期業績予想に対する進捗率は、3Q終了時点で、売上高は7割強でそこそこでしたが、利益面は9割前後に達しており順調でしたね。
株主還元は、配当利回り(予想)は2.08%(2/22時点) で、東証プライムの単純平均 2.12%とほぼ同水準でした。
直近5年間の配当金は、年間1株あたり12円で一定で、配当性向は、最終赤字の年を除いて、20%台~120%で推移していました。
また、株主優待があり、毎年3月末の年1回、100株以上を1年以上継続保有の株主に、Aコース(株主優待券)、Bコース(同社コンタクトレンズケア用品セット)、Cコース(寄付・名産品)の、いずれかが進呈され、
100株を1年以上3年未満継続保有でCコースを選択した場合、配当金+株主優待(1,000円相当)で利回りは3.47%となっており、魅力的でしたね。
株価モメンタムは、2022年4月に安値(471円)をつけた後は、しばらくヨコヨコの展開でしたが、2023年8月から急上昇しはじめ、同年10月に高値(892円)をつけました。
しかしその後は、この高値を超えられず調整していました。
直近では、今年の年初に高値(875円)をつけた後は、下落基調で推移しており、2/16に安値(698円)をつけた。
そして、今回のPO発表の翌営業日(2/20)は、POによる1株利益の希薄化懸念により、出来高を伴い前日比 30円安(-4.01%)と急落しました。
その後は、直近の安値(698円)や昨年11月につけた安値(661円)を割り込まずに、上昇に転じていくのか、割り込んで下値模索をするのか注目していましたが・・・。
ご参考(PO前の分析):【公募増資・売出(PO)は買いか?】シード(7743)
【PO発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
PO発表以降はしばらくヨコヨコで推移していましたが、2月末に直近の安値(698円)を割り込みました。
そして、3月に入っても、なかなかPOによる1株利益の希薄化懸念が収まらず、そのまま下落基調が継続しています。
要因分析:平和堂(8276)
この会社のPO発表時の評価は、表3のように判断していました。
レベル (⭐(最低)~ ⭐⭐⭐⭐⭐(最高)) | |
業績 | ⭐⭐⭐ |
株主還元 (配当、株主優待等) | ⭐⭐⭐⭐ |
株価モメンタム | ⭐⭐ |
流動性 | ⭐⭐⭐⭐ |
株式の売出数量 | ⭐⭐⭐ |
総合判定 | ⭐⭐⭐ (中立) |
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」
今期(2024年2月期)3Qの業績は、外出需要回復や客数増加、継続的な物価上昇による一品単価上昇により、営業収益は増加し、販売管理費を抑制することができ増益となり、
前年同期比 増収増益で、営業収益は微増、利益面は1~2割の増益でした。
今期通期予想は、衣料品などの季節性商品の販売が低調であったことと、2024 年 1 月 1 日に発生した能登半島地震発生による営業機会縮小のために、今回のPO発表と同時に下方修正し、
前期比 増収増益で、営業収益は微増、利益面は営業利益と経常利益は1割前後の増益ですが、純利益は1割の減益を見込んでいました。
その通期業績予想に対する進捗率は、3Q終了時点で、売上高は8割でそこそこ、利益面は純利益は8割弱でそこそこでしたが、営業利益と経常利益は6割強で遅れ気味でしたね。
株主還元は、配当利回り(予想)は2.06%(2/22時点) で、東証プライムの単純平均 2.12%とほぼ同水準でした。
直近5年間の配当金は、年間1株あたり35~42円で推移しており、減配無しで増配傾向で、配当性向は、20~30%台でほぼ安定していましたね。
また、今回の株式の売出しに伴う株式需給への影響を緩和するため、自社株買いの発表を行っており、今回の株式の売出数量に対し、約3割を市場で取得し、需給悪化の緩和を図っていました。
そして、株主優待があり、100株保有の場合、年2回1,000円の優待券又は500円相当のギフトカードが進呈され、配当金+株主優待(1,000円×年2回=2,000円相当)で利回りは3.04%というところは魅力的でした。
株価モメンタムは、2022年4月に安値(1,842円)をつけた後は、しばらくヨコヨコで推移していましたが、2023年7月に急上昇しはじめ、同年10月に高値(2,678円)をつけました。
しかしその後は調整しており、直近では全ての移動平均線を下抜けました。
直近では、昨年11月に高値(2,350円)をつけた後は、高値切り下げ安値切り下げの下落基調で推移して、
今回のPOと前期(2024年2月期)業績の下方修正、株主優待の拡充、自社株買い発表の翌営業日(2/20)は、窓を開けて出来高を伴い、前日比 131円安(-5.96%)と急落し、その2営業日後も直近の安値を更新しましたね。
その後は、昨年4月につけた昨年来安値(1,942円)を割り込まず、上昇に転じていくのか、割り込んで下値模索を継続するのか注目していましたが・・・。
ご参考(PO前の分析):【公募増資・売出(PO)は買いか?】平和堂(8276)
【PO発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
2月末から4連続陰線で急落しましたが、受渡日(3/6)にPOによる需給悪化懸念が後退し、大陽線をつけて上昇に転じました。
直近では、25日移動平均線(赤線)まであと一歩のところまで回復しています。
要因分析:センコーグループHLDGS(9069)
この会社のPO発表時の評価は、表4のように判断していました。
レベル (⭐(最低)~ ⭐⭐⭐⭐⭐(最高)) | |
業績 | ⭐⭐⭐⭐ |
株主還元 (配当、株主優待等) | ⭐⭐⭐⭐ |
株価モメンタム | ⭐⭐⭐ |
流動性 | ⭐⭐⭐⭐ |
株式の売出数量 | ⭐⭐⭐ |
総合判定 | ⭐⭐⭐⭐ (買い) |
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」
今期(2024年3月期)3Qの業績は、3Qの業績は、拡販や料金・価格改定などにグループ全体で取り組むと共に、M&Aを推進した結果、
前年同期比 増収増益で、営業収益は1割強増、利益面は微増~2割弱の増益でした。
今期通期予想は、当2Q連結累計期間の業績および足元の状況を踏まえ、今2Q決算発表と同時に売上収益は下方修正、利益面は上方修正し、
前期比 増収増益で、営業収益は1割強増、利益面は1~2割の増益を見込んでいました。
その通期業績予想に対する進捗率は、3Q終了時点で、売上収益は7割強でそこそこ、利益面は9割弱で順調でしたね。
株主還元は、配当利回り(予想)は3.52%(2/22時点) で、東証プライムの単純平均 2.12%と比較すると高い水準でした。
直近5年間の配当金は、年間1株あたり26~34円で推移し、減配無しで増配傾向で、配当性向は、30%前後で安定していました。
また、今回の株式の売出しと同時に、株式の売出しに伴う株式需給への影響を緩和するため、自社株買いの発表を行っており、
今回の株式の売出数量(発行済み株式総数の最大(OA含む)約3.93%)に対し、2割強を市場で取得し、需給悪化の緩和を図っている点は安心感がありました。
株価モメンタムは、2022年6月に安値(824円)をつけた後は、高値切り上げ安値切り上げの上昇トレンドで推移し、2024年1月に高値(1,185円)をつけました。
直近では、昨年12/18に安値(1,038円)をつけた後は、一気に上昇し、1/9に年初来高値(1,185円)をつけました。
しかしその後は調整し、今回のPO発表の翌営業日(2/20)は、POによる短期的な需給悪化懸念から、窓を開けて売られ、前日比 51円安(-4.51%)と急落しましたね。
その後は、昨年12月につけた直近の安値(1,038円)を割り込まず、ヨコヨコから上昇に転じていくのか、割り込んで下値模索をするのか注目していましたが・・・。
ご参考(PO前の分析):【公募増資・売出(PO)は買いか?】センコーグループHLDGS(9069)
【PO発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
PO発表の翌営業日以降は、しばらくヨコヨコの展開が続きましたが、
受渡日(3/6)に、一気にPOによる需給悪化懸念が解消され、大陽線をつけて上昇しました。
その後も、全ての移動平均線を上抜いて、上昇基調を確実なものにしています。
まとめ
シード(7743)、平和堂(8276)、センコーグループHLDGS(9069)のPO予想と一週間(5営業日)後の株価は、表5の結果になりました。
銘柄名 | 事前予想 | 結果(損益)[円] (「受渡日の1週間 (5営業日)後始値」 ー「発行価格」) (騰落率[%]) | 判定 |
シード | 中立 | -13 (-1.9) | 〇 |
平和堂 | 中立 | +9 (+0.4) | 〇 |
センコーグループ HLDGS | 買い | +79 (+7.6) | 〇 |
※事前予想の「買い」は3%以上の上昇、「中立」は±3%、「見送り」は3%以上の下落を想定しています。
今回は3勝0敗、勝率1.000。上出来でした✊
シード以外は受渡日に株価が底打ちし、POによる需給悪化懸念が解消され勢いよく上昇していきました。
シードは、直近の安値を下抜けしたのが痛かったですね。
今後の個別動向ですが、
シードは、なかなか上昇のきっかけが見えず、下落基調が継続しています。
ただ、業績が好調なのと3月末の期末一括の配当と株主優待の権利取りが控えていますので、需給が改善してくれば上昇する場面もありそうです。
平和堂は、25日移動平均線まであと一歩のところまで株価は回復しています。
25日移動平均線やその上にある75日移動平均線を上抜け、上昇の加速に期待です。
センコーグループHLDGSは、今回の3つの銘柄の中で最も株価の勢いがあります。
3月末に配当権利取りを控え、このまま一気に上昇して、1月につけた年初来高値(1,185円)の更新に期待です。
参考になればうれしいです✨
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。