【公募増資・売出(PO)は買いか?】シード(7743)

公募増資・売出(PO)
この記事は約18分で読めます。

こんにちは!

公募増資・売出(以下、PO)の実施を発表した銘柄に関して、POに応募して買った場合、利益を得ることができるのか?直近の経営状況や客観的な指標、株価モメンタム等を踏まえ、総合的に分析しました。

今回は、東証プライムから精密機器業種のシードです。

最後までお付き合いいただけるとうれしいです!

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  • 公募増資・売出(PO)とは?
既上場企業が新たに発行する株式(公募株式)や既に発行された株式(売出株式)を投資家に取得させることをいいます。
正確には、「PO」は「Public(公開の)Offering(売り物)」の略で、日本語では「公募」と呼ばれます。「公募」とは、「不特定かつ多数の投資家に対し、新たに発行される有価証券の取得の申込を勧誘すること」をいいます。
また、「売出」とは、「既に発行された有価証券の売付けの申込み又はその買付けの申込の勧誘のうち、均一の条件で50人以上の者を相手方として行う」ことをいい、通常は「公募」「売出」を合わせて「PO」と呼ばれます。
「新規公開株(IPO)」は未上場企業が直接金融市場からの資金調達や知名度・信用力の向上を目的として証券取引所に新規上場するために一般投資家に株式を取得してもらう行為であるのに対して、「公募・売出(PO)」は既に上場していて証券取引所での株式取引が行われている企業が追加の資金調達や大株主の保有株売却などを目的として一般投資家に株式を取得してもらう行為であり、「新規公開株(IPO)」と「公募・売出(PO)」の違いを簡単にいえば、実施する企業が「未上場」か「既上場」かの違いといえます。

POの概要

まとめ

今回のPOは、公募と第三者割当による増資です。発行価格等決定日や受渡期日、発行数量等は表1のようになっています。

ディスカウント率は、「発行価格等決定日」に決まり、その日の終値から数%です。

ちなみに、直近の主なPOのディスカウント率は、JR西日本(9021) 3.01%、日本郵政(6178) 2.01%、クリエイト・レストランツ・ホールディングス(3387) 3.09%となっていますが、ほぼほぼ2~5%程度です。

ただ、ディスカウント率が大きいPOもあり、直近ではENECHANGE(4169)の8.1%が最大です。

注意点として、どの証券会社でも購入できるわけでなく、主幹事(今回は野村證券)はじめ、引受人の証券会社で購入申込可能です。

早ければ、2/27(火)の夕刻に、会社側から売出価格等のお知らせが適時開示であります。

このブログ記事も更新しますので、チェックしてくださいね💖

発行価格等決定日2024年2月27日(火)
受渡期日
(POで買った場合はこの日から売却可能)
2024年3月6日(水)
①公募による新株式の発行
一般募集
数量
普通株式 4,550,000 株
発行済み株式総数 25,033,422株 の約18.1%
②株式の売出し
(オーバーアロットメントによる売出し)
数量
普通株式 682,500 実施決定(2/27)
野村證券が売出す。
③第三者割当による新株式発行
数量
普通株式 682,500
(申込みのなかった株数は発行されない。)
野村證券に割当。
調達資金手取り概算額(上限)36.2 億円
発行価格678 円
(2/27決定:終値 703 円)
ディスカウント率3.56 %
(2/27決定)
申込単位数量100 株
主幹事野村證券
表1:シード(7743) PO概要

【資金調達の背景と目的】

  • 同社の足元の事業環境としては、近視人口の増加に加え、行動制限解除に伴う消費活動の活発化と1日使い捨てタイプへのシフトが続いていること、オルソケラトロジー(※1)レンズの普及遠近両用及び乱視用コンタクトレンズ等の伸長により国内のコンタクトレンズ市場は拡大している。
    ※1:オルソケラトロジー
    近視及び近視性乱視の方が寝る時にレンズを装用することで、角膜形状を変化させ、脱着後の裸眼視力を改善させる治療法。変化した角膜形状は一定時間維持され、その間の裸眼視力は改善される。
  • 海外のコンタクトレンズ市場についても、国や地域による景気の影響がありながらもアフターコロナによる需要拡大と近視人口の増加を要因として伸長している。
  • こうした国内外の市場の拡大を背景とし、同社の売上高は順調に推移している一方で、出荷量が供給量を上回る状況が続いており、
    このような今後の売上拡大の足枷となりうる商品供給力の不足を回避するために、同社は2024年1月12日策定の中期経営計画において、設備投資により生産力の抜本的引き上げによる収益力の強化を成長戦略として掲げ、世界のコンタクトレンズ市場でプレゼンスを発揮することを目標としている。
  • 今般の公募及び第三者割当による新株発行により調達した資金は、現在鴻巣研究所(埼玉県鴻巣市)に建設中の新工場である2号棟別館の建設資金等、及び新工場として計画している4号棟の建設資金等の一部に充当し、商品供給力の強化と開発製造体制の整備により、市場競争力と企業価値の向上に努めていく。
  • また、当該新株発行を通じて、プライム市場の上場維持基準への適合も目指していきたいと考えている。
    併せて、支配株主に異動が生じることにより留保金課税(内部留保の利益金に対して追加課税される税金)の対象外となる見込み

としています。

【調達資金の使途】

今回の一般募集及び第三者割当増資に係る手取概算額合計上限約36.2億円については、

2026年7月までに、売上・業容拡大に向け、商品供給力の不足を補うため、積極的な設備投資を行い、世界に伍する生産能力の整備を行うことを目的として、

  • 同社鴻巣研究所(埼玉県鴻巣市)に建設中の新工場である2号棟別館の建設資金(2024年4月完成予定)及び生産設備資金(2024年8月完成予定)
  • 新工場として計画している4号棟の建設資金(2026年1月完成予定)及び生産設備資金(2026年7月完成予定)の一部

に全額を充当する予定です。

具体的な充当時期までは、同社名義の銀行口座にて適切に管理するとしています。

また、今回の新株式の発行数量は、発行済み株式総数の最大約20.9%(第三者割当を含む)で、

直近の新株式の発行を含むPOの発行株数比率(第三者割当を含む)は、ゼンショーホールディングス 3.87%、ピエトロ 12.8%、ヤマエグループHD 19.4%で、それらと比較すると多い数量です。

新株式発行は1株利益の希薄化につながりますので、短期的にはこの要因が株価を押し下げる可能性があります。

そして、この銘柄の流動性は、直近の出来高(売買が成立した株の数量)の5日平均は900百株、25日平均は804百株で、流動性はやや低い水準です。(1日 1,000百株を平均的な水準としています。)

どんな会社?

コンタクトレンズの研究を開始したのは1951年。

以来半世紀以上にわたり、コンタクトレンズの開発で培った技術・信頼をもとに、コンタクトレンズ事業にとどまらず、眼に関するさまざまな商品を世に送り出している会社です。

事業内容は、コンタクトレンズの研究開発及び製造販売と、コンタクトレンズケア用品、その他商品の販売を主たる業務としています。

事業セグメントは、「コンタクトレンズ・ケア用品」と「その他」(メガネ及び眼内レンズ等)があり、

2023年3月期通期のセグメント別売上高構成比は、

  • コンタクトレンズ・ケア商品 99.6%
  • その他 0.4%

となっており、ほぼ「コンタクトレンズ・ケア商品」が占めています。

直近の経営概況

経営状況

【2024年3月期3Q(2023年4月~12月)の経営成績】

(2024年2月7日発表)

決算期売上高
[億円]
(前年
同期比
[%])
営業
利益
[億円]
(同)
経常
利益
[億円]
(同)
親会社株主
に帰属する
純利益

[億円]
(同)
2023年3月期
3Q累計
226
(6.0)
809
(△16.4)
801
(△13.9)
269
(△55.7)
2024年3月期
3Q累計
241
(6.4)
1,818
(124)
1,803
(125)
1,234
(358)
2024年3月期
通期会社予想
(2024年2月7日
修正)
330
(7.9)
1,900
(201)
1,900
(242)
1,500
(黒字
転換)
通期予想に対する
3Qの進捗率[%]
73.195.694.882.2
表2:シード 2024年3月期3Q経営成績と通期会社予想

表2の通り、前年同期比 増収増益で、売上高は1割弱増利益面は2.2~4.5倍の増益でした。

2024年3月期通期の業績予想は、今3Q決算発表と同時に上方修正(表4参照)しており、前期比 増収増益で、売上高は1割弱増、利益面は営業利益と経常利益は3倍強の増益純利益は黒字転換を見込んでいます。

その通期予想に対する進捗率は3Q終了時点で、売上高は7割強でそこそこですが、利益面は9割前後に達しており順調です。

【2024年3月期3Qの状況、経営成績の要因】

国内のコンタクトレンズ市場は、経済社会活動の正常化と近視人口の増加により需要が増大しています。

加えて、1日使い捨てタイプへのシフトが継続していることやミドルエイジ以降の遠近両用及び乱視用コンタクトレンズが伸長していること、

また、就寝時に装用し日中裸眼で視力矯正効果が得られるオルソケラトロジーレンズの普及を背景として、市場は、人口が減少する中に有っても、着実な成長基調にあると推測されます。

同社が展開をしている、アジアから欧州に至る海外のコンタクトレンズ市場は、国や地域による濃淡はありながらも、需要拡大と近視の低年齢化による近視人口の増加により、今後も市場の拡大が予想されています。

このような状況の下、同社グループでは、3ヶ年中期経営計画(2021年4月~2024年3月)の最終年度である2024年3月期も、『「見える」に新たな価値を』を実現していくために、「市場競争力の強化・収益力の強化」、「信頼されるモノづくり」、「SDGsの推進」、「安定した株主還元」を最重要施策として、

日本国内での安定した成長を軸に、海外各国での需要回復を積極的に取り込むことにより海外事業規模の拡大と収益基盤の強化を進めています。

同社では、需要回復と他社の供給不足に起因して、「Pureシリーズ」の国内外向け一部商品において、在庫の逼迫による納期の遅延が発生していますが、

今後も拡大が見込まれる国内外市場において、成長戦略を実現するために同社は安定した商品供給と市場競争力を高める新商品の量産体制を整備し、生産力全体の強化を行う事が不可欠であると考えています。

現在、同社の生産拠点である鴻巣研究所は、2024年3月期には経年した1号棟の生産設備の更新及び3号棟のライン新規増設により月間最大計画枚数を現在の5,300万枚から5,800万枚へ

2024年4月竣工予定の2号棟別館新設により月間最大計画枚数5,800万枚から6,500万枚へと引き上げ、更に既存ラインの効率的な運営で、2025年3月期中に更に能力を拡大する計画を進めています。

商品戦略は、主力商品である国産の「シード1dayPureシリーズ」に対する需要の高まりを背景に、乱視、遠近両用コンタクトレンズといったスペシャリティレンズの需要を伸ばすと同時に、

2023年3月期に市場に投入したシリコーンハイドロゲルレンズの2商品「シード1daySilfa(シルファ)」、「シードAirGrade 1day UV W-Moisture(エアグレード ワンデー UV ダブルモイスチャー)」

カラーコンタクトレンズ「ベルミー」オルソケラトロジーレンズ「ブレスオーコレクト®」の普及拡大により更なる需要創出を目指して販売を行っています。

海外市場では、「シード1dayPureシリーズ」を中心に、それぞれの市場特性に合わせて、サークルレンズ、カラーレンズ、「シード1daySilfa(シルファ)」、オルソケラトロジーレンズ、RGPレンズ、ケア用品等、プロダクトミックスを多様化しています。

これらの事業活動の結果、当3Q連結累計期間において、主に国内のコンタクトレンズ販売が伸長したため、売上高は241億円(前年同期比6.4%増となりました。

利益は、売上高増加及び生産数量の増加に伴う量産効果が出て原価率低減が実現されました。

また、2023年3月期2Q以降からの価格改定効果により、売上総利益が増加した結果、営業利益1,818百万円(同124%増経常利益1,803百万円(同125%増親会社株主に帰属する四半期純利益は1,234百万円(同358%増)となりました。

【セグメント別の業績】

セグメント別の業績は、表3の結果になりました。

主力の「コンタクトレンズ・ケア商品」前年同期比増収増益

「その他」減収赤字幅拡大

となっています。

セグメント売上高
[億円]
(前年
同期比
増減率
[%])
営業
利益
[百万円]
(同)
コンタクトレンズ
・ケア用品
240
(6.5)
2,713
(69.6)
その他0.8
(△4.0)
△6
(前年同期
△5百万円)
表3:2024年3月期3Q累計 セグメント別業績

各セグメントの状況は以下です。

コンタクトレンズ・ケア用品

国内のコンタクトレンズは、引き続き主力商品である国産の「シード1dayPureシリーズ」を中心とし、2つの異なるベクトルを持つシリコーンハイドロゲルレンズや特に市場での伸長が最も見込まれる遠近両用コンタクトレンズ等の高付加価値商品の拡販に注力しました。

「シード1dayPureシリーズ」は需要増により、前年同期比8.2%増加しました。

オルソケラトロジーレンズは、前年同期比15.5%増と大きく伸長しました。

サークル・カラーコンタクトレンズは、販売チャネルの多様化や競合商品の増加の影響もあり、前年同期比1.6%増と概ね横ばいでの推移となりました。

ケア用品は、オルソケラトロジーレンズ関連のケア用品は増加しましたが、コンタクレンズの使い捨てタイプへのシフトの影響で前年同期比0.8%増と概ね横ばいとなりました。

海外へのコンタクトレンズ輸出等は、国や地域により差はあるものの、欧州向けや東南アジア向けが堅調に推移しました。

これらの増加が、中国向けの製品輸出の停滞をカバーし、前年同期比23.2%増となりました。

その他

眼内レンズの売上が減少しました。

【財政面の状況】

自己資本比率>(自己資本(総資本-他人資本)÷総資産)×100

2024年3月期3Q末時点で29.5%と前期末(29.6%)から0.1ポイント低下しています。

これは主に、それぞれ前期末比で、

  • 負債
    • 短期借入金427百万円増加未払法人税等764百万円増加し、流動負債が合計で1,525百万円増加
    • リース債務1,633百万円増加し、固定負債が合計で1,081百万円増加
  • 純資産
    • 利益剰余金933百万円増加し、株主資本が合計で913百万円増加
    • 為替換算調整勘定153百万円増加し、その他の包括利益累計額が合計で114百万円増加

したことによるものです。

自己資本比率の数値としては危険水域に近いレベルです。(20%以上を安全圏内としています。)

キャッシュ・フロー>2024年3月期3Q累計のキャッシュ・フロー(以下、CF)の状況

  • フリーCF(営業活動によるCFと投資活動によるCFを合計した金額 ※2)2,498百万円の収入
    • 営業活動によるCF 4,550百万円の収入(前年同期 2,392百万円の収入
    • 投資活動によるCF 2,051百万円の支出(同 720百万円の支出

 ※2: フリーCFの説明

  • プラスの場合:会社が自由に使える資金が増える
  • マイナスの場合:会社が自由に使える資金が減る

前期(2023年3月期3Q累計)のフリーCF(1,671百万円の収入)から827百万円増加しています。

営業活動によるCFの主な内訳(百万円):

  • 税金等調整前四半期純利益 1,872
  • 減価償却費 1,985
  • 棚卸資産の増減額(△は増加) 361

投資活動によるCFの主な内訳(百万円):

  • 定期預金の預入による支出 △37.1
  • 有形固定資産の取得による支出 △1,992
  • 無形固定資産の取得による支出 △20.7

【今期(2024年3月期通期)業績の見通し】

今3Q決算発表と同時に、今期2回目の2024年3月期通期連結業績予想の上方修正を発表しています。

2024年3月期通期の業績予想は表4です。

売上高
[億円]
営業
利益
[百万円]
経常
利益
[百万円]
親会社
株主に
帰属する
当期純利益

[百万円]
1株当たり
当期利益

[円]
前回
(2023/11/13)
発表予想
3301,7501,7501,10043.94
今回修正予想3301,9001,9001,50059.92
増減額150150400
増減率[%]8.68.536.4
表4:シード 2024年3月期通期業績予想数値の修正(2024年2月7日発表)

前回予想と比べ、売上高は変わらずですが、利益面を1割弱~4割弱の増額修正をしています。

修正の理由は、

  • 当3Q累計期間における国内のコンタクトレンズ市場は、経済社会活動の正常化と近視人口の増加により需要が増大しており、
    加えて、1日使い捨てタイプへのシフトが継続していることやミドルエイジ以降の遠近両用及び乱視用コンタクトレンズが伸長していること、また、就寝時に装用し日中裸眼で視力矯正効果が得られるオルソケラトロジーレンズの普及を背景として、人口が減少する中に有っても、成長基調である。
    同社においても、主力商品である国産の「シード1dayPureシリーズ」を中心に売上高が伸長した。
  • 利益は、売上高増加及び生産数量の増加に伴う量産効果が出て原価率低減が実現された。
    また、2023年3月期2Q以降からの価格改定効果により、売上総利益が増加した結果、2023年11月13日に公表した業績予想を上回る見込みとなった。
  • 海外子会社の損益も段階的だが改善をしており、最終損益増加への寄与もあった。

としています。

なお、配当予想変更ありませんでした。

株価指標と動向

株価指標

【2024/2/22(木)終値時点の数値】

  • 株価:720円
  • 時価総額:180億円
  • PER(株価収益率):12.0倍

PERは、同業で時価総額が近い、HOYA(7741) 39.9倍、メニコン(7780) 17.0倍、シンシア(7782) 13.0倍と比較すると低い水準です。

  • PBR(株価純資産倍率):1.44倍
  • 信用倍率(信用買い残÷信用売り残):26.8倍
  • 年間配当金(予想):15円(年1回 3月)、利回り:2.08%(配当性向 25.0%)

配当利回り2.08%で、東証プライムの単純平均 2.12%(2/22時点)とほぼ同水準です。

表5のように、直近5年間の配当金は、1株当たり12円で一定で、

配当性向は、最終赤字の年を除いて、20%台~120%で推移しています。

決算期1株当たり
年間配当金
[円]
配当性向
[%]
2019年3月期1231.2
2020年3月期12118
2021年3月期1226.6
2022年3月期1226.0
2023年3月期12
(最終
赤字)
表5:シード 年間配当金推移

この会社は、

安定的な経営基盤の確保に努めるとともに、株主に適切な配当水準による配当継続を実施することを重要課題とし、経営体質強化と事業拡大のための内部留保確保等を勘案した上で、

株主へ中期的な配当性向30%~40%を目標とした、利益還元を継続していくことを基本方針としています。

【株主優待】

この会社は株主優待があり、毎年3月末の年1回、100株以上を1年以上継続保有の株主に、

Aコース(株主優待券)、Bコース(同社コンタクトレンズケア用品セット)、Cコース(寄付・名産品)の、いずれかが進呈されます。

Cコース(寄付・名産品)を選択した場合、表6のポイント数が進呈されます。

表6:シード 株主優待(Cコース)

100株を1年以上3年未満継続保有の場合、配当金+株主優待(1,000円相当)で利回りは3.47%となります。

個人投資家にとってうれしい内容ですね!

【直近の株価動向】

<週足チャート(直近2年間)>

2022年4月に安値(471円)をつけた後は、しばらくヨコヨコの展開でしたが、

2023年8月から急上昇しはじめ、同年10月に高値(892円)をつけました。

しかしその後は、この高値を超えられず調整しています。

<日足チャート(直近3か月間)>

今年の年初に高値(875円)をつけた後は、下落基調で推移しており、2/16に安値(698円)をつけました。

そして、今回のPO発表の翌営業日(2/20)は、POによる1株利益の希薄化懸念により、出来高を伴い前日比 30円安(-4.01%)と急落しました。

今後は、直近の安値(698円)や昨年11月につけた安値(661円)を割り込まずに、上昇に転じていくのか、割り込んで下値模索をするのか、要注目です。

まとめ

【業績】

  • 今期(2024年3月期)3Qの業績は、主に国内のコンタクトレンズ販売が伸長し、利益は、売上高増加及び生産数量の増加に伴う量産効果が出て原価率が低減され、
    前年同期比 増収増益で、売上高は1割弱増利益面は2.2~4.5倍の増益
  • 今期通期予想は、主力商品である国産の「シード1dayPureシリーズ」を中心に売上高が伸長し、利益は売上高増加及び生産数量の増加に伴う量産効果が出て原価率低減が実現され、今3Q決算発表と同時に上方修正し、
    前期比 増収増益で、売上高は1割弱増、利益面は営業利益と経常利益は3倍強の増益純利益は黒字転換を見込む。
  • この通期業績予想に対する進捗率は、3Q終了時点で、売上高は7割強でそこそこだが、利益面は9割前後に達しており順調

【株主還元】

  • 配当利回り(予想)は2.08%で、東証プライムの単純平均 2.12%(2/22現在) とほぼ同水準
  • 直近5年間の配当金は、年間1株当たり12円で一定で、
    配当性向は、最終赤字の年を除いて、20%台~120%で推移
  • 株主優待があり、毎年3月末の年1回、100株以上を1年以上継続保有の株主に、Aコース(株主優待券)、Bコース(同社コンタクトレンズケア用品セット)、Cコース(寄付・名産品)の、いずれかが進呈される。
    100株を1年以上3年未満継続保有でCコースを選択した場合、配当金+株主優待(1,000円相当)で利回りは3.47%となる。

【流動性・売出株数】

  • 今回の新株式の発行数量は、発行済み株式総数の最大約20.9%(第三者割当を含む)で、直近の新株式の発行を含むPOの発行株数比率(第三者割当を含む)は、ゼンショーホールディングス 3.87%、ピエトロ 12.8%、ヤマエグループHD 19.4%で、それらと比較すると多い数量
  • 直近の出来高の5日平均は900百株、25日平均は804百株で、流動性はやや低い水準

【株価モメンタム】

  • 週足ベースの株価は、2022年4月に安値(471円)をつけた後は、しばらくヨコヨコの展開だったが、2023年8月から急上昇しはじめ、同年10月に高値(892円)をつけた。
    しかしその後は、この高値を超えられず調整している。
  • 直近の株価は、今年の年初に高値(875円)をつけた後は、下落基調で推移しており、2/16に安値(698円)をつけた。
    そして、今回のPO発表の翌営業日(2/20)は、POによる1株利益の希薄化懸念により、出来高を伴い前日比 30円安(-4.01%)と急落した。
  • 今後の株価は、直近の安値(698円)や昨年11月につけた安値(661円)を割り込まずに、上昇に転じていくのか、割り込んで下値模索をするのか要注目。

以上のことから、

レベル
(⭐(最低)~
⭐⭐⭐⭐⭐(最高))
業績⭐⭐⭐
株主還元
(配当、株主優待等)
⭐⭐
株価モメンタム⭐⭐
流動性⭐⭐
新株式の発行数量⭐⭐
総合判定⭐⭐
(中立)
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」

と判断しました。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。

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