【公募増資・売出(PO)は買いか?】東京きらぼしフィナンシャルグループ(7173)

公募増資・売出(PO)
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こんにちは!

公募増資・売出(以下、PO)の実施を発表した銘柄に関して、POに応募して買った場合、利益を得ることができるのか?直近の経営状況や客観的な指標、株価モメンタム等を踏まえ、総合的に分析しました。

今回は、東証プライムから銀行業種の東京きらぼしフィナンシャルグループです。

最後までお付き合いいただけるとうれしいです!

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  • 公募増資・売出(PO)とは?
既上場企業が新たに発行する株式(公募株式)や既に発行された株式(売出株式)を投資家に取得させることをいいます。
正確には、「PO」は「Public(公開の)Offering(売り物)」の略で、日本語では「公募」と呼ばれます。「公募」とは、「不特定かつ多数の投資家に対し、新たに発行される有価証券の取得の申込を勧誘すること」をいいます。
また、「売出」とは、「既に発行された有価証券の売付けの申込み又はその買付けの申込の勧誘のうち、均一の条件で50人以上の者を相手方として行う」ことをいい、通常は「公募」「売出」を合わせて「PO」と呼ばれます。
「新規公開株(IPO)」は未上場企業が直接金融市場からの資金調達や知名度・信用力の向上を目的として証券取引所に新規上場するために一般投資家に株式を取得してもらう行為であるのに対して、「公募・売出(PO)」は既に上場していて証券取引所での株式取引が行われている企業が追加の資金調達や大株主の保有株売却などを目的として一般投資家に株式を取得してもらう行為であり、「新規公開株(IPO)」と「公募・売出(PO)」の違いを簡単にいえば、実施する企業が「未上場」か「既上場」かの違いといえます。

POの概要

まとめ

今回のPOは、大株主(三井住友信託銀行)からの株式の売出しです。売出価格等決定日や受渡期日、売出数量等は表1のようになっています。

ディスカウント率は、「売出価格等決定日」に決まり、その日の終値から数%です。

ちなみに、直近の主なPOのディスカウント率は、JR西日本(9021) 3.01%、ゆうちょ銀行(6178) 2.08%、デンソー(3387) 3.02%となっており、ほぼほぼ2~5%程度です。

ただ、ディスカウント率が大きいPOもあり、直近ではENECHANGE(4169)の8.1%が最大です。

注意点として、どの証券会社でも購入できるわけでなく、主幹事(今回は野村證券)はじめ、引受人の証券会社で購入申込可能です。

早ければ、5/19(火)の夕刻に、会社側から売出価格等のお知らせが適時開示であります。

このブログ記事も更新しますので、チェックしてくださいね💖

売出価格等決定日2026年5月19日(火)から 22 日(金)までの間のいずれかの日
受渡期日
(POで買った場合はこの日から売却可能)
売出価格等決定日の5営業日後の日
①株式売出し(引受人の買取引受による売出し)
数量
普通株式 5,498,500 株
発行済み株式総数 30,650,115 株 の約17.9%
②株式の売出し(オーバーアロットメントによる売出し)
数量
普通株式 824,700 (上限の数量)
野村證券が売出す。
売出価格(決定後記載)
ディスカウント率(決定後記載)
申込単位数量100 株
主幹事野村證券
表1:東京きらぼしFG(7173) PO概要

【株式売出しの目的】

  • 本件売出しは、三井住友信託銀行より第一種優先株式の同社普通株式への転換((以下「本転換」という)により取得する全ての同社普通株式(単元未満株式を除く)を売却したい旨の意向を確認したため決定した。
    三井住友信託銀行は、第1回取得請求日に交付を受けた同社普通株式及び同社が既に保有する同社普通株式の合計5,498,500株を、引受人の買取引受による売出しの売出株式に充当する。
    なお、本件売出しは、三井住友信託銀行が本転換により交付される全ての同社普通株式(単元未満株式を除く)を売却することを目的としていることから、引受人の買取引受による売出しの売出株式数は、三井住友信託銀行が第1回取得請求日及び第2回取得請求日に交付を受ける同社普通株式数の合計数(単元未満株式数を除く)と同数に設定している。
    同社としては、本件売出しを通じて、株主層の拡大及び多様化を目指す
  • なお、同社は、取締役会において、会社法第178条に基づき、第一種優先株式の第1回取得請求日及び第2回取得請求日に同社普通株式を対価とする取得請求が行われて同社が当該優先株式の全部を取得することを前提に、同社が取得した当該優先株式の全部を第2回取得請求日付で消却することを決議した。
  • なお、同社が発行した第二種優先株式についても、取締役会において、第二種優先株式に係る金銭を対価とする取得条項を行使し、第二種優先株式の全部を取得すること、及び会社法第178 条に基づき第二種優先株式の全部を消却することを決議した。
    同社が発行した優先株式は、本転換・消却及び第二種優先株式の取得・消却によりその残高が全て消滅することになる。

としています。

【株式の売出し数量/流動性】

今回の株式の売出数量は、発行済み株式総数の最大約20.6%(OAを含む)で、

直近の株式の売出のみのPOの売出株数比率(OAを含む)は、シークス 10.0%、大同メタル工業 13.1%、持田製薬 3.64%でしたので、それらと比較すると大規模の売出しです。

また、この銘柄の直近の出来高(売買が成立した株の数量)の5日平均は1,461百株、25日平均は1,053百株(5/8時点)で、流動性は平均的な水準です。(1日 1,000百株を平均的な水準としています。)

【株式分割】

今回のPO発表と同時に、2026年7月1日付で1/8の株式分割をすることを発表しています。

この株式分割は、同社株式の投資単位当たりの金額を引き下げ、株主・投資家にとってより投資しやすい環境を整えることで、株式の流動性の向上投資家層のさらなる拡大を図ることを目的としています。

一般的には、株式分割が発表された後は、株価が上昇しやすい傾向があります。

どんな会社?

同社グループは、きらぼし銀行、UI銀行などで構成され、銀行業務を中心に、リース業務、証券業務、コンサルティング業務、広告企画制作業務、フィンテックなどの幅広いサービスを提供している、

東京都内・神奈川県北東部を主営業圏とする都市型地銀グループです。

事業内容は、銀行業」「リース業」の2つそれ以外の「その他があり、それぞれ、

  • 銀行業
    銀行の主要業務である預金業務、貸出業務、商品有価証券売買業務、有価証券投資業務、内国為替業務、外国為替業務、信託業務など
  • リース業
    金融関連業務としてのリース業務
  • その他
    コンサルティングサービス、コンピュータ関連サービス、情報提供サービス業、クレジットカード業及び債権管理回収業等

を行っています。

2026年3月期通期のセグメント別経常収益構成比は、

  • 銀行業 81.3%
  • リース業 7.9%
  • その他 10.8%

となっており、「銀行業」が8割強を占めています。

直近の経営概況

経営状況

【2026年3月期通期(2025年4月~2026年3月)の経営成績】

(日本基準(連結):2026年5月8日発表)

決算期経常収益
[億円]
(前期比
増減率
[%])
経常
利益
[億円]
(同)
親会社株主
帰属する
当期純利益
[億円]
(同)
2025年3月期
通期実績
1,608
(16.2)
416
(26.3)
313
(22.2)
2026年3月期
通期実績
1,992
(23.8)
604
(45.1)
423
(35.0)
2027年3月期
通期会社予想
(予想無し)586
(△3.1)
400
(△5.5)
表2:東京きらぼしFG 2026年3月期通期経営成績と2027年3月期通期予想

表2の通り、前期比 増収増益で、経常収益は2割強増利益面は4割前後の増益で着地しました。

今期(2027年3月期)通期の業績予想は、前期比で微減~1割弱減の減益を見込んでいます。

【2026年3月期通期の状況、経営成績の要因】

当連結会計年度の経営成績は、連結業績の大宗を占めるきらぼし銀行の経常利益が565億円(前年同期比+163億円当期純利益は396億円(同比+94億円となりましたが、

内部取引の消去など連結決算上の調整を行ったことにより、経常利益が604億円(同+188億円親会社株主に帰属する当期純利益は423億円(同+109億円となりました。

なお、きらぼし銀行の経営成績における主な増減要因(前年同期比)は、以下のとおりです。

  1. 貸出金利息(実質無利子・無担保融資等自治体から事後的に補給される利子補給金が含まれている。)
    メイン化取引(顧客がメインバンクとして選ばれるための取引)の推進、顧客とのリレーション強化の取組み等により貸出金が増加、また、政策金利上昇の影響等により貸出金利回りも上昇し、前年同期比+126億円
  2. 有価証券利息配当金
    ファンド収益の増加(+29億円)等により同比+30億円
  3. その他資金利益
    金利上昇に伴う預金等利息の増加等により同比△103億円
  4. 非金利収支(コア業務粗利益を構成する計数のうち、資金利益を除いたもの。(非金利収支=信託報酬+役務取引等利益+その他業務利益(国債等債券損益を除く))
    円債及び外債のヘッジコストが減少したこと等により同比+31億円
  5. 経費
    ベースアップ等による人件費の増加事務委託費等物件費の増加により同比△21億円(利益の減少)
  6. 与信関係費用
    事業再生支援や予兆管理強化等により費用発生は全般的に抑制された一方、一部大口先の信用悪化等により同比△9億円(利益の減少)
  7. 債券・株式等関係損益
    純投資及び政策保有株式の売却益の増加等により、同比+99億円

【セグメント別経常収益】

セグメント別の経常収益は、表3の結果になりました。

主力の「銀行業」を含め全てのセグメントで、前期比 増収増益でした。

セグメント経常収益
[億円]

(前期比
増減率
[%])
セグメント
利益
[億円]

(同
銀行業1,620
(24.1)
575
(45.0)
リース業158
(10.3)
4.7
(11.5)
その他214
(28.8)
125
(4.5)
表3:2026年3月期通期 セグメント別経常収益

【財政面の状況】

自己資本比率>(自己資本の額/リスク・アセットの額の合計額×100)

2026年3月期末時点で9.54%と前期末(8.74%)から0.80ポイント上昇しています。

前期末比の増減は以下となっています。(単位:億円)

  • 自己資本の額  +338
  • リスク・アセットの額 +170

銀行業の自己資本比率の目安として、国際統一基準では、バーゼル合意に基づき、達成すべき自己資本比率を8%以上としていますので、それに対しては高い水準です。

ご参考までに、競合他社の以下の銀行の2026年3月期3Q末時点の自己資本比率は、

  • 武蔵野銀行 (8336) 13.59%
  • 池田泉州HD(8714) 11.68%
  • めぶきフィナンシャルG(7167) 12.66%

となっており、それらと比較すると低い水準になっています。

キャッシュ・フロー>2026年3月期通期のキャッシュ・フロー(以下、CF)の状況

  • フリーCF(営業活動によるCFと投資活動によるCFを合計した金額 ※1)1,488億円の支出
    • 営業活動によるCF 1,378億円の支出(前期 2,373億円の支出
    • 投資活動によるCF 110億円の支出(前期 658億円の収入

 ※1 フリーCFの説明:

  • プラスの場合:会社が自由に使える資金が増える
  • マイナスの場合:会社が自由に使える資金が減る

前期(2025年3月期)通期のフリーCF(1,715億円の支出)から226億円増加しています。

営業活動によるCFの主な内訳(億円):

  • 税金等調整前当期純利益 608
  • 資金運用収益 △1,133
  • 貸出金の純増(△)減 △2,924

投資活動によるCFの主な内訳(億円):

  • 有価証券の取得による支出 △3,990
  • 有価証券の売却による収入 3,209
  • 有価証券の償還による収入 747

株価指標と動向

株価指標

【2026/5/8(金)終値時点の数値】

  • 株価:11,490円
  • 時価総額:3,521億円
  • PER(株価収益率(予想)):10.5倍

PERは、同業で時価総額が近い、武蔵野銀行(8336) 15.2倍、池田泉州HD(8714) 15.4倍、めぶきフィナンシャルG(7167) 15.2倍と比較すると、低い水準です。

  • PBR(株価純資産倍率):1.01倍
  • 信用倍率(信用買い残÷信用売り残):22.4倍
  • 年間配当金(予想):240円(1/8分割後換算で30円、年2回 9月 120円(1/8分割後換算で15円)、3月 120円(同15円))、利回り:2.08%(配当性向 20.9%)

配当利回り2.08%で、東証プライムの単純平均2.21%(5/8時点) と比較するとやや低い水準です。

表4のように、直近5年間の配当金は、年間1株あたり75~170円で推移しており、連続増配を継続中です。

配当性向は、10%台で安定して推移しています。

決算期1株当たり
年間配当金
[円]
配当性向
[%]
2022年3月期7512.6
2023年3月期11516.5
2024年3月期14517.2
2025年3月期16015.5
2026年3月期17012.3
表4:東京きらぼしFG 年間配当金推移

この会社は、

銀行持株会社としての公共性に鑑み、適正な内部留保による財務の健全性の確保に努めるとともに、株主に対する利益還元を経営の重要施策の一つと位置付け、

継続的かつ安定的な配当を実施することを基本方針としています。

【株主優待】

2026年7月1日付1/8株式分割に伴い、株主優待制度が変更され、

毎年3月末100株以上保有の株主(株式分割後の株数)は、以下1~4のいずれかが進呈されます。

  1. 定期預金金利上乗せ
  2. きらぼしコンサルティングのセミナー受講料優遇
  3. UI銀行・Amazon ギフト券 3,000 円分プレゼント
  4. (新設)
    カタログギフト(保有条件あり)
    • 100株以上500株未満:3,000円相当
    • 500株以上:6,000円相当
    • 保有期間1年以上

100株保有の場合、配当金+株主優待(UI銀行・Amazon ギフト券 3,000 円分の場合)で、利回りは4.17%となります。

【直近の株価動向】

<週足チャート(直近2年間)>

2024年8月に安値(3,565円)をつけた後は、高値切り上げ安値切り上げの上昇トレンドで推移し、翌々年4月に上場来高値(12,540円)をつけています。

<日足チャート(直近3か月間)>

今年3月下旬に安値(10,270円)をつけた後は上昇基調で推移し、4月上旬に上場来高値(12,540円)をつけています。

ただその後は調整しています。

そして、今回のPO発表の翌営業日(5/11)以降の株価は、POによる短期的な需給悪化懸念により、軟調な展開が予想されますが、

75日移動平均線(青線)や節目の11,000円程度を割り込まずヨコヨコから上昇に転じていくのか、割り込んで下値模索をするのか、要注目です。

まとめ

【業績】

  • 前期(2026年3月期)通期の業績は、メイン化取引の推進、顧客とのリレーション強化の取組み等により貸出金が増加、また、政策金利上昇の影響等により貸出金利回りも上昇し、貸出金利息が前期比で126億円増加し、
    前期比 増収増益で、経常収益は2割強増利益面は4割前後の増益で着地。
  • 今期2027年3月期)業績予想は、前期比で微減~1割弱減の減益を予想。

【株主還元】

  • 配当利回り(予想)は2.08%(5/8時点)で、東証プライムの単純平均 2.21%(同)と比較するとやや低い水準
  • 直近5年間の配当金は、年間1株あたり75~170円で推移しており、連続増配継続中
    配当性向は、10%台で安定して推移。
  • 2026年7月1日付1/8株式分割に伴い、株主優待制度が変更され、毎年3月末100株以上保有の株主(株式分割後の株数)は、定期預金金利上乗せ、UI銀行・Amazon ギフト券 3,000 円分プレゼント等の中から選べる。
    100株保有の場合、配当金+株主優待(Amazon ギフト券 3,000 円分)利回りは4.17%となる。
  • 今回のPO発表と同時に、2026年7月1日付で1/8の株式分割をすることを発表し、同社株式の投資単位当たりの金額を引き下げ、株主・投資家にとってより投資しやすい環境を整えている

【流動性・新株式の発行株数】

  • 今回の株式の売出数量は、発行済み株式総数の最大20.6%で、
    直近の株式の売出のみのPOの売出株数比率(OAを含む)(シークス、大同メタル工業、持田製薬)と比較すると大規模売出し
  • 直近の出来高5日平均は1,461百株、25日平均は1,053百株(5/8時点)で、流動性は平均的な水準

【株価モメンタム】

  • 週足ベースの株価は、2024年8月に安値(3,565円)をつけた後は、高値切り上げ安値切り上げの上昇トレンドで推移し、
    翌々年4月に上場来高値(12,540円)をつけている。
  • 直近の株価は、今年3月下旬に安値(10,270円)をつけた後は上昇基調で推移し、4月上旬に上場来高値(12,540円)をつけている。
    ただその後は調整している。
  • 今回のPO発表の翌営業日(5/11)以降の株価は、POによる短期的な需給悪化懸念により、軟調な展開が予想されるが、
    75日移動平均線や節目の11,000円程度を割り込まずヨコヨコから上昇に転じていくのか、割り込んで下値模索をするのか要注目。

以上のことから、

レベル
(⭐(最低)~
⭐⭐⭐⭐⭐(最高))
業績⭐⭐
株主還元
(配当、株主優待等)
株価モメンタム⭐⭐⭐⭐
流動性⭐⭐
株式の売出数量⭐⭐
総合判定⭐⭐
(中立)
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」

と判断しました。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。

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