【結果検証:公募増資・売出(PO)は買いか?】帝国ホテル(9708)、リソルホールディングス(5261)、日本シイエムケイ(6958)

結果検証公募増資・売出(PO)
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こんにちは!

直近で公募増資・売出(以下、PO)を実施した銘柄に関して、POに応募して買った場合、利益は出たのか?

受渡期日当日と1週間後の結果を検証しました。

今回は、受渡期日が2024年3月の帝国ホテルリソルホールディングス日本シイエムケイです。

最後までお付き合いいただけると嬉しいです💖

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発行(売出)価格とその後の株価推移

株価指標

まずは、発行価格で買って1週間(5営業日)後まで保有した場合、含み益なのか含み損なのか?確認していきましょう!

※売買手数料は考慮していません。

銘柄受渡
期日
発行
価格

[円]
ディス
カウント

率[%]
受渡日
始値[円]
(騰落率[%])
受渡日
終値[円]
(同)
1週間後
の始値[円]
(日付)
損益[円]
(騰落率

[%])
帝国ホテル
(9708)
3/4
(月)
1,0073.54970
(-3.7)
970
(-3.7)
987
(3/11)
-20
(-2.0)
リソル
ホールディングス
(5261)
3/4
(月)
5,8203.005,820
(±0)
5,740
(-1.4)
5,600
(3/11)
-220
(-3.8)
日本シイエムケイ
(6958)

3/5
(火)
5823.00600
(+3.1)
605
(+4.0)
616
(3/12)
+34
(+5.8)
表1:直近のPO銘柄の売出価格とその後の推移

受渡期日の寄付又は大引けと1週間(5営業日)後の結果は、

帝国ホテルは、全ての段階で損益マイナス

リソルホールディングスは、受渡日の寄付で売却した場合は損益トントン受渡日の大引け受渡日1週間(5営業日)後の寄付損益マイナス

日本シイエムケイ全ての段階で損益プラス

でした。

日本シイエムケイ受渡日1週間後の寄付で売却した場合、5.8%の利益が出ています。

POで購入し、利益が出た方おめでとうございます!

ちなみに、私は今回は購入無しでした。皆さんはいかがでしたでしょうか?

それでは個別に見ていきましょう!

要因分析:帝国ホテル(9708)

この会社のPO発表時の評価は、表2のように判断していました。

レベル
(⭐(最低)~
⭐⭐⭐⭐⭐(最高))
業績⭐⭐⭐
株主還元
(配当、株主優待等)
株価モメンタム⭐⭐
流動性⭐⭐
株式の売出数量⭐⭐
総合判定⭐⭐
(中立)
2:帝国ホテル PO発表時の評価
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」

今期(2024年3月期)3Qの業績は、高品質、高付加価値の商品やサービスを提供することで売上と利益の増進に努め、

利益面は、ホテル事業において客室室料を中心とした単価の向上に取り組んだ結果、利益率が高まったこと、加えて更なる生産性の向上が図れたことから、

前年同期比 増収増益で、売上高は3割弱増利益面は8割~6倍弱の増益でした。

今期通期予想は、今2Q決算発表と同時に利益面のみ上方修正し、

前期比 増収増益で、売上高は2割増利益面は5割強~6.8倍の増益を見込んでいました。

その通期業績予想に対する進捗率は、3Q終了時点で、売上高は8割弱でそこそこでしたが、利益面は既に通期予想を超過しており順調でしたね。

株主還元は、配当利回り(予想)は0.59%(2/16時点) で、東証スタンダードの単純平均 2.20%と比較すると低い水準でした。

直近5年間の配当金は、年間1株あたり2~8円で推移しており、配当性向は、最終赤字の年を除いて20~30%台で推移していました。

また、株主優待があり、毎年3月末の100株以上保有の株主は、株数に応じてホテル利用券が進呈され、100株保有の場合、配当金+株主優待(1,000円相当)利回りは1.58%となっていたところは魅力的でしたね。

株価モメンタムは、2022年8月に安値(868円)をつけた後は、高値切り上げ安値切り上げの上昇基調で推移していました。

直近では、昨年12月中旬に安値(906円)をつけた後は上昇基調で推移し、2/6に年初来高値(1,111円)をつけ、その後はしばらく調整していました。

そして、今回のPO発表の翌営業日(2/16)は、POによる短期的な需給悪化懸念から、窓を開けて前日比 35円安(-3.35%)と急落しましたね。

その後は、75日移動平均線や直近の安値(906円)を下抜けずに上昇に転じていくのか、下抜けて下値模索をするのか注目していましたが・・・。

ご参考(PO前の分析):【公募増資・売出(PO)は買いか?】帝国ホテル(9708)

【PO発表後の株価の動き】

<日足チャート(直近3か月)>

PO発表翌営業日以降はしばらく株価は持ち直していましたが、売出価格等決定日(2/26)以降、再び下落に転じ、受渡日(3/4)は75日移動平均線(青線)を割り込みました。

しかし、その翌営業日には、POによる需給悪化懸念が後退してきて底打ちし、反転上昇を開始しています。

要因分析:リソルホールディングス(5261)

この会社のPO発表時の評価は、表3のように判断していました。

レベル
(⭐(最低)~
⭐⭐⭐⭐⭐(最高))
業績⭐⭐⭐
株主還元
(配当、株主優待等)
⭐⭐
株価モメンタム⭐⭐
流動性⭐⭐
株式の売出数量⭐⭐
総合判定⭐⭐
(買い)
3:リソルホールディングス PO発表時の評価
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」

今期(2024年3月期)3Qの業績は、主力のホテル事業やゴルフ事業が好調で、

前年同期比 増収増益で、売上高は1割強利益面は2~4倍弱の増益でした。

今期通期予想は、今3Q決算発表と同時に上方修正し、

前期比 増収増益で、売上高は2割弱増利益面は2~10倍の増益を見込んでいました。

その通期業績予想に対する進捗率は、3Q終了時点で、売上高は8割弱でそこそこでしたが、利益面は既に通期予想を超過しており順調でしたね。

株主還元は、配当利回り(予想)は1.36%(2/16時点) で、東証プライムの単純平均 2.15%と比較すると低い水準でした。

直近5年間の配当金は、年間1株あたり50~70円で推移しており、配当性向は、20%台~260%で幅がありました。

また、株主優待があり、毎年3月末の100株以上保有の株主は、株数に応じてリソルグループが運営する施設(ホテル・ゴルフ場・貸別荘・リゾート施設)でのみ利用可能な商品券が進呈され、

100株保有の場合、配当金+株主優待(20,000円相当)利回りは4.78%になっていたところは魅力的でしたね。

株価モメンタムは、2022年3月に安値(4,255円)をつけた後は、高値切り上げ安値切り上げの上昇トレンドで推移していました。

直近では、上昇基調で推移1/10に上場来高値(6,250円)をつけて、その後はしばらくヨコヨコの展開でしたが、

今回のPO発表の翌営業日(2/16)は、POによる短期的な需給悪化懸念から、出来高を伴い売られ、前日比 150円安(-2.5%)と急落しましたね。

その後は、75日移動平均線や節目の5,500円程度で下げ止まり上昇に転じていくのか、下抜けて下値模索を続けるのか注目していましたが・・・。

ご参考(PO前の分析):【公募増資・売出(PO)は買いか?】リソルホールディングス(5261)

【PO発表後の株価の動き】

<日足チャート(直近3か月)>

PO発表以降、受渡日(3/4)の2営業日前までは上昇基調で推移し、PO発表前の株価に戻っていましたが、

その後は、POによる短期的な需給悪化懸念が再燃し、連続大陰線で売られ下落に転じました

受渡日の翌営業日には、75日移動平均線(青線)を割り込んで、株価は低迷しています。

要因分析:日本シイエムケイ(6958)

この会社のPO発表時の評価は、表4のように判断していました。

レベル
(⭐(最低)~
⭐⭐⭐⭐⭐(最高))
業績⭐⭐⭐
株主還元
(配当、株主優待等)
⭐⭐
株価モメンタム⭐⭐
流動性⭐⭐
新株式の発行数量
株式の売出数量
⭐⭐
総合判定⭐⭐
(中立)
4:日本シイエムケイ PO発表時の評価
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」

今期(2024年3月期)3Qの業績は、注力分野のパワートレイン・走行安全系向けの販売が牽引し、

前年同期比 増収減益で、売上高は1割弱増、利益面は営業利益と純利益は微減の減益でしたが、経常利益は2割強の増益でした。

今期通期予想は、今3Q決算発表と同時に、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益を、主に円が対米ドル及びタイバーツで通貨安に推移したことにより上方修正し、

前期比 増収増益で、売上高は微増利益面は1~4割弱の増益を見込んでいました。

その通期業績予想に対する進捗率は、3Q終了時点で、売上高と営業利益は7~8割弱でそこそこでしたが、経常利益と純利益は9割強で順調でしたね。

株主還元は、配当利回り(予想)は1.81%(2/19時点) で、東証プライムの単純平均 2.15%(2/16時点) と比較すると低い水準でした。

直近5年間の配当金は、年間1株あたり0~14円で推移しており、配当性向は、無配や最終赤字の年を除き、30%前後で推移していました。

会社の方針は、連結配当性向30%程度を目安安定的な配当を継続して実施することを基本方針としているため、

3Q決算と同時に業績の上方修正したことに伴い、配当金も当初予想から1株当たり年間1円増配していましたね。

株価モメンタムは、2022年7月に安値(415円)をつけた後は、高値切り上げ安値切り上げの上昇トレンドで推移し、2023年の年末に2倍の高値(830円)をつけました。

直近では、昨年12月末に年初来高値(830円)をつけた後は調整し、

今回のPO発表の翌営業日(2/19)は、POによる1株利益の希薄化と自己株式の処分による短期的な需給悪化懸念から、窓を開けて出来高を伴い、前日比 142円安(-18.9%)と急落し、すべての移動平均線を下抜けましたね。

その後は、昨年8月につけた安値(479円)や4月につけた昨年来安値(431円)を割り込まずに、上昇に転じていくのか、割り込んで下値模索を続けるのか注目していましたが・・・。

ご参考(PO前の分析):【公募増資・売出(PO)は買いか?】日本シイエムケイ(6958)

【PO発表後の株価の動き】

<日足チャート(直近3か月)>

PO発表の3営業日後までは、POによる1株利益の希薄化短期的な需給悪化懸念により下落しましたが、

その後は、それが収まり緩やかながら上昇基調で推移し、発行価格を割り込まずに600円前後でもみ合いが続いています。

まとめ

帝国ホテル(9708)、リソルホールディングス(5261)、日本シイエムケイ(6958)のPO予想と一週間(5営業日)後の株価は、表5の結果になりました。

銘柄名事前予想結果(損益)[円]
(「受渡日の1週間
(5営業日)後始値」
ー「発行価格」)

(騰落率[%])
判定
帝国ホテル中立-20
(-2.0)
リソル
ホールディングス
買い-220
(-3.8)
×
日本シイエムケイ中立+34
(+5.8)
×
表5:事前予想と結果
※事前予想の「買い」は3%以上の上昇、「中立」は±3%、「見送り」は3%以上の下落を想定しています。

今回は1勝2敗、勝率0.333反省です(__)

銘柄によって明暗が分かれたという印象です。

日本シイエムケイは、PO発表直後に下落幅が18%と大きく下げたため、その分、発行価格決定日以降はほとんど下がらなかったのですが、

帝国ホテルリソルホールディングスは、売出価格決定日まで下げきれずその後も下落が継続しました。

発行(売出)価格決定日までに株価が下げ切らなかった銘柄は、注意が必要かもしれません。

今後の個別動向ですが、

帝国ホテルは、直近で75日移動平均線を回復しています。

3月末に配当と株主優待の権利取りが控えていますので、今後、25日移動平均線も上抜いての上昇加速に期待です。

リソルホールディングスは、ヨコヨコの展開ですが、業績は好調ですので、

こちらも3月末のお得な優待権利取りに向けての上昇に期待できそうです。

日本シイエムケイは、600円前後でのもみ合いが続いています。

底値固めをしながら、3月末の期末一括配当に向けて、株価回復に期待したいところです。

参考になればうれしいです✨

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。

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