こんにちは!
直近で立会外分売を実施した銘柄に関して、立会外分売で買った場合、利益は出たのか?
分売日当日と分売後1週間後の結果を検証しました。
今回は、2024年5月に分売が実施された南総通運、エージェント・インシュアランス・グループ、日産証券グループです。
最後までお付き合いいただけると嬉しいです💖
分売値段とその後の株価推移
まずは、分売値段で買って1週間(5営業日)後まで保有した場合、含み益なのか含み損なのか?
確認していきましょう!
※売買手数料は考慮していません。
銘柄 | 分売日 | 分売 値段 [円] | ディス カウント 率[%] | 分売日 始値[円] (騰落率[%]) | 分売日 終値[円] (同) | 1週間後 の始値[円] (日付) | 損益[円] (騰落率 [%]) |
南総通運 (9034) | 5/28 (火) | 1,104 | 2.47 | 1,124 (+1.8) | 1,102 (-0.2) | 1,111 (6/4) | +7 (+0.6) |
エージェント・ インシュアランス・G (5836) | 5/28 (火) | 1,453 | 3.00 | 1,348 (-7.2) | 1,375 (-5.4) | 1,369 (6/4) | -84 (-5.8) |
日産証券グループ (8705) | 5/30 (木) | 166 | 2.92 | 171 (+3.0) | 178 (+7.2) | 193 (6/6) | +27 (+16.3) |
分売日の寄付又は大引と1週間(5営業日)後の結果は、
日産証券グループは、全ての段階で損益プラス、
エージェント・インシュアランス・グループは、全ての段階で損益マイナス、
南総通運は、分売日の寄付や分売日の1週間後(5営業日後)の寄付で売却した場合は損益プラスでしたが、分売日の大引で売却した場合は損益マイナス、
でした。
特に、日産証券グループは、分売日の寄付で売却した場合は、なんと16.3%の利益が出ています。
分売で購入し利益が出た方、おめでとうございます!
ちなみに私は、購入申込無しでした。
それでは個別に見ていきましょう!
要因分析:南総通運(9034)
この会社の立会外分売実施前の評価は、表2のように判断していました。
レベル (⭐(最低)~ ⭐⭐⭐⭐⭐(最高)) | |
業績 | ⭐⭐⭐⭐ |
株主還元 (配当、株主優待等) | ⭐⭐⭐⭐ |
株価モメンタム | ⭐⭐⭐⭐ |
流動性 | ⭐⭐ |
分売数量 | ⭐⭐⭐⭐ |
総合判定 | ⭐⭐⭐⭐ (買い) |
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「見送り」
前期(2024年3月期)の業績は、物流拠点を核としたトータルロジスティクスを中心に、新規の顧客開拓、既存の顧客との取引拡大に積極的に取組み、
前期比 増収増益で、営業収益は1割弱増、利益面は2割強~5割弱の増益で着地しました。
今期(2025年3月期)通期予想は、業務の効率化、コスト上昇分の価格転嫁に取り組むとともに、経営成績に大きな影響を及ぼす軽油価格の動向に注視するとともに、
エネルギー資源の動静に起因する電気料金の高騰などに対する省エネルギー対策にも取組みながら、コスト抑制を実施していき、
前期比 増収増益で、営業収益は微増、利益面は営業利益と経常利益は微増の増益ですが純利益は2割弱の減益を見込んでいます。
株主還元は、配当利回り(予想)は4.12%(5/23時点) で、東証スタンダードの単純平均 2.32%と比較すると高い水準で、
直近5年間の配当金は、年間1株あたり17.5~30円で推移しており
配当性向は、20%台で安定して推移していました。
会社の株主還元方針は、株主への利益還元を重要課題と認識し、かつ安定的な利益配当を継続することを基本方針とし、株主に長期的に安定した配当の継続に努めています。
株価モメンタムは、長い期間、高値切り上げ安値切り上げの上昇トレンドが継続しており、2024年5月に上場来高値(1,174円)をつけました。
直近の株価は、4/18に安値(1,007円)をつけた後は、連続陽線で急上昇し、5/9に上場来高値(1,174円)をつけました。
しかしその後は調整しており、今回の立会外分売と2024年3月期決算発表の翌営業日(5/16)は、分売による短期的な需給悪化を懸念され、出来高を伴い窓を開けて前日比 35円安(-3.13%)と急落しましたね。
その後の株価は、25日移動平均線の上をキープし、再び上場来高値更新を目指すのか、これを下抜け下落トレンド入りするのか注目していましたが・・・。
ご参考(立会外分売前の分析):【立会外分売は買いか?】南総通運(9034) <2024年5月実施>
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月間)>
分売発表以降分売日(5/28)までは、25日移動平均線(赤線)の上をキープし、安値を切り上げながら推移していましたが、
分売日の翌営業日は25日移動平均線を割り込み、その後はほぼヨコヨコで推移しています。
要因分析:エージェント・インシュアランス・グループ(5836)
この会社の立会外分売実施前の評価は、表3のように判断していました。
レベル (⭐(最低)~ ⭐⭐⭐⭐⭐(最高)) | |
業績 | ⭐⭐⭐ |
株主還元 (配当、株主優待等) | ⭐ |
株価モメンタム | ⭐⭐⭐ |
流動性 | ⭐ |
分売数量 | ⭐⭐ |
総合判定 | ⭐⭐ (見送り) |
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「見送り」
今期(2024年12月期)1Qの業績は、国内事業において、ビジネスモデルの根幹であるM&A及び事業承継の取組みが順調に推移し、損害保険の売上が順調に推移し、また既存の顧客へのクロスセルにより、生命保険の販売が促進し、
前年同期比 増収増益で、売上高は1割強増、利益面は黒字転換でした。
今期通期予想は、今後は1件1件の事業承継規模の拡大に加えて、自動車ディーラーや 不動産販売等の他業務と合わせて保険販売を行う「兼務代理店」の事業承継も積極的に行い、
前期比 増収増益で、売上高は1割増、利益面は微増~7割の増益を見込み、
その通期予想に対する進捗率は、1Q終了時点で、売上高は1割強で遅れ気味、利益面も1割弱で遅れ気味でしたね。
株主還元は、配当金は上場来無配でした。
ただ、内部留保の充実をはかり財務体質の強化と事業拡大のための投資等を実施し一層の事業拡大や競争力の維持・強化を目指すことが、株主に対する最大の利益還元策となることは理解できました。
直近の出来高の5日平均は7.6百株、25日平均は8.0百株(5/24時点)で、流動性は極端に低い水準で、
分売数量は、発行済み株式総数の約2.15%とほどほどの数量で、この銘柄の1日の平均的な出来高の約62倍であり、それからすると多い数量でしたので、需給の面で懸念材料でしたね。
株価モメンタムは、2022年12月に上場来安値(475円)をつけた後は、高値切り上げ安値切り上げの上昇トレンドで推移し、翌年6月に上場来高値(1,810円)をつけました。
そしてその後は、高値は更新していませんが、安値を切り上げながら推移していました。
直近の株価は、3/11に安値(1,253円)をつけた後は、高値切り上げ安値切り上げの上昇基調で推移し、5/8に年初来高値(1,620円)をつけました。
しかしその後は調整しており、今回の立会外分売発表の翌営業日(5/21)は、分売による需給悪化を懸念され、前日比 19円安(-1.29%)と下落しましたね。
その後の株価は、75日移動平均線の上をキープしながら、上昇に転じていくのか、下抜けて下値模索を継続するのか注目していましたが・・・。
ご参考(立会外分売前の分析):【立会外分売は買いか?】エージェント・インシュアランス・グループ(5836)
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月間)>
分売日の前営業日までは75日移動平均線(青線)の上で持ちこたえていましたが、
分売日(5/28)は一旦これを割り込み、分売値段(1,453円)を下回って推移しました。
そしてそれ以降は、75日移動平均線に頭を押さえられながら推移しています。
要因分析:日産証券グループ(8705)
この会社の立会外分売実施前の評価は、表4のように判断していました。
レベル (⭐(最低)~ ⭐⭐⭐⭐⭐(最高)) | |
業績 | ⭐⭐⭐⭐ |
株主還元 (配当、株主優待等) | ⭐⭐⭐⭐ |
株価モメンタム | ⭐⭐ |
流動性 | ⭐⭐⭐⭐ |
分売数量 | ⭐⭐ |
総合判定 | ⭐⭐⭐ (中立) |
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「見送り」
前期(2024年3月期)の業績は、株式市場や商品市場の活況を受けて金融商品取引に係る受入手数料が大幅に増加し、
前期比 増収増益で、売上収益は2割弱増、利益面は2.1~3.2倍の増益で着地しました。
今期(2025年3月期)通期予想は、業績は相場環境の変動の影響を大きく受ける状況にあり、この特性を鑑みると、業績予想を適正かつ合理的に行なうことは非常に困難であることから、
業績予想の開示・公表は、株主・投資家の合理的な判断の形成に有用とはいえないとして非開示でした。
株主還元は、配当利回り(前期並みと予想)は4.56%(5/24時点) で、東証スタンダードの単純平均 2.33%と比較すると高い水準で、
直近5年間の配当金は、年間1株あたり0~8.5円で推移しており、
配当性向は、無配の年を除き、10~80%台でした。
会社の株主還元方針は、自己株式取得を含めた連結ベースでの配当性向(総還元性向)を60%以上としていました。
また、株主優待があり、毎年3月末に200株以上保有の株主は、株数に応じてクオカードが進呈され、
加えて毎年9月末と3月末の年2回、100株以上保有の株主は、純金・プラチナ積立「タートルプラン」の新規申込時に3,000円分のクオカードが進呈されます。
500株保有(1年未満)の場合、配当金+株主優待(1,000円相当)で利回りは5.64%になっていたところは魅力的でしたね。
株価モメンタムは、2023年までは150~180円のレンジ内で推移していましたが、2024年に入り急上昇しはじめ、同年3月に高値(280円)をつけました。
しかしその後は調整しており、26週移動平均線を割り込んでいました。
直近の株価は、3/25に年初来高値(280円)をつけるまでは上昇基調で推移しましたが、その後は高値切り下げ安値切り下げの下落基調で推移しました。
そして今回の立会外分売発表の翌営業日(5/23)は、分売による短期的な需給悪化を懸念され、窓を開けて出来高を伴い前日比 26円安(-12.3%)と急落しましたね。
その後の株価は、年初につけた年初来安値(170円)を割り込まずに、ヨコヨコから上昇に転じていくのか、割り込んで下値模索を継続するのか注目していましたが・・・。
ご参考(立会外分売前の分析):【立会外分売は買いか?】日産証券グループ(8705)
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月間)>
分売発表以降は下落基調で推移しましたが、分売日の前営業日に下げ止まり、
分売日(5/30)以降は勢いよく上昇していきました。
分売発表後の下げが大きかった分、株価の戻りも大きかったですね。
まとめ
南総通運(9034)、エージェント・インシュアランス・グループ(5836)、日産証券グループ(8705)の立会外分売の事前予想と1週間(5営業日)後の株価は、表5の結果になりました。
銘柄名 | 事前 予想 | 結果(損益)[円] (「5営業日後始値」 ー「分売値段」) (騰落率[%]) | 判定 |
南総通運 | 買い | -7 (-0.6) | × |
エージェント ・I・G | 見送り | -84 (-5.8) | 〇 |
日産証券G | 中立 | +27 (+16.3) | × |
※事前予想の「買い」は3%以上の上昇、「中立」は±3%、「不参加」は3%以上の下落を想定しています。
今回は1勝2敗、勝率0.333。反省です(__)
今回は、日経平均もみ合いでしたので、銘柄によって明暗が分かれました。
日産証券グループは分売発表後の株価の下げが大きかった分、戻りも早かったのですが、
一方、南総通運は、分売発表日の翌営業日以降ほとんど株価は下がらなかったので、その分、分売日以降の株価がさえませんでしたね。
今後の個別動向ですが、
南総通運は、5月に上場来高値をつけた以降は勢いが衰えつつあり、直近では1,100円前後のヨコヨコで推移しています。
配当利回りは高いですので、今後、業績の上振れが確認できれば、上昇転換していきそうです。
エージェント・インシュアランス・グループは、75日移動平均線が上値抵抗となり、なかなか上昇の兆しが見えてきません。
出来高も少なく、取引しずらい面もありますので、今後も厳しい状況が続く可能性があります。
日産証券グループは、3つの銘柄の中でも最も株価の戻りが早く、分売日の翌営業日は大陽線をつけて大幅上昇し勢いがあります。
配当利回りは高く、株主優待もありますので、今後25日移動平均線を上抜いてくれば、更なる上昇が期待できそうです。
参考になればうれしいです✨
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。