【結果検証:公募増資・売出(PO)は買いか?】本田技研(7267)、レシップホールディングス(7213)、KOKUSAI ELECTRIC(6525)

結果検証公募増資・売出(PO)
この記事は約10分で読めます。

こんにちは!

直近で公募増資・売出(以下、PO)を実施した銘柄に関して、POに応募して買った場合、利益は出たのか?

受渡期日当日と1週間後の結果を検証しました。

今回は、受渡期日が2024年7月の本田技研レシップホールディングスKOKUSAI ELECTRICです。

最後までお付き合いいただけると嬉しいです💖

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発行(売出)価格とその後の株価推移

株価指標

まずは、発行(売出)価格で買って1週間(5営業日)後まで保有した場合、含み益なのか含み損なのか?確認していきましょう!

※売買手数料は考慮していません。

銘柄受渡
期日
発行
価格

[円]
ディス
カウント

率[%]
受渡日
始値[円]
(騰落率[%])
受渡日
終値[円]
(同)
1週間後
の始値[円]
(日付)
損益[円]
(騰落率

[%])
本田技研
(7267)
7/24
(水)
1664.53.001,653
(-0.7)
1,630
(-2.1)
1,611
(7/31)
-53.5
(-3.2)
レシップ
HLDGS
(7213)
7/25
(木)
6493.13630
(-2.9)
616
(-5.1)
615
(8/1)
-34
(-5.2)
KOKUSAI
ELECTRIC
(6525)

7/29
(月)
4,5783.014,000
(-12.6)
4,005
(-12.5)
3,015
(8/5)
1,563
(-34.1)
表1:直近のPO銘柄の売出(処分)価格とその後の推移

受渡期日の寄付又は大引けと1週間(5営業日)後の結果は、

全ての銘柄は、全ての段階で発行(売出)価格に対し損益マイナス

でした。

特に、KOKUSAI ELECTRIC受渡日から1週間後の寄付きで売却した場合、34.1%の損益マイナスでした。

今回は、7月11日に日経平均株価が史上最高値を記録した後、急速にマクロ環境(円高、米景気後退懸念)が悪化相場が逆回転しはじめ、それに巻き込まれたという印象です。

ちなみに、私は今回は購入無しでした。皆さんはいかがでしたでしょうか?

それでは個別に見ていきましょう!

要因分析:本田技研(7267)

この会社のPO発表時の評価は、表2のように判断していました。

レベル
(⭐(最低)~
⭐⭐⭐⭐⭐(最高))
業績⭐⭐⭐
株主還元
(配当、株主優待等)
⭐⭐
株価モメンタム⭐⭐
流動性⭐⭐
株式の売出数量⭐⭐
総合判定⭐⭐
(買い)
2:本田技研 PO発表時の評価
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」

前期(2024年3月期)の業績は、売上収益は、四輪事業における増加為替換算による増加影響

利益面は、諸経費の増加などはあったものの、売価およびコスト影響や販売影響による利益増などにより、

前期比 増収増益で、売上高は2割増利益面は7~9割弱の増益で着地していました。

今期(2025年3月期)業績予想は、営業利益は主に売価及びコスト影響により増益税引き前利益持分法利益の減少により、

前期比 減収増益で、売上高微減、利益面は営業利益は微増だが、税引前利益と当期利益は1割弱の減益を見込んでいました。

株主還元は、配当利回り(予想)は3.92%(7/5時点) で、東証プライムの単純平均 2.23%(7/4時点) と比較すると高い水準でした。

直近5年間の配当金は、年間1株あたり36.7~68円で推移しており、

配当性向は、30%前後~40%台で安定していました。

また、株主優待があり、毎年3月末に100株以上保有の株主は、保有継続年数に応じて、HondaJet体験会、事業所見学会、レース、Enjoy Hondaが抽選で進呈。保有継続年数は問わず、希望者全員に「Hondaカレンダー」が進呈されます。

そして、さらに2024年5月に、自己株式の取得の発表を行っており、現時点でどのくらいの株数(金額)を取得済みなのか不明でしたが、今回の株式の売出数量に対し約6割を市場で取得し、需給悪化の緩和を図っていましたね。

株価モメンタムは、2023年1月に安値(996.8円)をつけるまでは下落基調で推移していましたが、

その後は、高値切り上げ安値切り上げの上昇トレンドで推移し、2024年3月に上場来高値(1959.5円)をつけました。

直近では、4/12の高値(1,890円)以降、下落基調で推移していましたが、6/17の安値(1,634.5円)以降は上昇に転じ、一旦は75日移動平均線の上に浮上しました。

しかし今回のPO発表の翌営業日(7/5)は、POによる短期的な需給悪化懸念により、前日比 58円安(-3.24%)と急落し、

75日移動平均線と5日移動平均線を割り込みましたね。

PO発表後の株価は、直近の安値(1,634.5円)を割り込まずヨコヨコから上昇に転じていくのか、割り込んで下値模索をするのか注目していましたが・・・。

ご参考(PO発表時の分析):【公募増資・売出(PO)は買いか?】本田技研(7267)

【PO発表後の株価の動き】

<日足チャート(直近3か月)>

PO発表以降は下落基調が続き、受渡日(7/24)までは直近の安値を割り込みませんでしたが、受渡日にはこれを割り込み

地合いが悪かったことも重なり、以降も下落基調が継続しています。

要因分析:レシップホールディングス(7213)

この会社のPO発表時の評価は、表3のように判断していました。

レベル
(⭐(最低)~
⭐⭐⭐⭐⭐(最高))
業績⭐⭐⭐
株主還元
(配当、株主優待等)
株価モメンタム⭐⭐
流動性⭐⭐
新株式の発行数量⭐⭐
総合判定⭐⭐
(中立)
3:レシップホールディングス PO発表時の評価
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」

前期(2024年3月期)の業績は、輸送機器事業、産業機器事業ともに売上が増加し、
バス市場ではバス事業者の設備投資意欲の回復新紙幣関連売上増加に伴い増収で、電源ソリューション事業ではフォークリフト用充電器の売上が増加し、

前期比 増収増益で、売上高は6割増利益面は黒字転換で着地していました。

今期(2025年3月期)業績予想は、バス・鉄道事業者の設備投資需要は、引き続き堅調に推移する見通しですが、

運賃収受システムの導入に伴うシステム開発案件新紙幣発行に伴う運賃箱の改造・ソフト改修の売上などが落ち着くことから、

前期比 減収減益で、売上高1割弱減利益面は7割前後の減益を見込んでいましたね。

株主還元は、配当利回り(予想)は1.31%(7/10時点) で、東証スタンダードの単純平均 2.29%(7/9時点) と比較すると低い水準でした。

直近5年間の配当金は、年間1株あたり5~8.5円で推移しており、

配当性向は、最終赤字の年を除き、数%~120%で幅があります。

また、株主優待があり、2024年9月末に200株以上保有1年以上継続保有の株主は、岐阜県特産の富有柿、明宝ハムの詰合せ、岐阜県の団体への寄付から1点選択で進呈され、

100株保有(1年以上3年未満継続)の場合、配当金+株主優待(2,000円相当)で利回りは2.86%となっていました。

株価モメンタムは、2022年10月の安値(430円)以降は、高値切り上げ安値切り上げの上昇トレンドで推移し、2024年2月に高値(789円)をつけましたが、

それ以降は調整していました。

直近では、5/30に年初来安値(553円)をつけた後は、高値切り上げ安値切り上げの上昇基調で推移し、7/2に高値(700円)をつけました。

しかしその後は調整しており、今回のPO発表の翌営業日(7/10)は、今回のPOによる1株利益の希薄化懸念により、出来高を伴い窓を開けて前日比 17円安(-2.57%)と急落し、25日移動平均線を割り込みましたね。

PO発表後の株価は、75日移動平均線や5月末につけた年初来安値(553円)を割り込まずに、ヨコヨコから上昇に転じていくのか、割り込んで下値模索をするのか注目していましたが・・・。

ご参考(PO発表時の分析):【公募増資・売出(PO)は買いか?】レシップホールディングス(7213)

【PO発表後の株価の動き】

<日足チャート(直近3か月)>

PO発表の翌営業日以降、一旦は反発しましたが、発行価格等決定日(7/18)以降は再び下落に転じて、

受渡日(7/25)には75日移動平均線(青線)を割り込みました。

そしてそれ以降は、POによる1株当たり利益の希薄化懸念地合いが悪かったこともあり、下落基調で推移しています。

要因分析:KOKUSAI ELECTRIC(6525)

この会社のPO発表時の評価は、表4のように判断していました。

レベル
(⭐(最低)~
⭐⭐⭐⭐⭐(最高))
業績⭐⭐⭐
株主還元
(配当、株主優待等)
株価モメンタム⭐⭐
流動性⭐⭐
株式の売出数量⭐⭐
総合判定⭐⭐
(買い)
4:KOKUSAI ELECTRIC PO発表時の評価
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」

前期(2024年3月期)の業績は、売上収益半導体デバイスメーカーのNANDに対する投資抑制を受け、利益面は、売上収益の減少に伴い、

前期比 減収減益で、売上収益は3割弱減利益面は4~5割の減益で着地していました。

今期(2025年3月期)業績予想は、半導体デバイス市況2024年3月期に底を打ち、今後も回復傾向が続き

中国における成熟ノード向けの活発な設備投資は、少なくとも2025年3月期半ばまで持続されるものと想定し、

前期比 増収増益で、売上収益2割増利益面は3~5割弱の増益を見込んでいましたね。

株主還元は、配当利回り(予想)は0.57%(7/11時点) で、東証プライムの単純平均 2.24%(7/10時点) と比較すると低い水準でした。

直近5年間の配当金は、年間1株あたり0~11円で推移しており、前期に初配を実施し、

配当性向は、無配の年を除き、10%台でした。

また、今回のPOと同時に自己株式の取得の発表を行っており、今回の株式の売出数量に対し約1割を市場で取得し、需給悪化の緩和を図っていました。

株価モメンタムは、2023年10月の上場初日に上場来安値(2,108円)をつけた後は、高値切り上げ安値切り上げの上昇トレンドで推移し、

2024年7月に上場来高値(5,860円)をつけました。

直近では、4/22に安値(3,655円)をつけた後は、高値切り上げ安値切り上げの上昇基調で推移し、7/9に上場来高値(5,860円)をつけました。

そして今回のPO発表の翌営業日(7/11)は、この前日に今回の株式の売出しの観測記事が流れ下落したため、それほど大きな動きはなく前日比 150円高(+2.78%)で終了しましたね。

PO発表後の株価は、25日移動平均線や75日移動平均線を下抜けずに、再び上場来高値を更新するのか、下抜けて下値模索をするのか注目していましたが・・・。

ご参考(PO発表時の分析):【公募増資・売出(PO)は買いか?】KOKUSAI ELECTRIC(6525)

【PO発表後の株価の動き】

<日足チャート(直近3か月)>

PO発表後、7/17に再度、上場来高値を更新しましたが、その後は下落に転じ

下落基調で推移しました。

半導体関連株全体で下落基調が続いていましたので、これに引きずられた格好です。

まとめ

本田技研(7267)、レシップホールディングス(7213)、KOKUSAI ELECTRIC(6525)のPO予想と一週間(5営業日)後の株価は、表5の結果になりました。

銘柄名事前予想結果(損益)[円]
(「受渡日の1週間
(5営業日)後始値」
ー「発行価格」)

(騰落率[%])
判定
本田技研買い-53.5
(-3.2)
×
レシップ
HLDGS
中立-34
(-5.2)
×
KOKUSAI
ELECTRIC
買い1,563
(-34.1)
×
表5:事前予想と結果
※事前予想の「買い」は3%以上の上昇、「中立」は±3%、「見送り」は3%以上の下落を想定しています。

今回は0勝3敗、勝率0.000。大反省ですm(_ _”m)

どの銘柄日経平均の下落に押され、PO発表以降の下落基調から上昇に転じるというところまでは至りませんでした。

特に、KOKUSAI ELECTRIC半導体関連株の7月中旬からの大幅下落に巻き込まれ、大幅マイナスとなりました。

今後の個別動向ですが、

本田技研は、PO発表以降からの下落基調が継続しています。

この下落で、配当利回りは4%超と高くなっていますので、日経平均株価とともに、下げ止まりからの反転上昇に期待です。

レシップホールディングスは、発行価格等決定日以降、下落基調です。

ただ、9月末に株主優待の権利取りが控えていますので、ヨコヨコからの上昇転換に期待です。

KOKUSAI ELECTRICは、半導体関連株全体が下落基調の中、下げ止まりが見えにくい状況です。

一方で、下げ過ぎ感もありますので、地合いが好転しての反転上昇に期待です。

参考になればうれしいです✨

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。

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