【結果検証:立会外分売は買いか?】アジア航測(9233)、明治電機工業(3388)、日本抵抗器(6977)

立会外分売
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こんにちは!

直近で立会外分売を実施した銘柄に関して、立会外分売で買った場合、利益は出たのか?

分売日当日と分売後1週間後の結果を検証しました。

今回は、2023年8月に分売が実施されたアジア航測、9月の明治電機工業日本抵抗器です。

最後までお付き合いいただけると嬉しいです💖

分売値段とその後の株価推移

株価指標

まずは、分売値段で買って一週間(5営業日)後まで保有した場合、含み益なのか含み損なのか?

確認していきましょう!

※売買手数料は考慮していません。

銘柄分売日分売
値段
[円]
ディス
カウント率
[%]
分売日
始値[円]
(騰落率[%])
分売日
終値[円]
(同)
一週間後
の始値[円]
(日付)
損益[円]
(騰落率

[%])
アジア航測
(9233)
8/29
(火)
8633.03906
(+5.0)
916
(+6.1)
923
(9/5)
+60
(+7.0)
明治電機工業
(3388)
9/12
(火)
1,4073.031,455
(+3.4)
1,464
(+4.1)
1,542
(9/20)
+135
(+9.6)
日本抵抗器
(6977)
9/13
(水)
1,0643.011,086
(+2.1)
1,081
(+1.6)
1,075
(9/21)
+11
(+1.0)
表1:分売値段とその後の株価推移

分売日の寄付又は大引と1週間(5営業日)後の結果は、

全ての銘柄は、全ての段階で損益プラス

の結果でした。

特に、明治電機工業は、分売日1週間後(5営業日)の寄付で売却した場合は9.6%の利益が出ていました。

分売で購入し利益が出た方、おめでとうございます!

ちなみに私は、アジア航測に400株、明治電機工業に300株購入申込みしましたが、当選無しでした(;´д`)トホホ

それでは個別に見ていきましょう!

要因分析:アジア航測(9233)

この会社の立会外分売実施前の評価は、表2のように判断していました。

レベル
(⭐(最低)~
⭐⭐⭐⭐⭐
(最高))
業績⭐⭐⭐⭐
株主還元
(配当、株主優待等)
⭐⭐⭐⭐
株価モメンタム⭐⭐⭐
流動性⭐⭐
分売数量⭐⭐⭐⭐
総合判定⭐⭐⭐
(中立)
表2:アジア航測 立会外分売実施前の評価
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」

今期(2023年9月期)3Qの業績は、社会インフラ施設の維持管理や国土基盤情報の整備、防災・減災等に向けた公共投資やエネルギー関連などの民間投資を受け、市場は順調に推移し、

前年同期比 増収増益で、売上高は2割弱増利益面は微増~2割弱の増益でした。

今期通期予想は、2Q累計期間以降も国土強靭化対策や脱炭素関連の取り組みによる官公庁や民間等からの大型受注案件の売上が順調に推移したことから、純利益を除き上方修正し、

前期比 増収増益で、売上高は1割強増利益面は微増~1割弱の増益を予想し、

その通期予想に対する進捗率は、3Q終了時点で、売上高は3/4程度でそこそこでしたが、利益面は既に通期の業績予想を超過しており順調でしたね。

株主還元は、配当利回り(会社予想)は3.41%(8/25時点)で、東証スタンダードの単純平均 2.22%と比較すると高い水準でした。

直近5年間の配当金は、1株当たり10~28円で推移し、連続増配を継続中であり、

また、会社の方針は継続的かつ安定的な株主還元を基本方針とし、配当性向20%~30%」を目標としていましたので、この点も安心でしたね。

株価モメンタムは、2021年9月に高値(992円)をつけた後は下落に転じ翌年3月に安値(677円)をつけましたが、その後は、高値切り上げ安値切り上げの上昇トレンドで推移していました。

直近の株価は、8/7に年初来高値(978円)をつけるまでは上昇トレンドで推移していましたが、それ以降は調整し、

今回の立合外分売発表の翌営業日(8/23)は、分売による需給悪化懸念から、窓を開けて出来高を伴い、前日比 25円安(-2.81%)と下落しましたが、

その後の8/25時点では、少しづつ値を戻していましたね。

その後の株価は、8/23につけた安値(855円)を下抜けずに上昇に転じていくのか、下抜けて下値模索をするのか注目していましたが・・・。

ご参考(立会外分売前の分析):【立会外分売は買いか?】アジア航測(9233) <2023年8月実施>

【立会外分売発表後の株価の動き】

<日足チャート(直近3か月)>

結局、分売発表翌営業日(8/23)につけた安値(855円)を底にして急上昇し、分売日以降も順調に上昇していきました。

分売発表以前に下落していた分の戻しもあり、分売発表翌営業日以降は早々に分売による需給悪化懸念が解消されたようです。

要因分析:明治電機工業(3388)

この会社の立会外分売実施前の評価は、表3のように判断していました。

レベル
(⭐(最低)~
⭐⭐⭐⭐⭐
(最高))
業績⭐⭐⭐⭐
株主還元
(配当、株主優待等)
⭐⭐⭐⭐
株価モメンタム⭐⭐⭐⭐
流動性⭐⭐
分売数量⭐⭐⭐
総合判定⭐⭐⭐⭐
(買い)
表3:明治電機工業 立会外分売実施前の評価
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」

今期(2024年3月期)1Qの業績は、電気自動車や自動運転の普及にともなう車載電装品への投資が堅調に推移し、

前年同期比 増収増益で、売上高は2割弱増利益面は2.5~4.5倍の増益で好調でした。

今期通期予想は、同社グループの主要ユーザーである自動車関連企業は、半導体不足の影響は徐々に解消に向かい、次世代モビリティ開発における投資は底堅く推移していくものと見込み、

前期比 増収増益で、売上高は1割弱増利益面は微増~1割弱の増益を予想し、

その通期予想に対する進捗率は、1Q終了時点で、売上高は1/4程度でそこそこ、利益面は経常利益と純利益は1/4程度でそこそこですが、営業利益は1割強で遅れ気味でしたね。

株主還元は、配当利回り(会社予想)は3.52%(9/5時点)で、東証プライムの単純平均 2.16%(9/4時点)と比較すると高い水準でした。

直近5年間の配当金は、1株当たり47~82円で推移しており、配当性向は、30~40%台でほぼ安定していました。

また、会社の方針は連結配当性向30%を目処としていましたので、この点も安心できましたね。

株価モメンタムは、2022年3月に安値(986円)をつけた後は、しばらくヨコヨコの動きでしたが、2023年年初から上昇トレンド入りし、9月に高値(1,572円)をつけていました。

直近の株価は、高値切り上げ安値切り上げの上昇トレンドで推移しており、9/4に年初来高値(1,572円)をつけましたが、

今回の立会外分売発表の翌営業日(9/5)は、分売による需給悪化懸念から、窓を開けて出来高を伴い前日比 66円安(-4.20%)と売られました。

ただこの時点では、25日移動平均線と75日移動平均線の上をキープしていましたね。

その後の株価は、25日移動平均線や75日移動平均線の上をキープして上昇に転じるのか、下抜けて下値模索をするのか注目していましたが・・・。

ご参考(立会外分売前の分析):【立会外分売は買いか?】明治電機工業(3388) <2023年9月実施>

【立会外分売発表後の株価の動き】

<日足チャート(直近3か月)>

分売日(9/12)までは下落基調で推移し、25日移動平均線(赤線)は下抜けましたが、75日移動平均線(青線)は割り込まずに、

分売日以降は、分売による需給悪化懸念が後退し上昇に転じています

要因分析:日本抵抗器(6977)

この会社の立会外分売実施前の評価は、表4のように判断していました。

レベル
(⭐(最低)~
⭐⭐⭐⭐⭐
(最高))
業績⭐⭐⭐
株主還元
(配当、株主優待等)
⭐⭐⭐
株価モメンタム⭐⭐⭐
流動性⭐⭐
分売数量⭐⭐⭐
総合判定⭐⭐⭐
(中立)
表4:日本抵抗器 立会外分売実施前の評価
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」

今期(2023年12月期)2Qの業績は、国内及び国外向け売上は前年同四半期比で増加し、利益面は、原材料価格や人件費の高騰により原価が増加したため粗利益率が低下して、

前年同期比 増収減益で、売上高は1割強増、利益面は営業利益と経常利益は3割弱~4割強の減益ですが、純利益は3倍弱の増益でした。

今期通期予想は、産業機器用電流センサーをはじめとする電子部品の需要は引き続き堅調な推移を見込んでいますが、原材料価格の高騰や円安による海外生産コスト上昇などのコスト上昇が避けられず、

前期比 増収減益で、売上高は微増利益面は2~3割の減益を予想し、

その通期予想に対する進捗率は、2Q終了時点で、売上高は1/2程度でそこそこ、利益面は営業利益は4割弱で遅れ気味経常利益は1/2程度でそこそこ純利益は7割弱で順調とまちまちでしたね。

株主還元は、配当利回り(会社予想)は2.81%(9/1時点)で、東証スタンダードの単純平均 2.18%と比較すると高い水準でした。

直近5年間の配当金は、1株当たり25~45円で推移し、2018年12月期~2020年12月期は同額でしたが、それ以降は連続増配していましたね。

株価モメンタムは、2022年2月に安値(866円)をつけた後は、半年後の8月に急騰し高値(1,321円)をつけましたが、

その後は調整し、直近では1,100円前後で推移していました。

直近の株価は、1,100円前後でほぼヨコヨコで推移していましたが、8/9に高値(1,150円)をつけた後は下落基調で推移し、

そして、今回の立会外分売の発表が9/1のザラバ中にあり、前日比 6円安(-0.56%)と小幅な下落で終了していましたね。

その後の株価は、年初につけた年初来安値(1,019円)を下抜けずに上昇に転じていくのか、下抜けて下値模索をするのか注目していましたが・・・。

ご参考(立会外分売前の分析):【立会外分売は買いか?】日本抵抗器(6977)

【立会外分売発表後の株価の動き】

<日足チャート(直近3か月)>

分売による需給悪化懸念はそれほどなく、分売発表後3営業日ほど上昇しました。

しかしその後は下落に転じましたが、年初来安値を下抜けることなく、分売値段を上回って推移しています。

まとめ

アジア航測(9233)、明治電機工業(3388)、日本抵抗器(6977)の立会外分売の事前予想と1週間(5営業日)後の株価は、表5のようになりました。

銘柄名事前
予想
結果(損益)
(「5営業日後始値」
ー「分売値段」)

[円](騰落率[%])
判定
アジア航測中立+60
(+7.0)
×
明治電機工業買い+135
(+9.6)
日本抵抗器中立+11
(+1.0)
表5:事前予想と結果
※事前予想の「買い」は3%以上の上昇、「中立」は±3%、「不参加」は3%以上の下落を想定しています。

今回は2勝1敗、勝率0.667まあまあでした。

どの銘柄も、分売日までに分売による需給悪化懸念が解消してきて、株価は底をうち上昇に転じましたね。

今後の株価動向ですが、

アジア航測は、9月末に期末一括配当が控えており、そこまでは株価は堅調に推移しそうです。

明治電機工業は、75日移動平均線の上で推移しており、緩やかながら上昇基調を継続しています。

9月末に中間配当も控えていますので、株価崩れる可能性は低そうです。

日本抵抗器は、出来高が少なく値動きの予想は難しいですが、

分売発表日の安値を下抜けない限り、底堅く推移しそうです。

参考になればうれしいです✨

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。

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