こんにちは!
直近で立会外分売を実施した銘柄に関して、立会外分売で買った場合、利益は出たのか?
分売日当日と分売後1週間後の結果を検証しました。
今回は、2023年3月に分売が実施されたソーダニッカ、協和日成、アジア航測です。
最後までお付き合いいただけると嬉しいです💖
分売値段とその後の株価推移
まずは、分売値段で買って一週間(5営業日)後まで保有した場合、含み益なのか含み損なのか?を確認していきましょう!
※売買手数料は考慮していません。
※協和日成(1981)のみは5営業日後は約定無しだったため、6営業日の値段
銘柄 | 分売日 | 分売 値段 [円] | ディス カウント率 [%] | 分売日 始値[円] (増減率[%]) | 分売日 終値[円] (同) | 一週間後 の始値[円] (日付) | 損益[円] (増減率[%]) |
ソーダニッカ (8158) | 3/16 (木) | 833 | 3.03 | 840 (+0.8) | 825 (-1.0) | 828 (3/24) | -5 (-0.6) |
協和日成 (1981) | 3/16 (木) | 1,420 | 3.47 | 1,351 (-4.9) | 1,430 (+0.7) | 1,400 (3/24) | -20 (-1.4) |
アジア航測 (9233) | 3/20 (月) | 813 | 3.10 | 836 (+2.8) | 825 (+1.5) | 838 (3/28) | +25 (+3.1) |
分売日の寄付又は大引と1週間(5営業日)後の結果は、
アジア航測は、いずれの場合も損益プラス、
ソーダニッカは、分売日の寄付で売却した場合は損益プラスでしたが、分売日の大引や分売日1週間後(5営業日後)の寄付の場合は、損益マイナス、
協和日成は、分売日の寄付や分売日1週間後(5営業日後)の寄付で売却した場合は損益マイナスでしたが、分売日の大引の場合は損益プラス、
の結果でした。
特に、アジア航測は、分売日1週間後(5営業日)の寄付で売却した場合は3.1%の利益が出ていました。
分売で購入し、利益が出た方、おめでとうございます!
ちなみに私は、購入無しでした。
それでは個別に見ていきましょう!
要因分析:ソーダニッカ(8158)
この会社の立会外分売実施前の評価は、表2のように判断していました。
レベル (⭐(最低)~ ⭐⭐⭐⭐⭐(最高)) | |
業績 | ⭐⭐⭐⭐ |
株主還元 (配当、株主優待等) | ⭐⭐⭐⭐ |
株価モメンタム | ⭐⭐⭐ |
流動性 | ⭐⭐⭐⭐ |
分売数量 | ⭐⭐⭐⭐ |
総合判定 | ⭐⭐⭐⭐(買い) |
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」
今期(2023年3月期)3Qの業績は、主力商品のか性ソーダの需要増加や商品の価格改定等により、
前年同期比 増収増益で、売上高は1割強増、利益面は3割弱~5割弱の増益で好調でした。
今期通期予想は、前期比 増収増益で、売上高は1割増、利益面は1~4割の増益を予想しており、
その通期予想に対する進捗率は3Q終了時点で、売上高は3/4程度でそこそこ、利益面は9割弱に達しており順調でしたね。
株主還元は、配当利回り(予想)が4.58%(3/9時点)で、東証プライムの単純平均 2.32%(3/8時点) と比較すると高い水準で、
直近5年間の配当金は、年間1株当たり14~24円で推移しており、
2018年3月期~2021年3月期までは14円で一定でしたが、前期(2022年3月期)は特別配当8円を含めて10円増配していました。
そして、今期(2023年3月期)は当初予想から2回増配を重ね、特別配当14円を含め、前期比 16円増と大幅増配予想でしたね。
また、株主優待があり、毎年3月末に1,000株以上保有の株主は、①クオカード 3,000円分と②ソーダニッカ・プレミアム優待倶楽部 3,000ポイント(1ポイント≒1円)が進呈され、
少しハードルは高いですが、1,000株保有の場合、配当金+株主優待(6,000円相当)は利回り5.27%となっていました。
株価モメンタムは、2021年7月に安値(526円)をつけた後は、急上昇で、2022年2月に高値(924円)をつけ、その後は調整しましたが、2023年に入り再び上昇トレンドで推移して、2022年2月の高値に迫ってきていました。
直近は、ずっと上昇基調で推移しており、2/20に今期の配当予想の増額を発表し、その翌営業日(2/21)は、増配を好感されて窓を開けて急騰し、株価は好調でした。
しかし、今回の立会外分売発表の翌営業日(3/9)は、立会外分売による短期的な需給悪化懸念から、出来高を伴い売られ、前日比 42円安(-4.60%)と急落しました。
その後の株価は、需給悪化懸念が解消し下げ止まって、上昇に転じていくのか、2月の増配発表前の値に戻っていくのか注目していましたが・・・。
ご参考(立会外分売前の分析):【立会外分売は買いか?】ソーダニッカ(8158)
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
分売発表の翌営業日以降、分売日までは需給悪化懸念が解消せず、下落基調で推移しました。
その後はヨコヨコで推移し、なかなか分売値段(833円)を上回ることができない状況です。
要因分析:協和日成(1981)
この会社の立会外分売実施前の評価は、表3のように判断していました。
レベル (⭐(最低)~ ⭐⭐⭐⭐⭐(最高)) | |
業績 | ⭐⭐⭐ |
株主還元 (配当、株主優待等) | ⭐⭐⭐ |
株価モメンタム | ⭐⭐⭐ |
流動性 | ⭐ |
分売数量 | ⭐⭐⭐ |
総合判定 | ⭐⭐⭐(中立) |
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」
今期(2023年3月期)3Qの業績は、戸建住宅・集合住宅等における給排水衛生設備工事や、戸建住宅におけるガス設備工事が堅調で、設備投資計画に基づく工事の受注も堅調に推移し売上高は増加しましたが、原価率の高い案件の完成が多かったことにより、
前年同期比 増収減益で、売上高は微増、利益面は営業利益と純利益は1割弱~2割強の減益、経常利益は微増の増益でした。
今期通期予想は、前期比 増収減益で売上高は微増、利益面は1割前後の減益を予想しており、
その通期予想に対する進捗率は3Q終了時点で、売上高は3/4程度でそこそこでしたが、利益面は5割程度で遅れ気味でしたね。
株主還元は、配当利回り(予想)が1.96%(3/10時点)で、東証スタンダードの単純平均 2.17%と比較するとやや低い水準で、
直近5年間の配当金は、年間1株当たり17~30円で推移し、配当性向は20~30%で安定していました。
会社の方針は、配当性向 30%から引き上げをして、2024年度に配当性向 40%を達成することを目標としており、こちらは株主にとっては良かったです。
ただ、流動性が極端に低く(5日平均は14百株、25日平均は6百株(3/10時点))、売りたい時に売りたい値段で売れないというところは、気がかりでした。
株価モメンタムは、2021年4月に安値(941円)をつけた後は、高値切り上げ安値切り上げの上昇基調で推移し、2022年の年末に昨年来高値(1,678円)をつけていました。
直近は、この高値(1,678円)をつけた後は、これを超えられておらず、
今回の立会外分売の翌営業日(3/10)は、地合いが悪い中、出来高を伴い買われ、前日比 78円高(+5.37%)で終了していました。
その後の株価は、昨年末につけた昨年来高値に向かって上昇を継続していくのか、下落に転じ、直近の安値(1,365円)に近づいていくのか注目していましたが・・・。
ご参考(立会外分売前の分析):【立会外分売は買いか?】協和日成(1981)
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
分売発表の翌営業日は大きな陽線をつけて株価は上昇したのですが、その後が続かず、分売日までは下落しました。
そして、それ以降は、分売値段(1,420円)を挟んでヨコヨコの値動きが続いています。
要因分析:アジア航測(9233)
この会社の立会外分売実施前の評価は、表4のように判断していました。
レベル (⭐(最低)~ ⭐⭐⭐⭐⭐(最高)) | |
業績 | ⭐⭐⭐ |
株主還元 (配当、株主優待等) | ⭐⭐⭐⭐ |
株価モメンタム | ⭐⭐⭐⭐ |
流動性 | ⭐⭐ |
分売数量 | ⭐⭐⭐ |
総合判定 | ⭐⭐⭐(中立) |
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」
今期(2023年9月期)1Qの業績は、社会インフラ施設の維持管理や国土基盤情報の整備、防災・減災等、国土強靭化に向けた公共投資を受け、市場は順調に推移し、
前年同期比 増収増益で、売上高は1割増、利益面は1割~3割強の増益でした。
今期通期予想は、前期比 増収減益で売上高は微増、利益面は営業利益と経常利益は微減の減益ですが、当期純利益は1割弱の増益を予想しており、
その通期予想に対する進捗率は1Q終了時点で、売上高、利益面ともに1/4程度でそこそこ売上高は3/4程度でそこそこでしたね。
株主還元は、配当利回り(予想)が3.52%(3/15)で、東証スタンダードの単純平均 2.22%(3/14)と比較すると高い水準で、
直近5年間の配当金は、年間1株当たり10~28円で推移しており、連続増配を継続中というところは魅力がありましたね。
そして、会社の方針は、「配当性向20%~30%」を目標としていました。
株価モメンタムは、2021年7月に高値(1,079円)をつけた後は、下落基調でしたが、
2022年3月に安値(677円)をつけた後は上昇に転じ、上昇基調で推移していました。
直近は、昨年12月に安値(744円)をつけた後は上昇基調で推移しており、
今2Q累計の業績の上方修正発表の翌営業日(3/13)に、これを好感され、窓を開けて出来高を伴い前日比 6.2%高と急伸し、年初来高値を更新。
そして、今回の立会外分売発表の翌営業日(3/14)は、分売による短期的な需給悪化懸念から前日比 35円安(-4.04%)と売られましたが、翌営業日(3/15)は再び上昇に転じ、5日移動平均線を上抜けていました。
その後の株価は、この上昇トレンドをキープし、年初来高値(878円)を更新するのか、下落に転じ、直近の安値(744円)に近づいていくのか注目していましたが・・・。
ご参考(立会外分売前の分析):【立会外分売は買いか?】アジア航測(9233)
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
立会外分売発表の翌々営業日(3/15)以降は下落しましたが、分売日(3/20)以降は、立会外分売の需給悪化懸念が解消され上昇に転じ、
結局は25日移動平均線(赤線)が下値支持となり、上昇基調をキープして推移しています。
まとめ
ソーダニッカ(8158)、協和日成(1981)、アジア航測(9233)の立会外分売予想と1週間(5営業日)後の株価は、表5のようになりました。
銘柄名 | 事前予想 | 結果(損益) (「1週間(5営業日)後始値」 ー「分売値段」) [円](%) | 判定 |
ソーダニッカ | 買い | -5 (-0.6) | × |
協和日成 | 中立 | -20 (-1.4) | 〇 |
アジア航測 | 中立 | +25 (+3.1) | × |
※事前予想の「買い」は3%以上の上昇、「中立」は±3%、「見送り」は3%以上の下落を想定しています。
今回は1勝2敗、勝率0.333。反省です(__)
ソーダニッカと協和日成は分売日以降、なかなか需給悪化懸念が解消せず、ヨコヨコの値動きが続いています。
アジア航測は、分売発表前の株価モメンタムが強かったせいか、発表後も上昇トレンドが崩れなかったことが、良かったですね。
今後の株価動向ですが、
ソーダニッカは、配当利回りが高く、株主優待もありますので、3月末の権利確定に向けて勢いよく上昇していくことに期待です。
協和日成は、出来高が極端に少なく、値動きが読めないところがあります。
中長期的に株価は堅調ですので、じっくり保有するには良いかもしれませんね。
アジア航測は、緩やかな上昇トレンドで推移しています。
悪材料が出ず業績の好調さを保ち、上昇が継続することに期待です。
参考になればうれしいです✨
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。