直近で立会外分売を実施した銘柄に関して、立会外分売で買った場合、利益は出たのか?
分売日当日と分売後1週間後の結果を検証しました。
今回は、2022/5/10(火)に分売が実施されたハブ、5/17(火)のタスキ、5/18(水)の農業総合研究所です。
最後までお付き合いいただけると嬉しいです💖
分売値段とその後の株価推移
まずは、分売値段で買って一週間(5営業日)後まで保有した場合、含み益なのか含み損なのか?を確認していきましょう!
銘柄 | 分売日 | 分売 値段 [円] | ディス カウント率 [%] | 分売日 始値[円] (増減率[%]) | 分売日 終値[円] (同) | 一週間後 の始値[円] (日付) | 損益[円] (増減率[%]) |
ハブ (3030) | 5/10 (火) | 493 | 2.95 | 488 (-1.0) | 482 (-2.2) | 474 (5/17) | -19 (-3.9) |
タスキ (2987) | 3/17 (火) | 655 | 3.11 | 666 (+1.7) | 690 (+5.3) | 813 (5/24) | +158 (+24.1) |
農業総合 研究所 (3541) | 5/18 (水) | 320 | 3.03 | 338 (+5.6) | 345 (+7.8) | 388 (5/25) | +68 (+21.3) |
分売日の寄付又は大引と1週間(5営業日)後の結果は、
タスキと農業総合研究所は、どの時点で売却しても損益プラス、
ハブは、どの時点で売却しても損益マイナスでした。
タスキは、分売後1週間(5営業日)後の寄付で売却した場合は、24.1%の利益、
農業総合研究所は、21.3%の利益が出ていました。
タスキや農業総合研究所を分売で購入できた方、おめでとうございます!
ちなみに私は、今回は参加せずでした。
それでは個別に見ていきましょう!
要因分析:ハブ(3030)
この会社の2022年2月期通期の業績は、通信販売に加え「HUBトラック」(キッチンカー)事業の開始などにより、前期比で売上高は4割弱減、利益面は赤字幅縮小の結果でした。
2023年2月期通期予想は、前期比で売上高は3.5倍の増収、利益面は赤字幅縮小を見込んで、前期からの挽回を計画していました。
株主還元は、配当は今期は未定としていましたが、会社としては、配当性向30%を目安とする業績に連動した配当を行うことを基本方針としており、
業績が伸びれば、3期ぶりの復配も期待できました。
また、株主優待があり、毎年2月末に100株以上保有の株主に対し、全店で使用可能な飲食券(1,000円分)1枚進呈(300株以上:3枚、500株以上:5枚)され、
100株保有の場合、株主優待(1,000円相当)で利回り 1.7%となっていました。
株価モメンタムは、一昨年のコロナショック時の安値から、一旦は昨年3月の高値(899円)まで上昇しましたが、その後は調整し下落基調で推移しており、
直近の株価は、2月につけた高値(640円)から下落トレンドで推移し、
今回の立会外分売と2022年2月期決算発表の翌営業日(4/15)は、寄付こそ安く始まりましたが、
大きめの陽線をつけてそれほど下落せず、前日比 2円安(-0.36%)の小幅安でしたので、この時点ではまだ期待が持てました。
しかしその後は、需給悪化懸念が解消されず、分売日が2週間ほど延期されてしまい、その点も下落を助長していたように感じました。
ご参考(立会外分売前の分析):【立会外分売は買いか?】ハブ(3030)
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
立会外分売発表後の株価は、緩やかに下落トレンドで推移し、
分売日当日(5/10)に窓を開けて下落(前日比 26円安(-5.2%))してしまいました。結局これが痛かったですね。
しかし、この3営業日後から、需給悪化が解消され上昇に転じてきており、25日移動平均線(赤線)を上抜けるまであと一歩のところに迫っています。
要因分析:タスキ(2987)
この会社の2022年9月期2Qの業績は、IoTレジデンス等のセールスが順調に推移して、前年同期比 増収増益で、売上高、利益面ともに5割程度増となっており好調でした。
2022年9月期通期予想は、今2Q決算発表と同時に上方修正して、前期比で売上高は4割増、利益面は2割強の増益を予想しており、
通期予想に対する進捗率は、2Q終了時点で売上高、営業利益は5割程度で、まあまあの進捗でした。
株主還元は、配当金の年利回りは3.9%(5/10時点) で、東証グロースの単純平均0.32%(5/9時点) と比較するとかなり高い水準で、
直近5年間の配当金は、2021年9月期は前期比2倍の金額となっており、
配当性向は、配当が出ている年は35%前後で一定で、会社の方針も35%以上を目標としており、安心感がありましたね。
株価モメンタムは、一昨年10月に新規上場し、上場初日に高値(3,030円)をつけた後は下落トレンドで推移していました。
直近の株価は、4/5に高値(1,010円)をつけた後は調整して、その後は下落基調で推移しており、
今2Q決算と立会外分売発表の翌営業日(5/10)は、窓を開けて出来高を伴い下落し、年初来安値を更新。
前日比 93円安(-11.7%)と大幅安で、今後の株価はあまり期待できないチャート形状となりましたが、
分売日(5/17)以降は、需給悪化が解消し、右肩上がりで上昇していきましたね。
ご参考(立会外分売前の分析):【立会外分売は買いか?】タスキ(2987) <2022年2回目>
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
立会外分売発表後の株価は、分売日までは下落基調は継続しましたが、
分売日以降5連続陽線で一気に上昇し、分売日5営業日後(5/24)の始値は813円(分売値段比 +24.1%)になっています。
要因分析:農業総合研究所(3541)
この会社の2022年8月期2Qの業績は、富山中央青果との取引額は前年同期比の約4倍に拡大しましたが、販売費及び一般管理費が前年同四半期比で増加。
会計基準が異なるので単純比較はできませんが、前年同期比 1割強の増収で、利益面は赤字でしたが、EBITDAは改善していました。
2022年8月期通期予想は、新型コロナウイルス感染症の、今後の広がり方や終息時期等を予測することが困難な状況で、消費者動向も不透明な状況にあることから、
未開示ということでなかなか判断しづらい面がありました。
株主還元は、配当金は2016年に上場して以来、無配でしたが、
成長企業ゆえ、内部留保を優先し資金を成長投資に回すことは理解できました。
株価モメンタムは、一昨年のコロナショック時の安値から一気に上昇し、同年10月に高値(1,150円)をつけ、その後は、右肩下がりの下落トレンドが継続していました。
直近の株価は、4/5の年初来高値(480円)をつけた後は調整しており、
今回の立会外分売と第三者割当増資発表の翌営業日(5/11)は、短期的な需給悪化懸念と1株利益の希薄化懸念からか、窓を開けて出来高を伴い大きく下落し、前日比 48円安(-11.1%)で終了しました。
今後は、年初来安値(330円)を割り込まずに上昇に転じていけるのかが焦点と見ていましたが、
330円で下げ止まり、分売日(5/18)以降は需給悪化が解消し、上昇していきましたね。
ご参考(立会外分売前の分析):【立会外分売は買いか?】農業総合研究所(3541)
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
立会外分売発表後の株価は、分売日までは下落トレンドが続きましたが、
分売日以降は下げ止まって上昇に転じており、分売日5営業日の始値は388円で分売値段比 +21.3%まで上昇しています。
まとめ
ハブ(3030)、タスキ(2987)、農業総合研究所(3541)の立会外分売予想と一週間(5営業日)後の株価は、
銘柄名 | 事前予想 | 結果(損益) (「1週間(5営業日)後始値」 ー「分売値段」) [円](%) | 判定 |
ハブ | 中立 | -19 (-3.9) | × |
タスキ | 中立 | +158 (+24.1) | × |
農業総合 研究所 | 中立 | +68 (+21.3) | × |
※事前予想の「買い」は3%以上の上昇、「中立」は±3%、「不参加」は3%以上の下落を想定しています。
でした。
今回は0勝3敗、勝率0.000と、大反省ですm(_ _”m)。
どの銘柄も、分売日以降は需給悪化が解消してきて、少しづつですが上昇しましたね。
特に、タスキと農業総合研究所は、分売日から上昇してきて、分売値段から20%以上上昇しました。
直近ではまれにみる上昇率です。
今後の株価動向ですが、
ハブは、分売日の3営業日後から需給悪化が解消され、上昇に転じてきており、25日移動平均線を上抜けるまであと一歩のところに迫っています。
25日移動平均線を上抜け、さらに上昇していくのか楽しみです。
タスキは、分売日以降、上昇トレンドが継続していますが、今後75日移動平均線も上抜ければ、更なる上昇が期待できそうです。
農業総合研究所は、直近では、分売日以降の上昇の勢いに陰りが見られています。
25日移動平均線に跳ね返されて、5/26は大きな陰線をつけていますので、
再度、25日移動平均線を目指していけるのか要注目です。
参考になればうれしいです✨
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。