【立会外分売は買いか?】前澤給装工業(6485)

水道立会外分売
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こんにちは!

直近で立会外分売の実施を発表した銘柄に関して、分売で買った場合、利益を得ることができるのか?直近の経営状況や客観的な指標、株価モメンタム等を踏まえ、総合的に分析しました。

今回は、東証プライムから機械業種の前澤給装工業です。

最後までお付き合いいただけるとうれしいです!

  • 立会外分売とは?
新規株主を増やすことを目的として、上場会社が大株主である銀行やオーナー経営者などの保有株を小口に分けて、証券取引所の立会外で不特定多数に売り出すこと。
取引開始前など取引時間外(=立会外)に売り出されることからこのように呼ばれる。
  • 立会外分売の魅力
    • 前日終値より安く購入可能
      • 立会外分配における買付側の購入価格は確定値段(1本値)で、分売実施日の前日終値よりディスカウントされるのが一般的。過去の例では、約3~5%のディスカウントで実施されています。(ディスカウント率は取引所の規定により最大10%)
    • 買付手数料はかからない
      • 立会外分売による買付は、通常の立会時間内の取引と種類が異なるため一般的に手数料はかからない。(売却時には通常の手数料が発生)
    • 即日売却OK
      • 立会外分売で取得した株式は、実施日(買付当日)から売却することが可能
  • デメリット:抽選で外れることもある
    • 買い申し込みが多いと、抽選ではずれて購入できないこともある。

立会外分売の概要

まとめ

実施日や株数は以下です。実施予定日は幅があり、実際の実施日と販売価格は、会社側から実施日前日に発表があります。

分売数量は決まっていて、100株単位で最大5,000株まで購入できます。

早ければ5/23(月)の夕刻に、会社側からの適時開示で分売値段のお知らせがあります。このブログでも追記しますので、チェックしてくださいね💖

分売予定期間2022 年 5 月 24 日(火)(5/23決定)
分売数量288,000 株
発行済み株式総数 23,000,000 株の約1.25%
分売値段813 円(5/23決定)
ディスカウント率3.56 %(5/23決定)
申込単位数量100株
申込上限数量5,000株
表1:前澤給装工業 立会外分売概要

【実施の目的】

  • 一定数量の売却意向があり、発行会社として検討した結果、立会外分売による株式の分布状況の改善及び流動性の向上を図るため。

としています。

今回の分売数量は、発行済み株式総数の約1.25%ほどほどの数量※1です。

※1:一概に言えませんが、目安として、5%以上:かなり多い、3%以上5%未満:多い、1%以上3%未満:ほどほど、1%未満:少ないとしています。

また、この銘柄の直近の出来高(売買が成立した株式の数量)の5日平均は147百株25日平均は190百株で、流動性は低い水準です。

どんな会社?

水道

「きれいな水、安全な水、おいしい水」の提供に向け、事業活動を展開している会社です。

1937年の設立以来、給水装置の総合メーカーとして、サドル付分水栓、止水栓、継手等、製品の設計・製造・販売を行っています。

また、近年は従来の埋設製品にとどまらず、屋内配管や床暖房に使用される製品の開発、量水器(水道メータ)の製造販売等、水に係わる事業を拡大しています。
事業は、「給水装置事業」、「住宅設備事業」および「商品販売事業」の3つを報告セグメントとしており、

  • 給水装置事業
    道路に布設されている配水管から分かれて、各家庭に引き込むための水道用給水装置であるサドル付分水栓・止水栓・各種継手類、水道メータなどを製造、販売
  • 住宅設備事業
    宅内での給水・給湯配管部材、暖房設備部材およびこれらをユニット化した給水・給湯システムなどを製造、販売
  • 商品販売事業
    製品に関連する仕入商品を販売

を行っています。
2022年3月期通期のセグメント別売上高構成比は、

  • 給水装置事業 51.6%
  • 住宅設備事業 40.9%
  • 商品販売事業 7.5%

と、「給水装置事業」が5割強と最も多くなっています。

直近の経営概況

経営状況

【2022年3月期(2021年4月~2022年3月)の経営成績】

(2022年5月13日発表)

決算期売上収益
[億円]
(前期比[%])
営業利益
[百万円]
(同)
経常利益
[百万円]
(同)
親会社株主
に帰属する
当期純利益
[百万円]
(同)
2021年3月期通期実績 ※2274
(ー)
2,565
(ー)
2,683
(ー)
1,856
(ー)
2022年3月期通期実績287
(4.8)
2,139
(△16.6)
2,287
(△14.8)
1,498
(△19.7)
2023年3月期通期会社予想292
(1.7)
1,830
(△14.5)
1,990
(△13.0)
1,320
(△11.9)
表2:前澤給装工業 2022年3月期通期経営成績と2023年3月期通期予想
※2:「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)等を当連結会計年度の期首から適用
しており、2021年3月期に係る各数値については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値。これにより、2021年3月期の対前期増減率は記載なし

表2の通り、前期比 増収減益で、売上高は微増利益面は1~2割の減益の結果で着地しました。

2023年3月期通期の業績予想は前期比 増収減益で、売上高は微増利益面は1~2割の減益を見込んでいます。

【2022年3月期通期の状況、経営成績の要因】

同社グループは、引き続き新型コロナウイルス感染防止対策を並行しつつ、

回復する需要に応じた供給体制の確保に努めてきました。

給水装置事業は、水道事業体が発注する配水管布設替工事への、着実な同社製品の納入を継続して確保しつつ、あわせて耐震性や施工性に優れた製品の提案活動に注力しました。

また、製品の主要原材料である銅の価格高騰の影響を、最小限に抑えるため、生産活動の効率化などに努めてきました。

住宅設備事業は、ハウスメーカーなど販売チャネルの拡大を引き続き推進するとともに、空調分野向け製品の販売展開、また、連結子会社前澤リビング・ソリューションズ株式会社との分担整理による営業活動の効率化などを進めました。

これらの結果、当期の連結業績は表2の数値となっています。

【セグメント別の業績】

セグメント売上高[億円]
(前年同期比
増減率[%])
セグメント利益
[百万円]

(同)
給水装置168
(7.1)
4,333
(△11.0)
住宅設備133
(21.0)
1,956
(5.8)
商品販売24.5
(4.1)
120
(10倍)
表3:2022年3月期通期  セグメント別業績

表3のように、主力の「給水装置」と「住宅設備」は前期比 増収減益

「商品販売」は増収増益で、売上高は微増ですが、利益は10倍の増益の結果でした。

各セグメントの状況は以下です。

給水装置事業

コロナ前の水準には達していないものの、底堅い配水管布設替工事の需要や住宅需要に下支えされ、売上高は前期比7.1%増

セグメント利益は、主要原材料である銅の価格が、前期を大幅に上回る水準で推移したことなどから、調達コストの上昇により、前期比11.0%減

住宅設備事業

新設住宅着工戸数は底堅く推移しており、給水・給湯配管システム関連部材等の販売が増加したことから、売上高は前期比21.0%増

セグメント利益は、前期比5.8%減

商品販売

樹脂商品の販売が増加したことから、売上高は前期比4.2%増

セグメント利益は、1億20百万円(前期比 10倍)

【財政面の状況】

自己資本比率>(自己資本(総資本-他人資本)÷総資産)×100

期末時点で82.5%と前期末(82.7%)から0.2ポイント減少しました。

自己資本比率の数値としては良好なレベルです。(20%以上を安全圏内としています。)

キャッシュ・フロー>2022年3月期通期のキャッシュ・フロー(以下、CF)の状況

  • フリーCF(営業活動によるCFと投資活動によるCFを合計した金額 ※3)854百万円の収入
    • 営業活動によるCF 1,061百万円の収入(前期 3,233百万円の収入
    • 投資活動によるCF 207百万円の支出(前期 1,278百万円の支出

 ※3 フリーCFの説明:

  • プラスの場合:会社が自由に使える資金が増える
  • マイナスの場合:会社が自由に使える資金が減る

前期(2021年3月期)通期のフリーCF(1,955百万円の収入)から1,101百万円悪化しています。

営業活動によるCFの主な内訳(百万円):

  • 税金等調整前当期純利益 2,267
  • 減価償却費 618
  • 棚卸資産の増減額(△は増加)△722

投資活動によるCFの主な内訳(百万円):

  • 定期預金の預入による支出 △339
  • 定期預金の払戻による収入 308
  • 有形固定資産の取得による支出 △308

【今期(2023年3月期通期)業績の見通し】

同社グループ関連業界は、コロナ禍からの回復の流れの中で、新設住宅着工戸数が復調傾向にありますが、

新型コロナウイルスまん延防止を目的とした経済活動の制限や、ウクライナ情勢の長期化の見通しなどから、資源や原材料の調達懸念は払拭されず、

円安の進行とともに、急速な価格高騰が続いているため、過去にない厳しい事業環境に置かれています。

このような状況のなか、同社グループは、コスト上昇による収益低下を食い止め、確実に収益機会を捕捉していくため、

業務効率化によるコスト削減に加え、原材料価格の上昇分を適切に販売価格へ反映させていく計画です。

以上により、表2のとおり、前期比 増収減益を予想しています。

【中期経営計画(2022~2024年度)】

この会社は、今回の2022年3月期決算と立会外分売発表と同時に、2022~2024年度の3年間の中期経営計画の策定を発表しており、それによると、数値目標として、

  1. 売上高:305億円
  2. 営業利益:26億円
  3. 営業利益率:8.5%
  4. ROE(自己資本利益率):5%以上

を掲げています。

2022年3月期の実績(売上高 287億円、営業利益 21.3億円、営業利益率 7.4%、ROE 4.0%)からすると、それほど達成困難な数値ではなさそうです。

株価指標と動向

株価指標

【2022/5/13(金)終値時点の数値】

  • 株価:924円
  • 時価総額:212億円
  • PER(株価収益率(今期予想)):13.6倍

PERは、同業で時価総額が近い、キッツ(6498) 9.3倍、KVK(6484) 7.9倍と比較すると、高い水準です。

  • PBR(株価純資産倍率):0.55倍
  • 信用倍率(信用買い残÷信用売り残):3.53倍
  • 年間配当金(会社予想):30円(年2回 9月 15円、3月 15円)、年間利回り:3.24%(配当性向 50.4%)
決算期1株当たり
年間配当金(円)
配当性向(%)
2018年3月期20
(特別配当
1.5円含む)
25.2
2019年3月期18.524.6
2020年3月期2025.4
2021年3月期22.527.1
2022年3月期3044.5
表4:前澤給装工業 年間配当金推移

配当利回りは3.24%で、東証プライムの単純平均2.33%(5/13時点) と比較すると高い水準です。

表4のように、直近5年間の配当金は、18.5~30円の間で推移しており、2018年3月期の特別配当(1.5円)分を除くと2019年3月期と同額で、それ以外は連続増配をしています。

配当性向は、25~45%程度で推移しています。

この会社は、

事業成長と業績向上を通じて、株主に対する利益還元と、多様なステークホルダーへの貢献を両立していく方針です。

具体的には、各事業年度の財政状況や将来の事業展開等を総合的に勘案し、事業成長や地球環境の保全を図るための投資などにも考慮し、利益還元を行うことを基本方針としています。

配当は、連結配当性向50%を目安とし、あわせて安定性・継続性に配慮しつつ、業績動向等を鑑みて、機動的に自己株式取得等を実施するとしています。

今期(2023年3月期)は、この方針に合わせて、年間配当金 30円配当性向 50.4%を予定しています。

【直近の株価動向】

<週足チャート(直近2年間)>

出所:楽天証券サイト

週足ベースの株価は、一昨年のコロナショック時の安値から上昇し、昨年3月に高値(1255.5円)をつけました。

しかしその後は失速し、現在まで右肩下がりの下落トレンドを継続しています。

<日足チャート(直近3か月間)>

出所:楽天証券サイト

直近の株価は、3月下旬に高値(1,045円)をつけましたが、それ以降は調整し、4/27に年初来安値(476円)をつけ、下落基調で推移しています。

今後は、25日移動平均線(赤線)や75日移動平均線(青線)を上抜け、上昇に転じていけるのか、要注目です。

まとめ

まとめ

【業績】

  • 前期(2022年3月期)通期の業績は、底堅い配水管布設替工事の需要新設住宅着工戸数の推移により、増収は確保したが、原材料費の高騰などにより、
    前期比 増収減益で、売上高は微増利益面は1~2割の減益の結果で着地。
  • 今期(2023年3月期)通期予想は、前期同様に、新設住宅着工戸数が復調傾向にあるが、原材料費の急速な高騰により、
    前期比 増収減益で、売上高は微増利益面は1~2割の減益を見込む。

【株主還元】

  • 配当利回りは3.24%で、東証プライムの単純平均2.33%(5/13時点) と比較すると高い水準
  • 直近5年間の配当金は、18.5~30円の間で安定して推移しており、
    2018年3月期は、特別配当(1.5円)分を除くと2019年3月期と同額で、それ以外は連続増配をしている。
  • 配当性向は25~45%程度で推移しており、会社の方針は今期より50%を目安としており、機動的に自己株取得等も実施するとしています。

【流動性・分売数量】

  • 直近の出来高の5日平均は147百株25日平均は190百株で、流動性は低い水準
  • 分売数量は、発行済み株式総数の約1.25%ほどほどの数量

【株価モメンタム】

  • 週足ベースの株価は、一昨年のコロナショック時の安値から上昇し、昨年3月に高値(1255.5円)をつけたが、
    その後は失速し、現在まで右肩下がりの下落トレンドを継続している。
  • 直近の株価は、3月下旬に高値(1,045円)をつけたが、それ以降は調整し、4/27に年初来安値(476円)をつけ、下落基調で推移
  • 今後の株価は、25日移動平均線や75日移動平均線を上抜け上昇に転じていけるのか、要注目。

以上のことから、

レベル
(⭐(最低)~
⭐⭐⭐⭐⭐(最高))
業績⭐⭐⭐
株主還元
(配当、株主優待等)
⭐⭐⭐⭐
株価モメンタム⭐⭐
流動性⭐⭐
分売数量⭐⭐⭐
総合判定⭐⭐⭐(中立)
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」

と判断しました。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。

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