直近で立会外分売を実施した銘柄に関して、立会外分売で買った場合、利益は出たのか?
分売日当日と分売後1週間後の結果を検証しました。
今回は、11/25(木)に分売が実施された滝沢ハム、11/26(金)のアズマハウス、マミーマートです。
最後までお付き合いいただけると嬉しいです💖
分売値段とその後の株価推移
まずは、分売値段で買って一週間(5営業日)後まで保有した場合、含み益なのか含み損なのか?を確認していきましょう!
銘柄 | 分売日 | 分売 値段 [円] | ディス カウント率 [%] | 分売日 始値[円] (増減[円]) | 分売日 終値[円] (同) | 一週間後 の始値[円] (日付) | 損益[円] (増減率[%]) |
滝沢ハム (2293) | 11/25 (木) | 2,954 | 2.99 | 2,960 (+6) | 2,960 (+6) | 2,953 (12/2) | -1 (0.0) |
アズマハウス (3293) | 11/26 (金) | 1,459 | 3.95 | 1,481 (+22) | 1,481 (+22) | 1,470 (12/3) | +11 (+0.8) |
マミーマート (9823) | 11/26 (金) | 2,186 | 2.97 | 2,153 (-33) | 2,162 (-24) | 2,150 (12/3) | -36 (-1.6) |
分売日の寄付又は大引けと1週間(5営業日)後の結果は、
アズマハウスはどの段階でも損益プラス、マミーマートは損益マイナス、滝沢ハムは分売日の寄付きと大引けは損益プラスでしたが、1週間後はほぼとんとんの結果となりました。
アズマハウスを分売で購入された方、おめでとうございます!
ちなみに私は、今回は購入申込無しでした。
それでは個別に見ていきましょう!
要因分析:滝沢ハム(2293)
この会社の2022年3月期2Qの業績は、前年同期比で売上高は会計基準が異なるため単純比較はできませんが微減で、利益面は営業利益は2倍以上、純利益は3倍以上となっており好調でした。
しかしながら、2022年3月期2Qの当初計画より、売上高は微増で、営業利益は、連結子会社において新型コロナウイルス感染症による外食業界への影響から当初予想を下回っていました。
通期予想に対する進捗率は、売上高は計画通りでしたが、利益面は遅れており、特に営業利益は2Q終了時点で10%弱にしか到達しておらず、下方修正の懸念がありました。
株主還元は、配当は年利回り 0.7%(11/19時点)で、東証ジャスダックの単純平均1.67%と比較すると低い水準でしたが、
株主優待制度があり、100株保有で3月末に、2,500円相当の自社製品(食肉加工品詰合せ)がいただけ、配当金+株主優待(2,500円相当)の年利回りは1.5%になっていました。
株価は、今回の立会外分売と2022年3月期2Q決算発表まで、緩やかながら上昇トレンドで推移していましたが、分売の発表を受けて下落に転じてきました。
しかしながら、75日移動平均線で下げ止まれば、それほど下落しないのではと予想していましたが、分売日前日に下抜けてきましたね。
ご参考(分売前の分析):【立会外分売は買いか?】滝沢ハム(2293)
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
直近の株価は、立会外分売の発表日(11/11)に高値(3,140円)をつけた後、翌営業日(11/12)に短期的な需給悪化懸念からか少し下げた(15円安(-0.5%))のですが、
その3営業日以降は下げが加速し、分売日(11/25)には前日比 85円(-2.8%)下げています。
しかし、それ以降は横ばいから、25日移動平均線(赤線)に近づきながら上昇に転じつつあります。
要因分析:アズマハウス(3293)
この会社の2022年3月期2Qの業績は、前年同期比 増収増益で、売上高は微増でしたが、営業利益、経常利益は2割弱の増益となっており好調でした。
また、2022年3月期通期予想は、前期比で売上、利益面ともに微増の増収増益の予想で、それに対する進捗率は、売上高、利益面ともほぼ計画通りで順調でした。
セグメント別の業績では、「ホテル事業」以外は、微増ながら前年同期比 増収増益で、着実に業績を伸ばしていてるという印象でした。
株主還元は、配当は年利回り 4.6%(11/22時点)で、東証ジャスダックの単純平均1.67%(11/19時点) と比較すると2倍以上の高い水準であり、
少し先ですが、3月末に1対2の株式分割をすることを発表しており、こちらも株価にはポジティブでしたね。
株価は、今2Qの決算発表、株式分割、立会外分売を同時に発表した翌営業日(11/15)に、決算と株式分割を好感されてか、前日比 29円(+1.9%)上げました。
しかし、その翌営業日からは、立会外分売の短期的な需給悪化懸念が上回り、75日移動平均線を下抜けてしまい、その後も下落基調が継続しましたね。
ご参考(分売前の分析):【立会外分売は買いか?】アズマハウス(3293)
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
直近の株価は、立会外分売と株式分割発表の翌営業日(11/15)の高値(1,548円)をつけたあと下げ始め、
分売日(11/26)は前日比 38円安(-2.5%)となり、その翌日まで下げました。
しかし分売日の翌営業日に底値を付けた以降は、値を上げ始めて現時点(12/24)まで上昇基調で推移しています。
要因分析:マミーマート(9823)
この会社の2021年9月期通期の業績は、コロナ禍による内食需要のみならず、積極的な新規出店、改装の実施により、前年同期比 増収増益で、売上高は1割増、営業利益と経常利益は2割強、純利益は5割増で好結果でした。
しかし、2022年9月期の通期予想は、2021年9月期と同様の基準で算出した場合、前期比 増収減益の予想で売上高は微増ですが、利益面は前期比3割程度減と、前期(2021年9月期)の業績と比較すると勢いが落ち減速感がありました。
株主還元は、配当は年利回り 2.2%(11/22時点)で、東証ジャスダックの単純平均1.67%と比較すると少し高い水準ですが、
株主優待制度があり、100株保有の場合、同社の店舗で使用可能な株主優待券が年間4,000円が贈呈され、株主優待+配当利回りは3.9%となっており、お近くに同社の店舗がある個人投資家にはうれしい内容でした。
株価は、9月下旬につけた高値(2,468円)から、高値切り下げの下落トレンドで推移していたため、この点は懸念材料でしたね。
分売日以降は、この下落基調が影響してか、結局ほとんど株価は上がらず、横ばいの状況でした。
今年6月に立会外分売を実施した時は、1週間後の始値は分売値段比 +44円(+2.0%)でしたので、今回よりも結果が良かったのですが、
分売の株数が、前回は5万株で今回は10万株ということで、今回は倍の株数でしたので、この点が需給悪化を長引かせている可能性もあります。
ご参考(分売前の分析):【立会外分売は買いか?】マミーマート(9823) ※今年2回目
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
直近の株価は、立会外分売発表の翌営業日(11/19)はなぜか株価は上がりましたが、翌営業日から下落をし始めて、
分売日の前日(11/25)も大きめの陰線をつけて下げ、分売日当日(11/26)は、さらに前日比 91円安(-4.0%)となり売られ、分売値段(2,186円)割れをしてしまいました。
分売後、12月中旬以降は、徐々に値を戻しつつあります。
まとめ
滝沢ハム(2293) 、アズマハウス(3293)、マミーマート(9823)の立会外分売予想と一週間(5営業日)後の株価は、
銘柄名 | 事前予想 | 結果(損益)[円](%) (「1週間(5営業日)後始値」 ー「発行価格」) | 判定 |
滝沢ハム | 中立 | -1 (0.0) | 〇 |
アズマハウス | 中立 | +11 (+0.8) | 〇 |
マミーマート | 中立 | -36 (-1.6) | 〇 |
※事前予想の「買い」は3%以上の上昇、「中立」は±3%、「見送り」は3%以上の下落を想定しています。
でした。
今回は3勝0敗、勝率1.000ということで、予想は大当たりでした。しかし、分売で購入された方にとってはさえない結果でしたね。
11月中旬から12月初旬は地合いがあまり良くない中、特にアズマハウスは健闘したという印象です。
今後の株価動向ですが、
滝沢ハムは、分売日以降、徐々に25日移動平均線に近づきながら、まだ上抜けていない状況です。
今後、これを上抜け上昇に転じてくることに期待です。
アズマハウスは、こちらの銘柄もまだ25日移動平均線を上抜けていない状況です。
来年3月末に1対2の株式分割を控えており、株価は上昇しやすい状況ですので、今後に期待です。
マミーマートは、今期(2022年9月期)業績予想が、前期と比較すると勢いが落ちていますので、この点は気がかりです。
しかしながら、現時点(12/24)では25日移動平均線を上抜けてきていますので、今後の株価上昇に期待です。
参考になればうれしいです✨
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。