【公募増資・売出(PO)は買いか?】シークス(7613)

公募増資・売出(PO)
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こんにちは!

公募増資・売出(以下、PO)の実施を発表した銘柄に関して、POに応募して買った場合、利益を得ることができるのか?直近の経営状況や客観的な指標、株価モメンタム等を踏まえ、総合的に分析しました。

今回は、東証プライムから卸売業種のシークスです。

最後までお付き合いいただけるとうれしいです!

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  • 公募増資・売出(PO)とは?
既上場企業が新たに発行する株式(公募株式)や既に発行された株式(売出株式)を投資家に取得させることをいいます。
正確には、「PO」は「Public(公開の)Offering(売り物)」の略で、日本語では「公募」と呼ばれます。「公募」とは、「不特定かつ多数の投資家に対し、新たに発行される有価証券の取得の申込を勧誘すること」をいいます。
また、「売出」とは、「既に発行された有価証券の売付けの申込み又はその買付けの申込の勧誘のうち、均一の条件で50人以上の者を相手方として行う」ことをいい、通常は「公募」「売出」を合わせて「PO」と呼ばれます。
「新規公開株(IPO)」は未上場企業が直接金融市場からの資金調達や知名度・信用力の向上を目的として証券取引所に新規上場するために一般投資家に株式を取得してもらう行為であるのに対して、「公募・売出(PO)」は既に上場していて証券取引所での株式取引が行われている企業が追加の資金調達や大株主の保有株売却などを目的として一般投資家に株式を取得してもらう行為であり、「新規公開株(IPO)」と「公募・売出(PO)」の違いを簡単にいえば、実施する企業が「未上場」か「既上場」かの違いといえます。

POの概要

まとめ

今回のPOは、大株主(りそな銀行三井住友銀行、三菱UFJ銀行)からの株式の売出しです。

売出価格等決定日や受渡期日、売出数量等は表1のようになっています。

ディスカウント率は、「発行価格等決定日」に決まり、その日の終値から数%です。

ちなみに、直近の主なPOのディスカウント率は、JR西日本(9021) 3.01%、ゆうちょ銀行(6178) 2.08%、デンソー(3387) 3.02%となっており、ほぼほぼ2~5%程度です。

ただ、ディスカウント率が大きいPOもあり、直近ではENECHANGE(4169)の8.1%が最大です。

注意点として、どの証券会社でも購入できるわけでなく、主幹事(今回は野村證券)はじめ、引受人の証券会社で購入申込可能です。

早ければ、3/16(月)の夕刻に、会社側から発行価格等のお知らせが適時開示であります。

このブログ記事も更新しますので、チェックしてくださいね💖

売出価格等決定日2026年3月16日(月)から18日(水)までの間のいずれかの日
受渡期日
(POで買った場合はこの日から売却可能)
売出価格等決定日の5営業日後の日
①株式売出し(引受人の買取引受による売出し)
数量
普通株式 4,392,000 株
発行済み株式総数 5,040 万株 の約8.71%
②株式の売出し(オーバーアロットメントによる売出し)
数量
普通株式 658,800 (上限の数量)
野村證券が売出す。
売出価格(決定後記載)
ディスカウント率(決定後記載)
申込単位数量100 株
主幹事野村證券
表1:シークス(7613) PO概要

【株式売出しの目的】

  • 金融機関の株主より、コーポレートガバナンス・コードの趣旨及び昨今の資本市場の動向を踏まえ、同社株式を売却する意向を受けた。
    同社として、これら重要パートナーとの長年にわたる良好な関係を今後も維持しつつ、プライム市場上場企業として同社株式の市場流動性の更なる向上及び投資家層の多様化を図ることが、中長期的な株主価値の向上に資するものと判断し、本売出しを実施することとした。
  • 本売出しを通じ、事業構造変革の進捗を適切に市場へ発信するとともに、ガバナンスの高度化を実現し、持続的な企業価値の向上に邁進していく。

としています。

【株式の売出し数量/流動性】

今回の株式の売出数量は、発行済み株式総数の最大約10.0%(OAを含む)で、

直近の株式の売出のみのPOの売出株数比率(OAを含む)は、東京エネシス 8.86%、明和産業 19.3%、NTTデータイントラマート 18.2%でしたので、それらと比較すると中規模の売出しです。

また、この銘柄の直近の出来高(売買が成立した株の数量)の5日平均は2,505百株、25日平均は1,991百株(3/10時点)で、流動性は高い水準です。(1日 1,000百株を平均的な水準としています。)

どんな会社?

電子部品等の部材調達EMS(電子機器受託製造サービス)物流等のサービスをグローバルで提供している会社です。

事業内容は、主に車載関連機器産業機器家電機器情報機器一般電子部品等に係る完成品組立品基板実装品部品単体・キット、金型・成形品等を調達、製造および販売を行っています。

また、主力のEMS事業に次ぐ将来の収益基盤として、新規事業であるバイオ抗体医薬品CDMO事業(受託開発製造事業)の育成を中長期的な課題として掲げ、

2024年3月に、Renzoku Biologics 株式会社の完全子会社化を通じてCDMO事業への参入を果たしており、2027年の治験薬受託製造開始に向けた準備を計画通り進めています。

同社は、顧客企業の海外事業展開に対応するため、各地域の市場特性に応じた包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しており、

事業セグメントは、地域毎に「日本」「中華圏」「東南アジア」「欧州」「米州」の5つがあります。

2025年12月期通期のセグメント別売上高構成比は、

  • 日本 19.6%
  • 中華圏 19.9%
  • 東南アジア 32.3%
  • 欧州 7.4%
  • 米州 20.8%

となっており、「東南アジア」が最も多く3割強「日本」「中華圏」「米州」がそれぞれ2割を占めています。

直近の経営概況

経営状況

【2025年12月期通期(2025年1月~12月)の経営成績】

(日本基準(連結):2026年2月12日発表)

決算期売上高
[億円]
(前期比
増減率
[%])
営業
利益
[百万円]
(同)
経常
利益
[百万円]
(同)
親会社株主に
帰属する
当期純利益
[百万円]
(同)
2024年12月期
通期実績
3,023
(△2.4)
8,559
(△30.2)
8,288
(△30.0)
3,754
(△54.1)
2025年12月期
通期実績
2,894
(△4.2)
8,853
(3.4)
9,232
(11.4)
2,488
(△33.7)
2026年12月期
通期会社予想
3,000
(3.6)
9,500
(7.3)
9,000
(△2.5)
6,000
(141)
表2:シークス(7613) 2025年12月期通期経営成績と2026年12月期通期予想

表2の通り、前期比 減収増益で、売上高は微減、利益面は営業利益と経常利益は微増~1割強増純利益は3割強減で着地しました。

今期(2026年12月期)通期の業績予想は、前期比 増収増益で、売上高微増、利益面は営業利益と純利益は1割弱~2.4倍ですが、経常利益は微減を見込んでいます。

【2025年12月期通期の状況、経営成績の要因】

同社グループが関連するエレクトロニクス市場は、米国においては生成AIの普及とともにインフラ面ではデータセンター投資が景気を下支えました。

中国では、米中間の追加関税の応酬や輸出規制等により、独自のサプライチェーン構築が進展し、東南アジアへの輸出攻勢が強まりました。

こうした中、足元は政策動向や顧客のBCP(事業継続計画)対応などにより市場環境が不安定であるものの、

中長期的にはCASEやIoTといった技術革新の進行とともに、気候変動対策および脱炭素対策としての自動車や産業機器の電動化ニーズがさらに拡大していく市場であると同社は認識しています。

こうした状況下、同社グループでは、日系・非日系を問わず大手グローバル企業との取引拡大を目指しています

同社の当連結会計年度の業績は、表2の数値の前期比 減収増益となりました。

なお、当連結会計年度における同社の主要通貨の平均為替レートは、米ドルが149.71円(前連結会計年度比1.2%円高)ユーロが169.33円(同3.3%円安)中国元が20.83円(同0.9%円高)タイバーツが4.56円(同5.8%円安)です。

【セグメント別の業績】

セグメント別の業績は、表3の結果になりました。

主力の「東南アジア」「中華圏」「米州」前期比 減収増益

「日本」減収減益

「欧州」減収赤字幅拡大となっています。

セグメント売上高
[億円]
(前期比
増減率
[%])
セグメント
利益
[百万円]
(同)
日本922
(△6.6)
901
(△32.8)
中華圏758
(△8.3)
787
(2,765)
東南アジア1,099
(△4.4)
4,607
(7.2)
欧州225
(△15.7)
△1,297
(赤字幅
拡大)
米州756
(△0.3)
4,283
(2.5)
表3:2025年12月期通期 セグメント別業績

セグメント別の状況は以下です。

日本

車載関連機器用部材および産業機器用部材の出荷が減少したこと等により減収

利益面は、売上高が減少したこと等により減益となりました。

中華圏

車載関連機器用部材および家電機器用部材の出荷が減少したこと等により減収

利益面は、製造経費の削減等により大幅増益となりました。

東南アジア

産業機器用部材および家電機器用部材の出荷が減少したこと等により減収

利益面は、製造経費の削減等により増益となりました。

欧州

車載関連機器用部材の出荷が減少したこと等により、減収となりました 。

米州

車載関連機器用部材等の出荷が減少したことにより減収

利益面は、製造経費の削減輸送費の減少等により増益となりました。

【財政面の状況】

自己資本比率>(自己資本(総資本-他人資本)÷総資産)×100

2025年12月期末時点で49.7%と前期末(46.2%)から3.5ポイント上昇しました。

主な負債と純資産の、前期末比の増減は以下となっています。(単位:百万円)

  • 負債 △12,374
    • 流動負債 △6,863
      (内訳)未払法人税等 +1,225短期借入金 △1,7841年内償還予定の社債 △5,000
    • 固定負債 △5,510
      (内訳)繰延税金負債 +754退職給付に係る負債 +181長期借入金 △6,333
  • 純資産 +2,751
    • 株主資本 +255
      (内訳)利益剰余金 +228
    • その他包括利益累計額 +2,541
      (内訳)為替換算調整勘定 +2,470退職給付に係る調整累計額 +106

自己資本比率の数値としては問題ないレベルです。(20%以上を安全圏内としています。)

キャッシュ・フロー>2025年12月期通期のキャッシュ・フロー(以下、CF)の状況

  • フリーCF(営業活動によるCFと投資活動によるCFを合計した金額 ※1)24,282百万円の収入
    • 営業活動によるCF 26,539百万円の収入(前期 23,097百万円の収入
    • 投資活動によるCF 2,257百万円の支出(前期 9,088百万円の支出

 ※1:フリーCFの説明

  • プラスの場合:会社が自由に使える資金が増える
  • マイナスの場合:会社が自由に使える資金が減る

前期(2024年12月期)通期のフリーCF(14,009百万円の収入)から10,273百万円増加しています。

営業活動によるCFの主な内訳(百万円):

  • 税金等調整前当期純利益 6,618
  • 減価償却費 9,171
  • 棚卸資産の増減額(△は増加) 8,948

投資活動によるCFの主な内訳(百万円):

  • 有形固定資産の取得による支出 △3,174
  • 有形固定資産の売却による収入 503
  • 関係会社株式の取得による支出 △232

【今期(2026年12月期)通期業績の見通し】

2026年度の世界経済を展望すると、米州においては2025年に発足した新政権による規制緩和や段階的な金融引き締め策により企業部門は底堅く推移し、

個人部門は良好な雇用情勢と実質所得増でプラス成長が見込まれるものの、輸入関税など対外政策の影響には注視が必要です。

欧州においては地政学的リスクの長期化が懸念され、

中国では個人消費を中心とした景気の緩やかな持ち直しが見込まれるものの、不動産市況の減速にともなう景況感の下押し圧力が経済に影響を及ぼす可能性があり、依然として不確実性の高い状況を見込んでいます。

同社の関連する事業分野においては顧客の様々な電子化ニーズ等が高まっている中、車載関連機器分野を中心とした各国の需要感を考慮した結果、

売上高3,000億円(前年比3.6%増)営業利益95億円(同7.3%増)経常利益90億円(同2.5%減)親会社株主に帰属する当期純利益60億円(同141%増)を予想しています。

通期の業績見通しにおける為替レートは、米ドルは150円を前提としています。

株価指標と動向

株価指標

【2026/3/10(火)終値時点の数値】

  • 株価:1,215円
  • 時価総額:612億円
  • PER(株価収益率(予想)):9.54倍

PERは、同業で時価総額が近い、東海エレクトロニクス(8071) 10.0倍、RYODEN(8084) 15.5倍、加賀電子(8154) 6.7倍と比較すると、中間的な水準です。

  • PBR(株価純資産倍率):0.55倍
  • 信用倍率(信用買い残÷信用売り残):1.12倍
  • 年間配当金(予想):50円(年2回 6月 25円、12月 25円)、利回り:4.11%(配当性向 39.3%)

配当利回り4.11%で、東証プライムの単純平均 2.30%(3/9時点) と比較すると高い水準です。

表4のように、直近5年間の配当金は、1株当たり30~49円で推移しており連続増配を継続中です。

配当性向は、30%台~90%台で上下に幅があります。

決算期1株当たり
年間配当金
[円]
配当性向
[%]
2021年12月期3031.1
2022年12月期3131.0
2023年12月期4425.4
2024年12月期4860.2
2025年12月期4992.8
表4:シークス(7613) 年間配当金推移

この会社は、

株主に対し継続的かつ安定的に利益配分を実施することを基本としつつ、

あわせて将来の事業展開と経営基盤強化のための内部留保の充実等も勘案し配当金額を決定する方針をとっています。

また、剰余金の配当は、中間配当および期末配当の年2回を基本方針としています。

【株主優待】

この会社は株主優待があり、毎年12月末に100株以上保有の株主は、1,000円分のギフトカード(500株以上保有:2,000円分、1,000株以上:3,000円分)が進呈されます。

また、100株以上を1年以上継続保有の株主は、同社海外工場の視察を含む旅行に、抽選で10名が招待されます。

100株保有の場合配当金+株主優待(1,000円相当)利回りは4.93%となります。

【直近の株価動向】

<週足チャート(直近2年間)>

2024年3月に高値(1,799円)をつけた後は、高値切り下げ安値切り下げの下落トレンド翌年4月に安値(881円)をつけました。

しかしその後は上昇基調で推移しています。

<日足チャート(直近3か月間)>

2月下旬に昨年来高値(1,431円)をつけるまでは、高値切り上げ安値切り上げの上昇基調で推移していましたが、

その後は下落基調で推移しており、今回のPO発表翌営業日(3/10)は、POによる短期的な需給悪化を懸念され、出来高を伴い前日比 30円安(-2.41%)と下落しました。

今後の株価は、この日つけた安値(1,204円)や節目の1,100円程度を割り込まずヨコヨコから上昇に転じていくのか、割り込んで下値模索を継続するのか、要注目です。

まとめ

【業績】

  • 前期(2025年12月期)通期の業績は、主力の東南アジアにおいて、産業機器用部材および家電機器用部材の出荷が減少し、利益面製造経費の削減等により、
    前期比 減収増益で、売上高は微減、利益面は営業利益と経常利益は微増~1割強増純利益は3割強減で着地。
  • 今期(2026年12月期)通期予想は、同社の関連する事業分野においては顧客の様々な電子化ニーズ等が高まっている中、車載関連機器分野を中心とした各国の需要感を考慮し、
    前期比 増収増益で、売上高微増、利益面は営業利益と純利益は1割弱~2.4倍だが、経常利益は微減を見込む。

【株主還元】

  • 配当利回り(今期予想)4.11%(3/10時点)で、東証プライムの単純平均 2.30%(3/9時点)と比較すると高い水準
  • 直近5年間の配当金は、年間1株あたり30~49で推移しており、連続増配を継続中
    配当性向は、30%台~90%台で上下に幅がある。
  • 会社の還元方針は、株主に対し継続的かつ安定的に利益配分を実施することを基本としつつ、将来の事業展開と経営基盤強化のための内部留保の充実等も勘案し配当金額を決定する方針をとっている。
  • 株主優待があり、毎年12月末に100株以上保有の株主は、1,000円分のギフトカード(500株以上保有:2,000円分、1,000株以上:3,000円分)が進呈される。
    100株保有の場合配当金+株主優待(1,000円相当)利回りは4.93%となる。

【流動性・新株式の発行株数】

  • 今回の株式の売出数量(OAを含む)は、発行済み株式総数の最大10.0%で、
    直近の株式の売出のみのPOの売出株数比率(OAを含む)(東京エネシス、明和産業、NTTデータイントラマート)と比較すると中規模売出し
  • 直近の出来高5日平均は2,505百株、25日平均は1,991百株(3/10時点)で、流動性は高い水準

【株価モメンタム】

  • 週足ベースの株価は、2024年3月に高値(1,799円)をつけた後は、高値切り下げ安値切り下げの下落トレンド翌年4月に安値(881円)をつけた。
    しかしその後は上昇基調で推移している。
  • 直近の株価は、2月下旬に昨年来高値(1,431円)をつけるまでは、高値切り上げ安値切り上げの上昇基調で推移していたが、
    その後は下落基調で推移しており、今回のPO発表翌営業日(3/10)は、POによる短期的な需給悪化を懸念され、出来高を伴い前日比 30円安(-2.41%)と下落した。
  • 今後の株価は、この日つけた安値(1,204円)や節目の1,100円程度を割り込まずヨコヨコから上昇に転じていくのか、割り込んで下値模索を継続するのか要注目。

以上のことから、

レベル
(⭐(最低)~
⭐⭐⭐⭐⭐(最高))
業績⭐⭐
株主還元
(配当、株主優待等)
株価モメンタム⭐⭐
流動性⭐⭐⭐⭐
株式の売出数量⭐⭐
総合判定⭐⭐
(中立)
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」

と判断しました。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。

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