こんにちは!
直近で公募増資・売出(以下、PO)を実施した銘柄に関して、POに応募して買った場合、利益は出たのか?
受渡期日当日と1週間後の結果を検証しました。
今回は、受渡期日が2024年2月のヤマエグループHD、Lib Work、3月の極洋です。
最後までお付き合いいただけると嬉しいです💖
発行(売出)価格とその後の株価推移
まずは、発行価格で買って1週間(5営業日)後まで保有した場合、含み益なのか含み損なのか?確認していきましょう!
※売買手数料は考慮していません。
受渡期日の寄付又は大引けと1週間(5営業日)後の結果は、
ヤマエグループHDは、受渡期日の寄付又と大引けで売却した場合は、かろうじて損益プラスでしたが、受渡日1週間(5営業日)後の寄付で売却した場合は損益マイナス、
Lib Workと極洋は全ての段階で損益プラス、
でした。
特に、極洋は受渡日1週間後の寄付で売却した場合、9.5%の利益が出ています。
POで購入し、利益が出た方おめでとうございます!
ちなみに、私は今回は購入無しでした。皆さんはいかがでしたでしょうか?
それでは個別に見ていきましょう!
要因分析:ヤマエグループホールディングス(7130)
この会社のPO発表時の評価は、表2のように判断していました。
レベル (⭐(最低)~ ⭐⭐⭐⭐⭐(最高)) | |
業績 | ⭐⭐⭐⭐ |
株主還元 (配当、株主優待等) | ⭐⭐ |
株価モメンタム | ⭐⭐⭐⭐ |
流動性 | ⭐⭐⭐ |
新株式の発行数量 | ⭐⭐ |
総合判定 | ⭐⭐⭐ (中立) |
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」
今期(2024年3月期)2Qの業績は、外⾷需要増による業務⽤回復、昨年度グループ⼊りした⼦会社の業績取込み、原料価格⾼騰、⽊材相場の下落等により、売上高、各段階の利益ともに過去最高を記録し、
前年同期比 増収増益で、売上高は1割増、利益面は3割強~6割強の増益でした。
今期通期予想は、今2Q決算発表と同時に上方修正し、
前期比 増収増益で、売上高は2割増、利益面は3割前後の増益を見込んでいました。
その通期業績予想に対する進捗率は、2Q終了時点で、売上高、利益面ともに4割前後でそこそこでしたね。
株主還元は、配当利回り(予想)は1.40%(1/17時点) で、東証プライムの単純平均2.16%(1/16時点) と比較すると低い水準でした。
上場後の直近2年間の配当金は、年間1株あたり40~50円で推移しており、配当性向は、10%台で低めでした。
株価モメンタムは、2022年4月に上場来安値(977円)をつけた後は、上昇トレンドで推移し、2023年8月に上場来高値(4,605円)をつけましたが、その後は、この高値を更新していませんでした。
直近では、昨年10月に安値(3,075円)をつけた後は、高値切り上げ安値切り上げの上昇基調で推移し、1/15と16に2回高値(4,300円)をつけました。
そして、今回のPO発表の翌営業日(1/17)は、POによる1株利益の希薄化懸念により、前日比 695円安(-16.3%)とストップ安の一歩手前まで急落しましたね。
その後は、10月の安値(3,075円)や11月末の安値(3,255円)を下抜けずに上昇に転じていくのか、下抜けて下値模索をするのか注目していましたが・・・。
ご参考(PO前の分析):【公募増資・売出(PO)は買いか?】ヤマエグループホールディングス(7130)
【PO発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
PO発表翌営業日以降も、1株利益の希薄化懸念が解消されず、ずるずると下落していきました。
そして、結局は昨年11月につけた安値(3,255円)を割り込んで、下値模索を継続しています。
ただ、3月に入り、ヨコヨコの展開で下げ止まりを見せつつあります。
要因分析:Lib Work(1431)
この会社のPO発表時の評価は、表3のように判断していました。
レベル (⭐(最低)~ ⭐⭐⭐⭐⭐(最高)) | |
業績 | ⭐⭐⭐⭐ |
株主還元 (配当、株主優待等) | ⭐⭐⭐ |
株価モメンタム | ⭐⭐⭐ |
流動性 | ⭐⭐ |
新株式の発行数量 株式の売出数量 | ⭐⭐⭐ |
総合判定 | ⭐⭐⭐ (中立) |
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」
今期(2024年6月期)2Qの業績は、シナジー効果を高めるデジタル戦略を進め、堅調なデジタルマーケティング集客を背景とし、効率的な集客に繋がっていることで販売費及び一般管理費の削減に繋がり、
前年同期比 増収増益で、売上高は2割増、利益面は4~7倍強の増益でした。
今期通期予想は、2Q累計の実績では、売上総利益が原価削減の取組み及び販売費及び一般管理費の見直しが大きく寄与し、その結果、営業利益、経常利益、四半期純利益が前回公表の業績予想を上回りましたが、
通期予想は前回予想から修正しておらず、前期比 増収増益で、売上高は2割増、利益面は2倍前後の増益を見込んでいました。
その通期業績予想に対する進捗率は、2Q終了時点で、売上高は5割弱でそこそこ、利益面は6割強で順調でしたね。
株主還元は、配当利回り(予想)は0.80%(2/9時点)で、東証グロースの単純平均0.51%と比較するとやや高い水準でした。
直近5年間の配当金は、年間1株あたり3.13~6.4円で推移しており、連続増配を継続中のところは魅力的でしたね。
配当性向は、10%台~80%台で幅がありました。
また、株主優待があり、100株以上保有で、毎年6月末にはクオカード1,000円相当、1,000株以上保有で、毎年四半期末(9、12、3、6月末)に食品、電化製品、ギフト、旅行・体験など 2,000点以上の商品と交換できるポイントが株数に応じて付与され、
100株保有の場合、配当金+株主優待(1,000円相当)で利回りは2.06%となっていましたね。
株価モメンタムは、2022年5月に安値(685円)をつけた後は急上昇し、同年9月に高値(890円)をつけましたが、その後は、760~840円のレンジ内での推移していました。
直近では、昨年11月に高値(815円)をつけた後は、下落基調で推移し、2023年の年末と2024年年始に2回安値(751円)をつけました。
そしてその後は、右肩上がりの上昇基調で推移しました。
その後の株価は、今回のPO発表で、1株当たり利益の希薄化や株式売出しによる短期的な需給悪化懸念による株価下落が予想されるなか、
直近の安値(751円)や昨年1月につけた年初来安値(748円)を割り込まずに、上昇に転じていくのか、割り込んで下値模索をするのか注目していましたが・・・。
ご参考(PO前の分析):【公募増資・売出(PO)は買いか?】Lib Work(1431)
【PO発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
PO発表以降しばらく下落しましたが、その後は回復し、受渡日の2営業日前に高値をつけました。
しかしその日以降、受渡日にかけて急落し、それ以降もPOによる1株利益の希薄化懸念が解消されず、下落基調が続いています。
要因分析:極洋(1301)
この会社のPO発表時の評価は、表4のように判断していました。
レベル (⭐(最低)~ ⭐⭐⭐⭐⭐(最高)) | |
業績 | ⭐⭐⭐ |
株主還元 (配当、株主優待等) | ⭐⭐⭐⭐ |
株価モメンタム | ⭐⭐⭐ |
流動性 | ⭐⭐⭐ |
新株式の発行数量 | ⭐⭐⭐ |
総合判定 | ⭐⭐⭐ (中立) |
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」
今期(2024年3月期)3Qの業績は、主要魚種のサケ、エビを中心に全体として販売が減少したものの、国内の需給バランスが整っていたことから、加工品を主体に一定の収益を確保したが、ホタテの販売が大幅に減少したため、
前年同期比 減収減益で、売上高は1割弱減、利益面は1~2割の減益でした。
今期通期予想は、マグロ商材において、期初の想定以上に販売数量が減少し、利益は、前期下半期は水産物相場が下落したことで収益が大きく落ち込みましたが、
今期は相場が安定的に推移しており、今後も想定通りの収益確保が見込まれることから、今3Qの決算発表と同時に修正しており、
前期比 減収増益で、売上高は微減、利益面は営業利益と経常利益は1割弱の増益ですが、純利益は微減の減益を見込んでいました。
その通期業績予想に対する進捗率は、3Q終了時点で、売上高は8割弱でそこそこだが、利益面は8~9割で順調でしたね。
株主還元は、配当利回り(予想)は2.81%(2/14時点)で、東証プライムの単純平均2.14%(2/13時点)と比較するとやや高い水準でした。
直近5年間の配当金は、年間1株あたり70~100円で推移しており、2021年3月期以降、連続増配を継続中のところは魅力的でしたね。
また、株主優待があり、毎年3月末に100株以上保有で、2,500円相当の同社製品が進呈され(300株以上保有の場合は6,000円相当)、
100株保有の場合、配当金+株主優待(2,500円相当)で利回りは3.52%でした。
株価モメンタムは、2022年2月に安値(3,135円)をつけた後は、高値切り上げ安値切り上げの上昇トレンドで推移していました。
直近では、昨年12/8と12/18に2回安値(3,670円)をつけた後は、高値切り上げ安値切り上げの上昇基調で推移し、2/7に年初来高値(4,120円)をつけました。
そして、今回のPO発表の翌営業日(2/14)は、POによる1株利益の希薄化懸念により、窓を開けて大きく売られ、前日比510円安(-12.5%)と急落しました。
その後の株価は、昨年5月末につけた安値(3,535円)や昨年3月につけた年初来安値(3,370円)を下抜けずに上昇に転じていくのか、下抜けて下値模索を継続するのか注目していましたが・・・。
ご参考(PO前の分析):【公募増資・売出(PO)は買いか?】極洋(1301)
【PO発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
PO発表の翌営業日以降、しばらくヨコヨコで推移しましたが、
発行価格等決定日(2/26)の下値を底にして、1株利益の希薄化懸念が解消され上昇に転じ、
25日移動平均線(赤線)に届きそうなところまで株価は回復しています。
まとめ
ヤマエグループHD(7130)、Lib Work(1431)、極洋(1301)のPO予想と一週間(5営業日)後の株価は、表5の結果になりました。
銘柄名 | 事前予想 | 結果(損益)[円] (「受渡日の1週間 (5営業日)後始値」 ー「発行価格」) (騰落率[%]) | 判定 |
ヤマエグループ HD | 中立 | -134 (-4.1) | × |
Lib Work | 中立 | +17 (+2.3) | 〇 |
極洋 | 中立 | +320 (+9.5) | × |
※事前予想の「買い」は3%以上の上昇、「中立」は±3%、「見送り」は3%以上の下落を想定しています。
今回は1勝2敗、勝率0.333。反省です(__)
ヤマエグループHDとLib Workは受渡日以降、POによる1株利益の希薄化懸念が根強く残り、株価はPO発表前に回復とまではいきませんでした。
一方、極洋は発行価格等決定日に底打ちし上昇に転じて、1株利益の希薄化懸念の解消が早かったです。
Lib Workは新株式の発行に加え、自己株式の処分もありましたので、その点も需給悪化の解消が遅れている要因の可能性があります。
今後の動向ですが、
ヤマエグループHDは、PO発表以降、株価低迷が続いていますが、業績は悪くありません。
25日移動平均線まであと少しですので、しばらくすれば株価が回復してくると思われます。
Lib Workは、2月末に株価が急騰した分、株価が低迷しています。
業績は良く、連続増配を継続しているところは魅力的ですので、業績の上振れが確認されれば、株価の戻りも期待できそうです。
極洋は、PO発表以降株価の下落幅が大きかっただけに、底打ち後の株価回復のスピードも速かったです。
3月末の期末一括配当と株主優待権利取りに向けて、更なる株価上昇に期待です。
参考になればうれしいです✨
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。