【結果検証:公募増資・売出(PO)は買いか?】レーサム(8890)、フルヤ金属(7826)、ジーエス・ユアサ コーポレーション(6674)

結果検証公募増資・売出(PO)
この記事は約10分で読めます。

こんにちは!

直近で公募増資・売出(以下、PO)を実施した銘柄に関して、POに応募して買った場合、利益は出たのか?

受渡期日当日と1週間後の結果を検証しました。

今回は、受渡期日が2023年12月のレーサムフルヤ金属ジーエス・ユアサ コーポレーションです。

最後までお付き合いいただけると嬉しいです💖

【PR】無料でワン株買付!マネックス証券

発行価格とその後の株価推移

株価指標

まずは、発行価格で買って1週間(5営業日)後まで保有した場合、含み益なのか含み損なのか?確認していきましょう!

※売買手数料は考慮していません。

銘柄受渡
期日
発行
価格

[円]
ディス
カウント

率[%]
受渡日
始値[円]
(騰落率[%])
受渡日
終値[円]
(同)
1週間後
の始値[円]
(日付)
損益[円]
(騰落率

[%])
レーサム
(8890)
12/5
(火)
3,0764.023,100
(+0.8)
3,105
(+0.9)
3,035
(12/12)
-41
(-1.3)
フルヤ金属
(7826)
12/6
(水)
9,1394.009,040
(-1.1)
9,280
(+1.5)
8,590
(12/13)
-549
(-6.0)
ジーエス・ユアサ
コーポレーション
(6674)

12/6
(水)
2,0723.022,131
(+2.8)
2,178
(+5.1)
2,004
(12/13)
-68
(-3.3)
表1:直近のPO銘柄の売出価格とその後の推移

受渡期日の寄付又は大引けと1週間(5営業日)後の結果は、

レーサムジーエス・ユアサ受渡日の寄付と大引で売却した場合は損益プラスでしたが、受渡日1週間(5営業日)後の寄付は損益マイナス

フルヤ金属受渡日の大引で売却した場合は損益プラスでしたが、受渡日の寄付受渡日1週間後の寄付は損益マイナス

の結果でした。

特に、シーエス・ユアサは、受渡日の大引で売却した場合、5.1%の利益が出ています。

POで購入し、利益が出た方おめでとうございます!

ちなみに、私は今回は購入無しでした。皆さんはいかがでしたでしょうか?

それでは個別に見ていきましょう!

要因分析:レーサム(8890)

この会社のPO発表時の評価は、表2のように判断していました。

レベル
(⭐(最低)~
⭐⭐⭐⭐⭐(最高))
業績⭐⭐⭐
株主還元
(配当、株主優待等)
株価モメンタム⭐⭐
流動性⭐⭐
新株式の発行数量⭐⭐
総合判定⭐⭐
(買い)
2:レーサム PO発表時の評価
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」

今期(2024年3月期)2Qの業績は、資産価値創造事業で順調に売上を積み重ね通期業績予想の達成に向けて好調な業績進捗となり、

前年同期比 増収増益で、売上高は2倍利益面は2~3倍で好調でした。

今期通期予想は、国内富裕層との関係を深め国内法人や機関投資家、海外富裕層との取引機会を広げ、顧客への新たな投資機会の提供を加速し、

前期比 増収増益で、売上高は3割強増利益面は3割前後の増益を見込み、

その通期業績予想に対する進捗率は、2Q終了時点で、売上高利益面ともに5割程度でそこそこでしたね。

株主還元は、配当利回り(予想)は5.50%(11/20時点) で、東証プライムの単純平均2.31%(11/17時点) と比較すると2倍以上高い水準でした。

直近5年間の配当金は、年間1株当たり4~55で推移しており、2022年3月期以降は連続増配しているというところは魅力的でしたね。

また、会社の方針は、2023年3月期通期業績決算発表時の中期経営計画では、
2024年3月期及び2025年3月期において、1株当たり配当金の下限を175円とし、連結配当性向40%を目安として、配当を行うことを基本方針としており、この点は期待が持てました。

株価モメンタムは、2021年11月に上場来安値(545円)をつけた後は、緩やかに上昇基調で推移していましたが、

2023年5月に急上昇し、同年9月に高値(3,545円)をつけていました。

直近では、9/20に年初来高値(3,545円)をつけるまで上昇基調でしたが、それ以降は調整しており、

今回のPO発表の翌営業日(11/20)は、POによる1株利益の希薄化懸念から、前日比 205円安(-6.06%)と急落し、全ての移動平均線を下抜けていましたね。

その後は、8月につけた安値(2,886円)を割り込まずに上昇に転じていくのか、割り込んで下値模索をするのか注目していましたが・・・。

ご参考(PO前の分析):【公募増資・売出(PO)は買いか?】レーサム(8890)

【PO発表後の株価の動き】

<日足チャート(直近3か月)>

PO発表の翌営業日以降は、1週間ほどヨコヨコの展開でしたが、

発行価格等決定日以降は1株利益の希薄化懸念により、受渡日の1週間後までは下落基調で推移し、発行価格を割り込みました。

しかしその後は、ヨコヨコで推移しています。

要因分析:フルヤ金属(7826)

この会社のPO発表時の評価は、表3のように判断していました。

レベル
(⭐(最低)~
⭐⭐⭐⭐⭐(最高))
業績⭐⭐⭐
株主還元
(配当、株主優待等)
株価モメンタム⭐⭐
流動性⭐⭐
新株式の発行数量⭐⭐
総合判定⭐⭐
(中立)
3:フルヤ金属 PO発表時の評価
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」

今期(2024年6月期)1Qの業績は、主力の「ケミカル」において、有機EL向け化合物、化学プラント向け化合物が、前四半期から続く供給先の在庫調整局面を受けて受注が低迷し、貴金属原材料の販売利益も減少したことから、

前年同期比 減収減益で、売上高は2割強減利益面は5割強減でした。

今期通期予想は、HD向ルテニウムターゲット、有機EL向け化合物については短期的な在庫調整局面が見込まれるものの、

医療用の単結晶育成用ルツボ、半導体製造装置用センサー、電極向貴金属化合物、精製・回収(リサイクル)については堅調な需要を見込み、

前期比 増収減益で、売上高は1割強増利益面は1~2割減で、

その通期業績予想に対する進捗率は、1Q終了時点で、売上高利益面ともに2割程度でそこそこでしたね。

株主還元は、配当利回り(予想)は2.76%(11/17時点) で、東証プライムの単純平均2.31%と比較すると高い水準でした。

直近5年間の配当金は、年間1株当たり70~255円で推移しており、2022年6月期までは連続増配し、それ以降も減配無しでしたね。

また、今回のPO発表と同時に、2023年12月6日に、東証スタンダード市場からプライム市場へ上場市場区分を変更することを発表しており、この点は好材料でした。

株価モメンタムは、2022年の年初に高値(13,480円)をつけた後は、高値切り下げ安値切り下げの下落トレンドで推移しましたが、

同年10月に安値(7,500円)をつけた後は、高値切り上げ安値切り上げの上昇基調で推移しました。

直近では、9/28に高値(10,490円)をつけるまでは上昇基調でしたが、その後はヨコヨコで推移し、

今回のPO発表と東証プライム市場への移行が発表された翌営業日(11/17)は、POによる1株利益の希薄化懸念からか、窓を開けて出来高を伴い売られ前日比 810円安(-8.05%)と急落。この下落で、全ての移動平均線を割り込みました。

その後は、8月につけた直近の安値(8,770円)や1月の年初来安値(8,670円)を割り込まずに上昇に転じていくのか、割り込んで下値模索をするのか注目していましたが・・・。

ご参考(PO前の分析):【公募増資・売出(PO)は買いか?】フルヤ金属(7826)

【PO発表後の株価の動き】

<日足チャート(直近3か月)>

PO発表の翌営業日後以降、一旦は連続陽線で上昇しましたが、

発行価格等決定日は下落に転じ受渡日後の1週間後まで下落基調で推移して年初来安値を更新しました。

しかしその後は反転上昇し、25日移動平均線(赤線)にあと一歩のところまで回復しています。

要因分析:ジーエス・ユアサ コーポレーション(6674)

この会社のPO発表時の評価は、表4のように判断していました。

レベル
(⭐(最低)~
⭐⭐⭐⭐⭐(最高))
業績⭐⭐⭐
株主還元
(配当、株主優待等)
株価モメンタム⭐⭐
流動性⭐⭐
新株式の発行数量⭐⭐
総合判定⭐⭐
(中立)
4:ジーエス・ユアサ コーポレーション PO発表時の評価
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」

今期(2024年3月期)2Qの業績は、主にハイブリッド車用リチウムイオン電池の販売数量が増加していることや、販売価格是正の取組を進めていることにより、

前年同期比 増収増益で、売上高は1割増利益面は5割~3.5倍の増益で好調でした。

今期通期予想は、今2Q決算発表と同時に、売上高は下方修正利益面は上方修正しており、

前期比 増収増益で、売上高は1割弱増利益面は1~3割強の増益を見込み、

その通期業績予想に対する進捗率は、2Q終了時点で、売上高は5割前後でそこそこですが、利益面は3~4割程度で遅れ気味でしたね。

株主還元は、配当利回り(予想)は2.25%(11/21時点) で、東証プライムの単純平均2.26%と同水準でした。

直近5年間の配当金は、年間1株あたり50円で一定で、配当性向は、20%台~40%台で推移していました。

株価モメンタムは、2022年12月に安値(1,991円)をつけるまで、高値切り下げ安値切り下げの下落トレンドで推移していましたが、その後は上昇基調で推移し、2023年8月に高値(2,932.5円)をつけました。

そして、その後はしばらく調整していましたね。

直近では、9/6に高値(2,830円)をつけた後は、高値切り下げ安値切り下げの下落基調で推移しており、

今回のPO発表の翌営業日(11/21)は、POによる1株利益の希薄化懸念から、窓を開けて出来高を伴い売られ、前日比 269.5円安(-10.8%)と急落しました。

その後は、3月につけた安値(2,189円)や1月につけた年初来安値(2,081円)を割り込まずに上昇に転じていくのか、割り込んで下値模索を継続するのか注目していましたが・・・。

ご参考(PO前の分析):【公募増資・売出(PO)は買いか?】ジーエス・ユアサ コーポレーション(6674)

【PO発表後の株価の動き】

<日足チャート(直近3か月)>

PO発表の翌営業日以降しばらく小幅に上昇しましたが、その後は下落に転じました

そして、受渡日は何とか発行価格を割り込まなかったものの、1週間後はこれを割り込んでいます

ただ、直近ではヨコヨコから上昇に転じようとする動きになっています。

まとめ

レーサム(8890)、フルヤ金属(7826)、ジーエス・ユアサ コーポレーション(6674)のPO予想と一週間(5営業日)後の株価は、表5の結果になりました。

銘柄名事前予想結果(損益)[円]
(「受渡日の1週間
(5営業日)後始値」
ー「発行価格」)

(騰落率[%])
判定
レーサム買い-41
(-1.3)
×
フルヤ金属中立-549
(-6.0)
×
ジーエス・ユアサ
コーポレーション
中立-68
(-3.3)
×
表5:事前予想と結果
※事前予想の「買い」は3%以上の上昇、「中立」は±3%、「見送り」は3%以上の下落を想定しています。

今回は0勝3敗、勝率0.000大反省です(__)

この時期(11月下旬~12月中旬にかけて)は、地合いが良くなかったこともあり、

どの銘柄も1株利益の希薄化懸念が解消しきれず、発行価格等決定日以降、下落基調で推移しました。

そして、直近では底打ちからの上昇が見えてきています。

今後の動向ですが、

レーサムは、直近ではヨコヨコの展開が続いています。

底打ち感が出てきていますので、3月末の期末一括配当取りに向けて上昇に転じてきそうです。

フルヤ金属は、あと一息で25日移動平均線を突破しそうなところまで株価は回復してきています。

25日移動平均線を上抜いての勢いのある上昇に期待です。

ジーエス・ユアサ コーポレーションは、緩やかながら上昇に転じてきています。

PO発表後からの大きな下落からの株価の戻りに期待です。

参考になればうれしいです✨

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。

タイトルとURLをコピーしました