こんにちは!
7月権利確定のJ-REIT(全16銘柄)をピックアップし、その中で分配金利回り(2022年6月24日終値時点)が高い上位3銘柄を抽出し、
さらに、分配金の安定度、投資口価格モメンタムや流動性の高さなども加味して、どのJ-REITが買いなのか総合的に分析しました。
最後までお付き合いいただけるとうれしいです!
【J-REITの簡単な説明】
投資信託の仲間であり、我々投資家は、東京証券取引所でJ-REIT(不動産投資法人)商品を購入し、J-REITが、商業施設やホテル、住宅などの不動産を保有・運営してその家賃収入や売却益を得て、その収益の中から分配金として投資家に配分されるもの。
J-REITは全体的に、高配当な銘柄が多く存在します。そして、分配月もばらけていますので、複数のJ-REITを保有すると分散投資にもなりますし、ほぼ毎月分配金をいただける嬉しい状況になります。
それでは行ってみましょう!
Best3:スターアジア不動産投資法人(3468)
【特徴】
- 2016年4月に東証に上場。
東京圏を中心としたオフィス、商業施設、住宅、物流施設、ホテル及び学生専用レジデンスを投資対象として、リスク分散している総合型REIT。 - スターアジアの不動産投資戦略を背景とし、 そのノウハウと豊富な運用資産を活用した着実な成長を目指している。
- 収益の「安定性」と「成長性」を同時に取り込むことのできるポートフォリオの構築を通じて投資主の利益の最大化を目指している。
【保有資産】
ポートフォリオの合計(2022年5月1日現在)
物件数:60件、取得価格:1,796億円、平均稼働率:(2022年4月30日現在)97.6%
ポートフォリオの分散状況:
<アセットタイプ別比率>
- オフィス 40.5%
- 住宅 21.0%
- 物流施設 16.9%
- ホテル 11.4%
- 商業施設 10.2%
<地域別比率>
- 東京都心5区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区) 31.3%
- その他東京圏 41.0%
- その他 27.7%
【投資口価格動向】
<2022年6月24日(金)終値時点>
- 投資口価格(1口当たり):60,300円
- 信用倍率(信用買い残÷信用売り残):5,026倍
- 年間分配金(法人予想):2,952円(2022年7月 1,476円、2023年1月 1,476円)、年間利回り:4.90%
直近5営業期間の分配金は、表1のようになっており、1,462~3,436円で推移しており、最低の1,462円から最高の2,436円まで幅があります。
決算期 | 1口当たり 分配金(円) |
2020年1月期 | 2,788 |
2020年7月期 | 3,436 |
2021年1月期 | 1,676 |
2021年7月期 | 1,462 |
2022年1月期 | 1,478 |
<直近の投資口価格推移>
- 週足チャート(直近2年間)
週足ベースの投資口価格は、一昨年のコロナショック時の安値から上昇し、昨年7月に高値(67,400円)をつけました。
しかしその後は調整し、現在は、60,000円近辺で三角保合い状態になっています。
- 日足チャート(直近3か月間)
直近の株価は、4月上旬につけた高値(63,400円)から下落し、5月中旬に安値(57,500円)をつけました。
しかしその後は60,000円に戻して、安値切り上げの動きになっています。
【流動性】
このJ-REITの直近の出来高(売買が成立した投資口の数量)の5日平均は5,070口、25日平均は4,809口で、流動性は高い水準です(1,000口を平均水準としています)。
Best2:東海道リート投資法人(2989)
【特徴】
- 2021年6月に東証に上場したばかりの、静岡を核とする産業地域(静岡県、愛知県及び三重県)への重点投資を基軸とし、日本の東西中心地をつなぐ東海道地域の安定資産に投資するJ-REIT。
- メインスポンサーであるヨシコン株式会社を軸とした産業地域を支える産業系スポンサー(木内建設株式会社、日本国土開発株式会社)、物流系スポンサー(鈴与株式会社、清和海運株式会社)、インフラ系スポンサー(中部電力ミライズ株式会社、静岡ガス株式会社)、 金融・不動産系スポンサー(株式会社静岡銀行、静岡不動産株式会社)の豊富な知見を活かしたサポートによりパイプラインを確保し、地域経済の更なる活性化や産業の発展に貢献することで投資主価値向上を目指す。
- 東海道地域等の中でも特に静岡を核とする産業地域に存する物流施設や、
企業がその活動基盤としテナントとなって活用する産業系施設、産業・物流適地の底地(他の人に貸すことで、何らかの利益を得ている土地)を含めた産業インフラアセット、
東海道地域等に基盤を置く企業や人々の生活を支える住居及び生活必需品を扱う配送・販売に適した立地にある底地などの生活インフラアセットに投資することで、安定的なポートフォリオ構築と成長を図っている。
【保有資産】
ポートフォリオの合計(2022年1月31日現在)
物件数:9件、取得価格:309億円、稼働率(2022年5月31日現在)99.4%
ポートフォリオの分散状況:
<アセットタイプ別比率>
- 物流アセット 20.1%
- 産業・ビジネスアセット 12.7%
- 底地アセット(産業インフラ型) 1.9%
- 住居系アセット 26.6%
- 底地アセット(生活圏配送・販売型) 38.6%
<地域別比率>
- 静岡県 56.9%
- 愛知県 17.7%
- 三重県 25.4%
【投資口価格動向】
<2022年6月24日(金)終値時点>
- 投資口価格(1口当たり):115,800円
- 信用倍率(信用買い残÷信用売り残):232倍
- 年間分配金(法人予想):6,417円(2022年7月 3,200円、2023年1月 3,217円)、年間利回り:5.54%
直近の分配金は、まだ上場したばかりですので1期分(2021年2月1日から2022年1月31日まで(12ヶ月間))しかありませんが、表1のようになっています。
この2022年1月期の分配金からは、2022年7月期以降は大幅(2022年1月期比 で2022年7月期は754円増、2023年1月期は771円増の予想)に増加傾向です。
決算期 | 1口当たり 分配金(円) |
2022年1月期 | 2,446 |
<直近の投資口価格推移>
- 週足チャート(直近2年間)
週足ベースの投資口価格は、昨年6月の上場初日に上場来安値(101,200円)をつけた後は、
高値切り上げ安値切り上げの上昇基調で推移しています。
- 日足チャート(直近3か月間)
直近の投資口価格は、5月中旬につけた安値(113,200円)から上昇し、6/10に上場来高値(120,000円)をつけました。
しかしその後は調整し、この高値を超えられていません。
【流動性】
このJ-REITの直近の出来高(売買が成立した投資口の数量)の5日平均は747口、25日平均は856口で、流動性は少し低い水準です(1,000口を平均水準としています)。
Best1:エスコンジャパンリート投資法人(2971)
【特徴】
- 2019年2月に東証に上場した、人々の暮らし・理想の街を実現する『ライフ・デベロッパー』である日本エスコンがスポンサー会社のJ-REIT。
- 人々の暮らしに密着した商業施設とその底地を中心に投資を行っている。
- 継続的な人口集中が予想される首都圏、近畿圏、中京圏及び福岡圏の四大都市圏に重点(75%以上)を置きつつ、
地域住民の生活に根差した暮らし密着型商業施設(80%以上)を主要な投資対象とするポートフォリオを構築している。
【保有資産】
ポートフォリオの合計(2022年4月21日現在)
物件数:38件、取得価格:696億円、期末稼働率(2022年6月21日現在)99.9%
ポートフォリオの分散状況:
<底地/土地建物比率>
- 底地 44.8%
- 土地建物 55.2%
<地域別比率>
- 首都圏 11.1%
- 近畿圏 49.4%
- 中京圏 7.3%
- 福岡圏 14.9%
- その他 17.2%
【投資口価格動向】
<2022年6月24日(金)終値時点>
- 投資口価格(1口当たり):114,200円
- 信用倍率(信用買い残÷信用売り残):143倍
- 年間分配金(法人予想):6,716円(2022年7月 3,440円、2023年1月 3,276円)、年間利回り:5.88%
直近5営業期間の分配金は、表1のようになっており、3,430~3,728円で推移しています。
決算期 | 1口当たり 分配金(円) |
2020年1月期 | 3,728 |
2020年7月期 | 3,430 |
2021年1月期 | 3,599 |
2021年7月期 | 3,538 |
2022年1月期 | 3,593 |
<直近の投資口価格推移>
- 週足チャート(直近2年間)
週足ベースの投資口価格は、一昨年のコロナショック時の安値から上昇し、昨年7月に上場来高値(157,900円)をつけました。
しかしその後は調整し、高値切り下げ安値切り下げの下落トレンドで推移しています。
- 日足チャート(直近3か月間)
直近の投資口価格は、4月上旬に高値(137,800円)をつけた後は、135,000円近辺で推移していましたが、
6/20に、同投資法人が資産を運用を委託する「株式会社エスコンアセットマネジメント」が、投資法人のために忠実に投資運用業を行っていない状況があるという調査結果を基に、
証券取引等監視委員会から内閣総理大臣および金融庁長官に対して行政処分を行うよう勧告が6/17にあり、これをきっかけに翌営業日(6/20)に大幅下落し年初来安値(110,000円)をつけています。
そして、6/24の終値は直近の高値(137,800円)から約17.2%下落している状況です。
今後は、この年初来安値を下抜けずに上昇に転じていけるのか、要注目です。
【流動性】
このJ-REITの直近の出来高(売買が成立した投資口の数量)の5日平均は7,230口、25日平均は2,150口で、流動性は高い水準です(1,000口を平均水準としています)。
直近で出来高が多くなっているのは、上記の行政処分勧告により、投げ売りが多く出たことによると考えられます。
まとめ
7月権利確定J-REITをまとめると、
ベスト | 法人名 | アセット タイプ | 地域分散 | 規模 | 投資口価格 モメンタム | 流動性 | 投資主 優待 | 分配金の 安定度 | 分配金 利回り[%] |
1 | エスコンジャパンリート (2971) | 商業施設 | 四大都市圏 | 小 | × | 〇 | × | 〇 | 5.88 |
2 | 東海道リート (2989) | 物流施設 住宅 | 東海道地域 (静岡、愛知、三重) | 小 | 〇 | × | × | △ | 5.54 |
3 | スターアジア不動産 (3468) | 総合型 | 東京中心 | 中 | △ | 〇 | × | × | 4.90 |
と判断しました。
分配金利回りと分配金の安定度重視の場合は「エスコンジャパンリート」、
投資口価格モメンタム重視の場合、「東海道リート」。
流動性の高さと資産規模の安定感でいえば、「スターアジア不動産」も捨てがたいです。
ただ、「エスコンジャパンリート」は行政処分勧告を受けており、投資口価格が下落中ですので利回りは高くなっていますが、
今後の投資口価格の動向には注視が必要です。
2022年7月の権利確定日は27日(水)です(権利落ち日:7/28)。
参考になればうれしいです✨
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。