直近で立会外分売を実施した銘柄に関して、立会外分売で買った場合、利益は出たのか?
分売日当日と分売後1週間後の結果を検証しました。
今回は、2022年5月に分売が実施されたヤマザキ、DNホールディングス、はごろもフーズです。
最後までお付き合いいただけると嬉しいです💖
分売値段とその後の株価推移
まずは、分売値段で買って一週間(5営業日)後まで保有した場合、含み益なのか含み損なのか?を確認していきましょう!
銘柄 | 分売日 | 分売 値段 [円] | ディス カウント率 [%] | 分売日 始値[円] (増減率[%]) | 分売日 終値[円] (同) | 一週間後 の始値[円] (日付) | 損益[円] (増減率[%]) |
ヤマザキ (6147) | 5/25 (水) | 379 | 2.82 | 366 (-3.4) | 373 (-1.6) | 362 (6/1) | -17 (-4.5) |
DN ホールディングス (7377) | 5/27 (金) | 1,015 | 3.43 | 1,098 (+8.2) | 1,096 (+8.0) | 1,103 (6/3) | +88 (+8.7) |
はごろもフーズ (2831) | 5/30 (月) | 2,993 | 2.98 | 2,995 (+0.1) | 2,998 (+0.2) | 2,995 (6/6) | +2 (+0.1) |
分売日の寄付又は大引と1週間(5営業日)後の結果は、
DNホールディングスとはごろもフーズは、どの時点で売却しても損益プラス、
ヤマザキは、どの時点で売却しても損益マイナスの結果でした。
なかでも、DNホールディングスは、分売後1週間(5営業日)後の寄付で売却した場合は、8.7%もの利益がでています。
分売で購入できた方、おめでとうございます!
ちなみに私は、DNホールディングスに200株購入申込ましたが、ハズレでした(;´д`)トホホ
それでは個別に見ていきましょう!
要因分析:ヤマザキ(6147)
この会社の2022年3月期通期の業績は、輸送用機器の販売が順調に推移したことや、工作機械の需要も回復基調で推移し、売上は伸長しましたが、
コストアップや納期遵守に伴う人件費及び外注費の増加等の影響により、前期比 売上高は1割強増、利益面は赤字幅縮小の結果でした。
今期(2023年3月期)通期予想は、コロナ禍の中で抑制されていた自動車業界の設備投資意欲の高まりに伴い、受注や販売が増加し、原価率も回復見込みであることから、
前期比 増収増益で、売上高は微増、利益面は黒字転換を目論んでいます。
株主還元は、配当利回りは2.54%(5/18時点)で、東証スタンダードの単純平均2.15%(5/17時点) と比較すると高い水準で、
直近5年間の配当金は、2018年3月期の1株あたり5円から2022年3月期は1株あたり10円と2倍に増加しており、基本的には増配傾向ですが、
配当性向は赤字の年を除き、10~50%程度で推移しており幅がありました。
株価モメンタムは、昨年1月に高値(551円)をつけた後は調整し、直近は400円前後でもみ合っている状態でした。
直近の株価は、4月に年初来高値(419円)から調整し、今回の立会外分売発表の翌営業日(5/17)は、それほど反応はなく前日比変わらずでしたので、需給悪化懸念はないのかと思っていましたが、
立会外分売当日(5/25)は窓を開けて下落してしまいましたね。
ご参考(立会外分売前の分析):【立会外分売は買いか?】ヤマザキ(6147)
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
立会外分売発表後以降の値動きは、分売日当日(5/25)に売り込まれ、結局、3月につけた年初来安値(377円)を割り込んでしまいました。
そして、その後も下値模索の状態で、なかなか上昇してこない状況です。
要因分析:DNホールディングス(7377)
この会社の2022年6月期3Qの業績は、2021年7月に設立され前期比比較はできないが、国内の公共事業を取り巻く環境は、堅調に推移しているため、同社の受注高も堅調で業績も底堅い状況でした。
通期業績予想に対する進捗率は、3Q終了時点で、売上高はそこそこで、利益面は通期予想にほぼ達しており計画以上の進捗でした。
株主還元は、配当利回りは3.34%(5/20時点)で、東証スタンダードの単純平均2.15%と比較すると高い水準で、
会社の株主還元の方針として、株主に対する安定的な配当の継続を基本とし、連結配当性向30%以上を当面のターゲットと定め、自社株買いも適宜実施の可能性があり、
現時点での配当予想は1株当たり年間 40円で、配当性向は26.1%であるため、今後増配の可能性があり期待できる状況でした。
株価モメンタムは、統合後の上場初日(2021/7/14)に上場来高値(1,494円)をつけたあとは調整し、現在は、ほぼ1,200円前後で推移していました。
直近の株価も、1,200円前後で推移しており、立会外分売発表後に株価がどちらに動くか注目していましたが、
通常の立会外分売の値動きのパターンと同様に、立会外分売発表の翌営業日(5/23)は、短期的な需給悪化懸念から、窓を開けて下落しましたね。
ご参考(立会外分売前の分析):【立会外分売は買いか?】DNホールディングス(7377)
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
立会外分売発表後以降の値動きは、分売日前日(5/26)に出来高を伴い売り込まれましたが、
結局、これがセリングクライマックス(相場の大きな調整局面で、外部環境の急変や投資家が総悲観状態になった時などに起こる、出来高を伴う劇的な暴落)になって需給が改善し、
分売日(5/27)に大きく上昇し、それ以降も値を保っています。
要因分析:はごろもフーズ(2831)
この会社の2022年3月期通期の業績は、コンビニエンスストア向けや各種給食、ペットフードの売上が伸長しましたがが、原材料価格の高騰等により、
前期比 増収減益で、売上高は微増、利益面は3割強の減益の結果でした。
今期(2023年3月期)通期予想は、主要な原材料であるまぐろ・かつお類は、漁獲量が不安定なうえに世界的な需要の増加による原材料高、人件費や物流費の上昇懸念により、
前期比 減収減益で、売上高は微減、利益面は3~4割の減益を見込んでいました。
株主還元は、直近5年間の配当金は、年間1株あたり36~50円で推移しており、前期比で同じ年もありましたが、基本的には増配傾向でした。
また、株主優待制度があり、3月末と9月末の年2回、500株以上保有の株主に、継続保有期間3年未満の場合3,000円相当、3年以上の場合5,000円相当の様々な同社製品が進呈され、
少しハードルは高いですが、500株を3年未満保有の場合、配当金+株主優待(3,000円)は利回りは1.82%(3年以上保有の場合:1.95%)になっていましたね。
株価モメンタムは、8月に上場来高値(3,450円)をつけた後は調整し、3,000~3,300円のレンジ内の動きで推移していました。
直近の株価も、3,050~3,150円のレンジ内での動きで、
今回の立会外分売発表の翌営業日(5/24)は、出来高もそれほど増えずに、ほとんど反応はなく前日比 15円安(-0.49%)でしたが・・・。
ご参考(立会外分売前の分析):【立会外分売は買いか?】はごろもフーズ(2831)
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
分売日当日(5/30)は、窓を開けて出来高を伴い売り込まれ、分売値段(2,993円)より少し高い価格で推移しました。
その後の値動きは、1週間経過しましたが、需給悪化は解消されず横ばいの値動きです。
まとめ
ヤマザキ(6147)、DNホールディングス(7377)、はごろもフーズ(2831)の立会外分売予想と一週間(5営業日)後の株価は、
銘柄名 | 事前予想 | 結果(損益) (「1週間(5営業日)後始値」 ー「分売値段」) [円](%) | 判定 |
ヤマザキ | 見送り | -17 (-4.5) | 〇 |
DNホールディングス | 中立 | +88 (+8.7) | × |
はごろもフーズ | 中立 | +2 (+0.1) | 〇 |
※事前予想の「買い」は3%以上の上昇、「中立」は±3%、「不参加」は3%以上の下落を想定しています。
でした。
今回は2勝1敗、勝率0.667と、まあまあの成績でしたm(_ _”m)
DNホールディングスは、分売日の前日に大きく売り込まれたため、分売日以降は需給悪化が改善し、株価は上昇しました。
しかし逆に、ヤマザキとはごろもフーズは、分売日前日まではそれほど売り込まれず株価が下がらなかったため、
需給悪化が解消さないまま分売日当日を迎え、売り込まれて株価が下落したと分析しています。
今後の株価動向ですが、
ヤマザキは、分売日以降まだ需給悪化が解消されてきたとはいえず、まだ上昇の兆しが見えていません。
分売発表前の価格に戻っていくのか否か要注目です。
DNホールディングスは、6月末の配当金の権利取りに向けて、配当利回りがまあまあ高いため、今後も上昇していくものと考えられます。
今後の上昇が楽しみです!
はごろもフーズは、「ヤマザキ」と同様に分売日以降あまり値動きがありません。
需給悪化懸念が解消してくれば、上昇してくると予想します。
参考になればうれしいです✨
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。