こんにちは!
直近で公募増資・売出(以下、PO)を実施した銘柄に関して、POに応募して買った場合、利益は出たのか?
受渡期日当日と受渡期日1週間後の結果を検証しました。
今回は、受渡期日が2022/2/22の都築電気、2/24のネクステージ、 2/25のケネディクス・レジデンシャル・ネクストです。
最後までお付き合いいただけると嬉しいです💖
発行価格とその後の株価推移
まずは、発行(売出)価格で買って1週間(5営業日)後まで保有した場合、含み益なのか含み損なのか?確認していきましょう!
受渡期日の寄付又は大引けと1週間(5営業日)後の結果は、
都築電気は全ての段階で損益プラス、
ネクステージは、受渡日の寄付きで売却した場合は損益プラスでしたが、それ以外は損益マイナス、
ケネディクス・レジデンシャル・ネクストは、受渡日1週間後の寄付きで売却した場合は損益プラスでしたが、それ以外は損益マイナス
の結果でした。
都築電気は、受渡日の大引けで売却した場合は6.5%もの利益が出ています。POで購入された方、おめでとうございます!
ちなみに私は、今回のPOでの購入は無しでした。
それでは個別に見ていきましょう!
要因分析:都築電気(8157)
この会社の2022年3月期2Qの業績は、前年同期比 増収増益で、売上高は微増ですが、利益面は3~4倍の増益で好調で、特に電子デバイス事業が、世界的な半導体不足による部品確保の動きが加速したため大幅に伸長していました。
2022年3月期通期予想は、前期比 増収増益で、売上高は微増、利益面は2割程度増益を見込んでおり、
それに対する進捗率は、3Q終了時点で売上高は7割近くとほどほどで、利益面は3~4割程度で、数値的には遅れ気味でしたが、この会社は、売上高、利益とも年度の節目である9月と3月に集中するため、概ね期初の計画通りの進捗でした。
株主還元は、配当金は年利回り 2.8%(2/4時点) で、東証1部の単純平均2.13%と比較すると高い水準で、
株主優待があり、9月末に100株以上保有の株主は、1,000円相当(1,000株以上保有の場合は3,000円相当)の様々な商品または寄付を選べる株主優待商品カタログが贈呈され、配当金+株主優待の年利回りは3.4%でしたので、株主還元が充実していましたね。
株価モメンタムは、1年程度、1,500~2,000円のレンジ内での動きでしたが、
直近の株価は、昨年の11月中旬に高値(1,940円)をつけた後は下落トレンドで推移し、今年に入って1/27に安値(1,494円)をつけていました。
その後、1/28のザラバ(取引時間)中に今3Qの決算発表があり、上昇に転じました。
そして、今回のPO発表の翌営業日(2/7)は、需給悪化懸念から出来高を伴い大きく下げましたが、その後はなんとか大きく下がらずに堪えていたというところでしょうか。
ご参考(PO前の分析):【公募増資・売出(PO)は買いか?】都築電気(8157)
【PO発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
PO発表後の株価は、売出価格等決定日(2/15)以降、受渡日(2/22)の前日までは下げましたが、
それ以降は緩やかに上昇に転じ、売出価格を上回って推移しています。
要因分析:ネクステージ(3186)
この会社の2022年11月期通期の業績は、当期末で124拠点(182店舗)となり、新規出店が前年比 +27拠点(+38店舗)と大きく増加し、前年同期比 増収増益で、売上高は2割増、利益面は2倍の増益の好業績でした。
2022年11月期通期の業績は、前期比で増収増益で、売上高は前年に引き続き2割増、利益面は3割弱程度増益を見込んでおり、勢いを維持する予想でした。
株主還元は、配当金は年利回りは0.8%(2/8時点) で、東証1部の単純平均2.15%(2/7時点) と比較すると低い水準でしたが、
直近5年間の配当金は2018年11月期を除き増配しており、配当性向は数%~10数%で推移していましたので、増配余力があると考えていました。
株価モメンタムは、一昨年のコロナショック時の安値(479円)から、押し目らしい押し目もなくずっと右肩上がりの上昇を続け、その安値の6倍もの高値をつけていて、
直近の株価は、2021年11月期通期決算発表の翌営業日(1/7)に、これを好感されて、出来高を伴い窓を開けて大きく上昇し、1/17に高値(3,200円)をつけており、勢いを感じましたが、
今回のPOの需給悪化懸念で、PO発表の翌営業日(2/8)から受渡日以降も下げてしまいましたね。
ご参考(PO前の分析):【公募増資・売出(PO)は買いか?】ネクステージ(3186)
【PO発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
PO発表後の株価は、2営業日ほど上昇はしましたが、
その後は5日移動平均線(緑線)に沿って下落トレンドで、結局、受渡日以降は処分価格(2,455円)を下回って推移しています。
要因分析:ケネディクス・レジデンシャル・ネクスト投資法人(3278)
このJ-REITは、「居住用施設」及び「ヘルスケア施設」への投資を通じて、安定した賃貸収益の獲得と資産規模の着実な成長を実現し、投資主利益の最大化を目指しており、
テナント又は利用者からの底堅い需要が見込め、長期安定的な収益の獲得が見込める不動産等に厳選して投資して収益が期待できました。
2021年7月期の運用実績は、前期比で営業収益は1割弱の増収、利益面は1割強の増益の結果で好調でした。
2022年1月期は、営業収益は微減、営業利益は微増、経常利益、純利益は微減の予想でほとんど変化がありませんでした。
今回の公募増資による新規資産取得は、取得金額で約4.4%の増加率であり、
それからすると、修正された2022年7月期の営業収益や利益面の増額の割合(当初予想より、営業収益、利益面は3~4%の増額)は、取得金額と同程度の増収増益の効果があり、納得性があるといえましたね。
分配金の年利回り 4.4%(2/15時点)で、上場株式の年利回り(東証1部の単純平均:2.16%(2/14時点))と比較すると高い水準でしたが、J-REITの平均的な利回り(5~6%台(2021年10月時点))と比較すると少し物足りなかったですね。
投資口価格のモメンタムは、昨年の7月に高値(246,300円)をつけた後は調整し、下落トレンドで推移していました。
直近の投資口価格は、今年の年初に高値(224,400円)をつけた後は下落基調で推移し、
今回のPO発表の翌営業日(2/15)は、地合いが悪いこともあり、出来高を伴い売られ、前日比 6,200円安(-3.2%)で終了。
節目の180,000円程度で下げ止まり上昇に転じていくのか、さらに下抜けるのか注目していましたが、
受渡日(2/25)以降は需給悪化が解消されたのか、180,000円まで下げずに反発していきましたね。
ご参考(PO前の分析):【公募増資・売出(PO)は買いか?】ケネディクス・レジデンシャル・ネクスト投資法人(3278)
【PO発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
PO発表後の投資口価格は、発行価格等決定日(2/17)以降、受渡日前日まで下がりましたが、
それ以降は上昇に転じ、発行価格に対し、受渡日(2/25)はマイナスでしたが、1週間後(5営業日後)にはプラスになりました。
今後は、25日移動平均線(赤線)を上抜ければ、更なる上昇が期待できそうです。
まとめ
都築電気(8157) 、ネクステージ(3186)、ケネディクスレジデンシャル(3278)のPO予想と一週間(5営業日)後の株価(投資口価格)は、
銘柄名 | 事前予想 | 結果(損益) (「1週間(5営業日)後始値」 ー「発行価格」) [円](%) | 判定 |
都築電気 | 中立 | +78 (+5.8) | × |
ネクステージ | 中立 | -52 (-2.1) | 〇 |
ケネディクス レジデンシャル | 中立 | +4,910 (+2.6) | 〇 |
※事前予想の「買い」は3%以上の上昇、「中立」は±3%、「見送り」は3%以上の下落を想定しています。
でした。
今回は2勝1敗、勝率0.667とまあまあの結果でした。
2月中旬以降は地合いが悪い中、どの銘柄の株価も、大きく下がらず踏ん張っていたというイメージです。
今後の投資口価格の動向ですが、
都築電気は、株価は、3月に入って地合いの悪さとともに下落傾向です。
25日移動平均線を上抜いてくれば、もう一段高が期待できそうです。
ネクステージは、処分価格決定日(2/15)以降下落トレンド継続中です。
直近の下値の2,200円程度で下げ止まり、上昇に転じてくるのか要注目です。
ケネディクスレジデンシャルは、25日移動平均線を上抜けそうで上抜けない状態です。
これをクリアすれば、更なる上昇が期待できそうです。
参考になればうれしいです✨
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。