こんにちは!
2025年12月権利確定のJ-REIT(全9銘柄)をピックアップし、その中で分配金利回り(2025年12月10日終値時点)が高い上位3銘柄を抽出。
さらに、分配金の安定度、投資口価格モメンタムや流動性の高さなども加味して、どのJ-REITが買いなのか総合的に分析しました。
最後までお付き合いいただけるとうれしいです!
【J-REITの簡単な説明】
投資信託の仲間であり、我々投資家は、東京証券取引所でJ-REIT(不動産投資法人)商品を購入し、J-REITが、商業施設やホテル、住宅などの不動産を保有・運営してその家賃収入や売却益を得て、その収益の中から分配金として投資家に配分されるもの。
J-REITは全体的に、高分配の銘柄が多く存在します。そして、分配月もばらけていますので、複数のJ-REITを保有すると分散投資にもなりますし、ほぼ毎月分配金をいただける嬉しい状況になります。
それでは行ってみましょう!
TOP3:マリモ地方創生リート投資法人(3470)

【特徴】
- 2016年7月に東証J-REITに上場した、レジデンス・商業施設・ホテル・オフィス・物流施設・駐車場からなる総合型J-REIT。
- 東京圏や関西、中部圏などの大都市圏の物件に比重を置き投資していているJ-REITが多い中、地方都市に重点を置き、“地方から日本を強くしていく”ことを基本理念としているところが特徴。
- スポンサーである株式会社マリモの不動産開発・市街地再開発ノウハウおよびバリューアップノウハウを活用した「まち」を再生し、
地域貢献性の高いレジデンスや商業施設等への投資による「まち」の活性化を促進している。 - 地方を中心とした総合型ポートフォリオを構築することにより、「相対的に高い投資利回り」かつ「安定的な収益」の確保と運用資産の確実な成長を志向し、投資主価値の中長期にわたる向上を目指している。
【ポートフォリオ構築方針】
- 地域別投資比率
- 地方都市(東京圏を除いた原則人口20万人以上の都市)、その他地域(地方都市および東京圏を除いた全国の地域) 70%以上
- 東京圏(東京都、神奈川県、千葉県及び埼玉県) 30%以下
- 用途別投資比率
- 「レジデンス」及び「商業施設」 70%以上
- ホテル、オフィス、物流施設及び駐車場 30%以下
【保有資産】
ポートフォリオの合計(2025年8月27日現在)
物件数:60件、取得価格:614.9億円、稼働率:99.3%(2025年11月30日現在)
ポートフォリオの分散状況:(2025年8月31日現在)
<アセットタイプ別投資比率>
- レジデンス 34.0%
- 商業施設 43.1%
- ホテル 9.3%
- オフィス 7.7%
- 物流施設 5.9%
<地域別投資比率>
- 北海道 8.6%
- 東北 8.6%
- 東京圏 5.6%
- 甲信越・北陸・関東(首都圏除く) 18.1%
- 東海 13.7%
- 近畿 10.4%
- 中国・四国 16.3%
- 九州・沖縄 18.6%
となっており、アセットタイプ別では「商業施設」が最も多く4割強、「レジデンス」が2番目に多く3割強、
地域別では「九州・沖縄」と「甲信越・北陸・関東(首都圏除く)」「中国・四国」が多く2割弱づつです。
【投資口価格動向・分配金推移】
<2025年12月10日(水)終値時点>
- 投資口価格(1口当たり):112,300円
- 信用倍率(信用買い残÷信用売り残):ー(信用売り残無し)
- 年間分配金(法人予想):6,181円(2025年12月 3,058円、2026年6月 3,123円)、利回り:5.50%
直近5営業期間の分配金は、表1のようになっており、
分配金は、1口当たり3,452~3,713円で推移しており、最大と最小の幅は261円です。
| 決算期 | 1口当たり 分配金 [円] |
| 2023年6月期 | 3,713 |
| 2023年12月期 | 3,452 |
| 2024年6月期 | 3,684 |
| 2024年12月期 | 3,617 |
| 2025年6月期 | 3,697 |
【直近の投資口価格推移】
<週足チャート(直近2年間)>
2024年5月に高値(135,000円)をつけた後は、高値切り下げ安値切り下げの下落トレンドで推移し、翌年4月に安値(95,700円)をつけました。
しかしその後は、高値切り上げ安値切り上げの上昇基調で推移しています。
<日足チャート(直近3か月間)>
10月中旬に安値(107,500円)をつけた後は、高値切り上げ安値切り上げの上昇基調で推移し、11月下旬に年初来高値(115,900円)をつけました。
しかしその後は、連続陰線で調整しています。
TOP2:ジャパン・ホテル・リート投資法人(8985)

【特徴】
- 中長期的な観点から着実な成長と安定した収益の確保を目指し、資産の運用を行うことを基本方針とした、ホテル特化型のJ-REIT
- 「国内レジャー客」及び「訪日外国人レジャー客」の需要の取込みが中長期的に期待できる地域において高い競争力を持つホテル用不動産等の取得や、
ポートフォリオ全体の収益力、安定性、質の向上を通じ、投資主価値の最大化を目指している。 - 「アクティブ・アセットマネジメント戦略」の着実な実行による、「安定性」と「アップサイド・ポテンシャル」の両立を図っている。
【ポートフォリオ構築方針】
- ホテル用不動産等のハード、ソフト、ロケーション面での優位性を重視
- 重要な投資対象は運営及び管理ノウハウ、投下資本、立地の制約から参入障壁が高い「フルサービスホテル」及び「リゾートホテル」
- 「リミテッドサービスホテル」はホテル賃借人の信用力、築年、ロケーション、客室構成、収益性を重視
- シングルルームを主体とする宿泊特化型ホテルについても、ホテルスペックやアップサイド実現の蓋然性等を勘案し個別に取得を検討
- 特に、アクティブ・アセットマネジメント戦略の実行による内部成長及び既存物件とのシナジー効果が期待されるホテルについては、積極的に取得を検討
- 戦略的投資対象地域
北海道エリア、東京及びベイエリア(※1)、大阪・京都エリア(※2)、福岡エリア、沖縄エリア
※1:ベイエリアとは、東京湾に面した神奈川県及び千葉県の臨海地域を指す。
※2:大阪・京都エリアとは、大阪府及び京都府を指す。 - 取得時の内部成長戦略の検討・立案
- 契約改定時等における適切な賃料水準・スキームの検討、費用削減可能性、ハード面の改善可能性の検討
- 特に、変動賃料等導入物件では、賃借人・ホテル運営者と協働して内部成長を促進
- ホテルへの多様な投資機会に対して、HMJ(ホテルマネージメントジャパン)の効率的なホテルオペレーションプラットフォーム及び運営改善ノウハウ等を活用して対応
【保有資産】
ポートフォリオの合計(2025年8月25日現在)
物件数:51件、取得価格:5,153億円、稼働率:99.9%(2025年6月30日現在)
総客室数:14,130室、1ホテルあたり客室数 平均277室
ポートフォリオの分散状況:(取得価格ベース)
<ブランド別比率>
- ヒルトン 35.2%
- オリエンタルホテル 18.6%
- ホテル日航/ホテルJALシティ 6.5%
- ホリデイ・イン(IHG) 5.2%
- メルキュール/イビス(アコー) 4.7%
- シェラトン 3.4%
- ドーミーイン等(共立メンテナンス) 2.9%
- the b 2.4%
- その他 21.2%
となっており、「ヒルトン」が4割弱、「オリエンタルホテル」が2割弱を占めています。
<タイプ別比率>
- フルサービスホテル 50.5%
- リミテッドサービスホテル 31.1%
- リゾートホテル 18.3%
となっており、「フルサービスホテル」が5割を占めています。
<地域別比率>
- 東京 22.7%
- 関東(東京除く) 15.7%
- 大阪 10.0%
- 沖縄 16.0%
- 関西(大阪除く) 6.7%
- 九州(沖縄除く) 17.0%
- 北海道 4.4%
- 中国 4.2%
- 中部 3.4%
となっており、「東京」が最も多く2割強、次に「九州(沖縄除く)」「沖縄」「関東(東京除く)」が多く、それぞれ2割弱となっています。
【投資口価格動向】
<2025年12月10日(水)終値時点>
- 投資口価格(1口当たり):85,900円
- 信用倍率(信用買い残÷信用売り残):30.2倍
- 年間分配金(法人予想):4,830円(2025年12月 4,830円(年1回))、利回り:5.62%
直近5営業期間の分配金は、表2のように、1口当たり410~3,937円で推移しており、上下の差は3,527円と大きくなっています。
| 決算期 | 1口当たり 分配金 [円] |
| 2020年12月期 | 410 |
| 2021年12月期 | 366 |
| 2022年12月期 | 682 |
| 2023年12月期 | 3,015 |
| 2024年12月期 | 3,937 |
【直近の投資口価格推移】
<週足チャート(直近2年間)>
2025年4月に安値(64,800円)をつけるまでは下落基調で推移していましたが、
その後は、一直線の上昇基調で推移して同年11月に高値(91,600円)をつけています。
<日足チャート(直近3か月間)>
10月下旬と11月上旬に2回、年初来高値(91,600円)をつけるまでは上昇基調で推移していましたが、
その後は急落し、11/20に安値(83,500円)をつけました。
そしてそれ以降は、この安値を割り込まないものの、86,000円前後のほぼヨコヨコで推移しています。
TOP1:インヴィンシブル投資法人(8963)

【特徴】
- ホテル及び住居をコアアセットとして重点的に投資し、中長期的な観点から、着実な成長と安定的な収益確保を目指して運用を行っている。(=コアアセット)
- その他、オフィスビルや商業施設など、ホテル又は住居以外の不動産が本体又は裏付けとなっている不動産等及び不動産対応証券(※3)に対しても分散投資を行っている。(=サブアセット)
※3:不動産対応証券
不動産貸付の賃料収入や不動産を売却する際の代金を収益の源泉とする有価証券 - 特定地域における経済情勢の変動リスクを回避し、特定地域への集中投資に伴う震災リスク等を分散し、
着実な運用資産の成長と中長期的に安定した収益の確保を図るため、運用資産にかかる物件の所在地域が分散されたポートフォリオの構築を目指している。
【ポートフォリオ構築方針】
<用途別投資比率>
コアアセットへの投資比率は取得価格ベースで50%以上
<地域別選定方針>
- 主として首都圏(東京都、神奈川県、千葉県及び埼玉県)及び政令指定都市とするが、投資機会を柔軟に追求することを可能とするため、全国の主要都市及びそれらの周辺地域並びに海外を含む。
- 特定地域における経済情勢の変動リスクを回避し、特定地域への集中投資に伴う震災リスク等を分散し、着実な運用資産の成長と中長期的に安定した収益の確保を図るため、
運用資産にかかる物件の所在地域が分散されたポートフォリオの構築を目指す。 - 海外については、当面の間、ホテルのみに投資する。
<地域別投資比率>
- 首都圏(東京都、神奈川県、千葉県及び埼玉県)及び政令指定都市 85%以上
- 海外(北米、欧州、アジアに属する国・地域のうち、政治・経済・金融システムの安定度が高く、
法律・会計・税務・不動産市場等に関する透明性が確保されている先進国・地域、又はこれに準ずる国・地域(米国・カナダ・英国・英領ケイマン諸島・シンガポール等)) 15%未満
【保有資産】
ポートフォリオの合計(2025年8月27日現在)
物件数:156件、取得価格:6,873億円、稼働率:99.7%(2025年10月31日現在)
ポートフォリオの分散状況:
<用途別比率>
- ホテル 94.1%
- 住居 5.6%
- その他 0.3%
<地域別比率>
- 東京23区 25.2%
- 首都圏(除く東京23区) 10.5%
- 北海道 12.1%
- 中部 11.8%
- 関西 10.9%
- 九州 15.5%
- その他 8.8%
- 海外 5.2%
アセットタイプでは「ホテル」が9割強、地域別では「東京都心23区」が最も多く3割弱を占めています。
【投資口価格動向】
<2025年12月10日(水)終値時点>
- 投資口価格(1口当たり):65,700円
- 信用倍率(信用買い残÷信用売り残):156倍
- 年間分配金(法人予想):4,022円(2025年12月 2,127円、2026年6月 1,895円)、利回り:6.12%
直近5営業期間の分配金は、表3のように、1口当たり1,464~1,982円で推移しており、上下の差は518円です。
| 決算期 | 1口当たり 分配金 [円] |
| 2023年6月期 | 1,464 |
| 2023年12月期 | 1,640 |
| 2024年6月期 | 1,917 |
| 2024年12月期 | 1,982 |
| 2025年6月期 | 1,895 |
【投資主優待】
このJ-REITは投資主優待があり、毎年6月末と12月末の投資主は、
【A】シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル
【B】アイコニア・ホスピタリティ株式会社(ICN)運営のホテル
の対象ホテルにおいて、割引価格で宿泊できます。(※利用回数は制限なし)
【直近の投資口価格推移・分配金推移】
<週足チャート(直近2年間)>
2024年5月に高値(73,100円)をつけるまでは上昇トレンドで推移していましたが、
その後は高値切り下げ安値切り下げの下落基調で推移し、翌年4月に安値(55,700円)をつけました。
そしてそれ以降は、高値切り上げ安値切り上げの上昇基調で推移しています。
<日足チャート(直近3か月間)>
10月下旬に年初来高値(70,400円)をつけるまでは、上昇基調で推移していましたが、その後は11月中旬にかけて急落し安値(64,200円)をつけました。
そしてその後は、66,000円前後で推移しています。
まとめ

2025年12月権利確定J-REITをまとめると・・・
| TOP | 法人名 | アセット タイプ | 地域分散 | 資産 規模 | 投資口 価格 モメンタム | 流動性 | 投資主 優待 | 分配金の 安定度 | 分配金 利回り [%] |
| 1 | インヴィンシブル (8963) | ホテル、 住宅 | 首都圏 中心 | 中 | △ | 〇 | 〇 | × | 6.12 |
| 2 | ジャパン・ホテル・リート (8985) | ホテル | 主要都市 中心 | 中 | 〇 | 〇 | × | × | 5.62 |
| 3 | マリモ地方創生リート (3470) | 総合 | 日本全国 (地方重視) | 小 | △ | △ | × | △ | 5.50 |
今月は、どのJ-REITも利回りは5%超でTOP1は6%超となりました。
そして、ホテル特化型REITがTOP2を占めています。
昨今の円安下におけるインバウンド旅行客の活況で、ホテルの賃料上昇とともに、投資主への分配金も多くなる傾向があるようです。
そしてホテル特化型の2つとも1口当たり10万円以下となっており、購入しやすくなっています。
J-REIT全体では、投資口価格は2025年の年初から上昇基調が続いていましたが、12月に入り一服感が出てきており、押し目買いも狙えそうです。
個別では、
「インヴィンシブル」は、今回のTOP3の中で最も投資口価格が安く、購入しやすくなっています。
そして、ホテル宿泊割引の投資口主優待もありますので、その点も魅力的ですね。
「ジャパン・ホテル・リート」は、投資口価格は、長いスパンで見るとコロナ禍の2020年3月の安値から上昇トレンドを維持しています。
ただ、他のJ-REITと違い決算期間が1年間(年1回)ですので、配当落ち後の投資口価格の下落には注意が必要です。
「マリモ地方創生リート」は、“地方から日本を強くしていく”ことを基本理念している点が共感が持てます。
他の2つよりも分配金が安定していますので安心感がありますね。
今回ご紹介していない12月権利のJ-REITの中では、マリモ地方創生リートの次に利回りが高い
フロンティア不動産(8964)は利回り4.77%(12/10時点)、日本リート(3296) 4.75%で、いずれも利回りは4%後半となっていますので、こちらも検討してみても良いかもしれませんね。
2025年12月の権利付き最終日は26日(金)(権利落ち日:12/29)です。
参考になればうれしいです✨
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。








