【公募増資・売出(PO)は買いか?】星野リゾート・リート投資法人(3287) <2024年5月実施>

公募増資・売出(PO)
この記事は約18分で読めます。

公募増資・売出(以下、PO)の実施を発表した銘柄に関して、POに応募して買った場合、利益を得ることができるのか?直近の経営状況や客観的な指標、株価モメンタム等を踏まえ、総合的に分析しました。

今回は、東証J-REITの星野リゾート・リート投資法人です。

最後までお付き合いいただけるとうれしいです!

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  • 公募増資・売出(PO)とは?
既上場企業が新たに発行する株式(公募株式)や既に発行された株式(売出株式)を投資家に取得させることをいいます。
正確には、「PO」は「Public(公開の)Offering(売り物)」の略で、日本語では「公募」と呼ばれます。「公募」とは、「不特定かつ多数の投資家に対し、新たに発行される有価証券の取得の申込を勧誘すること」をいいます。
また、「売出」とは、「既に発行された有価証券の売付けの申込み又はその買付けの申込の勧誘のうち、均一の条件で50人以上の者を相手方として行う」ことをいい、通常は「公募」「売出」を合わせて「PO」と呼ばれます。
「新規公開株(IPO)」は未上場企業が直接金融市場からの資金調達や知名度・信用力の向上を目的として証券取引所に新規上場するために一般投資家に株式を取得してもらう行為であるのに対して、「公募・売出(PO)」は既に上場していて証券取引所での株式取引が行われている企業が追加の資金調達や大株主の保有株売却などを目的として一般投資家に株式を取得してもらう行為であり、「新規公開株(IPO)」と「公募・売出(PO)」の違いを簡単にいえば、実施する企業が「未上場」か「既上場」かの違いといえます。

POの概要

まとめ

今回のPOは、公募による新投資口の発行です。発行価格等決定日や受渡期日、発行数量等は表1のようになっています。

ディスカウント率は、「発行価格等決定日」に決まり、その日の終値から数%(直近のJ-REITは2~2.5%)です。

参考までに、直近のJ-REITのPO銘柄のディスカウント率は、

  • NTT都市開発リート、投資法人みらい、東海道リート、産業ファンド、タカラレーベン不動産:2.5%

でした。

注意点として、どの証券会社でも購入できるわけでなく、主幹事(今回は、野村證券、SMBC日興証券)はじめ、引受人の証券会社で購入申込可能です。

早ければ、5/30(木)の夕刻に、法人側から発行価格等のお知らせが適時開示であります。このブログ記事も更新しますので、チェックしてくださいね💖

発行価格等決定日2024 年5月 30 日(木)
受渡期日
(POで買った場合はこの日から売却可能)
2024 年6月6日(木)
公募による新投資口の発行
(一般募集)数量
35,580 口
発行済み投資口数 255,558 口 の約13.9%
②投資口の売出し
(オーバーアロットメントによる売出し)

数量
1,779 実施決定(5/30)
※上記の「発行価格等決定日」に決定。
野村證券が売出す。
③第三者割当による新投資口の発行
数量
1,779(申込みがなかった口数は発行されない。)
野村證券に割当
調達資金手取り概算額(上限)201 億円
発行価格501,150 円
(5/30決定:終値 514,000 円)
ディスカウント率2.50 %
(5/30決定)
申込単位数量1 口
主幹事野村證券、SMBC日興証券
表1:星野リゾート・リート投資法人 PO概要

新投資口発行の目的及び理由

  • 新たな特定資産である「OMO7 大阪」(リゾートホテル)の取得による収益安定性の向上を目的として、
    市場動向1口当たり分配金の水準等に留意しつつ検討を行った結果、新投資口を発行することとしたもの。

としています。

今回の資金調達によって、リゾートホテル1物件取得予定価格 290億円)を2024年に取得予定です。

取得後のポートフォリオの合計は、2024年6月に譲渡予定の1物件を含めると、69物件、取得金額は2,266億円に拡大します。

今回増資される投資口数は、発行済み口数の約13.9%(第三者割当を含めると、最大約14.6%で、

このJ-REITは、2021年11月、2022年6月にも公募増資を実施しましたが、その時の公募増資の発行済み総口数に対する割合(OA含む)はぞれぞれ約9.0%4.58%でしたので、それらと比較すると大規模の増資です。

ご参考までに、前回、前々回のPOの結果はどうだったかというと、表2の結果となっています。

(※売買手数料は考慮していません。)

受渡期日発行価格
[円]
ディス
カウント率
[%]
受渡日
始値[円]
(騰落率

[%])
受渡日
終値[円]

(同)
1週間後
の始値[円]
(日付)
損益[円]
(騰落率

[%])
2021/
11/25
669,8252.5668,000
(-0.3)
670,000
(+0.0)
633,000
(12/2)
-36,825
(-5.5)
2022/
6/28
610,3502.5637,000
(+4.4)
644,000
(+5.5)
635,000
(7/5)
+24,650
(+4.0)
表2:星野リゾート・リート 前回と前々回のPO銘柄の発行価格とその後の価格

2021年11月実施時は、POで購入し、受渡日の寄付と1週間後の寄付で売却した場合損益マイナスでしたが、受渡日の大引で売却した場合はかろうじて損益プラスの結果でした。

2022年6月実施時は、いずれの場合損益プラスの結果でした。

その時の地合いの良し悪しも影響してきますが、ご参考まで。

【ご参考】

前回(2022年6月)の記事:【公募増資・売出(PO)は買いか?】星野リゾート・リート投資法人(3287) <2022年6月実施>

前回の振り返り:【結果検証:公募増資・売出(PO)は買いか?】星野リゾート・リート(3287)、東京インフラ・エネルギー(9285)、サムティ・レジデンシャル(3459)

前々回(2021年11月)の記事:【公募増資・売出(PO)は買いか?】星野リゾート・リート投資法人(3287)

前々回の振り返り:【結果検証:公募増資・売出(PO)は買いか?】積水ハウス・リート(3309)、NTT都市開発リート(8956) 、星野リゾート・リート(3287)

また、この銘柄の直近の出来高(売買が成立した投資口の数量)の5日平均は1,529口25日平均は1,060口(5/27時点)で、流動性は平均的な水準です。(※1日 1,000口を平均水準としています。)

どんな投資法人?

主に、星野リゾートグループの運営する主要ブランド物件「星のや」「リゾナーレ」「界」などのリゾートホテル温泉旅館)に対し投資しているJ-REITです。

【J-REITの簡単な説明】

投資信託の仲間であり、我々投資家は、東京証券取引所でJ-REIT(不動産投資法人)商品を購入し、J-REITが、商業施設やホテル、住宅などの不動産を保有・運営してその家賃収入や売却益を得て、その収益の中から分配金として投資家に配分されるもの。

※出所:一般財団法人 投資信託協会HP

J-REITは全体的に、高配当な銘柄が多く存在します。そして、分配月もばらけていますので、複数のJ-REITを保有すると分散投資にもなりますし、ほぼ毎月分配金をいただける嬉しい状況になります。

ーー

【投資方針】

  • 今後も安定した収益を生み、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローを確保することが可能であり、ビジネスモデルや運営力、立地等の優位性などで差別化された施設に投資。
  • ソフトの優位性とハードの優位性という2つの観点から、投資対象資産を選定。
  • 具体的な投資対象資産の選定にあたり、星野リゾートグループ運営物件星野リゾートグループ以外運営物件及び海外における星野リゾートグループ関与物件の物件売却情報を積極的に入手し、
    それぞれについて投資対象資産を選別し、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローの確保のため最適と考えられるポートフォリオを柔軟に構築する。

としています。

星野リゾートグループ運営物件は、主に

  • 「星のや」
    圧倒的な非日常感と世界スタンダードなサービスを提供することを目的とした、星野リゾートグループの基幹ブランド
  • 「界」
    地域の魅力を再発見、心地よい和にこだわった上質な温泉旅館
  • 「星野リゾート リゾナーレ」
    街歩きを楽しむ都市観光のためのホテルや、地域らしさを色濃く反映したリゾートホテル
  • 星野リゾート その他
    日本列島の北から南までの個性が際立つホテル
  • 観光都市
    歴史的町並みや都市文化、風景、産業・文化遺産、食事、ショッピング等を楽しめる、観光を主たる目的にしたホテル
  • その他
    シンプルで親しみやいカジュアルなロードサイド型ホテルや、機能性とラグジュアリーさを保ちながらも、リーズナブルな宿泊に特化したホテル等

があります。

【ポートフォリオの概要】

ポートフォリオの合計 物件数:69件取得価格:1,986億円 (2024年1月1日現在)

投資区分別分散(取得価格ベース)

  • 星のや 16.0%
  • リゾナーレ 5.2%
  • 14.5%
  • 星野リゾート・その他 6.4%
  • 観光都市 45.2%
  • その他 12.7%

オペレーター別分散(取得価格ベース)

  • 星野リゾートグループ 42.1%
  • IHG・ANA・ホテルズ 14.3%
  • イシン・ホテルズ 13.3%
  • グリーンズ 12.7%
  • 西武・プリンスホテルズ 7.0%
  • ハイアット 3.9%
  • カンデオ 2.1%
  • グリーンホスピタリティ 1.9%
  • コアグローバル 1.7%
  • ビスタ 1.0%

地域別分散(取得価格ベース)

  • 北海道・東北 4.0%
  • 関東 12.6%
  • 北陸 7.3%
  • 中部 19.1%
  • 近畿 17.2%
  • 中国・四国 15.5%
  • 九州 24.4%

となっており、投資区分別では「観光都市」が5割弱オペレーター別では「星野リゾートグループ」が4割強地域別では「九州地区」が2割強を占めています。

直近の運用概況

経営状況

【2023年10月期の運用実績と2024年4月期以降の見通し】

(2023年12月18日発表)

決算期営業
収益
[百万円]
(前期比
[%])
営業
利益
[百万円]
(同)
経常
利益
[百万円]
(同)
当期
純利益
[百万円]
(同)
1口当たり
分配金

[円]
(同[円])
2023年10月期
実績
6,435
(2.7)
2,740
(4.3)
2,185
(2.0)
2,184
(△6.6)
8,557
(172)
2024年4月期
会社予想
6,570
(2.1)
2,756
(0.6)
2,221
(1.6)
2,220
(1.6)
8,700
(143)
2024年10月期
会社予想
(2024年5月24日

修正)
7,466
(13.6)
3,482
(26.3)
2,663
(19.9)
2,662
(19.9)
9,100
(400)
2025年4月期
会社予想
(2024年5月24日

発表)
7,540
(0.9)
3,407
(△2.1)
2,669
(0.2)
2,668
(0.2)
9,120
(20)
表3: 星野リゾート・リート投資法人 2023年10月期の運用実績と2024年4月期以降の見通し

表3のとおり、前々期(2023年10月期)は、前期比 増収増益で、営業収益は微増、利益面は営業利益と経常利益は微増の増益ですが、純利益は1割弱減でした。

前期(2024年4月期)は、前期比増収増益で、営業収益は微増利益面は微増の増益予想となっています。

今期(2024年10月期)は、今回のPO発表と同時に修正しており、前期比 増収増益で、営業収益は1割強増利益面は2割前後の増益を見込んでいます。

1口当たりの分配金の予想は、増資した後の2024年10月期は前期比 400円増2025年4月期はさらに同20円増の予想となっています。

【2023年10月期の運用状況】

国内観光市場については、宿泊旅行統計調査における2023年1~10月の累計の延べ宿泊者数(観光庁速報値)は、2022年同期比では36.6%増2019年同期比では2.1%減と、新型コロナウイルス感染症(以下「新型コロナ」)前に迫る水準に回復しています。

インバウンド需要については、10月の訪日外国人旅行者数は、2019年同月比100.8%の2,516,500人となり、新型コロナ拡大後初めて2019年同月を超えるなど確実に回復しています。

このような環境のもと、同投資法人は、保有するホテル・旅館において、安定した収益の確保を図るべく運用を行いました。

同投資法人の保有物件については、星野リゾートグループが運営するホテル、旅館及び付帯施設(以下「星野リゾートグループ運営物件」)においては、

2023年初頭から労働力不足は発生しているものの、今夏の需要を取りきるための施策の展開により、2023年10月期の運営は安定的に推移しました。

また、星野リゾートグループ以外のオペレーターが運営するホテル、旅館及び付帯施設(以下「星野リゾートグループ以外運営物件」)についても、インバウンド観光客が増加した影響もあり、回復基調にあります。

【財務状況】

当期末(2023年10月31日)現在の有利子負債残高は84,298百万円で、総資産に占める有利子負債の割合)は39.0%となり、

前期末(2023年4月) 36.7%から、2.3ポイント増加しました。

【2024年4月期の見通し】

運用環境

日本経済においては、コロナ禍から経済社会活動の正常化が進み、緩やかに回復しています。

今後についても、雇用・所得環境の改善が見込まれるもとで、民間需要主導の緩やかな成長が続くと見込まれます。

他方、世界的な金融引き締めの長期化等による海外景気の下振れリスク、物価上昇や金融資本市場の変動等が与える影響には十分注意する必要があります。

観光市場においても、円安の影響により、一人当たり消費額の高水準維持に加え、引き続き訪日客数の増加が期待されています。

ただし、光熱費や食材原価等のコスト上昇人手不足による影響等は注視していく必要があります。

このような状況下、同投資法人は、中長期的な視点から、安定的な賃貸収益の確保資産規模の着実な成長及び適切な財務基盤の構築を目指し、適正な運用を実施していく方針です。

今後の運用方針及び対処すべき課題

上記の環境の中、同投資法人は、観光客の旅のニーズに応えるホテル旅館及び付帯施設を中心とした安定的な収益基盤を持ったポートフォリオを構築していくことを基本戦略としています。

一般的にコモディティ化(似ている商品やサービスが大量に誕生し、それらが最適な生産性で生産され、効率的に消費者に届けられることで、どの企業も競争優位を維持できなくなる状態)の傾向が見られるホテル・旅館業界にあって、

今後も安定した収益を生み、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローを確保することが可能なのは、ビジネスモデルや運営力、立地等の優位性などで差別化された施設であると、同投資法人は考えています。

こうした観点から、同投資法人は、「ソフトの優位性」(競合他社と異なる差別化されたビジネスモデル、ブランド力等を有しており、運営について高い専門性を有するオペレーターにより運営されているかどうか)と

「ハードの優位性」(立地の優位性や建物の希少性等により施設自体に優位性があるかどうか)という2つの観点から、投資対象資産となるホテル、旅館及び付帯施設を選定していく方針です。

また、同投資法人は、具体的な投資対象資産となるホテル、旅館及び付帯施設の選定にあたり、

星野リゾートグループ運営物件、星野リゾートグループ以外運営物件及び海外における星野リゾートグループ関与物件の物件売却情報を積極的に入手した上で、

それぞれについて投資対象資産を選別し、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローの確保のため、最適と考えられるポートフォリオを柔軟に構築する方針です。

なお、同投資法人はホテル、旅館及び付帯施設以外の観光産業に関連する資産(以下「観光関連資産」)に投資を行う可能性があります。

具体的な投資対象資産となる観光関連資産の選定にあたっては、当該資産の収益性、並びに投資法人が保有し又は取得予定の資産若しくは当該資産が所在する地域の観光に対して有すると見込まれる効果の内容及び程度を総合的に判断し、その投資の可否を判断しています。

更に、同投資法人は、資産規模の拡大等を通じて、収益安定性を強化させると同時に、

ポートフォリオの分散を進展させ、旅行者の旅のニーズ又はトレンドの変化、災害、国内外の景気動向等により、同投資法人のキャッシュ・フローが大きく低下するリスクを軽減することを目指しています。

【2024年10月期の運用状況及び分配金の予想の修正と2025年4月期の予想】

2024年6月に予定している新規資産取得(リゾートホテル1物件)、に伴い、

2024年10月期の運用状況と分配金予想の修正2025年4月期の運用状況と分配金予想をしています。

2024年10月期の運用状況予想は表4です。

営業
収益
[百万円]
営業
利益
[百万円]
経常
利益
[百万円]
当期
純利益
[百万円]
1 口
当たり
分配金
[円]
前回
(2023/12/18)
発表予想
6,5992,8422,2212,2208,700
今回修正予想7,4663,4822,6632,6629,100
増減額866640442442400
増減率[%]13.122.519.919.94.6
表4:2024年10月期の運用状況と分配金の修正予想(2024年5月24日発表)

前回発表予想から、営業収益は1割強増利益面は2割前後の増額をしています。

今回の公募増資による新規取得資産は取得金額で約14.0%の増加率(1,986→2,266億円)からすると、

この新規物件取得の規模(増加率)と、営業収益と利益面の増額修正の割合はほぼ見合っているといえます。

また、分配金前回予想から400円増の予想で、前期(2024年4月期)比で400円増です。

2025年4月期の予想は、表3に記載のとおりです。

【格付けの状況】

(2023年10月31日現在)

  • 日本格付研究所(JRC):
    長期発行体格付「A+」(安定的)債券格付「A+」
    (※A:債務履行の確実性は高い。)
  • 格付投資情報センター(R&I):
    発行体格付:「A」(安定的)
    (※A:信用力は高く、部分的に優れた要素がある。)

投資口価格の動向

株価指標

【2024/5/27(月)終値時点の数値】

  • 投資口価格(1口当たり):528,000円
  • 信用倍率(信用買い残÷信用売り残):16.5倍
  • 年間分配金(法人予想):18,220円(2024年10月 9,100円、2025年4月 9,120円)、利回り:3.45%

分配金利回りは3.45%で、上場株式の年利回り(東証プライムの単純平均:2.30%(5/24時点))と比較すると、高い水準ですが、

J-REITの平均予想利回り(4.44%(2024年4月末時点:一般社団法人  不動産証券化協会データより))と比較すると低い水準です。

直近5期の分配金は表5となっており、1口当たり7,195~8,700円で推移して、連続増配を継続中です。

決算期1口当たり
分配金[円]
2022年4月期7,195
2022年10月期7,681
2023年4月期8,385
2023年10月期8,557
2024年4月期
(予想)
8,700
表5:星野リゾート・リート投資法人 直近分配金推移

【直近の投資口価格推移】

<週足チャート(直近2年間)>

2023年1月に高値(761,000円)をつけるまでは上昇基調で推移していましたが、

それ以降は高値切り下げ安値切り下げの下落トレンドで推移し、2024年2月に安値(504,000円)をつけました。

そしてその後は、550,000円前後で推移しています。

<日足チャート(直近3か月間)>

3/28に年初来高値(581,000円)をつけるまでは上昇基調で推移していましたが、それ以降はほぼヨコヨコで推移しており、

今回のPO発表の翌営業日(5/27)は、POによる1口当たり利益の希薄化懸念により、窓を開けて出来高を伴い、前日比 36,000円安(-6.38%)と急落しました。

今後は、2月につけた年初来安値(504,000円)を割り込まずに、ヨコヨコから上昇に転じていくのか、割り込んで下値模索をするのか、要注目です。

まとめ

【ファンダメンタルズ】

  • 星野リゾートグループの運営する主要ブランド物件「星のや」「リゾナーレ」「界」などのリゾートホテル温泉旅館)に対し投資しているJ-REITで、
    安定した収益を生み、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローを確保することが可能であり、ビジネスモデルや運営力、立地等の優位性などで差別化された施設に投資し、ソフトの優位性とハードの優位性という2つの観点から投資対象資産を選定し、収益性が期待できる。
  • 資産規模の拡大等を通じて、収益安定性を強化させると同時に、
    ポートフォリオの分散を進展させ、旅行者の旅のニーズ又はトレンドの変化、災害、国内外の景気動向等により、同投資法人のキャッシュ・フローが大きく低下するリスクを軽減することを目指している。
  • 前々期(2023年10月期)の運用状況は、前期比 増収増益で、営業収益は微増、利益面は営業利益と経常利益は微増の増益だが、純利益は1割弱減で着地。
  • 今期(2024年10月期)の運用状況の予想は、今回のPO発表と同時に修正しており、前期比 増収増益で、営業収益は1割強増利益面は2割前後の増益を見込んでいる。
  • 今回の資金調達による資産取得により、今期(2024年10月期)の運用状況予想を前回発表予想から、営業収益は1割強増利益面は2割前後の増額修正をしており、
    今回の公募増資による新規取得資産は取得金額で約14.0%の増加率(1,986→2,266億円)からすると、この新規物件取得の規模(増加率)営業収益と利益面の増額修正の割合はほぼ見合っているといえ、POによる資金調達の妥当性がある。

【インカムゲイン】

  • 分配金の利回り(予想) 3.45は、東証プライム上場会社の単純平均2.30%(5/24時点)と比較すると高い水準で、J-REITの平均的水準と比較すると低い水準
  • 直近5期の分配金は、1口当たり7,195~8,700円で推移しており、連続増配を継続中
  • 今回の増資後の2024年10月期の分配金前回予想より400円増額前期比 400円増2025年4月期は同20円増の予想。

【流動性】

  • 直近の出来高の5日平均は1,529口、25日平均は1,060口(5/27時点)で、流動性は平均的な水準

【投資口価格モメンタム】

  • 週足レベルの投資口価格は、2023年1月に高値(761,000円)をつけるまでは上昇基調で推移していたが、それ以降は高値切り下げ安値切り下げの下落トレンドで推移し、2024年2月に安値(504,000円)をつけた。
    そしてその後は、550,000円前後で推移しています。
  • 直近の投資口価格は、3/28に年初来高値(581,000円)をつけるまでは上昇基調で推移していたが、それ以降はほぼヨコヨコで推移しており、
    今回のPO発表の翌営業日(5/27)は、POによる1口当たり利益の希薄化懸念により、窓を開けて出来高を伴い、前日比 36,000円安(-6.38%)と急落した。
  • 今後の投資口価格は、2月につけた年初来安値(504,000円)を割り込まずに、ヨコヨコから上昇に転じていくのか、割り込んで下値模索をするのか要注目。

以上をふまえ、

レベル
(最低⭐~
最高⭐⭐⭐⭐⭐)
ファンダメンタルズ⭐⭐⭐⭐
インカムゲイン⭐⭐⭐⭐
流動性⭐⭐⭐
投資口価格モメンタム⭐⭐
総合判定⭐⭐⭐
(中立)
※「総合判定」で⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「見送り」

と判断しました。

参考になればうれしいです!最後までご覧いただき、ありがとうございました。

※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。

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