こんにちは!
2024年4月権利確定のJ-REIT(全8銘柄)をピックアップし、その中で分配金利回り(2024年3月22日終値時点)が高い上位3銘柄を抽出。
さらに、分配金の安定度、投資口価格モメンタムや流動性の高さなども加味して、どのJ-REITが買いなのか総合的に分析しました。
最後までお付き合いいただけるとうれしいです!
【J-REITの簡単な説明】
投資信託の仲間であり、我々投資家は、東京証券取引所でJ-REIT(不動産投資法人)商品を購入し、J-REITが、商業施設やホテル、住宅などの不動産を保有・運営してその家賃収入や売却益を得て、その収益の中から分配金として投資家に配分されるもの。
J-REITは全体的に、高分配の銘柄が多く存在します。そして、分配月もばらけていますので、複数のJ-REITを保有すると分散投資にもなりますし、ほぼ毎月分配金をいただける嬉しい状況になります。
それでは行ってみましょう!
TOP3:いちごオフィスリート投資法人(8975)
【特徴】
- 安定的かつ収益成長が見込める中規模オフィスに投資し、中長期的な観点から収益の安定性と持続的な成長を追求した運用を行うことにより、投資主価値の最大化を目指すJ-REIT
- 投資対象としている中規模オフィスは、大規模オフィスに比べて相対的に流動性が高く、潜在的なテナント層が厚いため、
安定したキャッシュフローを有するほか、戦略的なバリューアップやきめ細かなリーシングによる資産価値向上の余地が比較的大きい。 - 経済的調査、物理的調査および法律的調査を十分実施し、物件の競争力、収益性等を勘案したうえで、投資対象としての妥当性を検討している。
【保有資産】
ポートフォリオの合計(2024年2月29日現在)
物件数:88物件、取得価格:2,124億円、稼働率:95.4%
ポートフォリオの分散状況:(2023年10月31日現在)
<アセットタイプ比率>
- オフィス 98%
- その他(商業施設等) 2%
<地域別比率>
- 都心6区(東京都千代田区、港区、中央区、新宿区、渋谷区、品川区) 54%
- その他首都圏(東京都(上記6区を除く)、神奈川県、千葉県、埼玉県) 22%
- 4大都市圏(大阪市、名古屋市、福岡市、札幌市) 18%
- その他主要都市 6%
【投資口価格動向・分配金推移】
<2024年3月22日(金)終値時点>
- 投資口価格(1口当たり):82,400円
- 信用倍率(信用買い残÷信用売り残):ー(信用売り残無し)
- 年間分配金(法人予想):4,072円(2024年4月 2,006円、2024年10月 2,066円)、利回り:4.94%
直近5営業期間の分配金は、表1のようになっており、1口当たり2,052~4,224円で推移しています。
2023年4月期の分配金は、2022年12月に譲渡したオフィスビル1物件(いちご池之端ビル)の譲渡益が含まれており、一時的に多くなっています。
決算期 | 1口当たり 分配金(円) |
2021年10月期 | 2,185 |
2022年4月期 | 2,508 |
2022年10月期 | 2,052 |
2023年4月期 | 4,224 |
2023年10月期 | 2,115 |
【直近の投資口価格推移】
<週足チャート(直近2年間)>
しばらく、85,000円前後のヨコヨコで推移していましたが、
2023年3~4月にかけて急上昇し、4月に高値(102,600円)をつけました。
そしてその後は、高値切り下げ安値切り上げの下落トレンドで推移し、2024年3月に安値(76,500円)をつけています。
<日足チャート(直近3か月間)>
今年1月に高値(83,700円)をつけた後は下落基調で推移し、3/12に年初来安値(76,500円)をつけました。
しかしその後は勢いよく上昇していき、現時点(3/22)ではすべての移動平均線を上抜けています。
TOP2:トーセイ・リート投資法人(3451)
【特徴】
- 中小規模のオフィス、商業施設、住宅及び物流施設をボリュームゾーンの不動産と位置づけ、主に東京経済圏に所在するこれらの不動産を投資対象として、相対的に高い利回りが期待できる物件への投資する総合型REIT
- 資産運用会社であるトーセイ・アセット・アドバイザーズ株式会社が私募ファンド運用において培った豊富な経験や、
スポンサーであるトーセイ株式会社の強み(目利き力、リーシング(テナント誘致、客付け)力、再生力)を最大限に活用し、投資対象不動産のポテンシャルを見極め、バリューアップ余地が大きいと判断できる不動産に投資 - 分配金水準の維持・向上を重視した運用方針を基本に据え、厳選した物件取得により資産規模拡大を図っている。
【保有資産】
ポートフォリオの合計(2024年1月30日現在)
物件数:62物件、取得価格:827億円、平均稼働率(2024年2月末日現在)96.8%
ポートフォリオの分散状況:
<アセットタイプ比率>
- オフィス 41.0%
- 商業施設 6.9%
- 住宅 52.1%
<地域別比率>
- 東京経済圏(東京23区除く) 76.3%
- 東京23区(都心5区除く) 18.1%
- 都心5区(千代田区、中央区、港区、渋谷区、新宿区) 4.7%
- 主要地方都市 0.9%
【投資口価格動向・分配金推移】
<2024年3月22日(金)終値時点>
- 投資口価格(1口当たり):143,300円
- 信用倍率(信用買い残÷信用売り残):ー(信用売り残無し)
- 年間分配金(法人予想):7,310円(2024年4月 3,610円、2024年10月 3,700円)、年間利回り:5.10%
直近5営業期間の分配金は、表2のようになっており、1口当たり3,558~3,706円で推移しています。
決算期 | 1口当たり 分配金(円) |
2021年10月期 | 3,643 |
2022年4月期 | 3,558 |
2022年10月期 | 3,638 |
2023年4月期 | 3,682 |
2023年10月期 | 3,706 |
【直近の投資口価格推移】
<週足チャート(直近2年間)>
2023年3月に安値(125,700円)をつけるまでは下落基調でしたが、
それ以降は、高値切り上げ安値切り上げの上昇トレンドで推移し、2024年3月に高値(143,300円)をつけています。
<日足チャート(直近3か月間)>
昨年末に安値(131,900円)をつけた後は、高値切り上げ安値切り上げの上昇基調で推移し、3/22に年初来高値(143,300円)をつけています。
TOP1:投資法人みらい(3476)
【特徴】
- 日本を代表する総合商社 三井物産グループと、独立系アセットマネジメント会社として豊富な投資実績を有するイデラ キャピタルをスポンサーとする総合型J-REIT
- 三井物産グループの「総合力・事業知見」と、イデラ キャピタルの「不動産価値創造力」を連携・融合させ、幅広いアセットカテゴリーへの投資・運用を通じて、投資主の利益最大化を目指す。
- 多様な特性を有するアセットクラスへの投資を通じて物件及びテナントの分散を図り、安定したキャッシュフローの実現を目指している。
- メガバンクグループを中心としたレンダーフォーメーション(調達先金融機関の構成)の構築と、適切なLTV(総資産に対する有利子負債の割合)コントロールによる健全かつ安定的な財務運営
【保有資産】
ポートフォリオの合計(2024年3月1日現在)
物件数:43物件、取得価格:1,782億円、平均稼働率(2024年1月末日現在)98.7%
ポートフォリオの分散状況:
<アセットタイプ別比率>
- オフィス 50.7%
- 商業施設 21.0%
- ホテル 18.3%
- 居住施設 1.2%
- その他 8.8%
<地域別比率>三大都市圏 82.8%
- 東京圏 57.8%
- 大阪圏 14.4%
- 名古屋 10.6%
- その他 17.2%
【投資口価格動向・分配金推移】
<2024年3月22日(金)終値時点>
- 投資口価格(1口当たり):45,400円
- 信用倍率(信用買い残÷信用売り残):184倍
- 年間分配金(法人予想):2,335円(2024年4月 1,150円、2024年10月 1,185円)、年間利回り:5.14%
直近5営業期間の分配金は、表3のようになっており、1口当たり1,215~1,313円で上下100円以内で安定して推移しています。
決算期 | 1口当たり 分配金(円) |
2021年10月期 | 1,289 |
2022年4月期 | 1,267 |
2022年10月期 | 1,313 |
2023年4月期 | 1,305 |
2023年10月期 | 1,215 |
【直近の投資口価格推移】
<週足チャート(直近2年間)>
2022年4月に高値(53,900円)をつけた後は、高値切り下げ安値切り下げの下落トレンドで推移しており、
2023年の年末に安値(42,350円)をつけています。
<日足チャート(直近3か月間)>
昨年末に安値(42,350円)をつけた後は一気に上昇し、今年1月に高値(45,750円)をつけました。
その後はしばらく調整していましたが、3月中旬から上昇に転じ、現時点では1月につけた高値に迫る勢いです。
まとめ
2024年4月権利確定J-REITをまとめると・・・
TOP | 法人名 | アセット タイプ | 地域分散 | 資産 規模 | 投資口 価格 モメンタム | 流動性 | 投資主 優待 | 分配金の 安定度 | 分配金 利回り[%] |
1 | 投資法人みらい (3476) | 総合 | 三大都市圏 (東京、大阪、名古屋) | 中 | △ | △ | 〇 | 〇 | 5.14 |
2 | トーセイ・リート (3451) | 総合 | 東京中心 | 小 | 〇 | △ | × | 〇 | 5.10 |
3 | いちごオフィスリート (8975) | オフィス | 首都圏+ 四大都市圏 (大阪、名古屋、福岡、札幌) | 中 | △ | 〇 | 〇 | △ | 4.94 |
今回は、上位2銘柄が利回りが5%以上となりました。
ただ、TOP3の「いちごオフィスリート」の利回りも僅差です。
J-REIT全体では、直近で下落基調で推移していたのですが、3月の日銀政策決定会合でのマイナス金利解除、大規模な金融緩和策の枠組みを維持の決定を受けて、不動産株の上昇とともに、急上昇を開始しています。
その点も、今後のJ-REITにとって追い風になると思われます。
個別では、
投資主優待狙いや分配金の安定度重視の場合は「投資法人みらい」がいいですね。
「トーセイ・リート」は、昨年来高値を更新したばかりで、投資口価格上昇の勢いがあります。
「いちごオフィスリート」は、流動性が高く、投資主優待がありますので、こちらも魅力的ですね!
今回ご紹介していない4月権利のJ-REITの中では、いちごオフィスリートの次に利回りが高いKDX不動産(8972)は利回り4.90%(3/22時点)、積水ハウス・リート(3309) 4.62%となっていますので、こちらも検討してみても良いかもしれませんね。
2024年4月の権利付き最終日は25日(木)(権利落ち日:4/26)です。
参考になればうれしいです✨
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。