こんにちは!
直近で立会外分売を実施した銘柄に関して、立会外分売で買った場合、利益は出たのか?
分売日当日と分売後1週間後の結果を検証しました。
今回は、2024年3月に分売が実施されたヤギ、B-Rサーティワンアイス、田中建設工業です。
最後までお付き合いいただけると嬉しいです💖
分売値段とその後の株価推移
まずは、分売値段で買って1週間(5営業日)後まで保有した場合、含み益なのか含み損なのか?
確認していきましょう!
※売買手数料は考慮していません。
銘柄 | 分売日 | 分売 値段 [円] | ディス カウント 率[%] | 分売日 始値[円] (騰落率[%]) | 分売日 終値[円] (同) | 一週間後 の始値[円] (日付) | 損益[円] (騰落率 [%]) |
ヤギ (7460) | 3/5 (火) | 1,729 | 2.97 | 1,723 (-0.3) | 1,724 (-0.3) | 1,691 (3/12) | -38 (-2.2) |
B-R サーティワンアイス (2268) | 3/6 (水) | 3,880 | 3.00 | 3,905 (+0.6) | 3,945 (+1.7) | 3,930 (3/13) | +50 (+1.3) |
田中建設工業 (1450) | 3/13 (水) | 1,910 | 3.97 | 1,919 (+0.5) | 1,940 (+1.6) | 2,000 (3/21) | +90 (+4.7) |
分売日の寄付又は大引と1週間(5営業日)後の結果は、
B-Rサーティワンアイスと田中建設工業は、全ての段階で損益プラス、
ヤギは、全ての段階で損益マイナス
でした。
特に、田中建設工業は、分売日1週間(5営業日)後の寄付で売却した場合は4.7%の利益が出ていました。
分売で購入し利益が出た方、おめでとうございます!
ちなみに私は、今回は購入無しでした。
それでは個別に見ていきましょう!
要因分析:ヤギ(7460)
この会社の立会外分売実施前の評価は、表2のように判断していました。
レベル (⭐(最低)~ ⭐⭐⭐⭐⭐(最高)) | |
業績 | ⭐⭐⭐ |
株主還元 (配当、株主優待等) | ⭐⭐⭐⭐ |
株価モメンタム | ⭐⭐⭐⭐ |
流動性 | ⭐⭐ |
分売数量 | ⭐⭐⭐ |
総合判定 | ⭐⭐⭐ (中立) |
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「見送り」
今期(2024年3月期)3Qの業績は、マテリアル事業は減収でしたが、主力のアパレル事業が不採算事業を見直し、経費の圧縮、商圏の洗い直し等を行うことにより一定の成果を出し、
前年同期比 減収増益で、売上高は微減、利益面は8割強~2.6倍の増益でした。
今期通期予想は、アパレル事業、ブランド・リテール事業を中心として堅調な業績が見込まれることから、今2Q決算発表と同時に修正し、
前期比 減収増益で、売上高は1割弱減、利益面は4~9割強の増益を見込み、
その通期予想に対する進捗率は、3Q終了時点で、売上高は8割弱でそこそこで、利益面は9割前後で順調でしたね。
株主還元は、配当利回り(会社予想)は3.53%(3/1時点)で、東証スタンダードの単純平均 2.16%と比較すると高い水準で、
今期の配当金は、今2Q決算と今回の立会外分売発表と同時に2回増配しており、記念配当を含め、1株当たり前期比 15円増となっていましたね。
直近5年間の配当金は、年間1株あたり40~48円で推移しており、配当性向は、20%台~90%でした。
株価モメンタムは、2022年5月に安値(1,084円)をつけた後は、高値切り上げ安値切り上げの上昇トレンドで推移していました。
直近の株価は、昨年12月に安値(1,484円)をつけた後は、しばらく緩やかに上昇していましたが、今年2月に入り急上昇しはじめ、
今回の立会外分売と記念配当の発表があった翌営業日(2/26)は、記念配当を好感され窓を開けて出来高を伴い買われ年初来高値(1,888円)をつけましたね。
しかしその後は続かず、その翌営業日以降は調整して5日移動平均線を下抜けました。
その後の株価は、25日移動平均線や75日移動平均線を下抜けず上昇に転じていくのか、下抜けて下値模索を継続するのか注目していましたが・・・。
ご参考(立会外分売前の分析):【立会外分売は買いか?】ヤギ(7460)
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月間)>
分売発表の翌々営業日以降はしばらく1,800円程度でヨコヨコの展開でしたが、
分売日当日(3/5)には窓を開けて下落し、分売値段(1,729円)を下回りました。
分売発表以降、ほとんど株価が下がりませんでしたので、その分、分売日に大きく下落しました。
要因分析:B-Rサーティワンアイス(2268)
この会社の立会外分売実施前の評価は、表3のように判断していました。
レベル (⭐(最低)~ ⭐⭐⭐⭐⭐(最高)) | |
業績 | ⭐⭐⭐⭐ |
株主還元 (配当、株主優待等) | ⭐⭐⭐ |
株価モメンタム | ⭐⭐⭐ |
流動性 | ⭐⭐ |
分売数量 | ⭐⭐ |
総合判定 | ⭐⭐⭐ (中立) |
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「見送り」
前期(2023年12月期)通期の業績は、顧客から高い人気を誇るキャラクターとのコラボレーションの実現やデマンド戦略に沿ったプロモーションの実施により、来店客数が増加し計画を上回り過去最高を記録し、
前期比 増収増益で、売上高は1割強増、利益面は営業利益と経常利益は1割程度の増益でしたが、純利益は微減の減益で着地しました。
今期(2024年12月期)通期予想は、長期経営計画における4つの柱(①ブランドパワー強化、②デジタル化、③スマート31、④販売拠点拡大)を更に推進し、
前期比 増収増益で、売上高、利益面ともに1割弱増を見込んでいましたね。
株主還元は、配当利回り(会社予想)は0.99%(3/1時点)で、東証スタンダードの単純平均 2.16%と比較すると低い水準で、
直近5年間の配当金は、年間1株あたり30~40円で推移しており、前期は久々に10円増配しました。
配当性向は、20%台~60%台で推移しており、業績によってばらつきがありました。
また、株主優待があり、毎年6月末と12月末の年2回、100株以上保有の株主は、同社製品と引き換えできる「eGift(電子ギフト)」1,200円分(600円×2枚)が進呈(株数に応じて、枚数は増加)される点は魅力的でしたね。
100株保有の場合、配当金+株主優待(2,400円相当)の利回りは1.59%になっていました。
株価モメンタムは、2022年3月に安値(3,920円)をつけた後、同年7月に一時的に急騰し高値(4,290円)をつけ、その後は、4,000~4,200円のレンジ内で推移していました。
直近の株価は、高値切り下げの下落基調で推移し、昨年末の配当金と株主優待の権利落ち日に安値(4,000円)をつけました。
そして、今回の立会外分売発表の翌営業日(2/28)は、分売による短期的な需給悪化懸念により窓を開けて売られ、前日比 15円安(-0.37%)と小幅に下落しましたね。
その後の株価は、昨年末につけた安値(4,000円)を割り込まずに上昇に転じていくのか、割り込んで下値模索をするのか注目していましたが・・・。
ご参考(立会外分売前の分析):【立会外分売は買いか?】B-Rサーティワンアイス(2268) <2024年3月実施>
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月間)>
分売発表以降は下落基調で推移し、分売日には直近の安値(4,000円)を割り込みましたが、
しかし、その日を底にして上昇に転じ、その後は上昇基調で推移しています。
要因分析:田中建設工業(1450)
この会社の立会外分売実施前の評価は、表4のように判断していました。
レベル (⭐(最低)~ ⭐⭐⭐⭐⭐(最高)) | |
業績 | ⭐⭐⭐ |
株主還元 (配当、株主優待等) | ⭐⭐⭐⭐ |
株価モメンタム | ⭐⭐⭐ |
流動性 | ⭐⭐ |
分売数量 | ⭐⭐ |
総合判定 | ⭐⭐⭐ (中立) |
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「見送り」
今期(2024年3月期)3Qの業績は、堅調な受注環境を背景に受注残高は潤沢なものの、大型案件の着工が同期間比において減少したことに加え、開発プロジェクト全体の遅れの影響等により、売上・利益共に同期間比マイナスの結果となり、
前年同期比 減収減益で、売上高は2割弱減、利益面は4割強減でした。
今期通期予想は、前期からの繰越工事高(手持工事高)と現在営業中の案件をベースに増収だが、売上原価率の上昇や販売費及び一般管理費が増加見込みのため、
前期比 増収減益で、売上高は1割弱増、利益面は1割強減を見込み、
その通期予想に対する進捗率は、3Q終了時点で、売上高は6割強で遅れ気味、利益面は6~7割でそこそこでしたね。
株主還元は、配当利回り(会社予想)は3.41%(3/6時点)で、東証スタンダードの単純平均 2.14%と比較すると高い水準で、
直近5年間の配当金は、年間1株あたり68~80円で推移しており、
配当性向は、30~33%で安定していましたね。
会社の方針は、継続的な成長のための財務体質の強化と株主への継続的かつ安定的な利益還元とのバランスを勘案しつつ、株主への利益還元を充実して行くことを基本方針としていました。
株価モメンタムは、2022年4月に安値(1,600円)をつけた後は、高値切り上げ安値切り上げの上昇トレンドで推移し、2023年3月に高値(2,780円)をつけました。
しかしその後は、高値切り下げ安値切り下げの下落基調で推移していました。
直近の株価は、昨年12/25に昨年来安値(1,905円)をつけるまで下落基調で推移してましたが、その後は急速に値を戻し、今年1/26に高値(2,300円)をつけました。
そしてその後はしばらくヨコヨコの展開で、今回の立会外分売発表の翌営業日(3/6)は、分売による短期的な需給悪化懸念から窓を開けて売られ、前日比 80円安(-3.60%)と急落しましたね。
その後の株価は、節目の2,000円や昨年来安値(1,905円)を下抜けずに、上昇に転じていくのか、割り込んで下値模索を継続するのか注目していましたが・・・。
ご参考(立会外分売前の分析):【立会外分売は買いか?】田中建設工業(1450)
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月間)>
分売発表の翌営業日以降も、連続陰線で急速に下落していきましたが、
分売日(3/13)には下げ止まり、それまで大きく下落していた分、上昇も急速に進んでいます。
まとめ
ヤギ(7460)、B-Rサーティワンアイス(2268)、田中建設工業(1450)の立会外分売の事前予想と1週間(5営業日)後の株価は、表5の結果になりました。
銘柄名 | 事前 予想 | 結果(損益) (「5営業日後始値」 ー「分売値段」) [円](騰落率[%]) | 判定 |
ヤギ | 中立 | -38 (-2.2) | 〇 |
B-R サーティワンアイス | 中立 | +50 (+1.3) | 〇 |
田中建設工業 | 中立 | +90 (+4.7) | × |
※事前予想の「買い」は3%以上の上昇、「中立」は±3%、「不参加」は3%以上の下落を想定しています。
今回は2勝1敗、勝率0.667。まあまあでした。
B-Rサーティワンアイスと田中建設工業は、分売日までの下落幅が大きかっただけに、分売日には株価は底打ちし上昇に転じました。
一方、ヤギは分売発表から分売日にかけて株価はそれほど下落しなかったため、その分底打ちするまでに時間がかかったという印象です。
今後の株価動向ですが、
ヤギは、まだまだ、分売発表前の株価への戻りが足りていない状況です。
3月期末一括の配当取りに向けてのさらなる上昇に期待です。
B-Rサーティワンアイスは、株価のボラティリティが低い銘柄で、分売時には一時的に下落しますが、すぐに元の値に戻る傾向があります。
分売発表前の4,050円近辺までに戻るのは、時間の問題かと思われます。
田中建設工業は、こちらも3月末の期末一括配当取りが控えています。
25日移動平均線や75日移動平均線を上抜けて、更なる上昇の加速に期待です。
参考になればうれしいです✨
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。