こんにちは!
2025年1月権利確定のJ-REIT(全13銘柄)をピックアップし、その中で分配金利回り(2024年12月27日終値時点)が高い上位3銘柄を算出。
さらに、分配金の安定度、投資口価格モメンタムや流動性の高さなども加味して、どのJ-REITが買いなのか総合的に分析しました。
最後までお付き合いいただけるとうれしいです!
【J-REITの簡単な説明】
投資信託の仲間であり、我々投資家は、東京証券取引所でJ-REIT(不動産投資法人)商品を購入し、J-REITが、商業施設やホテル、住宅などの不動産を保有・運営してその家賃収入や売却益を得て、その収益の中から分配金として投資家に配分されるもの。
J-REITは全体的に、高分配の銘柄が多く存在します。そして、分配月もばらけていますので、複数のJ-REITを保有すると分散投資にもなりますし、ほぼ毎月分配金をいただける嬉しい状況になります。
それでは行ってみましょう!
TOP3:エスコンジャパンリート投資法人(2971)
【特徴】
- 人々の暮らしを開発する“ライフ・デベロッパー”である、中部電力グループの日本エスコン(8892)がスポンサーの、地域社会の生活を豊かにする暮らし密着型資産(商業施設、住宅、持続可能な社会の実現に資する資産)を中心としたポートフォリオを構築しているJ-REIT。
- 日本エスコンが総合デベロッパーとして培った不動産開発・運営の経験を活かし、 運用資産の着実な成長と投資主価値の最大化を目指している。
- 今後も継続的な人口集中が予想される五大都市圏(北海道圏、首都圏、中京圏、近畿圏及び九州圏)に位置するコミュニティに根差した暮らし密着型資産に重点投資を行うことで、収益の長期安定性を成長性を追求している。
【保有資産】
ポートフォリオの合計(2024年11月30日現在)
物件数:37物件、取得価格:703億円、稼働率:99.6%
ポートフォリオの分散状況:
<地域別比率>
- 首都圏 16.1%
- 近畿圏 49.4%
- 中部圏 0.7%
- 九州圏 21.3%
- 北海道圏 1.8%
- その他 10.6%
となっており、「近畿圏」が最も多く5割を占めています。
【投資口価格動向・分配金推移】
<2024年12月27日(金)終値時点>
- 投資口価格(1口当たり):112,800円
- 信用倍率(信用買い残÷信用売り残):76.2倍
- 年間分配金(法人予想):6,880円(2025年1月 3,280円、2025年7月 3,600円)、利回り:6.10%
直近5営業期間の分配金は、表1のように、1口当たり3,227~5,283円で推移しています。
また、2023年1月期のみ突出して多くなっていますが、これは特別利益として、同資産運用会社から忠実義務違反行為により同投資法人に生じた損害の賠償として受け取った損害賠償金666百万円を計上したためです。
決算期 | 1口当たり 分配金(円) |
2022年7月期 | 3,604 |
2023年1月期 | 5,283 |
2023年7月期 | 3,238 |
2024年1月期 | 3,227 |
2024年7月期 | 3,242 |
【直近の投資口価格推移】
<週足チャート(直近2年間)>
2023年3月に安値(102,800円)をつけた後は、高値切り上げ安値切り上げの上昇トレンドで推移し、翌年5月に高値(129,400円)をつけました。
しかし、その後は調整しています。
<日足チャート(直近3か月間)>
12/19に年初来安値(107,700円)をつけるまでは、右肩下がりの下落基調で推移していましたが、
それ以降は上昇に転じており、直近では、25日移動平均線(赤線)を上抜けています。
TOP2:東海道リート投資法人(2989)
【特徴】
- 静岡を核とする産業地域(静岡県、愛知県及び三重県)への重点投資を基軸とし、日本の東西中心地をつなぐ東海道地域の安定資産に投資するJ-REIT。
- 東海道地域等の中でも特に静岡を核とする産業地域に存する物流施設や、企業がその活動基盤としテナントとなって活用する産業系施設、産業・物流適地の底地(他の人に貸すことで、何らかの利益を得ている土地)を含めた産業インフラアセットと、
東海道地域等に基盤を置く企業や人々の生活を支える住居及び生活必需品を扱う配送・販売に適した立地にある底地などの生活インフラアセット(住宅等)に投資することで、安定的なポートフォリオ構築と成長を図っている。 - ヨシコン株式会社を軸とした静岡を核とする産業地域を支える産業系、物流系、インフラ系、金融・不動産系企業のスポンサーサポートを活用することで、投資主価値の向上を目指している。
【保有資産】
ポートフォリオの合計(2024年12月19日現在)
物件数:23物件、取得価格:545億円、稼働率:99.5%(2024年11月30日現在)
ポートフォリオの分散状況:(2024年2月2日現在)
<投資エリア>
- 静岡県 39.1%
- 愛知県 41.6%
- 三重県 16.1%
- 岐阜県 3.2%
となっており、「愛知県」が4割強、「静岡県」が4割を占めています。
<投資対象>
- 物流アセット 32.8%
- 産業・ビジネスアセット 7.4%
- 底地アセット(産業インフラ型)4.3%
- 住居系アセット 27.1%
- 底地アセット(生活圏配送・販売型) 22.5%
- その他アセット(生活圏配送・販売型) 5.8%
となっており、「物流アセット」が3割強、「住宅系アセット」が3割弱を占めています。
【投資口価格動向・分配金推移】
<2024年12月27日(金)終値時点>
- 投資口価格(1口当たり):107,700円
- 信用倍率(信用買い残÷信用売り残):ー(信用売り残無し)
- 年間分配金(法人予想):6,665円(2025年1月 3,380円、2025年7月 3,285円)、利回り:6.19%
直近5営業期間の分配金は、表2のように、1口当たり3,170~3,351円で推移しており、最大と最小の差は181円です。
決算期 | 1口当たり 分配金(円) |
2022年7月期 | 3,170 |
2023年1月期 | 3,211 |
2023年7月期 | 3,342 |
2024年1月期 | 3,351 |
2024年7月期 | 3,284 |
【直近の投資口価格推移】
<週足チャート(直近2年間)>
2024年4月に上場来高値(133,300円)をつけるまでは、高値切り上げ安値切り上げの上昇トレンドでしたが、
それ以降は下落トレンドで推移して、同年12月に安値(101,600円)をつけています。
<日足チャート(直近3か月間)>
高値切り下げ安値切り下げの下落基調で推移しています。
そして、12/21に年初来安値(101,600円)をつけた後は、若干ですが上昇に転じてきており、直近(12/27)では75日移動平均線(青線)を上抜けています。
TOP1:いちごホテルリート投資法人(3463)
【特徴】
- いちごの「心築」を軸としたビジネスモデルを最大限活用してホテル用不動産等に投資を行う、ホテル特化型リート
- 規模の経済性を重視した着実な資産規模の成長に向けて、ホテル用不動産等における外部成長ポテンシャルを背景に、いちごの強力なソーシング(不動産の調達)力を最大限に活用しながら、積極的な外部成長を目指している。
- 物件選定にあたっては、①立地②建物③バリューアップ余地④オペレーター⑤キャッシュフロー分析の5点に着目して、総合的な判断を基に投資を行っている。
【保有資産】
ポートフォリオの合計(2024年12月2日現在)
物件数:28物件、取得価格:662億円、客室稼働率:88.4%(2024年7月期)
ポートフォリオの分散状況:(取得価格ベース)
<投資エリア>(2024年7月31日現在)
- 大阪 18.5%
- 東京 12.8%
- 中国・四国 12.8%
- 東海 12.7%
- 京都 6.4%
- 関東甲信越 13.1%
- 北海道 12.6%
- 九州 5.2%
- 名古屋 3.8%
- 神戸 2.1%
となっており、「大阪」が最も多く2割弱を占めています。
【投資口価格動向・分配金推移】
<2024年12月27日(金)終値時点>
- 投資口価格(1口当たり):155,800円
- 信用倍率(信用買い残÷信用売り残):104倍
- 年間分配金(法人予想):13,234円(2025年1月 9,671円、2025年7月 3,563円)、利回り:8.49%
今期(2025年1月期)の分配金は、前期比で2倍以上となっていますが、これは「ヴァリエホテル広島」を譲渡を決議し、2024年12月2日付で代金決済および引き渡しを行う予定で、
本譲渡に伴い、2025年1月期において譲渡益約2.3億円を計上見込みのためです。
直近5営業期間の分配金は表3のように、1口当たり1,418~3,040円で推移しており、連続増配を継続中です。
決算期 | 1口当たり 分配金 [円] |
2022年7月期 | 1,418 |
2023年1月期 | 2,311 |
2023年7月期 | 2,831 |
2024年1月期 | 2,976 |
2024年7月期 | 3,040 |
【投資主優待】
このJ-REITは投資主優待があり、毎年1月末と7月末に1口以上保有の投資主は、以下の2点が進呈されます。
- Jリーグ全クラブ・全試合を対象とする抽選式の「いちごJリーグ株主・投資主優待」
※試合日ごとに、J1、J2、J3それぞれにつき1試合ずつ応募可能 - 同投資法人が保有するホテルのオペレーターとの契約に基づき、対象ホテル(ホテルウィングインターナショナル、チョイスホテルズ運営のホテル(コンフォートホテル、コンフォートイン、コンフォートスイーツ等)、スマイルホテル、クインテッサホテル、テンザホテル等)の宿泊代金に特別優待料金が適用される「宿泊代金割引」
個人投資家にとって、うれしい内容ですね!
【直近の投資口価格推移】
<週足チャート(直近2年間)>
2023年6月に安値(98,100円)をつけた後は、しばらく100,000~120,000円程度のレンジ内の推移でしたが、
翌年後半から急上昇しはじめ、12月に高値(157,500円)をつけています。
<日足チャート(直近3か月間)>
右肩上がりの上昇基調が継続しています。
そして、12/27に年初来高値(157,500円)をつけています。
まとめ
2025年1月権利確定J-REITをまとめると・・・
TOP | 法人名 | アセット タイプ | 地域分散 | 資産 規模 | 投資口 価格 モメンタム | 流動性 | 投資主優待 | 分配金の 安定度/ 連続増配 | 分配金 利回り[%] |
1 | いちごホテルリート (3463) | ホテル | 全国 | 小 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 8.49 |
2 | 東海道リート(2989) | 物流施設、住宅、底地 | 東海 (静岡、愛知、三重) | 小 | × | △ | × | 〇 | 6.19 |
3 | エスコンジャパンリート(2971) | 商業施設、住宅 | 五大都市圏 | 小 | △ | △ | × | △ | 6.10 |
今回は、上位3銘柄ともに全て利回りが6%超で、特にいちごホテルリートは何と8%超と脅威の利回りです。
J-REIT全体でも投資口価格は下がりっぱなしでしたが、直近では堅調な値動きも見せ、ようやく底打ち感も見え始めており、今が買い時の可能性もあります。
今後は、2025年のNISA枠を活用した投資も期待できる時期でもありますので、インカムゲインと同時にキャピタルゲイン(値上がり益)も狙えそうです。
個別では、
「いちごホテルリート」は、圧倒的に分配金利回りが高く、投資主優待もあるので魅力的です。
ただ、2025年1月は資産の譲渡益が上乗せされており、次期(2025年7月期)以降の分配金は1口当たり数千円下がりますので、1月の配当権利落ちの下落には注意が必要です。
「東海道リート」は安定的な高配当で、投資口価格も底打ち感があります。
75日移動平均線線を上抜けていますので、今後の投資口価格上昇に期待です。
「エスコンジャパンリート」は、こちらも安定的な高分配ですが、若干減配リスクがあります。
ただ、投資口価格は中期的には上下20,000円程度の差しかなく安定していますので、安心して保有できますね。
今回ご紹介していない1月権利のJ-REITの中では、エスコンジャパンリートの次に利回りが高い、
サムティ・レジデンシャル(3459)は利回り6.09%(12/27時点)、スターアジア不動産(3468) 5.96%とどちらも6%前後となっていますので、こちらも検討してみても良いかもしれませんね。
2025年1月の権利付き最終日は29日(水)(権利落ち日:1/30)です。
参考になればうれしいです✨
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。