こんにちは!
直近で立会外分売を実施した銘柄に関して、立会外分売で買った場合、利益は出たのか?
分売日当日と分売後1週間後の結果を検証しました。
今回は、2023年8月に分売が実施された三洋堂ホールディングス、CKサンエツ、第一カッター興業です。
最後までお付き合いいただけると嬉しいです💖
分売値段とその後の株価推移
まずは、分売値段で買って一週間(5営業日)後まで保有した場合、含み益なのか含み損なのか?を確認していきましょう!
※売買手数料は考慮していません。
銘柄 | 分売日 | 分売 値段 [円] | ディス カウント率 [%] | 分売日 始値[円] (騰落率[%]) | 分売日 終値[円] (同) | 一週間後 の始値[円] (日付) | 損益[円] (騰落率 [%]) |
三洋堂HD (3058) | 8/21 (月) | 766 | 3.04 | 775 (+1.2) | 757 (–1.2) | 745 (8/28) | -21 (-2.7) |
CKサンエツ (5757) | 8/22 (火) | 3,579 | 3.01 | 3,620 (+1.1) | 3,600 (+0.6) | 3,660 (8/29) | +81 (+2.3) |
第一カッター 興業 (1716) | 8/22 (火) | 1,174 | 3.06 | 1,191 (+1.4) | 1,185 (+0.9) | 1,275 (8/29) | +101 (+8.6) |
分売日の寄付又は大引と1週間(5営業日)後の結果は、
CKサンエツと第一カッター興業は、いずれの場合も損益プラス、
三洋堂ホールディングスは、分売日の寄付で売却した場合は損益プラスですが、分売日の大引と1週間(5営業日)後の寄付で売却した場合は損益マイナス
の結果でした。
特に、第一カッター興業は、分売日1週間後(5営業日)の寄付で売却した場合は8.6%の利益が出ていました。
分売で購入し利益が出た方、おめでとうございます!
ちなみに私は、CKサンエツに200株購入申込みしましたが、当選無しでした(;´д`)トホホ
それでは個別に見ていきましょう!
要因分析:三洋堂ホールディングス(3058)
この会社の立会外分売実施前の評価は、表2のように判断していました。
レベル (⭐(最低)~ ⭐⭐⭐⭐⭐ (最高)) | |
業績 | ⭐⭐ |
株主還元 (配当、株主優待等) | ⭐⭐ |
株価モメンタム | ⭐⭐ |
流動性 | ⭐⭐ |
分売数量 | ⭐⭐⭐ |
総合判定 | ⭐⭐ (不参加) |
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」
今期(2024年3月期)1Qの業績は、主力の書店部門の売上が前年同期比で減少しましたが、トレカ部門の売上が好調だったため、
前年同期比で、売上高は微減、利益面は赤字幅縮小でした。
今期通期予想は、トレカ館と駿河屋(中古ホビー事業)の売上高の伸長を予想していることから、
前期比で、売上高は変わらず、利益面は営業利益と経常利益は黒字転換、純利益は赤字幅縮小を予想しており、
その通期予想に対する進捗率は、1Q終了時点で、売上高は1/4程度でそこそこでしたが、利益面は赤字からの黒字化が必要な状況でしたね。
株主還元は、今期の配当は無配予想で、直近5期も無配で、連続無配を継続中でした。
ただ、株主優待があり、毎年3月末に100株以上保有の株主は、①株主優待カード(100株以上200株未満:レンタル割引 20%、販売割引 10%)②(1年以上継続保有のみ)図書カード(100株以上200株未満:1,000円分)が進呈される点は魅力的でしたね。
株価モメンタムは、2022年3月に高値(949円)をつけた後は、しばらくヨコヨコで推移していましたが、2022年10月以降は、高値切り下げ安値切り下げの下落基調で推移していましたね。
直近の株価は、緩やかながら下落基調で推移していましたが、
今回の立会外分売による需給悪化を嫌気され、発表の翌営業日(8/15)は、出来高を伴い窓を開けて前日比 59円安(-6.93%)と急落し、
この急落で、年初来安値を更新し、翌営業日と翌々営業日にかけて3営業日連続で年初来安値を更新したところは不安材料でした。
その後の株価は、下落が止まってしばらくヨコヨコで推移した後上昇に転じていくのか、さらに下値模索をするのか注目していましたが・・・。
ご参考(立会外分売前の分析):【立会外分売は買いか?】三洋堂ホールディングス(3058)
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
立会外分売発表の翌営業日以降は下落基調が続き、分売日の寄付は何とか分売値段(766円)を下回りませんでしたが、引けにかけて下回り、
それ以降、分売日の4営業日後まで下落は止まりませんでした。
しかし、その日を底にして上昇に転じてきており、あと少しで分売値段を回復するところまできています。
要因分析:CKサンエツ(5757)
この会社の立会外分売実施前の評価は、表3のように判断していました。
レベル (⭐(最低)~ ⭐⭐⭐⭐⭐ (最高)) | |
業績 | ⭐⭐ |
株主還元 (配当、株主優待等) | ⭐⭐⭐ |
株価モメンタム | ⭐⭐ |
流動性 | ⭐⭐ |
分売数量 | ⭐⭐⭐ |
総合判定 | ⭐⭐⭐ (中立) |
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」
今期(2024年3月期)1Qの業績は、伸銅事業の販売量が減少したため、
前年同期比 減収減益で、売上高は1割強減、利益面は4~6割弱の減益でした。
今期通期予想は、電気銅や電気亜鉛の価格を当期実績よりも高い水準に設定している一方で、伸銅事業の販売量が弱含みであることや、電力・エネルギー価格の一段の高騰等により、
前期比 減収減益で、売上高は微減、利益面は2割強の減益を予想しており、
その通期予想に対する進捗率は、1Q終了時点で、売上高、利益面ともに1/4程度でそこそこでしたね。
株主還元は、配当利回り(予想)は1.82%(8/16時点) で、東証プライムの単純平均 2.24%(8/15時点) と比較すると低い水準で、
直近5年間の配当金は、1株あたり60~70円でほぼ一定。配当性向は10%台~280%で推移していました。
また、株主優待があり、毎年3月末に100株以上保有の株主は、①富山のコシヒカリ無洗米 5㎏と②富山の名水2リットル(ペットボトル)×2本が進呈される点は魅力的でしたね。
株価モメンタムは、2021年10月に安値(2,865円)をつけた後は急上昇し、翌年1月に高値(4,520円)をつけましたが、
その後は伸び悩み、3,900~4,500円のレンジ内で推移していました。
直近の株価は、7月月初に年初来高値(4,490円)をつけるまでは上昇基調で推移していましたが、その後は調整し、
今回の立会外分売と2024年3月期1Qの決算発表の翌営業日(8/14)は、立会外分売による需給悪化懸念により、出来高を伴い窓を開けて急落しました。
そして、8/16まで地合いが悪かったということも影響し、下げが止まらず年初来安値を更新しましたね。
その後の株価は、この急激な下落が止まり、ヨコヨコから反転上昇していくのか、さらに下値模索をするのか注目していましたが・・・。
ご参考(立会外分売前の分析):【立会外分売は買いか?】CKサンエツ(5757)
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
分売日(8/22)までは下落基調で推移しましたが、その後は分売による需給悪化懸念が後退し、
その翌営業日以降は上昇に転じて、25日移動平均線(赤線)にタッチするところまで回復しています。
要因分析:第一カッター興業(1716)
この会社の立会外分売実施前の評価は、表4のように判断していました。
レベル (⭐(最低)~ ⭐⭐⭐⭐⭐ (最高)) | |
業績 | ⭐⭐⭐ |
株主還元 (配当、株主優待等) | ⭐⭐⭐⭐ |
株価モメンタム | ⭐⭐⭐ |
流動性 | ⭐⭐ |
分売数量 | ⭐⭐ |
総合判定 | ⭐⭐⭐ (中立) |
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」
前期(2023年6月期)通期の業績は、主力の切断・穿孔工事事業において完成工事高が増加したため、
前期比 増収増益で、売上高は1割弱増、利益面は1割弱~2割強の増益の結果で着地しました。
今期(2024年6月期)通期予想は、高速道路・橋梁補修工事、電力関連工事等への営業・施工力強化に取り組み、
前期比 減収増益で、売上高は1割弱減、利益面は営業利益は微増ですが、経常利益と純利益は微減~1割の減益を見込んでいましたね。
株主還元は、配当利回り(予想)は2.83%(8/18時点) で、東証プライムの単純平均 2.27%(8/17時点) と比較すると高い水準で、
直近5年間の配当金は、1株あたり10~35円で推移しており、連続増配を継続中のところは魅力的でしたね。
株価モメンタムは、2021年11月に高値(1,465円)をつけた後は、しばらくヨコヨコの動きでしたが、2022年の後半にかけて下落基調で推移しました。
そして、同年12月に安値(996円)をつけた後は、上昇基調で推移していました。
直近の株価は、7月下旬に年初来高値(1,458円)をつけるまでは上昇基調でしたが、それ以降は調整しており、
今回の立会外分売と2023年6月期決算発表の翌営業日(8/15)は、立会外分売による需給悪化懸念を嫌気され、窓を開けて出来高を伴い、前日比 102円安(-7.5%)と急落しました。
その後の株価は、この日つけた安値(1,222円)や年初来安値(1,000円)を下抜けずに、ヨコヨコから上昇に転じていくのか、下抜けて下値模索をするのか注目していましたが・・・。
ご参考(立会外分売前の分析):【立会外分売は買いか?】第一カッター興業(1716)
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
分売発表の翌営業日以降、分売日までは下落基調でしたが、その後は分売による需給悪化懸念が後退し、上昇基調で推移しました。
そして現時点(9/7)では、分売発表前の株価にあと一歩のところまで迫っています。
まとめ
三洋堂ホールディングス(3058)、CKサンエツ(5757)、第一カッター興業(1716)の立会外分売の事前予想と1週間(5営業日)後の株価は、表5のようになりました。
銘柄名 | 事前 予想 | 結果(損益) (「5営業日後始値」 ー「分売値段」) [円](騰落率[%]) | 判定 |
三洋堂HD | 不参加 | -21 (-2.7) | × |
CKサンエツ | 中立 | +81 (+2.3) | 〇 |
第一カッター 興業 | 中立 | +101 (+8.6) | × |
※事前予想の「買い」は3%以上の上昇、「中立」は±3%、「不参加」は3%以上の下落を想定しています。
今回は1勝2敗、勝率0.333。反省ですm(_ _”m)
どの銘柄も、分売日からその3営業日後までに株価は底をうち、それ以降は分売による需給悪化懸念が後退し、上昇に転じましたね。
特に、第一カッター興業は分売日を底にして、それ以降は急速に株価を戻してきています。
一方、三洋堂ホールディングスは比較的株価の戻りがゆっくりで、ようやく分売値段まで戻してきたところです。
今後の株価動向ですが、
三洋堂ホールディングスは、今期の業績は黒字転換する予想としています。
現実的に黒字転換が達成できそうなところまでくれば、株価上昇の波に乗って行けそうです。
CKサンエツは、株価は25日移動平均線まで一旦回復しましたが、その後は伸び悩んでいます。
売りをこなしながら、ヨコヨコからの反転上昇に期待です。
第一カッター興業は、株価の戻りが早く、
25日移動平均線の上で定着してからの上昇の加速が期待できそうです。
参考になればうれしいです✨
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。