こんにちは!
2023年7月権利確定のJ-REIT(全15銘柄)をピックアップし、その中で分配金利回り(2023年6月28日終値時点)が高い上位3銘柄を抽出。
さらに、分配金の安定度、投資口価格モメンタムや流動性の高さなども加味して、どのJ-REITが買いなのか総合的に分析しました。
最後までお付き合いいただけるとうれしいです!
【J-REITの簡単な説明】
投資信託の仲間であり、我々投資家は、東京証券取引所でJ-REIT(不動産投資法人)商品を購入し、J-REITが、商業施設やホテル、住宅などの不動産を保有・運営してその家賃収入や売却益を得て、その収益の中から分配金として投資家に配分されるもの。
J-REITは全体的に、高分配の銘柄が多く存在します。そして、分配月もばらけていますので、複数のJ-REITを保有すると分散投資にもなりますし、ほぼ毎月分配金をいただける嬉しい状況になります。
それでは行ってみましょう!
TOP3:エスコンジャパンリート(2971)
【特徴】
- 人々の暮らしを開発する“ライフ・デベロッパー”である、中部電力グループの日本エスコン(8892)がスポンサーのJ-REIT。
- 日本エスコンが総合デベロッパーとして培った不動産開発・運営の経験を活かし、 運用資産の着実な成長を目指すことによって、投資主価値の最大化を図っている。
- 今後も継続的な人口集中が予想される首都圏、近畿圏、中京圏及び福岡圏の四大都市圏に重点を置きつつ、地域住民の生活に根差した暮らし密着型商業施設を主要な投資対象(全体の80%以上)とするポートフォリオを構築する方針。
【保有資産】
ポートフォリオの合計(2023年6月27日現在)
物件数:38物件、取得価格:696億円、稼働率:99.9%
ポートフォリオの分散状況:
<地域別比率>
- 首都圏 11.1%
- 近畿圏 49.4%
- 中京圏 7.3%
- 福岡圏 14.9%
- その他 17.2%
となっており、「近畿圏」が最も多く5割弱を占めています。
【投資口価格動向・分配金推移】
<2023年6月28日(水)終値時点>
- 投資口価格(1口当たり):120,900円
- 信用倍率(信用買い残÷信用売り残):151倍
- 年間分配金(法人予想):6,159円(2023年7月 3,077円、2024年1月 3,082円)、年間利回り:5.09%
直近5営業期間の分配金は、表1のようになっており、1口当たり3,538~5,283円で推移し、前期の2023年1月期のみ突出して多くなっています。
これは、特別利益として、同資産運用会社から忠実義務違反行為により同投資法人に生じた損害の賠償として受け取った損害賠償金666百万円を計上したためです。
決算期 | 1口当たり 分配金(円) |
2021年1月期 | 3,599 |
2021年7月期 | 3,538 |
2022年1月期 | 3,593 |
2022年7月期 | 3,604 |
2023年1月期 | 5,283 |
【直近の投資口価格推移】
<週足チャート(直近2年間)>
2021年7月に上場来高値(157,900円)をつけた後は、右肩下がりの下落トレンドで推移して2023年3月に安値(102,800円)をつけました。
しかし、その後は上昇基調に転じています。
<日足チャート(直近3か月間)>
3月に年初来安値(102,800円)をつけた後は、上昇トレンドで推移しています。
そして、現時点(6/28)では、1月につけた年初来高値(122,000円)まであと少しに迫っています。
TOP2:スターアジア不動産(3468)
【特徴】
- オフィス、商業施設、住宅、物流施設、ホテル及び学生専用レジデンスを投資対象とし、東京圏を中心としたアセットタイプ(用途)分散型のポートフォリオを構築する総合型REITとして、
収益の「安定性」と「成長性」を同時に取り込むことのできるポートフォリオの構築を通じて投資主の利益の最大化を目指している。 - スターアジアの不動産投資戦略を背景とし、 そのノウハウと豊富な運用資産を活用した着実な成長をしている。
- 自己投資口の取得による投資主還元と資本コストの最適化を検討するなど、投資主利益第一主義追求のための施策を実行している。
【保有資産】
ポートフォリオの合計(2023年2月20日現在)
物件数:62物件、取得価格:1,941億円、平均稼働率:97.5%(2023年4月末時点)
ポートフォリオの分散状況:
<アセットタイプ別比率>
- オフィス 38.5%
- 住宅 19.5%
- 物流施設 15.3%
- ホテル 12.4%
- 商業施設 14.3%
<地域別比率>
- 都心5区(千代田区・中央区・港区・新宿区・渋谷区) 29.0%
- その他東京圏 37.6%
- その他 33.4%
となっており、アセット別では「オフィス」が4割弱、地域別では「その他東京圏」が4割弱を占めています。
【投資口価格動向・分配金推移】
<2023年6月28日(水)終値時点>
- 投資口価格(1口当たり):59,400円
- 信用倍率(信用買い残÷信用売り残):138倍
- 年間分配金(法人予想):3,065円(2023年7月 1,552円、2024年1月 1,513円)、年間利回り:5.16%
直近5営業期間の分配金は、表2のようになっており、1口当たり1,462~1,676円で推移しており、
2021年1月期を除いて1,400円台で安定しています。
決算期 | 1口当たり 分配金(円) |
2021年1月期 | 1,676 |
2021年7月期 | 1,462 |
2022年1月期 | 1,478 |
2022年7月期 | 1,476 |
2023年1月期 | 1,491 |
【直近の投資口価格推移】
<週足チャート(直近2年間)>
2021年7月に高値(67,400円)をつけた後は、右肩下がりの下落トレンドで推移し2023年3月に安値(52,300円)をつけました。
しかしその後は上昇に転じ、現時点では全ての移動平均線の上で推移しています。
<日足チャート(直近3か月間)>
高値切上げ安値切上げの上昇基調で推移しており、6/15に年初来高値(59,900円)をつけました。
その後は一旦5日移動平均線(緑線)を割り込んでいますが、すぐにこれを回復し、現時点(6/28)は全ての移動平均線の上で推移しています。
TOP1:東海道リート(2989)
【特徴】
- 静岡を核とする産業地域(静岡県、愛知県及び三重県)への重点投資を基軸とし、日本の東西中心地をつなぐ東海道地域の安定資産に投資するJ-REIT。
- 東海道地域等の中でも特に静岡を核とする産業地域に存する物流施設や、企業がその活動基盤としテナントとなって活用する産業系施設、産業・物流適地の底地(他の人に貸すことで、何らかの利益を得ている土地)を含めた産業インフラアセットと、
東海道地域等に基盤を置く企業や人々の生活を支える住居及び生活必需品を扱う配送・販売に適した立地にある底地などの生活インフラアセット(住宅等)に投資することで、安定的なポートフォリオ構築と成長を図っている。 - ヨシコン株式会社を軸とした静岡を核とする産業地域を支える産業系、物流系、インフラ系、金融・不動産系企業のスポンサーサポートを活用することで、投資主価値の向上を目指している。
【保有資産】
ポートフォリオの合計(2023年6月1日現在)
物件数:12物件、取得価格:451億円、平均稼働率:99.1%(2023年5月末時点)
ポートフォリオの分散状況:
<投資エリア>
- 静岡県 45.8%
- 愛知県 35.3%
- 三重県 18.9%
となっており、「静岡県」が5割弱を占めています。
<投資対象>
- 物流アセット 38.5%
- 産業・ビジネスアセット 8.7%
- 底地アセット(産業インフラ型)1.3%
- 住居系アセット 18.2%
- 底地アセット(生活圏配送・販売型) 26.4%
- その他アセット(生活圏配送・販売型) 6.9%
となっており、「物流アセット」と「底地アセット(生活圏配送・販売型)」を合わせて6割強を占めています。
【投資口価格動向・分配金推移】
<2023年6月28日(水)終値時点>
- 投資口価格(1口当たり):124,800円
- 信用倍率(信用買い残÷信用売り残):ー(信用売り残無し)
- 年間分配金(法人予想):6,657円(2023年7月 3,320円、2024年1月 3,337円)、年間利回り:5.33%
直近3営業期間の分配金は、表3のようになっており、1口当たり2,446~3,211円で推移し、連続増配を継続中です。
決算期 | 1口当たり 分配金(円) |
2022年1月期 | 2,446 |
2022年7月期 | 3,170 |
2023年1月期 | 3,211 |
【直近の投資口価格推移】
<週足チャート(直近2年間)>
週足ベースの投資口価格は、2021年6月の上場初日の上場来安値(101,200円)から、高値切り上げ安値切り上げの上昇トレンドで推移し、
2022年7月に上場来高値(126,600円)をつけました。
そしてその後は、112,000~125,000円のレンジ内で推移しています。
<日足チャート(直近3か月間)>
4月に安値(114,600円)をつけた後は上昇基調で推移し、6/28に年初来高値(124,800円)をつけています。
まとめ
2023年7月権利確定J-REITをまとめると・・・
TOP | 法人名 | アセット タイプ | 地域分散 | 規模 | 投資口 価格 モメンタム | 流動性 | 投資主 優待 | 分配金の 安定度 | 分配金 利回り[%] |
1 | 東海道リート (2989) | 物流施設、住宅 | 東海 (静岡、愛知、三重) | 小 | 〇 | △ | × | △ | 5.33 |
2 | スターアジア不動産 (3468) | 総合 | 東京中心 | 中 | 〇 | 〇 | × | 〇 | 5.16 |
3 | エスコンジャパンリート (2971) | 商業施設 | 四大都市圏 | 小 | 〇 | △ | × | △ | 5.09 |
今回は、どのJ-REITも利回りは5%以上と高配当です。
分配金利回りと投資口価格モメンタム重視の場合は「東海道リート」で、連続増配を継続しているところが魅力的です。
「スターアジア不動産」も分配金利回りは5%超で、流動性、分配金の安定度がともに高くなっています。
「エスコンジャパンリート」は、分配金利回りは他の2つよりも低いですが、それほど差はありません。
今回ご紹介していない7月権利のJ-REITの中では、エスコンジャパンリートの次に利回りが高いサムティ・レジデンシャル(3459)は利回り4.62%(6/28時点)、イオンリート(3292) 4.32%となっていますので、こちらも検討してみても良いかもしれませんね。
2023年7月の権利確定日は27日(木)です(権利落ち日:7/28)。
参考になればうれしいです✨
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。