こんにちは!
2023年5月権利確定のJ-REIT(全8銘柄)をピックアップし、その中で分配金利回り(2023年4月28日終値時点)が高い上位3銘柄を抽出。
さらに、分配金の安定度、投資口価格モメンタムや流動性の高さなども加味して、どのJ-REITが買いなのか総合的に分析しました。
最後までお付き合いいただけるとうれしいです!
【J-REITの簡単な説明】
投資信託の仲間であり、我々投資家は、東京証券取引所でJ-REIT(不動産投資法人)商品を購入し、J-REITが、商業施設やホテル、住宅などの不動産を保有・運営してその家賃収入や売却益を得て、その収益の中から分配金として投資家に配分されるもの。
J-REITは全体的に、高分配の銘柄が多く存在します。そして、分配月もばらけていますので、複数のJ-REITを保有すると分散投資にもなりますし、ほぼ毎月分配金をいただける嬉しい状況になります。
それでは行ってみましょう!
TOP3:大江戸温泉リート(3472)
【特徴】
- 温泉・温浴関連施設を主たる投資対象とするユニークな特化型J-REITとして、2016年8月に上場。
- 温泉を中心とする地域産業の活性化及び温泉文化の大衆化-すなわち温泉を日常の延長とすること-に貢献していきたいと考えており、
温泉を中心とした時間消費型産業と資本市場をつなぐ担い手となって、温泉文化の継承と発展に資する投資主体となることを目指している。 - 主として大江戸温泉物語グループが運営する、大江戸モデルが導入された温泉・温浴関連施設へ重点投資を行っているが、
2023年2月には、リスク分散を図り、安定性の向上と投資機会の拡大を図るため、新たに賃貸住宅その他の住宅の用に供されるアコモデーション施設(賃貸住宅、学生マンション、社員寮、サービスアパートメント、シェアハウス及び高齢者施設・住宅等)への投資を可能とした。
【保有資産】
ポートフォリオの合計(2023年2月28日現在)
物件数:11物件、取得価格:310億円、客室稼働率(2022年11月期)73.2%
※客室稼働率=対象期間中の販売客室数÷対象期間中の販売可能客室数×100(%)
ポートフォリオの分散状況:
<地域別比率>
- 東海 36.1%
- 四国 31.2%
- 関東 19.3%
- 東北 7.3%
- 北陸 6.1%
<取得価格別比率>(上位5施設のみ)
- 大江戸温泉物語 レオマリゾート(香川県) 31.2%
- 鬼怒川観光ホテル(栃木県) 12.4%
- 大江戸温泉物語 伊勢志摩(三重県) 11.8%
- 大江戸温泉物語 あたみ(静岡県) 9.7%
- 伊東ホテルニュー岡部(静岡県) 8.6%
【投資口価格動向・分配金推移】
<2023年4月28日(金)終値時点>
- 投資口価格(1口当たり):66,000円
- 信用倍率(信用買い残÷信用売り残):ー(信用売り残無し)
- 年間分配金(法人予想):2,766円(2023年5月 1,442円、2023年11月 1,324円)、年間利回り:4.19%
直近5営業期間の分配金は、表1のようになっており、1口当たり1,404~1,996円で推移しています。
直近では減配傾向が続いていましたが、コロナ禍からの回復により、今期は増配予定です。
決算期 | 1口当たり 分配金(円) |
2020年11月期 | 1,996 |
2021年5月期 | 1,970 |
2021年11月期 | 1,686 |
2022年5月期 | 1,521 |
2022年11月期 | 1,404 |
【直近の投資口価格推移】
<週足チャート(直近2年間)>
2021年6月に高値(87,500円)をつけた後は下落トレンドで推移し、2022年1月に安値(57,400円)をつけました。
しかしその後は、この安値は更新されていませんが、高値切り下げは継続しています。
<日足チャート(直近3か月間)>
直近では、62,000~66,000円のレンジ内で推移しており、
4/25の引け後に、2023年3月の月次データが開示され、この中で好調な保有施設の客室稼働率が好感され、翌営業日(4/26)に年初来高値(66,500円)をつけました。
今後は、この年初来高値を再び更新してくるような流れになれば、レンジを抜けての上昇が期待できそうです。
TOP2:大和証券オフィス(8976)
【特徴】
- オフィスビルの特性に基づいて、地域・規模などを厳選した投資運用を行い、不動産市況の変化に対応した柔軟な運用を行うことで、将来にわたって安定的な巡航EPS(物件売却益を控除したEPS(一口当たり当期純利益))の確保と、投資資産の持続的な成長を図っている。
- 投資対象の主たる用途をオフィスとし、オフィス需要が見込まれる地域を厳選して投資を行っており、
将来にわたって高いオフィス需要が見込まれる「東京主要5区(千代田区、中央区、港区、新宿区及び渋谷区)」に所在する投資対象資産に対して、ポートフォリオ全体の資産規模の60%以上を目安に投資を行っている。 - また、概ね延床面積が2,000㎡以上の大規模オフィスビルに重点的に投資し、改修工事が特定の期間に集中しないように建物の築年数の分散を図り、将来にわたる安定的な収益の獲得を目指している。
【保有資産】
ポートフォリオの合計(2022年12月21日現在)
物件数:58物件、取得価格:4,625億円、稼働率(2022年11月末現在)97.4%
ポートフォリオの分散状況:
<地域別比率>(取得価格ベース)
- 東京主要5区 80.5%
- 首都圏 17.4%
- 地方主要都市 2.0%
<クラス別比率>
- Aクラスビル(延床面積 30,000㎡以上) 29.4%
- Bクラスビル(延床面積 2,000㎡以上30,000㎡未満) 70.6%
【投資口価格動向・分配金推移】
<2023年4月28日(金)終値時点>
- 投資口価格(1口当たり):591,000円
- 信用倍率(信用買い残÷信用売り残):83.4倍
- 年間分配金(法人予想):27,400円(2023年5月 13,700円、2023年11月 13,700円)、年間利回り:4.64%
直近5営業期間の分配金は、表2のようになっており、1口当たり13,700~14,000円で推移しており、ほぼ一定です。
決算期 | 1口当たり 分配金(円) |
2020年11月期 | 13,817 |
2021年5月期 | 14,000 |
2021年11月期 | 14,000 |
2022年5月期 | 14,000 |
2022年11月期 | 13,700 |
【直近の投資口価格推移】
<週足チャート(直近2年間)>
2021年8月に高値(807,000円)をつけた後は、右肩下がりの下落トレンドで推移しています。
<日足チャート(直近3か月間)>
75日移動平均線(青線)が下向きでかつその下で推移しており、基本的には下落基調です。
しかし、4/10に年初来安値(582,000円)をつけた後は、この安値を更新しておらず、何とか耐えている状況です。
TOP1:アクティビア・プロパティーズ(3279)
【特徴】
- 東急不動産がスポンサーの、都市型商業施設と東京のオフィスビルに重点投資をしているJ-REIT。
- 中長期的な安定成長を実現するため、同資産運用会社の独自のノウハウとネットワークを用いることに加えて、包括的なサポート体制を通じた東急不動産ホールディングスグループのバリューチェーンを最大限活用することで、競争力の高い資産を取得し資産規模の拡大(外部成長)を図るとともに、
運用資産の競争力を最大限に引き出す運営・管理により、資産の収益性の向上(内部成長)を目指している。 - 利害関係者との取引における利益相反対策、投資主と東急不動産との利益の共同化手法や1口当たり分配金に連動する運用報酬を含む運用報酬体系を講じて、
投資主価値の最大化に向けたガバナンス体制の整備・充実を図っている。
【保有資産】
ポートフォリオの合計(2023年4月5日現在)
物件数:47件、取得価格:5,498億円、月次稼働率(2023年3月末日現在)95.6%
ポートフォリオの分散状況:
<アセットタイプ比率>
- 都市型商業施設 29.0%
- 東京オフィス(オフィス集積があるエリアの駅至近に位置する物件) 52.2%
- アクティビア・アカウント(個別物件の特性及び競争力等を見極めた厳選投資による物件) 18.8%
<地域別比率>
- 東京都心6区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区、文京区) 69.1%
- その他東京23区 1.8%
- 三大都市圏(首都圏、近畿圏、中京圏) 27.2%
- その他国内主要都市 1.9%
【投資口価格動向・分配金推移】
<2023年4月28日(金)終値時点>
- 投資口価格(1口当たり):396,000円
- 信用倍率(信用買い残÷信用売り残):45.6倍
- 年間分配金(法人予想):18,650円(2023年5月 9,350円、2023年11月 9,300円)、年間利回り:4.71%
直近5営業期間の分配金は、表3のようになっており、1口当たり9,300~9,547円で推移しており、ほとんど上下の幅はありません。
決算期 | 1口当たり 分配金(円) |
2020年11月期 | 9,547 |
2021年5月期 | 9,401 |
2021年11月期 | 9,360 |
2022年5月期 | 9,510 |
2022年11月期 | 9,300 |
【直近の投資口価格推移】
<週足チャート(直近2年間)>
2021年7月に高値(531,000円)をつけた後は、長い間、右肩下がりの下落トレンドで推移しています。
<日足チャート(直近3か月間)>
3/20に年初来安値(361,500円)をつけるまでは下落基調で推移していましたが、
その後は上昇に転じ、4/4に高値(401,500円)をつけました。
そして現時点では、約1か月間ヨコヨコで推移しています。
まとめ
2023年5月権利確定J-REITをまとめると、、、
ベスト | 法人名 | アセット タイプ | 地域分散 | 規模 | 投資口価格 モメンタム | 流動性 | 投資主 優待 | 分配金の 安定度 | 分配金 利回り[%] |
1 | アクティビア・プロパティーズ (3279) | 商業施設 オフィス | 首都圏+ 三大都市圏 | 中 | × | △ | × | 〇 | 4.71 |
2 | 大和証券オフィス (8976) | オフィス | 東京中心 | 中 | × | △ | × | 〇 | 4.64 |
3 | 大江戸温泉リート (3472) | 温泉施設 | 日本全国 | 小 | △ | △ | × | △ | 4.19 |
分配金利回りと分配金の安定度重視の場合は「アクティビア・プロパティーズ」と「大和証券オフィス」がどっこいどっこいで、
どちらも利回りはそれほど変わらないですが、投資口価格モメンタムは中期的(週足ベース)には下落トレンドが継続中ですので、その点は注意が必要です。
「大江戸温泉リート」は、温泉施設に投資していてJ-REITの中ではユニークな存在で、アフターコロナに向けて保有施設の稼働率の回復が鮮明ですので、今後の投資口価格の上昇も期待できますね。
今回ご紹介していない、5月権利のJ-REITの中では、大江戸温泉リートの次に利回りが高いユナイテッド・アーバン(8960)は利回り4.18%(4/28時点)となっており、最低投資価格は10万円台ですので、こちらも検討してみても良いかもしれません。
2023年5月の権利確定日は29日(月)です(権利落ち日:5/30)。
参考になればうれしいです✨
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。