こんにちは!
直近で立会外分売を実施した銘柄に関して、立会外分売で買った場合、利益は出たのか?
分売日当日と分売後1週間後の結果を検証しました。
今回は、2022年11月に分売が実施されたコーユーレンティア、綜研化学、12月に実施された富士興産です。
最後までお付き合いいただけると嬉しいです💖
分売値段とその後の株価推移
まずは、分売値段で買って一週間(5営業日)後まで保有した場合、含み益なのか含み損なのか?を確認していきましょう!
※売買手数料は考慮していません。
銘柄 | 分売日 | 分売 値段 [円] | ディス カウント率 [%] | 分売日 始値[円] (増減率[%]) | 分売日 終値[円] (同) | 一週間後 の始値[円] (日付) | 損益[円] (増減率[%]) |
コーユー レンティア (7081) | 11/29 (火) | 1,452 | 3.01 | 1,467 (+1.0) | 1,480 (+1.9) | 1,511 (12/6) | +59 (+4.1) |
綜研化学 (4972) | 11/29 (火) | 1,712 | 3.00 | 1,743 (+1.8) | 1,743 (+1.8) | 1,746 (12/6) | +34 (+2.0) |
富士興産 (5009) | 12/2 (金) | 1,098 | 2.49 | 1,130 (+2.9) | 1,118 (+1.8) | 1,109 (12/9) | +11 (+1.0) |
分売日の寄付又は大引と1週間(5営業日)後の結果は、
全ての銘柄で、いずれの場合も損益プラスでした。
特に、コーユーレンティアは、分売日1週間後の寄付で売却した場合は4.1%の利益が出ていました。
分売で購入できた方、おめでとうございます!
ちなみに私は、綜研化学に200株購入申込みして当選無し、富士興産に300株申込し、100株当選しました👍
富士興産は今のところまだ保有しており、もう少し株価が上がってきたら利確しようと考えています。
それでは個別に見ていきましょう!
要因分析:コーユーレンティア(7081)
この会社の立会外分売実施前の評価は、表2のように判断していました。
レベル (⭐(最低)~ ⭐⭐⭐⭐⭐(最高)) | |
業績 | ⭐⭐⭐ |
株主還元 (配当、株主優待等) | ⭐⭐⭐⭐ |
株価モメンタム | ⭐⭐⭐ |
流動性 | ⭐⭐ |
分売数量 | ⭐⭐ |
総合判定 | ⭐⭐⭐(中立) |
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」
今期(2022年12月期)3Qの業績は、売上高はM&Aによる事業ポートフォリオ拡大・付加価値の高い商品・サービスの提供や、レンタル関連事業の建設現場向け市場・オフィス市場向けレンタルで前年同期を上回る受注があり、前年同期を上回りましたが、利益面は、前年のオリンピック特需の反動減の影響があり、
前年同期比 増収減益で、売上高は1割弱増、利益面は1割弱~2割強の減益の結果でした。
今期通期予想は、前期比 増収減益で、売上高は微増、利益面は1割弱の減益を見込んでおり、それに対する進捗率は3Q終了時点で、売上高、営業利益、経常利益は3/4程度でそこそこでしたが、純利益は6割強と遅れ気味で、可もなく不可もなくといったところでしたね。
株主還元は、配当利回り(予想)は2.58%(11/22時点) で、東証スタンダードの単純平均 2.22%と比較すると少し高い水準でした。
2020年2月の新規上場以降の配当金は、年間1株あたり28~40円で推移しており、配当性向は、無配の年を除き10%台で安定して推移しており、
会社の配当性向の方針は、収益とキャッシュフロー状態を勘案し、連結配当性向15%以上を目標としていて、こちらは安心できる内容でしたね。
また、株主優待があり、毎年12月末に300株以上保有の条件で、ポイントに応じて食品・お酒・電化製品・体験ギフト等と交換可能な、1ポイントで1円相当のポイント 3,000ポイントが進呈され、
300株保有の場合、配当金+株主優待(3,000円相当)で利回りは3.22%となっている点は、権利獲得日(12月末)が近いこともあり、魅力がありました。
株価モメンタムは、直近では高値切り上げ安値切り上げの上昇基調で推移していましたが、今3Q決算発表の翌営業日(11/11)は、決算があまり好感されず、そこから下落に転じていましたので、その点は気になる所でした。
そして、立会外分売発表の翌営業日(11/21)は、この下落の流れを引き継ぎ、75日移動平均線を割り込んでしまいましたので、
この75日移動平均線を回復すれば、株価上昇の波に乗れるのではと考えていましたが・・・。
ご参考(立会外分売前の分析):【立会外分売は買いか?】コーユーレンティア(7081) <2022年11月実施>
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
立会外分売発表の翌営業日(11/21)の3営業日後までは上昇し、一旦は75日移動平均線を回復していましたが、その後は分売日(11/29)まで下落しました。
しかしその後は、需給悪化懸念が解消してきて、回復基調で推移しています。
要因分析:綜研化学(4972)
この会社の立会外分売実施前の評価は、表3のように判断していました。
レベル (⭐(最低)~ ⭐⭐⭐⭐⭐(最高)) | |
業績 | ⭐⭐⭐ |
株主還元 (配当、株主優待等) | ⭐⭐⭐⭐ |
株価モメンタム | ⭐⭐ |
流動性 | ⭐⭐ |
分売数量 | ⭐⭐⭐ |
総合判定 | ⭐⭐⭐(中立) |
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」
今期(2023年3月期)2Qの業績は、価格改定の効果や円安に伴う中国子会社売上高の為替換算額の増加、利益面は価格転嫁のタイムラグが継続したことや顧客の生産調整に伴う工場稼働率の低下により、
前年同期比 増収減益で、売上高は1割弱増、利益面は微減~2割弱の減益の結果でした。
今期通期予想は、今2Q決算発表と同時に下方修正し、前期比 増収増益で、売上高は微増、利益面は1割強の増益を見込んでおり、
それに対する進捗率は2Q終了時点で、売上高、利益面ともに1/2程度でそこそこでした。
株主還元は、配当利回り(予想)は4.85%(11/22時点) で、東証スタンダードの単純平均 2.22%と比較すると2倍強の高い水準で魅力がありましたね。
直近5年間の配当金は、年間1株当たり55~75円で推移しており、配当性向は、30%前後で安定していました。
株価モメンタムは、2021年2月に高値(2,545円)をつけた後は、下落トレンドで推移していましたが、今年1月下旬に安値(1,584円)をつけた後は戻し基調で推移していました。
そして、直近では、今期の業績予想を下方修正後に株価は落ち込んでおり、
立会外分売発表の翌営業日(11/21)は、再び窓を開けて下落し、直近の安値(1,750円)をつけていました。
そして、この安値を割り込まずに、上昇に転じていければと考えていましたが・・・。
ご参考(立会外分売前の分析):【立会外分売は買いか?】綜研化学(4972)
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
分売日までは、上昇する場面もありましたが、分売日に窓を開けて下落し、直近の安値(1,750円)を割り込みました。
しかし、分売値段(1,712円)を割り込まずに、分売日以降は緩やかながら上昇基調で推移しています。
要因分析:富士興産(5009)
この会社の立会外分売実施前の評価は、表4のように判断していました。
レベル (⭐(最低)~ ⭐⭐⭐⭐⭐(最高)) | |
業績 | ⭐⭐⭐ |
株主還元 (配当、株主優待等) | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
株価モメンタム | ⭐⭐⭐ |
流動性 | ⭐⭐ |
分売数量 | ⭐⭐ |
総合判定 | ⭐⭐⭐(中立) |
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」
今期(2023年3月期)2Qの業績は、主力の石油事業における販売数量の増加と原油価格高騰に伴う製品販売価格の上昇により大幅増収となりましたが、環境開発工業株式会社の買収関連費用があり営業利益はそれほど伸びず、
前年同期比 増収増益で、売上高は3割増、利益面は営業利益は1割強増、経常利益は微減、純利益は9割強の増益の結果でした。
今期通期予想は、前期比 増収増益で、売上高は2割増、利益面は営業利益と経常利益は3割程度の増益ですが、純利益は、前期の特別利益に船橋土地・建物の売却益1,771百万円計上の反動減があり、7割強の減益を見込んでおり、
それに対する進捗率は2Q終了時点で、売上高は4割、利益面は2~3割でしたが、
同社は業績の季節的変動で、売上高・利益ともに1・2Qが少なく、3・4Qが多くなる傾向にあり、計画通りの進捗でした。
株主還元は、配当利回り(予想)は6.69%(11/25時点) で、東証スタンダードの単純平均 2.19%と比較すると3倍の高い水準で、この点は魅力がありましたね。
直近5年間の配当金は、年間1株当たり16~109円で推移しており、2020年3月期までは同額だが、それ以降は特別配当を除くと実質的に連続増配継続中で、
会社の方針は、2022年3月期から2024年3月期の中期経営計画期間中は、総還元性向100%を目安とした株主還元を実施する方針でしたので、来期の配当も期待できました。
株価モメンタムは、今年4月下旬に安値(850円)をつけた後は上昇に転じ、全ての移動平均線を上抜けてきていました。
そして、直近では、ほぼ1,120~1,220円の狭い範囲のレンジ内で推移していましたので、これを上抜けるのか下抜けるのかで、今後の株価の動向が決まると考えていました。
ご参考(立会外分売前の分析):【立会外分売は買いか?】富士興産(5009)
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
立会外分売発表の翌営業日(11/28)は、窓を開けて下落し、その後は分売日の2営業日後までは下落基調で推移し、
レンジの下限1,120円を下抜けましたが、分売値段は割り込みませんでした。
そして、その後は需給悪化懸念が解消して、上昇に転じています。
まとめ
コーユーレンティア(7081)、綜研化学(4972)、富士興産(5009)の立会外分売予想と1週間(5営業日)後の株価は、表5のようになりました。
銘柄名 | 事前予想 | 結果(損益) (「1週間(5営業日)後始値」 ー「分売値段」) [円](%) | 判定 |
コーユー レンティア | 中立 | +59 (+4.1) | × |
綜研化学 | 中立 | +34 (+2.0) | 〇 |
富士興産 | 中立 | +11 (+1.0) | 〇 |
※事前予想の「買い」は3%以上の上昇、「中立」は±3%、「見送り」は3%以上の下落を想定しています。
今回は2勝1敗、勝率0.667。まあまあの結果でした。
どの銘柄も分売日までは株価は落ち込みましたが、その後需給悪化懸念が解消して、上昇に転じてきました。
特にコーユーレンティアは、12月末の配当と株主優待権利取りが控えていたため、株価の戻りが早かったですね。
今後の株価動向ですが、
コーユーレンティアは、前述しましたが、12月末の配当と株主優待権利取りに向けての上昇に期待です。
綜研化学は、緩やかながら戻り基調ですが、
今期通期業績予想を下方修正する前の株価水準に戻れるかどうか、要注目ですね。
富士興産は、何と言っても、配当利回りが高いのが魅力です。
来年3月末の配当取りまでまだ先は長いですが、徐々に株価が上昇してくることに期待です。
参考になればうれしいです✨
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。