こんにちは!
直近で立会外分売を実施した銘柄に関して、立会外分売で買った場合、利益は出たのか?
分売日当日と分売後1週間後の結果を検証しました。
今回は、2022年11月に分売が実施された南海辰村建設、デリカフーズHLDGS、日本インシュレーションです。
最後までお付き合いいただけると嬉しいです💖
分売値段とその後の株価推移
まずは、分売値段で買って一週間(5営業日)後まで保有した場合、含み益なのか含み損なのか?を確認していきましょう!
※売買手数料は考慮していません。
銘柄 | 分売日 | 分売 値段 [円] | ディス カウント率 [%] | 分売日 始値[円] (増減率[%]) | 分売日 終値[円] (同) | 一週間後 の始値[円] (日付) | 損益[円] (増減率[%]) |
南海辰村建設 (1850) | 11/15 (火) | 302 | 2.89 | 302 (±0) | 301 (-0.3) | 303 (11/22) | +1 (+0.3) |
デリカフーズ HLDGS (3392) | 11/21 (月) | 470 | 2.89 | 475 (+1.1) | 478 (+1.7) | 490 (11/29) | +20 (+4.3) |
日本インシュ レーション (5368) | 11/22 (火) | 810 | 2.99 | 810 (±0) | 813 (+0.4) | 815 (11/30) | +5 (+0.6) |
分売日の寄付又は大引と1週間(5営業日)後の結果は、
デリカフーズホールディングスは、いずれの場合も損益プラス、
日本インシュレーションは、分売日の寄付で売却した場合は損益トントンでしたが、それ以外は損益プラス、
南海辰村建設は、分売日の寄付や大引で売却した場合は損益トントン、分売日の大引の場合は損益マイナス、分売日1週間後の寄付の場合は損益プラスの結果でした。
特に、デリカフーズホールディングスは、分売日の大引で売却した場合は4.3%の利益が出ていました。
デリカフーズホールディングスを分売で購入できた方、おめでとうございます!
ちなみに私は、今回は購入申込み無しでした。
それでは個別に見ていきましょう!
要因分析:南海辰村建設(1850)
この会社の立会外分売実施前の評価は、表2のように判断していました。
レベル (⭐(最低)~ ⭐⭐⭐⭐⭐(最高)) | |
業績 | ⭐⭐⭐ |
株主還元 (配当、株主優待等) | ⭐ |
株価モメンタム | ⭐⭐⭐ |
流動性 | ⭐⭐ |
分売数量 | ⭐⭐⭐ |
総合判定 | ⭐⭐⭐(中立) |
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」
今期(2023年3月期)2Qの業績は、前期繰越工事高が増加したことと、増収や一部工事の採算性向上に伴う利益率改善等により、
前年同期比 増収増益で、売上高は1割弱増、利益面は5~6割の増益で好調でした。
しかし、配当利回り(予想)は0.94%(11/9時点) で、東証スタンダードの単純平均 2.23%と比較すると低く、流動性も低いため、この点はマイナスポイントと考えていました。
株価もモメンタムは、320円近辺でもみ合っていたのですが、分売発表の翌営業日(11/9)に短期的な需給悪化懸念から、日足のベースの移動平均線を下抜けて、
その日以降、下げが止まらなくなりましたね。
ご参考(立会外分売前の分析):【公募増資・売出(PO)は買いか?】南海辰村建設(1850) <2022年11月実施>
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
分売日の前日から下げ始め、分売日(11/15)は窓を開けて売られ、分売値段を割り込んでしまいました。
その後はヨコヨコの展開で、株価はほぼ変わらずで推移しています。
要因分析:デリカフーズホールディングス(3392)
この会社の立会外分売実施前の評価は、表3のように判断していました。
レベル (⭐(最低)~ ⭐⭐⭐⭐⭐(最高)) | |
業績 | ⭐⭐⭐⭐ |
株主還元 (配当、株主優待等) | ⭐⭐ |
株価モメンタム | ⭐⭐ |
流動性 | ⭐⭐ |
分売数量 | ⭐⭐⭐ |
総合判定 | ⭐⭐⭐(中立) |
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」
この会社の今期(2023年3月期)2Qの業績は、新規・深耕の営業活動で顧客の裾野拡大を図った結果、半期(6ヵ月)としてはコロナ禍前の水準を上回る過去最高の売上高計上まで回復し、前年同期比 増収増益で、売上高は3割弱増、利益面は黒字転換で好調でした。
そして、今2Q決算発表と同時に通期業績予想を上方修正し、前期比 増収増益で、2割弱の増収、利益面は黒字転換を見込んでいました。
株主還元は、配当利回り(予想)は1.17%(11/11時点) で、東証スタンダードの単純平均 2.22%と比較すると低い水準でしたが、
株主優待があり、毎年9月末の年1回、200株以上保有の株主に、野菜・果物等詰合せ又はクオカードが進呈され、200株保有の場合の、配当金+株主優待(クオカード 500円相当)の利回りは1.66%となっていましたので、この点は魅力がありましたね。
しかし、株価モメンタムは、2020年12月に高値(700円)をつけた後は下落に転じ、それ以降、下落トレンドが長く続いていましたので、この点は気になっていました。
ご参考(立会外分売前の分析):【公募増資・売出(PO)は買いか?】デリカフーズホールディングス(3392)
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
分売発表日の3営業日後から、短期的な需給悪化懸念により下げ始め、分売日までは売られていましたが、
その後は、需給悪化懸念が解消されてきて、5連続陽線で上昇しました。
分売日までの下げが大きかった分、上昇も大きかったというところでしょうか。
要因分析:日本インシュレーション(5368)
この会社の立会外分売実施前の評価は、表4のように判断していました。
レベル (⭐(最低)~ ⭐⭐⭐⭐⭐(最高)) | |
業績 | ⭐⭐ |
株主還元 (配当、株主優待等) | ⭐⭐⭐⭐ |
株価モメンタム | ⭐⭐⭐ |
流動性 | ⭐⭐ |
分売数量 | ⭐⭐ |
総合判定 | ⭐⭐⭐(中立) |
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」
この会社の業績は、今期(2023年3月期)2Qの業績は、主力のプラント関連での電力プラント等の大型建設工事案件が一服したことや、製品価格の値上げを実施したもののそれを上回る原料・燃料費の上昇が収益を圧迫し、
前年同期比 減収減益で、売上高は2割弱減、利益面は3~4割の減益でした。
ただ、株主還元は、配当利回り(予想)は4.12%(11/16時点)で、東証スタンダードの単純平均 2.23%(11/15時点) と比較すると高い水準で、基本的には増配を継続しており、この点は魅力がありましたね。
株価モメンタムは、直近はほぼヨコヨコで推移しており、可もなく不可もなくといったところでしたが、流動性が乏しく、この点は気になっていました。
ご参考(立会外分売前の分析):【公募増資・売出(PO)は買いか?】日本インシュレーション(5368)
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
立会外分売は11/14のザラバ(取引時間)中に発表され、その3営業日後以降、分売日(11/22)までは、短期的な需給悪化懸念から、急激に売り込まれました。
しかし、分売日以降は需給悪化懸念は解消され、分売値段を割り込むことなく推移しています。
ただ、業績が今一つな分、分売発表時の株価に戻るのは時間がかかる雰囲気です。
まとめ
南海辰村建設(1850)、デリカフーズホールディングス(3392)、日本インシュレーション(5368)の立会外分売予想と1週間(5営業日)後の株価は、表5のようになりました。
銘柄名 | 事前予想 | 結果(損益) (「1週間(5営業日)後始値」 ー「分売値段」) [円](%) | 判定 |
南海辰村建設 | 中立 | +1 (+0.3) | 〇 |
デリカフーズ HLDGS | 中立 | +20 (+4.3) | × |
日本 インシュレーション | 中立 | +5 (+0.6) | 〇 |
※事前予想の「買い」は3%以上の上昇、「中立」は±3%、「見送り」は3%以上の下落を想定しています。
今回は2勝1敗、勝率0.667。まあまあの結果でした。
デリカフーズホールディングスは、分売日までの下げが急だったため、分売日以降の戻りも素早かったですね。
今後の株価動向ですが、
南海辰村建設は株価のもみ合いが長かった分、今回の立会外分売による下落がきっかけで、回復が鈍くなっているようです。
今後の上昇に期待です。
デリカフーズホールディングスは、直近では少し下落していますが、業績が好調ですので、分売日の安値(473円)を底にして、上昇に転じてくるものと思われます。
日本インシュレーションは、配当利回りは高いのですが、業績がさえませんので、株価の戻りは時間がかかりそうです。
参考になればうれしいです✨
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。