【立会外分売は買いか?】シンクロ・フード(3963) <2022年11月実施>

飲食店立会外分売
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こんにちは!

直近で立会外分売の実施を発表した銘柄に関して、分売で買った場合、利益を得ることができるのか?直近の経営状況や客観的な指標、株価モメンタム等を踏まえ、総合的に分析しました。

今回は、東証プライムから情報・通信業種のシンクロ・フードです。

最後までお付き合いいただけるとうれしいです!

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  • 立会外分売とは?
新規株主を増やすことを目的として、上場会社が大株主である銀行やオーナー経営者などの保有株を小口に分けて、証券取引所の立会外で不特定多数に売り出すこと。
取引開始前など取引時間外(=立会外)に売り出されることからこのように呼ばれる。
  • 立会外分売の魅力
    • 前日終値より安く購入可能
      • 立会外分配における買付側の購入価格は確定値段(1本値)で、分売実施日の前日終値よりディスカウントされるのが一般的。過去の例では、約3~5%のディスカウントで実施されています。
        (ディスカウント率は取引所の規定により最大10%)
    • 買付手数料はかからない
      • 立会外分売による買付は、通常の立会時間内の取引と種類が異なるため一般的に手数料はかからない。(売却時には通常の手数料が発生)
    • 即日売却OK
      • 立会外分売で取得した株式は、実施日(買付当日)から売却することが可能
  • デメリット:抽選で外れることもある
    • 買い申し込みが多いと、抽選ではずれて購入できないこともある。

立会外分売の概要

まとめ

実施日や株数は以下です。実施予定日は幅があり、実際の実施日と分売値段は、会社側から実施日前日に発表があります。

分売数量は決まっていて、100株単位で最大10,000株まで購入できます。

早ければ11/25(金)の夕刻に、会社側からの適時開示で分売値段のお知らせがあります。このブログでも追記しますので、チェックしてくださいね💖

分売予定日2022 年11 月28 日(月)
分売数量1,300,000 株
(発行済み株式総数 26,893,800 株の約4.83%
分売値段519 円
11/25決定
ディスカウント率2.44 %
11/25決定
申込単位数量100 株
申込上限数量10,000 株
表1:シンクロ・フード 立会外分売概要

【立会外分売実施の目的】

  • 同社株式の分布状況の改善および流動性向上を図り、流通株式時価総額の拡大によりプライム市場の上場維持基準への適合を実現するため

としています。

この会社は、東証プライム市場の上場維持基準に向けた計画書を2021年12月に提出しましたが、その進捗状況について、今年6月に報告書を作成しています。

それによると、2022年3月末日時点で、上場維持基準(流通株式数、流通株式時価総額、流通株式比率、1日の平均売買代金)のうち、「流通株式時価総額」の100億円以上という基準に対し、37.1億円となっており、この基準のみ満たしていない状況です。

そして、今回の立会外分売実施後は、流通株式数が約4.8%上昇する見込みですので、流通株式時価総額も4.8%上昇することになります。

なお、2025年3月期までにこの上場維持基準を満たす取り組みを進めるとしています。

今回の分売数量は、発行済み株式総数の約4.83%多い数量※1です。

※1:一概に言えませんが、目安として、5%以上:かなり多い、3%以上5%未満:多い、1%以上3%未満:ほどほど、1%未満:少ないとしています。

また、この銘柄の直近の出来高(売買が成立した株式の数量)の5日平均は20,891百株、25日平均は5,894百株(11/21時点)で、流動性は高い水準です。

そして、今回の分売数量(13,000百株)は、1日の出来高(25日平均)の約2.2倍ですので、この銘柄の通常の出来高からすると分売数量は多くないといえます。

ご参考までに、この会社は、今年2月にも立会外分売を実施しており、その時の分売値段と分売日以降の株価の動きは、表2のようになっています。

分売日分売株数
[万株]
分売値段
[円]
ディス
カウント
[%]
分売日
始値
[円]
(増減率[%])
分売日
終値
[円]
(同)
一週間後の
始値[円]
(日付)
損益[円]
(増減率[%])
2022/
2/25
702372.47237
(±0)
262
(+10.5)
273
(3/4)
+36
(+15.2)
表2:シンクロ・フード 前回の分売価格とその後の価格

分売値段で購入し、分売日の寄付で売却した場合はトントンでしたが、

分売日の大引や分売日1週間後の寄付で売却した場合は10%超の損益プラスの結果でした。(売買手数料は考慮していません。)

その時の地合いの良し悪しも影響してくるとは思いますが、ご参考まで。

【ご参考:前回の記事】:【立会外分売は買いか?】シンクロ・フード(3963)

どんな会社?

飲食店

飲食店のライフサイクルにおけるあらゆるフェーズでサービス・情報を提供するプラットフォームを運営している会社です。

主力サイトである「飲食店.COM」を中心として、飲食店出店・開業者及び飲食店運営者と、飲食店に関わる各事業者とをつなぐマッチングサービスを提供しています。

事業内容は、主に以下の3つがあり、それぞれ、

  • メディアプラットフォーム事業
    「飲食店.COM」を始めとした飲食店向けのサービスおよび、「飲食店.COM」に対してサービスを提供する不動産事業者や食材仕入れ業者等の関連事業者向けのサービス
  • M&A仲介事業
    飲食店の事業譲渡や株式譲渡等のM&A仲介および、飲食店が設備等を残置したまま退去する居抜き譲渡のサポートサービス
  • 人材紹介事業
    飲食店及び給食事業者等を含む飲食周辺領域の事業者に対して、求職者を紹介する人材紹介サービス

を行っています。

2022年3月期通期のセグメント別売上高構成比は、

  • メディアプラットフォーム事業 92.7%
  • M&A仲介事業 7.2%
  • その他(人材紹介)事業 0.1%

となっており、「メディアプラットフォーム事業」が9割強を占めています。

直近の経営概況

経営状況

【2023年3月期2Q(2022年4月~9月)の経営成績】

(2022年11月14日発表)

決算期売上高
[百万円]
(前年
同期比[%])
営業利益
[百万円]
(同)
経常利益
[百万円]
(同)
親会社株主
に帰属する
純利益

[百万円]
(同)
2022年3月期
2Q累計
794
(57.8)
99
(前年同期
赤字)
101
(前年同期
赤字)
74
(前年同期
赤字)
2023年3月期
2Q累計
1,363
(71.7)
403
(304)
405
(300)
272
(266)
2023年3月期
通期会社予想
2,760
(40.9)
730
(62.0)
730
(61.2)
511
(50.4)
通期予想に対する
2Qの進捗率[%]
49.355.255.453.2
表3:シンクロ・フード 2023年3月期2Q経営成績と通期会社予想

表3の通り、前年同期比 増収増益で、売上高は7割増利益面は3~4倍の増益で好調な結果でした。

2023年3月期通期の業績予想は、2Q決算発表と同時に上方修正しており(表5参照)、前期比 増収増益で、4割の増収利益面は5~6割の増益を見込んでいて、

その通期予想に対する進捗率は2Q終了時点で、売上高、利益面ともに5割程度でそこそこです。

【2023年3月期2Qの状況、経営成績の要因】

当2Q連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響がありながらも、ワクチンの普及等により、社会経済活動を継続する動きも活発になり、経済状況には持ち直しがみられるようになりました。

一方、米国を中心とした金利上昇と急激な円安進行、原料・エネルギーコストの高騰等、依然として先行きは不透明な状況が続いています。

このような事業環境のもと、「多様な飲食体験から生まれるしあわせを、日本中に、そして世界へと広げる。」をビジョンとして、

新中期経営計画初年度の着実な実行と、リブランディングの推進、の2点を経営方針に掲げ、事業を推進し、

2Qの四半期での売上高は、1Qに引き続き過去最高を更新(前年同期比 68.6%増)しています。

2Qの営業利益についても過去最高を更新(前年同期比205%増)しています。

ただ、販売費及び一般管理費については、積極採用により人件費が増加し、市況の回復に合わせて広告宣伝費も増加(前年同期比 37.2%増)しています。

これらの結果、2Q累計の経営成績は表3のようになっています。

サービス別の売上高の内訳は、運営サービス 1,071百万円(同98.3%増)出退店サービス 198百万円(同12.5%増)その他サービス 93.8百万円(同20.7%増)でいずれも好調です。

【セグメント別の業績】

セグメント別の業績は、表4の結果になりました。

なお、同社グループの報告セグメントは、従来「メディアプラットフォーム事業」「M&A仲介事業」「その他事業」の3区分としていましたが、

「その他事業」の主体であった株式会社シンクロ・キャリアは2021年7月1日付で同社を存続会社とする吸収合併により消滅しており、

これに伴い、報告セグメントを「メディアプラットフォーム事業」「M&A仲介事業」の2区分へ変更しています。

セグメント売上高
[百万円]
(前年同期比
増減率[%])
営業利益
[百万円]

(同)
メディア
プラットフォーム
1,274
(77.3)
386
(316)
M&A仲介88.2
(21.7)
17.0
(105)
表4:2023年3月期2Q  セグメント別業績

2つの事業で増収増益で、

特に主力の「メディアプラットフォーム事業」は、8割弱の増収4倍の増益で好調でした。

各セグメントの状況は以下です。

メディアプラットフォーム事業

「飲食店.COM」においては、出店開業、改装、業態変更等の動きが1Qに引き続き回復傾向にあったことで、2022年9月末時点における登録ユーザー数が251,014件(前年同期比13.7%増)と右肩上がりで順調に増加しています。

求人広告においては、今夏の新型コロナウイルス感染症の再拡大の懸念により、飲食業界の人材採用活動への影響がありましたが、新規顧客の開拓や既存顧客の再利用の促進活動等により、売上高が伸長しました。

また、「飲食店.COM」に対してサービス提供する不動産事業者や内装事業者等の関連事業者については、4,744社(同3.9%増)と増加しています。

M&A仲介事業

1Qに引き続き、M&A仲介及び居抜き譲渡ともに、売却案件数は堅調に推移しました。

また、譲渡実行時期が後ろ倒しになっていた案件の成約が進んだこともあり、成約数も順調に推移しました。

【財政面の状況】

自己資本比率>(自己資本(総資本-他人資本)÷総資産)×100

2023年3月期2Q末時点で86.0%と前期末(84.3%)から1.7ポイント増加しました。

これは主に、利益剰余金が259百万増加し、株主資本が増加したことによるものです。

自己資本比率の数値としては良好なレベルです。(20%以上を安全圏内としています。)

キャッシュ・フロー>2023年3月期2Q累計のキャッシュ・フロー(以下、CF)の状況

  • フリーCF(営業活動によるCFと投資活動によるCFを合計した金額 ※2)273百万円の収入
    • 営業活動によるCF 296百万円の収入(前期 288百万円の収入
    • 投資活動によるCF 23.4百万円の支出(前期 120百万円の収入

 ※2 フリーCFの説明:

  • プラスの場合:会社が自由に使える資金が増える
  • マイナスの場合:会社が自由に使える資金が減る

前期(2022年3月期2Q累計)のフリーCF(408百万円の収入)から135百万円減少しています。

営業活動によるCFの主な内訳(百万円):

  • 税金等調整前当期純利益 405
  • 減価償却費 19.1
  • 未払消費税等の増減額(△は減少) △31.8

投資活動によるCFの主な内訳(百万円):

  • 定期預金の預入による支出 △50.0
  • 定期預金の払戻による収入 50.0
  • 有形固定資産の取得による支出 △18.9

【今期(2023年3月期通期)業績の見通し】

今2Q決算発表と同時に、通期業績予想を上方修正しています。

2023年3月期通期の業績予想は表5です。

売上高
[億円]
営業利益
[百万円]
経常利益
[百万円]
当期
純利益
[百万円]
1株当たり
当期純利益
[円]
前回(2022/5/13)
発表予想
2,30047047034012.78
今回修正予想2,76073073051119.18
増減額460260260171
増減率[%]20.055.355.350.3
表5:2023年3月期通期業績と配当予想数値の修正(2022年11月14日発表)

前回予想と比べ、売上高は2割増利益面は割強の増額修正をしています。

修正の理由は、

当2Q連結累計期間は、新型コロナウイルス第7波の影響を受けながらも、求人広告サービスの伸長M&A仲介サービスの制約の進捗等により、売上高、営業利益、経常利益および親会社に帰属する当期純利益が、当初予想を上回って推移しました。

また、2022年10月11日以降、海外からの入国制限数上限が撤廃されたこと等から、インバウンド需要の増加も含め、飲食業界に対して前向きな影響があるものと想定し、

最近の同社業績動向も踏まえ、通期の連結業績予想を修正しています。

株価指標と動向

株価指標

【2022/11/21(月)終値時点の数値】

  • 株価:569円
  • 時価総額:153億円
  • PER(株価収益率(今期予想)):29.7倍

PERは、同業で時価総額が近い、イトクロ(6049) 0倍、カカクコム(2371) 26.6倍、デザインワン・ジャパン(6048) 23.5倍と比較すると、高めの水準です。

  • PBR(株価純資産倍率):4.77倍
  • 信用倍率(信用買い残÷信用売り残):9.97倍
  • 年間配当金(会社予想):0円(無配)、年間利回り:
決算期1株当たり
年間配当金
[円]
配当性向
[%]
2018年3月期
2019年3月期
2020年3月期
2021年3月期
2022年3月期
表6:シンクロ・フード 年間配当金推移

今期の配当予想は無配で、表6のように創業以来配当は実施していません。

この会社は、

株主への利益配分は、経営の最重要課題の一つと位置付けていますが、現在は内部留保の充実に注力する方針です。

内部留保は、財務体質の強化及び将来の事業展開のために必要な優秀な人材の採用の強化を図るための資金として、有効に活用して行く方針です。

将来的には、経営成績及び財務状態を勘案しながら株主への利益配分を検討をする予定ですが、

配当実施の可能性及び時期については未定となっています。

【直近の株価動向】

<週足チャート(直近2年間)>

出所:楽天証券サイト

週足ベースの株価は、今年2月に安値(235円)をつけた後は、右肩上がりの上昇トレンドで推移しており、11/18には569円をつけ年初来高値を更新しています。

<日足チャート(直近3か月間)>

出所:楽天証券サイト

直近の株価は、上昇トレンドで推移しており、

今回の立会外分売と今2Q決算、通期業績上方修正を発表した翌営業日(11/15)は、立会外分売による需給悪化懸念が勝ったのか、前日比 10円安(-2.09%)と下落しました。

しかしその翌営業日以降は、業績の良さを見直されたのか上昇に転じ、出来高を伴い連日年初来高値を更新しています。

今後は、上昇の勢いが継続し、年初来高値を更新していくのか、直近の9月につけた安値(414円)に向かって下落していくのか要注目です。

まとめ

まとめ

【業績】

  • 今期(2023年3月期)2Qの業績は、「飲食店.COM」の出店開業、改装、業態変更等の動きが1Qに引き続き回復傾向にあったことや、求人広告の新規顧客の開拓や既存顧客の再利用の促進活動等により、売上高が伸長し、
    前年同期比 増収増益で、売上高は7割増利益面は3~4倍の増益で好調な結果。
  • 今期通期予想は、求人広告サービスの伸長M&A仲介サービスの制約の進捗等により当初予想を上回り、2Q決算発表と同時に上方修正し、前期比 増収増益で、4割の増収利益面は5~6割の増益を見込んでいる。
  • その通期予想に対する進捗率は2Q終了時点で、売上高、利益面ともに5割程度でそこそこ

【株主還元】

  • 今期の配当は無配予想で、創業以来配当は実施していない。
    成長過程にあり、今後の事業規模拡大財務体質のために、内部留保を充実させ、
    必要な優秀な人材の採用の強化を図るための資金として、有効に活用して行く方針は理解できる。

【流動性・分売数量】

  • 直近の出来高の5日平均は20,891百株、25日平均は5,894百株(11/21時点)で、流動性は高い水準
  • 分売数量は、発行済み株式総数の約4.83%多い数量で、
    この銘柄の1日の平均的な出来高の約2.2倍であり、それからすると多くない数量
  • 今回の立会外分売により、プライム市場の流通株式時価総額の基準の適合を実現することは、株主にとってもメリットがある。

【株価モメンタム】

  • 週足ベースの株価は、今年2月に安値(235円)をつけた後は、右肩上がりの上昇トレンドで推移しており、11/18は569円をつけ年初来高値を更新
  • 直近の株価は、上昇トレンドで推移しており、
    今回の立会外分売と今2Q決算、通期業績上方修正を発表した翌営業日(11/15)は、立会外分売による需給悪化懸念が勝ったのか、前日比 10円安(-2.09%)と下落。
    しかしその翌営業日以降は、業績の良さを見直されたのか上昇に転じ、出来高を伴い連日年初来高値を更新
  • 今後の株価は、上昇の勢いが継続し、年初来高値を更新していくのか、直近の9月につけた安値(414円)に向かって下落していくのか要注目。

以上のことから、

レベル
(⭐(最低)~
⭐⭐⭐⭐⭐(最高))
業績⭐⭐⭐⭐
株主還元
(配当、株主優待等)
⭐⭐
株価モメンタム⭐⭐⭐⭐
流動性⭐⭐⭐⭐
分売数量⭐⭐⭐
総合判定⭐⭐⭐(中立)
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」

と判断しました。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。

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