直近で立会外分売を実施した銘柄に関して、立会外分売で買った場合、利益は出たのか?
分売日当日と分売後1週間後の結果を検証しました。
今回は、2022年8月に分売が実施されたエプコ、9月実施のサカイ引越センター、共和コーポレーションです。
最後までお付き合いいただけると嬉しいです💖
分売値段とその後の株価推移
まずは、分売値段で買って一週間(5営業日)後まで保有した場合、含み益なのか含み損なのか?を確認していきましょう!
(※売買手数料は考慮していません。)
銘柄 | 分売日 | 分売 値段 [円] | ディス カウント率 [%] | 分売日 始値[円] (増減率[%]) | 分売日 終値[円] (同) | 一週間後 の始値[円] (日付) | 損益[円] (増減率[%]) |
エプコ (2311) | 8/29 (月) | 631 | 3.52 | 645 (+2.2) | 650 (+3.0) | 648 (9/5) | +17 (+2.7) |
サカイ引越センター (9039) | 9/1 (木) | 4,467 | 2.99 | 4,500 (+0.7) | 4,610 (+3.2) | 4,615 (9/8) | +148 (+3.3) |
共和コーポ レーション (6570) | 9/2 (金) | 493 | 2.95 | 522 (+5.9) | 507 (+2.8) | 505 (9/9) | +12 (+2.4) |
分売日の寄付又は大引と1週間(5営業日)後の結果は、
全ての銘柄で、どの時点で売却しても損益プラスの結果でした。
特に、共和コーポレーションは、分売日の寄付で売却した場合5.9%もの利益が出ていました。
分売で購入できた方、おめでとうございます!
ちなみに私は、エプコに200株、サカイ引越センターに100株購入申込して、当選なしでした(;´д`)トホホ
それでは個別に見ていきましょう!
要因分析:エプコ(2311)
この会社の今期(2023年12月期)2Qの業績は、主たる事業領域とする持家分野の新設住宅着工戸数は減少傾向が続き、デジタル技術を活用した新サービスの立ち上げ準備・先行投資を進めたため、
前年同期比 増収減益で、売上高は微増、利益面は、営業利益は7割減、経常利益は4割強減で、純利益のみは7割弱の増益の結果でした。
今期通期予想は、前年同期比 増収減益で、売上高は微増、利益面は4~7割強の減益を見込んでおり、
その通期予想に対する進捗率は2Q終了時点で、売上高、経常利益、純利益は5割前後でそこそこでしたが、営業利益は遅れている状況でした。
株主還元は、配当利回り(予想)は4.71%(8/23時点)で、東証プライムの単純平均 2.30%(8/22時点) と比較すると約2倍の高い水準で、
年間1株あたり27.5~32円で推移しており、前期と同額の年もありますが、基本的には増配を継続しているところが魅力がありましたね。
また、株主優待を今年5月に新設し、抽選で毎年6月末と12月末に100株以上保有している株主に、
2022 年は、上半期及び下半期合わせて6名に対して『太陽光発電システム(100 万円相当、工事代・メンテナンス込み )を戸建住宅(新築及び既築)に無償で設置する権利』が進呈されます。
株価モメンタムは、一昨年11月につけた高値(1,136円)からずっと右肩下がりの下落トレンドで推移しており、今年3月に上場来安値(650円)をつけました。
そして、その後はこの安値を更新していませんが、高値切り上げもない状況でした。
直近の株価は、6月下旬に高値(810円)をつけた後は下落トレンドで推移しており、ようやく25日移動平均線を上抜いてきたと思いきや、
今回の立会外分売の発表の翌営業日(8/23)は、短期的な需給悪化懸念からか出来高を伴い下落し、前日比 12円安(-1.74%)となり25日移動平均線を下抜けてしまいました。
その後の株価は、再び25日移動平均線を上抜け上昇気流に乗っていくのか、3月につけた上場来安値(650円)に向かって下落していくのか注目していましたが・・・。
ご参考(立会外分売前の分析):【立会外分売は買いか?】エプコ(2311) <2022年8月実施>
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
結局、25日移動平均線(赤線)を下抜けたまま分売日(8/29)を迎えましたが、分売日以降1週間後までは、需給悪化が緩和していき、少しづつですが上昇していきました。
しかしその後は、再び下落基調で推移しています。
要因分析:サカイ引越センター(9039)
この会社の今期(2023年3月期)1Qの業績は、新設住宅着工戸数が減少しており厳しい状況でしたが、引越単価が上昇し、経営資源を効率的に活用して受注を取り込み、
前年同期比 増収増益で、売上高は微増、利益面は3~6割強の増益で好調な結果でした。
今期通期予想は、前期比 増収増益で、売上高、利益面ともに微増を見込み、
その通期予想に対する進捗率は1Q終了時点で、売上高はほどほどでしたが、利益面は5割弱に届いており順調でした。
株主還元は、配当利回り(予想)は1.87%(8/26時点)で、東証プライムの単純平均 2.31%(8/25時点) と比較すると低い水準で、
直近5年間の配当金は、年間1株当たり50~90円で推移し、連続増配を継続中でしたね。
また、株主優待があり、毎年3月末に100株以上保有の株主は、岩手県産ひとめぼれ5kgまたは堺市世界遺産保全活用推進基金への寄附を選択でき、個人投資家にとってはうれしい内容でした。
直近の株価は、6月に直近の安値(4,065円)をつけた後は、右肩上がりの上昇トレンドで推移し、8/19に年初来高値(5,570円)をつけました。
そして、今回の立会外分売発表の翌営業日(8/26)は、短期的な需給悪化懸念からか、窓を開けて出来高を伴い売られ、前日比 390円安(-7.13%)で終了。
ただ、大きめの陽線をつけており、今後に期待を持たせるチャートになっていましたね。
その後の株価は、75日移動平均線の上をキープし、分売発表前の元の値に戻っていくのか、これらを下抜け下落トレンド入りするのか注目していましたが・・・。
ご参考(立会外分売前の分析):【立会外分売は買いか?】サカイ引越センター(9039)
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
結局、75日移動平均線(青線)は下抜けましたが、分売日以降は需給悪化が緩和していき、分売値段を下回ることなく推移しました。
要因分析:共和コーポレーション(6570)
この会社の今期(2023年3月期)1Qの業績は、同社グループのアミューズメント施設で、景品ゲームが人気で、特にアニメ・ゲーム関連の景品が売上高を牽引して、
「アミューズメント運営施設事業」と「アミューズメント機器販売事業」は営業黒字、「その他」は営業損失の結果でした。
今期通期予想は、前期比 増収減益で、売上高は1割弱増、利益面は2~3割程度の減益を見込み、
その通期予想に対する進捗率は1Q終了時点で、売上高はほどほどでしたが、利益面は1割程度で遅れていました。
株主還元は、配当利回り(予想)は3.52%(8/29時点)で、東証スタンダードの単純平均 2.13%(8/26時点) と比較すると高い水準で、
直近5年間の配当金は、年間1株当たり14~17.5円で推移し、安定していましたね。
また、株主優待があり、毎年3月末に100株以上保有の株主は、自社運営直営店舗で使える株主優待券2,000円分(100円券×20枚)と1年以上継続保有の場合はJCBギフトカード 1,000円相当が進呈され、
1年未満100株保有の場合、配当金+株主優待(2,000円分相当)で利回りは7.54%となり、お近くに店舗がある株主にはうれしい内容でしたね。
株価モメンタムは、昨年3月に高値(549円)をつけた以降は調整し、450~520円程度のレンジ内の動きでした。
直近の株価は、基本的には上昇基調で推移しており、7月下旬に高値(520円)をつけましたが、その後はこの高値を超えられていない状況でした。
そして、今回の立会外分売発表の翌営業日(8/29)は、前週末にジャクソンホール会議でのFRBパウエル議長の発言で米国株が大幅安したこともあり、
出来高を伴い大きめの陰線をつけて、前日比 14円安(-2.74%)と売り込まれ、節目の500円を終値で割り込みました。
その後の株価は、節目の500円や75日移動平均線の上をキープし上昇に転じていくのか、割り込んで下値模索をするのか注目していましたが・・・。
ご参考(立会外分売前の分析):【立会外分売は買いか?】共和コーポレーション(6570)
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
立会外分売発表後の株価は、発表直後は大きな陰線をつけて下げましたが、その後は、節目の500円や75日移動平均線に再び戻り、その後もキープしたため、上昇基調を継続しています。
まとめ
エプコ(2311)、サカイ引越センター(9039)、共和コーポレーション(6570)の立会外分売予想と一週間(5営業日)後の株価は、
銘柄名 | 事前予想 | 結果(損益) (「1週間(5営業日)後始値」 ー「分売値段」) [円](%) | 判定 |
エプコ | 中立 | +17 (+2.7) | 〇 |
サカイ 引越センター | 中立 | +148 (+3.3) | × |
共和 コーポレーション | 中立 | +12 (+2.4) | 〇 |
※事前予想の「買い」は3%以上の上昇、「中立」は±3%、「不参加」は3%以上の下落を想定しています。
でした。
今回は2勝1敗、勝率0.667。まあまあの結果でしたm(_ _”m)
どの銘柄も、地合いが悪い中、分売値段以下にはなりませんでしたね。
今後の株価動向ですが、
エプコは、分売日1週間後迄は株価は戻していたのですが、その後は下落基調に転換してきています。
しかしながら、配当利回りが高いところが魅力ですので、株価の底打ち後の反転上昇に期待です。
サカイ引越センターは、分売日を底にして、分売発表前の値に勢いよく戻ってきています。
今後の更なる上昇が楽しみです。
共和コーポレーションは、出来高が少ないところが難点ですが、株価は長期間戻り基調ですし、配当も高めで株主優待もありますので、中長期保有にはもってこいですね。
参考になればうれしいです✨
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。