直近で立会外分売を実施した銘柄に関して、立会外分売で買った場合、利益は出たのか?
分売日当日と分売後1週間後の結果を検証しました。
今回は、2/18(金)に分売が実施されたチノー、 2/21(月)のタスキ、2/22(火)のイチケンです。
最後までお付き合いいただけると嬉しいです💖
分売値段とその後の株価推移
まずは、分売値段で買って一週間(5営業日)後まで保有した場合、含み益なのか含み損なのか?を確認していきましょう!
銘柄 | 分売日 | 分売 値段 [円] | ディス カウント率 [%] | 分売日 始値[円] (増減率[%]) | 分売日 終値[円] (同) | 一週間後 の始値[円] (日付) | 損益[円] (増減率[%]) |
チノー (6850) | 2/18 (金) | 1,472 | 3.48 | 1,510 (+2.6) | 1,500 (+1.9) | 1,549 (2/28) | +77 (+5.2) |
タスキ (2987) | 2/21 (月) | 767 | 3.03 | 753 (-1.8) | 750 (-2.2) | 760 (3/1) | -7 (-0.9) |
イチケン (1847) | 2/22 (火) | 1,788 | 3.04 | 1,869 (+4.5) | 1,885 (+5.4) | 1,940 (3/2) | +152 (+8.5) |
分売日の寄付又は大引けと1週間(5営業日)後の結果は、
チノーとイチケンは、どの時点で売却しても損益プラス、
タスキは、どの時点で売却しても損益マイナスでした。
チノー、イチケンを分売で購入できた方、おめでとうございます!
ちなみに私は、チノー 200株、イチケン 100株応募しましたが、当選無しでした(;´д`)トホホ
それでは個別に見ていきましょう!
要因分析:チノー(6850)
この会社の2022年3月期3Qの業績は、前年同期比 増収増益で、「計測制御機器」と「センサ」セグメントが好調で、売上高は微増、営業利益と経常利益は約3倍の利益を上げており好調でした。
通期予想は、前期比で売上高は微増、利益面は純利益を除いて1割の増益を予想していて、
この通期予想に対する進捗率は、3Q終了時点で売上高はほぼ順調で、利益面は数値的には少し遅れていましたが、
同社グループの売上高および利益は、例年、4Qに集中し、3Qまでの各期の売上高および利益は4Qの業績水準と比べ乖離が大きくなる傾向であるため特段の遅れはありませんでした。
株主還元は、配当は年利回り 2.9%(2/10時点) で、東証1部の単純平均2.12%と比較すると高い水準で、
配当性向はほぼ30~40%で安定しており、会社の方針も、配当性向30%以上を目安とする安定配当を継続するとしており安心感がありましたね。
また、株主優待があり、3月末に300株以上保有の条件でハードルは少し高いですが、株主優待ポイントが付与され、ポイントに応じて食品・電化製品・寄付等と交換可能でした。
株価モメンタムは、一昨年のコロナショック時の安値(986円)をつけた後は、高値切り上げ安値切り上げの右肩上がりの上昇を続けており、下げる気配を感じませんでした。
直近の株価は、上昇基調ではあったのですが、今回の立会外分売発表の翌営業日(2/10)に短期的な需給悪化懸念からか、出来高を伴い窓を開けて売られ、前日比 149円安(-8.8%)し、75日移動平均線を下抜けて、
節目である1,500円程度で下げ止まり上昇に転じていくのか、さらに下抜けるのか注目していましたが、
分売日(2/18)とその翌営業日に一旦は下抜けたのですが、結局その後は、需給悪化が解消されたのか、上昇に転じていきましたね。
ご参考(立会外分売前の分析):【立会外分売は買いか?】チノー(6580)
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
立会外分売発表後の株価は、分売日(2/18)の翌営業日までは下げましたが、
その後は上昇に転じ、何と分売日5営業日後の2/28まで5連続陽線で上げてきました。
今後は、25日移動平均線(赤線)や75日移動平均線(青線)を上抜けてくると、もう一段高が期待できそうです。
要因分析:タスキ(2987)
この会社の2022年9月期1Qの業績は、前年同期比 増収増益で、売上高は3割強増、利益面は7割程度の増額となっており好調で、
売上高は1Qにおける過去最高となっており、粗利率も向上し利益額が伸長していました。
通期予想は、前年比で売上高は4割増、利益面は2割程度の増益を予想していて、
この通期予想に対する進捗率は、1Q終了時点で売上高、営業利益は2割程度進捗しており、まあまあの進捗でした。
株主還元は、配当は3.3%(2/16時点) で、東証1部の単純平均2.15%と比較すると高い水準で、
配当を開始した2020年9月期から連続増配を継続中、今期も前期比 実質2円増配予想でした。
配当性向は、35%前後で安定して推移しており、35%以上を目標として、判定的な配当を継続することが会社の基本方針で安心感がありましたね。
株価モメンタムは、昨年11月に年初来高値(1,875円)をつけた後は、調整入りして、下落トレンドで推移していました。
直近の株価は、昨年の11月下旬に年初来高値をつけた後は、下落トレンドで推移していて、今回の立会外分売発表の翌営業日(2/15)はほとんど反応はなく、下落トレンドを継続していました。
この後、どこで下げ止まって上昇に転じていくのか注目していましたが、下げ止まりませんでしたね。
ご参考(立会外分売前の分析):【立会外分売は買いか?】タスキ(2987)
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
立会外分売発表後の株価は、分売発表以前の下落トレンドはそのままで、分売日(2/21)の2営業日後まで下げ続けました。
しかしその後は、反発してきており、ようやく分売値段(767円)まで戻してきています。
要因分析:イチケン(1847)
この会社の2022年3月期3Qの業績は、完成工事高の減少などにより完成工事総利益が減少し、前年同期比 減収減益で売上高は1割強減、利益面は1割程度減となっており、あまり元気がありませんでした。
通期予想は、前期比 減収減益で売上高は微減、利益面は1割弱の減益を予想していて、
この通期予想に対する進捗率は、3Q終了時点で売上高、営業利益は順調で、経常利益と純利益は85%を超えており、上振れしそうな勢いがありました。
株主還元は、配当は年利回り 5.1%(2/14時点) で、東証1部の単純平均2.12%(2/10時点) と比較すると2倍以上の高い水準で、
直近5年間の配当金は前年と同額の年もありましたが、それ以外の年は増配しており、
配当性向は、10~20%程度で安定して推移していましたね。
株価モメンタムは、昨年3月に高値(2,285円)をつけた後は調整し、1年近く1,800~2,000円のレンジ内で推移していました。
直近の株価は、1,800~1,920円程度のレンジ内の推移でしたが、
今3Qの決算発表と増配、そして立会外分売の発表が2/9のザラバ中にあり、それが好感され、高値引けして前日比 37円高(+2.0%)となり勢いがありましたね。
その後どこまで上昇していくのか期待を持たせる中、その後は分売日前日(2/21)まで下げましたが、その後は再び上昇に転じています。
ご参考(立会外分売前の分析):【立会外分売は買いか?】イチケン(1847)
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
立会外分売発表後の株価は、分売日前日まで下げたあと、分売日(2/22)以降は上昇に転じ、結局1度も分売値段(1,788円)を割り込みませんでした。
分売日以降は需給悪化懸念が解消し、増配を発表して配当利回りも高くなり、期末一括配当取りまで近くなってきましたので、買いが多く入り上昇に転じたのではと考えます。
まとめ
チノー(6850) 、タスキ(2987)、イチケン(1847)の立会外分売予想と一週間(5営業日)後の株価は、
銘柄名 | 事前予想 | 結果(損益) (「1週間(5営業日)後始値」 ー「分売値段」) [円](%) | 判定 |
チノー | 中立 | +77 (+5.2) | × |
タスキ | 中立 | -7 (-0.9) | 〇 |
イチケン | 中立 | +152 (+8.5) | × |
※事前予想の「買い」は3%以上の上昇、「中立」は±3%、「見送り」は3%以上の下落を想定しています。
でした。
今回は1勝2敗、勝率0.333の結果でした。反省ですm(_ _”m)
どの銘柄も、日経平均が2/24に底を打って3月初めまで上昇し、地合いが良かった中、
チノーとイチケンは、分売日以降は、短期的な需給悪化懸念が解消されたのも相まって、株価は上昇してきました。
タスキは分売日以前からの下落トレンドを覆す勢いはありませんでしたね。
今後の株価動向ですが、
チノーは、分売日5営業日後の2/28まで5連続陽線で上げてきたのですが、その後が続きません。
今後は、25日移動平均線や75日移動平均線を上抜けてくると、もう一段高が期待できそうです。
タスキは、25日移動平均線に到達したと思いきや、そこから反落する場面が続いています。
25日移動平均線を上抜けて、上昇に転じてくることに期待です。
イチケンは、分売日前の勢いが戻ってきています。
3月末の配当取りに向けて、さらなる株価上昇に期待です。
参考になればうれしいです✨
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。