【立会外分売は買いか?】BCC(7376)

まとめ立会外分売
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こんにちは!

直近で立会外分売の実施を発表した銘柄に関して、分売で買った場合、利益を得ることができるのか?直近の経営状況や客観的な指標、株価モメンタム等を踏まえ、総合的に分析しました。

今回は、東証マザーズからサービス業種のBCCです。

最後までお付き合いいただけるとうれしいです!

  • 立会外分売とは?
新規株主を増やすことを目的として、上場会社が大株主である銀行やオーナー経営者などの保有株を小口に分けて、証券取引所の立会外で不特定多数に売り出すこと。
取引開始前など取引時間外(=立会外)に売り出されることからこのように呼ばれる。
  • 立会外分売の魅力
    • 前日終値より安く購入可能
      • 立会外分配における買付側の購入価格は確定値段(1本値)で、分売実施日の前日終値よりディスカウントされるのが一般的。過去の例では、約3~5%のディスカウントで実施されています。(ディスカウント率は取引所の規定により最大10%)
    • 買付手数料はかからない
      • 立会外分売による買付は、通常の立会時間内の取引と種類が異なるため一般的に手数料はかからない。(売却時には通常の手数料が発生)
    • 即日売却OK
      • 立会外分売で取得した株式は、実施日(買付当日)から売却することが可能
  • デメリット:抽選で外れることもある
    • 買い申し込みが多いと、抽選ではずれて購入できないこともある。

立会外分売の概要

まとめ

実施日や株数は以下です。実施予定日は幅があり、実際の実施日と販売価格は、会社側から実施日前日に発表があります。

分売数量は決まっていて、100株単位で最大500株まで購入できます。

早ければ2/24(木)の夕刻に、会社側からの適時開示で分売値段のお知らせがあります。このブログでも追記しますので、チェックしてくださいね💖

分売実施日2022 年 2 月 25 日(金)
分売数量40,000 
発行済み株式総数 1,106,480 株の約3.6%
分売値段864 円(2/24決定)
ディスカウント率3.03 %(2/24決定)
申込単位数量100株
申込上限数量500株
実施の目的一定数量の売却意向があり、検討した結果、
立会外分売による株式の分布状況の改善及び流動性の向上を図るため
表1:BCC 立会外分売概要

今回の分売数量は、発行済み株式総数の約3.6%と多めの数量※です。

※一概に言えませんが、目安として、5%以上:かなり多い、3%以上5%未満:多い、1%以上3%未満:ほどほど、1%未満:少ないとしています。

また、この銘柄の直近の出来高(売買が成立した株式の数量)の5日平均は141百株、25日平均は81百株で、流動性は低い水準です。

どんな会社?

オンライン診療

2021年7月に東証マザーズに上場したばかりの、医療や介護などの社会保障費の削減に向けて個人の健康状態にあわせた予防や治療を実現するため、ヘルスケアDX(デジタルトランスフォーメーション)の構築を目指している会社です。

事業は大きく2つあり、「IT営業アウトソーシング事業」と「ヘルスケアビジネス事業」があります。

事業内容は、

  • IT営業アウトソーシング事業
    • 営業アウトソーシング事業
      大手IT企業の営業部門を強化する又は補完するため、営業人材を中心とした営業支援サービスを提供する
    • ソリューション事業
      大手IT企業に代わり、中小企業向け新規開拓営業をする代理店運営
  • ヘルスケアビジネス事業
    • 介護レクリエーション事業
      介護レクリエーションを通じて、介護現場で高齢者を支える方々を支援
    • ヘルスケア支援事業
      自治体からのヘルスケア関連施設の運営受託並びにヘルスケア分野での事業拡大及び参入を検討する企業に対して、シニアプラットフォームを用いた市場調査及び顧客の製・商品またはサービスのプロモーション支援等を提供

2021年9月期通期のセグメント別売上高構成比は、

  • IT営業アウトソーシング事業 87.0%
  • ヘルスケアビジネス事業 13.0%

となっており、「IT営業アウトソーシング事業」が9割近くを占めています。

直近の経営概況

経営状況

2022年9月期1Q(2021年10月~2021年12月)の経営成績】(2022年2月14日発表)

決算期売上高
[百万円]
(前年同期比[%])
営業利益
[百万円]
(同)
経常利益
[百万円]
(同)
親会社株主に
帰属する
当期純利益
[百万円]
(同)
2021年9月期1Q累計 ※
(ー)

(ー)

(ー)

(ー)
2022年9月期1Q累計 ※275
(ー)
19
(ー)
19
(ー)
13
(ー)
2022年9月期通期会社予想1,299
(15.6)
143
(9.8)
142
(25.7)
100
(31.4)
通期予想に対する1Qの進捗率[%]21.213.313.413.0
表2:BCC 2022年9月期1Q経営成績
※2021年9月期1Qについては、四半期財務諸表を作成していないため、2021年9月期1Qの数値及び対前年同四半期増減率、2022年9月期1Qの対前年同四半期増減率については記載なし

2022年9月期1Q累計の業績は、前年同期のデータがありませんので比較不可ですが、

2022年9月期通期の業績は、前期比で売上高は15%増、利益面は1~3割程度の増益を予想していて、

通期予想に対する進捗率は、1Q終了時点で、売上高はそこそこですが、利益面は1割強で少し遅れている状況です。

【2022年9月期1Qの状況、経営成績の要因】

同社事業を取り巻く環境につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響が及んでいますが、IT業界では、感染拡大をきっかけにオンライン会議を中心としたリモートでのコミュニケーション機会の拡大や、オンラインを前提とした業務継続の取組み等、コロナ禍におけるニューノーマルを模索する企業においてIT活用が求められています

又、介護業界介護施設における新型コロナウイルス感染症対策の対応により現場の負担感が増す中で、人材不足感は依然として高い状況が続いています。

このような環境のもと、同社は引き続きIT営業アウトソーシング事業とヘルスケアビジネス事業の2つの事業に注力し、経営基盤の強化を進めています

その結果、表2の業績となりました。

【セグメント別の業績】

セグメント別の業績は、表3の結果になりました。

セグメント売上高[百万円]営業利益
[百万円]
IT営業アウトソーシング23658.3
ヘルスケアビジネス39.3△0.6
表3:2022年9月期1Q  セグメント別業績

IT営業アウトソーシング事業

営業アウトソーシング事業は、新型コロナウイルス感染症の影響もありましたが、堅実な事業運営を続け、派遣人員を拡大し、派遣及び業務委託の人員116名(前年同期末より3名増)を達成しました。

ソリューション事業は、新型コロナウイルス感染症の影響も含め、顧客のIT投資が増加したことによりネットワーク関連の売上を計上していますが、世界的な半導体不足等により顧客への提供が遅延している状況となっています。

ヘルスケアビジネス事業

介護レクリエーション事業は、「レクリエーション介護士」2級の認定者は累計3万人を超えており、現在も増加し続けています。

ヘルスケア支援事業は、ATCエイジレスセンター、おおさかATCグリーンエコプラザの運営、高石健幸リビング・ラボの運営など、引き続き自治体と連携し事業を展開するとともに、介護レクプログラムの開発を行いました

【財政面の状況】

自己資本比率>(自己資本(総資本-他人資本)÷総資産)×100

2022年9月期1Q末時点で74.5%と前期末(70.7%)から3.8ポイント増加しました。

これは主に、未払法人税等が前期末比で38.9百万円減少し、流動負債が減少したためです。

自己資本比率の数値としては良好なレベルです。(20%以上を安全圏内としています。)

【今期(2022年9月期通期)業績の見通し】

2021年11月12日に公表された予想値から変更はありません。

株価指標と動向

株価指標

【2022/2/18(金)終値時点の数値】

  • 株価:985円
  • 時価総額:10.9億円
  • PER(株価収益率):10.9倍

PERは、同業で時価総額が近い、ブリッジインターナショナル(7039) 15.1倍、ユナイトアンドグロウ(4486) 17.6倍、インターネットインフィニティ―(6545) 11.6倍と比較すると、低い水準です。

  • PBR(株価純資産倍率):1.89倍
  • 信用倍率(信用買い残÷信用売り残):ー(信用売り残無し)
  • 年間配当金(予想):(無配)、年間利回り:ー
決算期1株当たり
年間配当金(円)
配当性向(%)
2019年9月期
2020年9月期
2021年9月期
表3:BCC 年間配当金推移

配当金上場来無配です。

この会社は、

株主に対する利益還元を重要な経営課題と認識しており、

将来的には、経営成績及び財務状態を勘案しながら株主への利益配分を検討する方針です。

しかしながら、現在は内部留保の充実を図り、収益力強化や事業基盤整備のために投資することにより、より一層の事業拡大を目指すことが、安定的かつ継続的な利益還元につながると考えています。

【直近の株価動向】

<週足チャート(直近2年間)>

出所:楽天証券サイト

週足ベースの株価は、昨年7月に上場し、上場3日目に高値(4,590円)をつけた後は、右肩下がりの下落トレンドを続けています。

<日足チャート(直近3か月間)>

出所:楽天証券サイト

直近の株価は、東証マザーズ指数の下落とともに、ずっと下落トレンドで推移しています。

今回の立会外分売と今1Q決算発表は、2/14のザラバ(取引時間)中にあったのですが、

これを好感されず、大きめの陰線をつけて前日比 197円安(-15.8%)と大きく下落しました。その後も下落基調は継続しています。

直近(2/18)で、上場来安値(948円)をつけてしまいましたが、陽線で値を戻しています。

今後は、再び上場来安値を下抜けず上昇に転じていくのか、下抜けてさらに下落していくのか注目です。

まとめ

まとめ

【業績】

  • 2022年9月期1Q累計の業績は、前年同期のデータがないので比較不可だが、2022年9月期通期の業績は、前期比 増収増益で、売上高は15%増、利益面は1~3割程度の増益を予想している。
  • 同社は2014年創業の若い会社のため、IT営業アウトソーシング事業とヘルスケアビジネス事業の2つの事業に注力し、経営基盤の強化を進めている段階
  • 2022年9月期通期予想に対する進捗率は、1Q終了時点で、売上高はそこそこだが、利益面は1割強で少し遅れている状況

【株主還元】

  • 配当は、上場来無配が続いている
    成長過程の企業であるが故、内部留保を充実させ、収益力強化や事業基盤強化のために資金を活用することは理解できる。

【流動性・分売数量】

  • 直近の出来高5日平均は141百株、25日平均は81百株で、流動性は低い水準
  • 分売数量は、発行済み株式総数の約3.6%と多めの数量

【株価モメンタム】

  • 週足ベースの株価は、昨年7月に上場し、上場3日目に高値(4,590円)をつけた後は、右肩下がりの下落トレンドを継続中
  • 直近の株価は、東証マザーズ指数の下落とともに、ずっと下落トレンドで推移
    今回の立会外分売と今1Q決算発表は2/14のザラバ中にあったが、これを好感されず、大きめの陰線をつけて前日比 197円安(-15.8%)と大きく下落
    その後も下落基調は継続し、直近(2/18)に上場来安値(948円)をつけた。
  • 今後の株価は、再び上場来安値を下抜けず上昇に転じていくのか、下抜けてさらに下落していくのか注目

以上のことから、

レベル(最低⭐~最高⭐⭐⭐⭐⭐)
業績⭐⭐⭐
株主還元(配当、株主優待等)
株価モメンタム
流動性⭐⭐
分売数量⭐⭐
総合判定⭐⭐(不参加)
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」

と判断しました。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。

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