直近で立会外分売を実施した銘柄に関して、立会外分売で買った場合、利益は出たのか?
分売日当日と分売後1週間後の結果を検証しました。
今回は、12/3(金)に分売が実施された日新、12/7(火)のテクノスジャパン、中越パルプ工業です。
最後までお付き合いいただけると嬉しいです💖
分売値段とその後の株価推移
まずは、分売値段で買って一週間(5営業日)後まで保有した場合、含み益なのか含み損なのか?を確認していきましょう!
銘柄 | 分売日 | 分売 値段 [円] | ディス カウント率 [%] | 分売日 始値[円] (増減[円]) | 分売日 終値[円] (同) | 一週間後 の始値[円] (日付) | 損益[円] (増減率[%]) |
日新 (9066) | 12/3 (金) | 1,482 | 2.44 | 1,556 (+74) | 1,626 (+144) | 1,623 (12/10) | +141 (+9.5) |
テクノスジャパン (3666) | 12/7 (火) | 472 | 2.88 | 476 (+4) | 494 (+22) | 500 (12/14) | +28 (+5.9) |
中越パルプ (3877) | 12/7 (火) | 986 | 3.05 | 1,024 (+38) | 1,008 (+22) | 984 (12/14) | -2 (-0.2) |
分売日の寄付又は大引けと1週間(5営業日)後の結果は、
中越パルプは1週間後の寄付で売却した場合は損益マイナスでしたが、それ以外のすべての場合、損益プラスでした。
分売で購入された方、おめでとうございます!
特に日新は分売日の大引や1週間後の寄付きで売却した場合は、+100円以上の大きな利益が出ています。
ちなみに私は、日新を100株、中越パルプを200株購入申込しましたが、当選無しでした(;´д`)トホホ
それでは個別に見ていきましょう!
要因分析:日新(9066)
この会社の2022年3月期2Qの業績は、前年同期比 増収増益で、売上は2割強増、利益面は営業利益と純利益は黒字転換、経常利益は7倍以上の利益となっており好調でした。
今期(2022年3月期)の通期予想は、好調な荷動きが継続し輸送スペースが逼迫し、貨物物取扱いが増加したことを受け、売上高は当初予想から微増、利益面は6~8割増額の上方修正をしており、
この予想に対し、進捗率は売上高、利益面ともには5割そこそこで順調でした。
株主還元は、配当は年利回り 3.7%(11/29時点) で、東証1部の単純平均1.96%(11/26時点) と比較すると高い水準であり、直近の配当金は、直近5年間で前期(2021年3月期)を除き、連続増配していました。
株価モメンタムは、75日移動平均線の上で緩やかな上昇トレンドで推移し、2Q決算発表前の上方修正で急騰しましたが、その後調整し、
今回の立会外分売発表の翌営業日(11/29)には、前日比 153円(-8.9%)下げて急落して、75日移動平均線を割り込みました。
ご参考(分売前の分析):【立会外分売は買いか?】日新(9066)
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
分売日前後の値動きは、分売発表後3営業日までは下落が続きましたが、そこから上昇し、分売日(12/3)当日は、大きめの陽線をつけて一気に上昇し、分売日のどの時点で売却しても利益が出ています。
その後も、押し目を形成しながらも、上昇基調で推移しています。
要因分析:テクノスジャパン(3666)
この会社の2022年3月期2Qの業績は、前年同期比 増収増益で、売上は1割強増、利益面は3割程度増額となっており好調でした。
通期予想に対する進捗率は、2Q終了段階で売上高はそこそこでしたが、利益面は6割を超えており順調。
株主還元は、配当は年利回り 2.5%(12/3時点)と、東証1部の単純平均1.98%と比較すると少し高い水準で、
直近5年間の配当金は年々減配傾向でしたが、配当性向は、連結経常利益を基準に実効税率を加味した「みなし純利益」に対し35%以上を目安に配当としていく方針であり、業績に応じて配当が出される安心感がありました。
株価モメンタムは、週足ベースの株価では、昨年のコロナショック時の安値(268円)から一気に同年9月に4倍程度の高値(1,010円)をつけましたが、その後は右肩下がりの下落トレンドで推移しており、
日足ベースでは、9月中旬に高値(657円)をつけた後は、右肩下がりの下落トレンドで推移して、今回の立会外分売発表後も下落トレンドを継続していました。
ご参考(分売前の分析):【立会外分売は買いか?】テクノスジャパン(3666)
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
分売発表後の株価は、分売日(12/7)までは下落しましたが、その後は、緩やかながら上昇基調に転換し、12/27は25日移動平均線(赤線)を上抜けてきています。
要因分析:中越パルプ(3877)
この会社の2022年3月期2Qの業績は、イベントの自粛等の影響で販売数量が大幅に減少した前期からは持ち直し、前年同期比 増収増益で、売上は1割強増、利益面は黒字転換しており好調でした。
通期予想は、今期から会計基準を変更しており単純比較はできませんでしたが、売上高は微増、利益面は黒字転換予想で、この予想に対する進捗率は、売上高はそこそこ、利益面は6割を超過しており、特に純利益は既に通期予想を超過している状況でした。
株主還元は、配当は年利回り 4.1%で、東証1部の単純平均1.98%(12/3時点) と比較すると2倍の高い水準で、
前期は無配でしたが今期復配し、直近の配当金は前期を除いて50円と一定で、配当性向は50%以上と高めで推移していました。
株価モメンタムは、週足ベースの株価は、コロナショック前からずっと高値切り下げの下落トレンドが続いており、直近では、コロナショック時の安値(1,023円)を下回って推移していました。
直近の株価は、9月中旬の高値(1,279円)から緩やかながら、安値切り下げ高値切り下げの下落トレンドで推移して、さえない展開が続いており、勢いが感じられませんでした。
今回の立会外分売発表の翌営業日(11/29)は、窓を開けて大きく売られ、前日比 126円安(-11.4%)と大きく下げていました。
ご参考(分売前の分析):【立会外分売は買いか?】中越パルプ工業(3877)
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
分売発表後の株価は、2営業日程度下げましたが、そこから上昇していき、分売日(12/7)には、分売値段(986円)を上回る展開になりました。
しかしその後は、下落に転じ、現時点(12/27)までは下落基調で推移しています。
まとめ
日新(9066) 、テクノスジャパン(3666)、中越パルプ工業(3877)の立会外分売予想と一週間(5営業日)後の株価は、
銘柄名 | 事前予想 | 結果(損益)[円](%) (「1週間(5営業日)後始値」 ー「発行価格」) | 判定 |
日新 | 買い | +141 (+9.5) | 〇 |
テクノスジャパン | 中立 | +28 (+5.9) | × |
中越パルプ | 中立 | -2 (-0.2) | 〇 |
※事前予想の「買い」は3%以上の上昇、「中立」は±3%、「不参加」は3%以上の下落を想定しています。
でした。
今回は2勝1敗、勝率0.667ということで、何とか勝ち越しです!
特に大きく上昇した日新は、立会外分売発表の翌営業日に大きく売られ、需給が悪化すると思いきや、業績が良かったため、株価の戻りも速かったですね。
今後の株価動向ですが、
日新は、分売日以降2営業日は上げていたのですが、その後は、25日移動平均線と75日移動平均線の下で推移しています。
今後、この2つの移動平均線を超えて、上昇基調を決定的にするのか要注目です。
テクノスジャパンは、今回の分売は、来年4月からの東証の新市場区分の最上位である「プライム市場」基準を充足するために実施されましたが、「流通株式時価総額」(基準:100億円以上)の基準を満たすとしたら、時価総額全体として107億円(12/27時点)ですので、時価総額全体を上げないと基準に達しない状況です。
今後も、「プライム市場」入りを目指して時価総額を上げる施策を打ってくると予想できますので、これを足掛かりとした株価上昇に期待です。
中越パルプは、分売日以降、再び下落基調に戻ってきています。配当は今期復配して、利回りは4.3%(12/27時点)になっていますので、この利回りの高さを足掛かりとした株価上昇に期待です。
参考になればうれしいです✨
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。