【黒字転換銘柄は買いか?】インターワークス(6032)

製造業株式投資
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こんにちは!

一般的に黒字転換を見込んでいる会社は、株価が上がりやすいと言われています。そこで、前期赤字から今期黒字転換を見込んでいて、かつ高配当(予想利回り3%以上)銘柄をピックアップし、今買うべき銘柄なのか?事業内容や直近の経営状況、客観的な株価指標、株価モメンタム等を総合的に勘案して判断しました。

今回は、東証1部からサービス業種のインターワークスです。

最後までお付き合いいただけるとうれしいです!

どんな会社?

人材採用

製造業界に特化した、求人掲載数No.1の「工場ワークス」を中心に、業界・職種に特化したメディアを運営している会社です。

事業は大きく3つに分かれており、

  • メディア&ソリューション事業・・・「工場ワークス」を中心とした業界・職種に特化したメディア運営
  • 人材紹介事業・・・エグゼクティブ転職、ハイクラス・管理職の求人情報サービスの運営
  • 採用支援事業・・・人材採用の支援サービス

をしています。

2021年3月期のセグメント別売上高構成比は、

  • メディア&ソリューション事業 43.6%
  • 人材紹介事業 33.9%
  • 採用支援事業 22.5%

となっています。各事業バランスよく売上があり、偏っていないですね。

直近の経営状況

株価比較

前期(2021年3月期)の経営成績

  • 売上高 17.7億円(前年同期比 43.9%減
  • 営業損失 3.6億円
  • 経常損失 3.1億円
  • 親会社株主に帰属する当期純損失 3.3億円

でした。減収減益で、利益面は赤字の結果となりました。

決算発表資料の会社側コメントは、

当社グループの事業領域である人材ビジネス市場の状況は、新型コロナウィルスの感染拡大に伴う経済活動の停滞の影響を受けて大幅に落ち込んだが、昨秋に底打ちし、1月の緊急事態宣言再発令に伴う若干の落ち込みはあったが、緩やかな上昇傾向にある。

そんな中、「持続的成長のための構造改革」に継続して取り組むと共に、コロナ禍の収束後の事業環境の変化に合わせた事業体質の強化を鑑み、「事業構造改革」に取り組んでいる。

個別事業のコメントは以下です。

(メディア&ソリューション事業)

短期的には、主要顧客群である自動車産業を中心とした製造業のコロナ禍の停滞からの改善基調を受けて回復傾向にあるものの、過年度からの自動車産業を中心とした製造業の経済的な落ち込み、及び新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴う経済活動の停滞の影響を受けた。

これにより、主力サービスである「工場ワークス」における期中の引き合いが大幅に減少した。

その結果、売上高 7.7億円(前年同期比 45.2%減)、セグメント損失 2.6億円(前年同期は、セグメント利益0.6億円)と、減収減益となった。

(人材紹介事業)

労働市場の停滞と採用活動の延期等の長期化により、成約に至る求職者の最終面談や入社日が遅延する傾向が顕著だったが、反転が緩やかに進んだ。これに対し、適宜適切な費用投下による経費節減を図ってきたがこれを補うには至らず、売上高 6.0億円(前年同期比 35.5%減)、セグメント損失 0.4百万円(前年同期は、セグメント利益 75百万円)と、減収減益となった。

(採用支援事業)

新卒採用市場のイベント開催自粛、オンライン化の進展、顧客の採用活動予算の圧縮などの事業環境の変化が顕在化し、引き合いが大幅に減少した。

これに対し、採用活動のオンライン化などの新しいニーズへの営業活動を推進し経費削減を図ってきたが、主要顧客の大型プロジェクト終了等による減収を補えず、売上高 4.0億円(前年同期比51.2%減)、セグメント損失104百万円(前年同期は、セグメント損失15百万円)の結果で、連続営業赤字となった。

財務面は、

自己資本比率(自己資本(総資本-他人資本)÷総資産) ×100)は、2021年3月期末時点で91.6%と前期末(91.0%)から0.6ポイント上がっています。全く問題ないレベルです。

2021年3月期のキャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フロー220百円の支出と、投資活動によるキャッシュ・フロー37百円の収入の結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フロー※は183百万円のマイナスとなりました。これは、前期末のフリー・キャッシュ・フロー(マイナス182百万円)とほぼ変化ありません。

※フリー・キャッシュ・フロー:プラスの場合、会社が使える資金があることを意味し、マイナスの場合、会社が自由に使うことができる資金が少ないことを意味する。

今期(2022年3月期)通期の会社予想

  • 売上高 26.0億円(前年比 147.2%増
  • 営業利益 3.0億円(黒字転換
  • 経常利益 3.0億円(黒字転換
  • 親会社株主に帰属する当期純利益 2.6億円(黒字転換

増収増益で売上高は約1.5倍の増収、利益面は黒字転換の見通しです。

会社側コメントは、

主力事業であるメディア&ソリューション事業人材採用事業は、製造業や労働市場の回復とおおむね比例して相応に回復する見通し。

しかしながら、採用支援事業においては新卒採用市場におけるイベントの開催自粛、オンライン化の進展、顧客の採用活動予算の圧縮などの事業環境の変化の影響は大きいと見込んでおり、さらなる事業改善を要する見通しです。

株価指標

株価指標

7/1(木)終値時点の数値

  • 株価:412円
  • 時価総額:40.4億円
  • PER:15.5倍

PERは、同業で時価総額が近い、アルバイトタイムス(2341) 216倍、リブセンス(6054) 0倍、キャリアデザインセンター(2410) 8.1倍と比較すると、中間的な水準となっています。

  • PBR:2.09倍
  • 信用倍率(信用買い残÷信用売り残):40.9倍
  • 年間配当金(会社予想):15円(年1回 3月 15円)、年間利回り:3.6%(配当性向 56.5%)

※直近5年間の配当金は、以下のようになっています。

決算期年間配当金(円)配当性向(%)
2017年3月期26.543.9
2018年3月期3067.4
2019年3月期3085.5
2020年3月期30634.6
2021年3月期15ー(赤字)
※インターワークス 年間配当金推移

直近の配当は、前々期(2020年3月期)までは年間30円を維持していたのですが、前期は赤字の為、半分に減配されています。元々配当性向は高く50%超の年が多くなっています。

会社の基本方針としては、

株主への利益の還元を重視しつつ、将来的な成長戦略などを総合的に勘案して決定する。としています。

週足チャート(2年間):

インターワークス 週足
出所:楽天証券サイト

株価は、昨年のコロナショック前の水準(520円程度)にまだ回復していませんが、コロナショック時につけた安値(320円程度)を下値支持にして、緩やかではありますが上昇基調になっています。

今後の上昇に期待できるチャート形状といえますね!

まとめ

まとめ

【業績】

2022年3月期の売上高は、前期比1.5倍の増収を見込んでおり、また利益面も大幅な改善を見込んだ金額の黒字転換予想。

【株主還元】

今期の配当は年利回り3.6%あり、配当性向は50%以上が常になっている。ただし、株主優待制度はない。

【流動性】

直近の出来高(売買が成立した株式の数量)の5日平均は7,500株25日平均は49,700株。流動性は低いレベル。

【株価モメンタム】

昨年のコロナショックの下値(320円)を下値支持線にして、緩やかながら上昇基調で推移。今後も少しづつ上昇することに期待。

以上をふまえ、

レベル(最低⭐~最高⭐⭐⭐⭐⭐)
業績⭐⭐⭐⭐
配当、株主優待を含む株主還元⭐⭐⭐⭐
流動性⭐⭐
株価モメンタム⭐⭐⭐⭐
総合判定⭐⭐⭐⭐(買い)
※「総合判定」で⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「見送り」

と判断しました。

参考になればうれしいです!最後までご覧いただき、ありがとうございました。

※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。

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