今回は、7月末権利確定で分配金がいただける、20万円以下で購入可能なJ-REIT(多くの投資家から集めた資金で、オフィスビルや商業施設、マンションなど複数の不動産などを購入し、その賃貸収入や売買益を投資家に分配する商品)を3つご紹介します。
【J-REITの簡単な説明】
投資信託の仲間であり、我々投資家は、東京証券取引所でJ-REIT(不動産投資法人)商品を購入し、J-REITが、商業施設やホテル、住宅などの不動産を保有・運営してその家賃収入や売却益を得て、その収益の中から分配金として投資家に配分されるものです。
J-REITは全体的に、高配当な銘柄が多く存在します。そして、分配月もばらけていますので、複数の銘柄を保有すると分散投資にもなりますし、ほぼ毎月分配金をいただける嬉しい状況になります。
昨年の3月のコロナショック時にJ-REITの株価が、日経平均以上(下落前の半値以上)下落している銘柄もありましたが、現在はほぼコロナショック前の値に戻しつつあります。
2971 エスコンジャパンリート投資法人 配当利回り 5.6%
人々の暮らしを開発する“ライフ・デベロッパー”である中部電力グループの日本エスコンと、ビジョン・コンセプトを共有し、 日本エスコンが総合デベロッパーとして培った不動産開発・運営の経験を活かし、 運用資産の着実な成長を目指すことによって、投資主価値の最大化を図っています。
保有物件数(2021年3月21日現在)は、、28物件 519億円、稼働率99.5%(2021年4月23日現在)となっており、特徴として
- 商業施設が100%を占める。
- 四大都市圏(首都圏、近畿、中京、福岡)が約95%占める。
- スポンサー開発やリブランドした物件が3分の2を超えている。
があります。
日本の不動産投資市場の場合、新型コロナウイルス感染症による実体経済の下振れの影響から、中長期的な市場動向及び商業施設におけるテナントへの影響は引き続き注視する必要がありますが、欧米と比較して新型コロナウイルス感染症による影響が小規模であることから、引き続き海外からの国内不動産への引き合いは強く、海外からの資金流入は継続することが予想されています。
また、新型コロナウイルス感染症に対する各種政策の効果から、経済活動の再開による事業環境の回復への期待感も徐々に高まりを見せており、国内の不動産投資市場においては価格が高止まりした状態が続くことを予想しています。
このような環境のもと、本投資法人は中長期にわたる安定的収益の確保と資産価値の着実な向上のため適切な資産運用と安定的かつ健全な財務運営を行うことになっています。
【前期 2021年1月期の運用状況】
- 営業収益 19.2億円(前期(2020年7月期)比 1.1%増 )
- 営業利益 11.1億円(同 0.1%増)
- 経常利益 10.2億円(同 5.0%増)
- 当期純利益10.2億円(同 5.0%増)
【今期 2021年7月期の運用状況の予想】
- 営業収益 19.1億円(前期(2021年1月期)比 0.7%減 )
- 営業利益 10.8億円(同 2.5%減)
- 経常利益 9.9億円(同 3.0%減)
- 当期純利益 9.9億円(同 3.0%減)
前期は微増でしたが増収増益だったのが、今期は減収減益の予想となっています。
投資法人が発表した分配金(予想)は、以下のようになっています。
決算期 | 一口当たり分配金 |
2021年7月期 | 3,492円 |
2022年1月期 | 3,315円 |
年間 | 6,807円 |
- 上記予想を基にした、年配当利回り 5.6%
- 週足チャート(2年間):
株価は、昨年3月のコロナショック以降は、ほぼ上昇基調だったのですが、先週突如売り込まれており、特に5/14(金)は1日で4.17%下落しました。
日足では下落基調ですので、購入する場合はもう少し様子を見て、押し目のタイミングで買うと良いかもしれません。
3468 スターアジア不動産投資法人 配当利回り 5.2%
オフィスや商業・物流施設などに分散投資する総合型REITです。東京圏軸に、大都市の物件に投資し、直近保有資産は53物件、約1,667億円、稼働率 約97.6%(2021年3月末時点(稼働率))です。
投資ポートフォリオは、
- 東京都心5区 33.7%
- その他東京圏 39.2%
- その他 27%
となっています。
アセットタイプ別ですと、
- オフィス 40.8%
- 住宅 19.5%
- 物流施設 18.2%
- ホテル 12.3%
- 商業施設 9.2%
となっており、オフィスへの投資が多いのですが、全体的にばらけているというところです。
当面の方針としては、日本の経済・文化活動の中心であり、人口が最も集積している東京圏(東京23区、横浜市、川崎市)の不動産等に集中的に投資することにしています。
【前期 2021年1月期の運用状況】
- 営業収益 66.7億円(前期(2020年7月期)比 67.0%増 )
- 営業利益 33.8億円(同 58.4%増)
- 経常利益 29.1億円(同 56.7%増)
- 当期純利益118.0億円(同 535.5%増)
【今期 2021年7月期の運用状況の予想】
- 営業収益 55.1億円(前期(2021年1月期)比 17.4%減 )
- 営業利益 27.9億円(同 17.4%減)
- 経常利益 23.5億円(同 19.3%減)
- 当期純利益 23.5億円(同 80.1%減)
前期は大幅な増収増益でしたが、今期は減収減益の予想となっています。
不動産マーケットは、新型コロナウイルス感染症の蔓延による影響により、テナントからの賃料収入が減少する可能性があると思われるホテル及び商業施設の売買は停滞しています。一方で、外出自粛、在宅勤務者の増加から、Eコマース市場が急速に伸びており、これを受けて物流施設の需要が高まるとの思惑から物流施設への投資意欲は、引き続き高い状況となっています。これに加えて、ディフェンシブなアセットタイプとして位置づけられる住宅、特に安定稼働を示す、住戸専有面積が比較的大きなタイプの住宅に対する需要も高い状況です。
当投資法人は、投資先のアセットタイプが分散しているので、ホテルや商業施設は停滞しても、物流や住宅が好調ですので、コロナ禍でも落ち込みは抑えられているといったイメージです。
投資法人が発表した分配金(予想)は、以下のようになっています。
決算期 | 一口当たり分配金 |
2021年7月期 | 1,455円 |
2022年1月期 | 1,455円 |
年間 | 2,910円 |
- 上記予想を基にした、年配当利回り 5.2%
- 週足チャート(2年間):
株価は、昨年のコロナショック前の水準にほぼ戻しています。60,000円を超えると一段高も期待できる展開です。
3455 ヘルスケア&メディカル投資法人 配当利回り 4.8%
成長が見込まれる、ヘルスケア市場への投資をしている投資法人です。
スポンサーのシップヘルスケア、NECキャピタル、SMBCが有する「介護・医療」「ファンド運営」「金融」に関わる高度な専門性を活用し、長期的なキャシュフローを目指しています。
直近の保有物件数は、37物件 671億円(2021年3月27日現在)、稼働率 100%(2021年4月30日現在)です。
ポートフォリオは、タイプ別で、
- 有料老人ホーム 73.0%
- サービス付き高齢者向け住宅 4.7%
- 医療関係施設等 3.1%
- 有料老人ホーム・医療関係施設等 19.3%
です。
地域別では、
- 三大都市圏(首都圏、近畿圏、中部圏) 86.5%
- 中核都市圏 11.0%
- その他 2.6%
です。
当投資法人の方針としては、地域は、首都圏、近畿圏、中部圏の合計で80%以上、施設別では、ヘルスケア施設(有料老人ホーム、医療関係施設等)で80%以上とする方針です。
【前期 2021年1月期の運用状況】
- 営業収益 20.6億円(前期(2020年7月期)比 1.7%増 )
- 営業利益 10.7億円(同 0.4%減)
- 経常利益 9.1億円(同 0.9%減)
- 当期純利益9.1億円(同 0.9%減)
【今期 2021年7月期の運用状況の予想】
- 営業収益 20.7億円(前期(2021年1月期)比 0.7%増 )
- 営業利益 10.7億円(同 0.2%増)
- 経常利益 9.1億円(同 0.2%増)
- 当期純利益 9.1億円(同 0.2%増)
前期は増収減益でしたが、今期は微増ながら、増収増益の予想となっています。
日本では、高齢者世帯が増加する一方、介護を担う世代の人口は減少しており、高齢者世帯の一定割合に対し、外部の介護・医療サービスの提供が必然的に求められる社会情勢といえます。このような介護・医療サービスへの需要の拡大に呼応して、ヘルスケア施設、とりわけ高齢者向け施設・住宅の供給拡大が求められています。
また、高齢化の進展と家族構成の変化により同一世帯の中で介護を担うことが困難になることが予想される中、介護・医療サービスへの需要の拡大に対応するため、ヘルスケア施設の整備・拡充が求められている環境にあります。
そんな中、当投資法人が発表した分配金(予想)は、以下のようになっています。
決算期 | 一口当たり分配金 |
2021年7月期 | 3,236円 |
2022年1月期 | 3,236円 |
年間 | 6,472円 |
- 上記予想を基にした、年配当利回り 4.8%
- 週足チャート(2年間):
こちらも、株価は昨年のコロナショック前の水準にほぼ戻しており、直近はなだらかな上昇基調です。コロナ前の高値水準(142,000円程度)を超えてくれば、さらに上昇の可能性はありそうです。
まとめ
J-REITはどれも高配当で、安定した不動産収益が見込めるところがメリットです!
どれも甲乙つけがたいですが、最も収益を期待でき、キャピタルゲインも狙えるのは「スターアジア不動産投資法人(3468)」、安定的な運用を目指すのなら、株価が安定的な「ヘルスケア&メディカル投資法人(3455)」、高配当狙いなら「エスコンジャパンリート投資法人(2971)」でしょうか。
今回記事を書く中で、調べていくうちに、J-REITの魅力に気付いた次第ですw
※株式投資は、自己判断、自己責任でお願いします。