【公募増資・売出(PO)は買いか?】リンクアンドモチベーション(2170)

公募増資・売出(PO)
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こんにちは!

公募増資・売出(以下、PO)の実施を発表した銘柄に関して、POに応募して買った場合、利益を得ることができるのか?直近の経営状況や客観的な指標、株価モメンタム等を踏まえ、総合的に分析しました。

今回は、東証1部からサービス業種のリンクアンドモチベーションです。

最後までお付き合いいただけるとうれしいです!

  • 公募増資・売出(PO)とは?
既上場企業が新たに発行する株式(公募株式)や既に発行された株式(売出株式)を投資家に取得させることをいいます。
正確には、「PO」は「Public(公開の)Offering(売り物)」の略で、日本語では「公募」と呼ばれます。「公募」とは、「不特定かつ多数の投資家に対し、新たに発行される有価証券の取得の申込を勧誘すること」をいいます。
また、「売出」とは、「既に発行された有価証券の売付けの申込み又はその買付けの申込の勧誘のうち、均一の条件で50人以上の者を相手方として行う」ことをいい、通常は「公募」「売出」を合わせて「PO」と呼ばれます。
「新規公開株(IPO)」は未上場企業が直接金融市場からの資金調達や知名度・信用力の向上を目的として証券取引所に新規上場するために一般投資家に株式を取得してもらう行為であるのに対して、「公募・売出(PO)」は既に上場していて証券取引所での株式取引が行われている企業が追加の資金調達や大株主の保有株売却などを目的として一般投資家に株式を取得してもらう行為であり、「新規公開株(IPO)」と「公募・売出(PO)」の違いを簡単にいえば、実施する企業が「未上場」か「既上場」かの違いといえます。

POの概要

モチベーション

今回のPOは、自己株式の処分と大株主からの株式の売出です。 処分価格等決定日や受渡期日、売出数量等は表1のようになっています。

ディスカウント率は、「処分価格等決定日」に決まり、その日の終値から数%です。

ちなみに、直近のPOのディスカウント率は、JR西日本(9021) 3.01%、日本郵政(6178) 2.01%、クリエイト・レストランツ・ホールディングス(3387) 3.09%となっており、ほぼほぼ2~3%です。

注意点として、どの証券会社でも購入できるわけでなく、主幹事会社(今回は、野村證券)をはじめ、引受人の証券会社で購入申込可能です。

早ければ、12/7(火)の夕刻に、会社側から売出価格等のお知らせが適時開示であります。このブログ記事でも更新しますので、チェックしてくださいね💖

処分価格等決定日2021年12月7日(火)
受渡期日
(POで買った場合はこの日から売却可能)
2021年12月15日(水)
公募による自己株式の処分(一般募集)数量普通株式 6,639,400 株
発行済み株式総数 113,068,000 株 の約5.9%
株式売出し(引受人の買取引受による売出し)数量普通株式 3,403,200 株
発行済み株式総数 113,068,000 株 の約3.0%
株式の売出し
(オーバーアロットメントによる売出し)数量
普通株式 1,506,300 株
(自己株式の処分数量と売出数量を足した数量の約15.0%。実施決定(12/7)
※上記の「処分価格等決定日」に決定野村證券が売出す。
一般募集及び第三者割当に係る手取概算額合計上限約67.6億円
売出価格633 円(12/7決定)
ディスカウント率3.06 %(12/7決定)
申込単位数量100株
主幹事会社野村證券
表1:リンクアンドモチベーション PO概要

【本資金調達及び株式売出しの目的】

  • 大手企業のテレワーク導入や人的資本の開示の影響を追い風に、従業員エンゲージメント市場の規模は、2019年30.6億円、2020年38.2億円と拡大しているが、その市場はまだ小規模であることから、同社自身が市場拡大の牽引役となる必要があると強い使命感を持っており、グループとしてはこの市場の拡大を牽引していきたいと考えている。
  • このような市場環境の中で、調達資金を同社の主要サービスであるモチベーションクラウドシリーズのソフトウェア開発に投資することで、サービスの継続率向上に向けた分析並びに組織改善に向けたアクションプラン提示をより精度高く提案するAIの実装及び高頻度なデータ取込機能対応等を可能とするとともに、
    個人向けの能力開発が観測できる新しいクラウドシリーズの開発及び展開をすることで、今まで以上に顧客提供価値を高めていく。
  • 加えて、モチベーションクラウドシリーズの更なる新規顧客獲得、認知度向上のためのweb広告等のマーケティング投資、及びモチベーションクラウドシリーズの開発規模拡大に伴う社内エンジニア・コンサルタントを中心とした約200人の人員増加による採用費・人件費として充当することで同社グループの事業成長を更に加速させる。
  • 長期借入金の返済により、財務基盤の強化、自己資本比率の上昇につながり、今後の投資余力を増加させる。
  • 本資金調達と同時に実施する売出人による株式の売出しは、同社株式の分布状況の改善及び流動性の向上を図ることを目的とする。

としています。

【調達資金の使途と時期】

  • 2023年12月期までに、モチベーションクラウドシリーズへの開発費用に20.7億円
  • 2025年12月期までに組織開発ディビジョンのマーケティング費用に10.6億円
  • 2022年12月までに人員増加に伴う採用費・人件費に10.0億円
  • 残金(約25.3億円)は自己資本比率上昇に向けての財務基盤の強化のために2022年12月期までに長期借入金の返済

に充当する予定です。

今回の自己株式の処分と株式の売出数量を足した数量は、発行済み株式総数の約8.9%(OAを含めた最大の株数を含めると約10.2%)で、

直近の株式の売出のみのPOの売出数量の割合(OA含む)、日本郵政 27.3%、Sun Asterisk 10.9%、SIGグループ 9.2%と比較すると、少なめの水準です。

また、この銘柄の直近の出来高(売買が成立した株の数量)の5日平均は19,481百株、25日平均は6,783百株で、流動性は高い水準です。

どんな会社?

モチベーション

2000年4月に創業し世界初の「モチベーション」にフォーカスした経営コンサルティング会社です。

経営学・社会システム論・行動経済学・心理学などの学術的成果を取り入れた、

同社の基幹技術「モチベーションエンジニアリング」によって、顧客の組織課題の解決、各個人の成長支援を行っています。

企業を支援する切り口として、戦略や資金ではなく、「モチベーション」に光を当てた同社のコンサルティングサービスは、ほかに類を見ないオンリーワンの存在です。

同社グループは、サービスの提供形態を基礎としたディビジョン別のセグメントから構成されており、

主に以下の3つがあります。

  • 組織開発ディビジョン
    企業の“モチベーションカンパニー創り”をサポートするため、事業活動上での様々なコミュニケーションシーンにおけるイベントやメディアを制作。
    イベント制作:周年記念イベント、採用説明会、プロモーションイベント、株主総会など、リアル・バーチャルにおける場創りをサポートすることでステークホルダーへの興味喚起や理解促進を支援。
    メディア制作:社内報、会社説明パンフレット、株主向けのアニュアルレポートなどの紙メディアに加えて、会社ホームページ、IRページ等のWEBメディア、商品説明映像や決算説明会・株主総会動画配信などの映像メディアも手がける。
  • 個人開発ディビジョン
    “モチベーションエンジニアリング”をキャリアスクール・学習塾等のビジネスに適用し、小学生から社会人に対して、目標設定から個人の課題把握、学習プランの策定・実行に至るまでワンストップでサービスを提供
  • マッチングディビジョン
    “モチベーションエンジニアリング”を人材紹介・派遣事業に転用した「エンゲージメント・マッチング」をコンセプトにサービスを展開

2020年12月期のセグメント別売上高構成比は、

  • 組織開発ディビジョン 26.8%
  • 個人開発ディビジョン 19.1%
  • マッチングディビジョン 54.0%
  • その他(レストラン経営)0.1%

となっており、「マッチングディビジョン」の売上が5割を占めています。

直近の経営概況

経営状況

2021年12月期3Q(2021年1月~2021年9月)の経営成績】(2021年11月12日発表)

決算期営業収益
[億円]
(前年同期比[%])
営業利益
[百万円]
(同)
当期利益
[百万円]
(同)
親会社の所有者に
帰属する当期利益
[百万円]
(同)
2020年12月期3Q累計261
(△8.8)
1,427
(△26.3)
850
(△26.1)
773
(△33.0)
2021年12月期3Q累計273
(4.8)
2,097
(46.9)
1,283
(50.9)
1,185
(53.3)
2021年12月期通期会社予想
(2021年11月12日修正)
323
(5.1)
2,020
(881)
1,010
(前期赤字)
901
(前期赤字)
通期予想に対する3Qの進捗率[%]84.6104127132
表2:リンクアンドモチベーション 2021年12月期3Q経営成績

2021年12月期3Qの経営成績は、前年同期比 増収増益で、売上高は微増ですが、利益面は5割程度の増益の結果となっており好調です。

通期予想に対する進捗率は、3Qの決算発表と同時に行った修正後の数値に対し、売上高は8割、利益面は通期予想を超過しており順調です。

【2021年12月期3Qの状況、経営成績の要因】

2021年初頭より、都市部を中心に新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言の延長が続いていましたが、ワクチン接種率の向上に伴い、今後経済活動は緩やかに回復していくことが期待されています。

特に、働き方の変更に伴う従業員エンゲージメント向上のニーズや、急速なデジタルトランスフォーメーションに伴う個人のスキル強化のニーズはますます高まっていると同社は認識しています。

このような経営環境下、表2の経営成績になっています。

【セグメント別の業績】

セグメント別の業績は、表3の結果になりました。

ディビジョン事業売上収益[億円]
(前年同期比[%])
売上総利益
[百万円](同)
組織開発80.9
(10.8)
5,718
(14.1)
(内)コンサル・クラウド65.8
(15.5)
5,118
(13.5)
(内)イベント・メディア17.8
(△10.1)
785
(7.7)
個人開発56.6
(14.7)
2,186
(46.2)
(内)キャリアスクール52.1
(16.4)
1,978
(54.6)
(内)学習塾4.6
(△1.3)
209
(△3.0)
マッチング142
(△1.8)
4,663
(△1.8)
(内)海外人材紹介・派遣96.4
(2.5)
2,704
(△2.0)
(内)国内人材紹介・派遣46.0
(△9.4)
1,985
(△1.5)
表3:2021年12月期3Q  セグメント別業績

主力の「マッチングディビジョン」は減収減益、

「組織開発ディビジョン」「個人開発ディビジョン」は増収増益で、特に「個人開発ディビジョン」の売上総利益が前年同期比で5割程度増益となっています。

ディビジョンごとの状況は以下です。

組織開発ディビジョン

コンサル・クラウド事業

引き続き大手企業を中心とした従業員エンゲージメントの向上ニーズを着実に捉え、売上収益、売上総利益ともに前年同期比で大幅に増加しました。

コロナ禍における組織や人材育成に関する課題の顕在化はもとより、多くの企業の経営課題が、従業員や応募者といった人材を対象とする「労働市場」への適応にシフトしている昨今の環境変化の中、企業にとって従業員エンゲージメント向上は重要な経営テーマとなっています。

この変化は、2000年の創業以来、多くの企業の組織変革を支援してきた同社グループにとって大きな機会であると捉えています。

また、「クラウド」に該当する、社グループの注力サービスである、「モチベーションクラウドシリーズ」の月会費売上は、前年同期と比較して増加しました。

イベント・メディア事業

イベント事業において、引き続き新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、売上収益は前年比減となりました。

一方で、オンライン化に伴う粗利率の改善などによって、売上総利益は前年同期比で増加しています。

個人開発ディビジョン

キャリアスクール事業

引き続き緊急事態宣言が継続して発令されていたものの、オンライン受講の促進によって、IT、資格、英会話講座全てにおいて回復が見られ、売上収益は前年同期比で大幅に増加

売上総利益はオンライン化に伴う粗利率の改善が功を奏し、前年を大きく上回る結果となりました。

学習塾事業

新規入会数は回復傾向にあるものの、1人あたりの単価減少に伴い、売上収益・売上総利益ともに前年同期比微減となりました。

マッチングディビジョン

海外人材紹介・派遣事業

前期同様入国制限の影響を引き続き受けているものの、雇用の長期化や国内人材採用などが着実に進捗した結果、売上収益は増加しました。

一方で、国内採用に伴う原価増の影響を受け、売上総利益は微減となりました。

また、先生方の英語授業準備効率化や英語力・指導力向上を目的に、2021年6月にリリースしたクラウドサービスである「Teachers Cloud」の利用学校数も着実に増加しており、9月末で1,300校を超えています。

国内人材紹介・派遣事業

新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受けた「人材派遣」において、派遣人数は回復傾向にはあるものの前年同期比までには至らず、売上収益、売上総利益ともに前年同期比で減少しました。

「人材紹介」については、登録ユーザー数、社員クチコミ・評価スコアデータ件数はコロナ禍においても着実に積み上がっています。

【財政面の状況】

自己資本比率>(自己資本(総資本-他人資本)÷総資産)×100

2021年12月期3Q末時点で11.9%と前期末(9.2%)から2.7ポイント増加しました。

自己資本比率の数値としては危険領域です。(20%以上を安全圏内としています。)

キャッシュ・フロー

2021年12月期3Q累計のキャッシュ・フロー(以下、CF)は、営業活動によるCF 24.1億円の収入、投資活動によるCF 3.3億円の支出の結果、営業活動によるCFと投資活動によるCFを合計したフリーCF※は20.8億円のプラスとなりました。

フリー・キャッシュ・フロー:プラスの場合、会社が使える資金があることを意味し、マイナスの場合、会社が自由に使うことができる資金が少ないことを意味する。

前期(2020年12月期)3QのフリーCF(プラス36.8億円)と比較すると、16.1億円減少しています。

これは主に、前期末に比べ、税金等調整前四半期純利益による収入が6.7億円増加し営業CFの収入が増加しましたが、

連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入が22.9億円減少し、投資CFの収入が減少したことが主な要因です。

【今期(2021年12月期通期)の見通し】

2021年12月期3Q決算発表と同時に、通期業績予想を修正しています。

通期業績予想は、表4のようになっています。

売上収益
[億円]
営業利益
[百万円]
当期利益
[百万円]
親会社の所有者に
帰属する
当期利益
[百万円]
1 株当たり
当期純利益

[円]
前回(8/11)発表予想3822,0101,0009008.58
今回(11/12)修正予想3232,0201,0109018.59
増減額△5910100.01
増減率[%]△15.50.501.000.110.09
表4:2021年11月12日修正発表 2021 年12月期通期業績予想

前回予想から、売上収益は15%減額、利益面は微増の修正をしています。

修正の理由は、

同社の連結子会社である株式会社リンクスタッフィングの国内人材派遣事業を株式会社 iDAに対して譲渡することを決議し、契約締結しています。

上記を踏まえて、同社の国際会計基準(IFRS)に基づく連結財務諸表において国内人材派遣事業を非継続事業として取り扱うことが確定しました。

その区分変更により、当該事業にかかる売上収益・営業利益が通期連結業績から控除されています。

株価指標

株価指標

【12/3(金)終値時点の数値】

  • 株価:674円
  • 時価総額:762億円
  • PER:84.3倍

PERは、同業で時価総額が近い、日本M&A(2127) 81.3倍、ドリームインキュベータ(4310) 365倍、船井総研HD(9757) 30.3倍と比較すると、中間的な水準となっています。

  • PBR:17.7倍
  • 信用倍率(信用買い残÷信用売り残):0.36倍
  • 年間配当金(会社予想):7.4円(年4回 3月 1.8円、6月 1.8円、9月 1.9円、12月 1.9円)、年間利回り:1.1%(配当性向 86.1%)

配当は年利回り 1.1%で、東証1部の単純平均1.98%(12/3時点) と比較すると低い水準です。

直近5年間の配当金は表5のように、2020年12月期は前年と同額だったのですが、それ以外は毎年増配しています。

決算期1株当たり
年間配当金(円)
配当性向(%)
2016年12月期5.332.0
2017年12月期6.231.1
2018年12月期6.836.9
2019年12月期7.269.6
2020年12月期7.2ー(赤字)
表5:リンクアンドモチベーション 年間配当金推移

配当性向は低く、30~70%とばらつきがあります。

この会社は、

当該期の実績、今後の経営環境、投資計画などを総合的に勘案の上、株主に対するより積極的かつ長期的な利益還元を行っていくことを配当の基本方針としています。

内部留保金は、事業の拡大と効率化に向けたM&A、人材、設備への投資に充当し、業容拡大、企業価値向上に努めていく方針です。

剰余金の配当の回数は、機動的な株主還元ができるよう、年4回の四半期配当を導入しています。

【株主優待】

この会社は株主優待があり、毎年6月末日、12月末日の年2回、株主名簿に記載又は記録された、1,000株以上を1年以上保有ている株主に、2,500円分(年間 5,000円分)のクオカードが贈呈されます。

※2,500株以上:6,250円分(年間 12,500円分)、5,000株以上:12,500円分 (年間 25,000円分)、10,000株以上:25,000円分(年間 50,000円分)、15,000株以上:37,500円分(年間 75,000円分) 、20,000株以上:50,000円分(年間 100,000円分)

1年以上継続保有で、1,000株以上保有の条件でハードルが高いですが、

1,000株保有の場合、配当+株主優待の年利回りは1.8%となります。

【直近の株価動向】

<週足チャート(直近2年間)>

出所:楽天証券サイト

株価は、昨年のコロナショック時の安値(238円)から上昇し続け、今年11月初日の高値(1,232円)まで、5倍以上の値をつけています。

ただ、直近1カ月は下落に転じてきています。

<日足チャート(直近3か月間)>

出所:楽天証券サイト

直近の株価は、11/1に高値(1,232円)をつけた後は、下落トレンドで推移しており、

今回のPO発表の翌営業日(11/30)は、窓を開けて出来高を伴い大きく売られ、前日比 141円安(-16.6%)となりました。

今後は、節目の600円程度で下げ止まって、上昇に転じてくるのかさらに下抜けるのか要注目です。

まとめ

まとめ

【業績】

  • 2021年12月期3Qの経営成績は、前年同期比 増収増益で、売上高は微増だが、利益面は5割程度の増益の結果となっており好調。
  • 特に、個人開発ディビジョンは、オンライン受講の促進によって、IT、資格、英会話講座全てにおいて回復が見られ、売上収益は前年同期比で大幅に増加、売上総利益はオンライン化に伴う粗利率の改善が功を奏し、前年比5割増益の結果を上げて好調。
  • 通期予想に対する進捗率は、3Qの決算発表と同時に行った修正後の数値に対し、売上高は8割、利益面は通期予想を超過しており順調。今後、上方修正もありうる。

【株主還元】

  • 配当金は年利回り 1.1%で、東証1部の単純平均1.98%(12/3時点) と比較すると低い水準。
  • 株主優待があり、1,000株以上かつ1年以上継続保有の条件でハードルが高いが、
    1,000株保有の場合、年間 5,000円分のクオカードがいただけ、配当+株主優待の年利回りは1.8%となる。

【流動性・公募増資数量】

  • 直近の出来高の5日平均は19,481百株、25日平均は6,783百株で、流動性は高い水準。
  • 今回の自己株式の処分と株式の売出数量を足した数量は、発行済み株式総数の約8.9%(OAを含めた最大の株数を含めると約10.2%)と、直近の株式の売出のみのPOと比較すると少なめの数量。

【株価モメンタム】

  • 昨年のコロナショック時の安値(238円)から上昇し続け、今年11月初日の高値(1,232円)まで、5倍以上の値をつけている。
    ただ、直近1カ月は下落に転じてきた。
  • 直近の株価は、11/1に高値(1,232円)をつけた後は、下落トレンドで推移しており、
    今回のPO発表の翌営業日(11/30)は、窓を開けて出来高を伴い大きく売られ、前日比 141円安(-16.6%)
    となった。
  • 今後の株価は、節目の600円程度で下げ止まって、上昇に転じてくるのか、さらに下抜けるのか要注目。

以上のことから、

レベル(最低⭐~最高⭐⭐⭐⭐⭐)
業績⭐⭐⭐⭐
配当、株主優待を含む株主還元⭐⭐⭐
株価モメンタム⭐⭐
流動性⭐⭐⭐⭐
株式の売出数量⭐⭐⭐⭐
総合判定⭐⭐⭐(中立)
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「見送り」

と判断しました。

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。

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