直近で立会外分売を実施した銘柄に関して、立会外分売で買った場合、利益は出たのか?
分売日当日と分売後1週間後の結果を検証しました。
今回は、2022年8月に分売が実施されたアイリックコーポレーション、モリト、東京自働機械です。
最後までお付き合いいただけると嬉しいです💖
分売値段とその後の株価推移
まずは、分売値段で買って一週間(5営業日)後まで保有した場合、含み益なのか含み損なのか?を確認していきましょう!
(※売買手数料は考慮していません。)
銘柄 | 分売日 | 分売 値段 [円] | ディス カウント率 [%] | 分売日 始値[円] (増減率[%]) | 分売日 終値[円] (同) | 一週間後 の始値[円] (日付) | 損益[円] (増減率[%]) |
アイリック コーポレーション (7325) | 8/23 (火) | 760 | 2.94 | 798 (+5.0) | 777 (+2.2) | 774 (8/30) | +14 (+1.8) |
モリト (9837) | 8/23 (火) | 696 | 3.06 | 719 (+3.3) | 721 (+3.6) | 722 (8/30) | +26 (+3.7) |
東京自働機械 (6360) | 8/24 (水) | 1,530 | 3.83 | 1,591 (+4.0) | 1,562 (+2.1) | 1,562 (8/31) | +32 (+2.1) |
分売日の寄付又は大引と1週間(5営業日)後の結果は、
今回の全ての銘柄は、どの時点で売却しても損益プラス、
一番大きな利益が出ていたアイリックコーポレーションは、分売日の寄付で売却した場合5.0%もの利益が出ていました。
分売で購入できた方、おめでとうございます!
ちなみに私は、モリトに300株、東京自働機械に100株購入申込して、モリト 100株のみ当選しました。
そして、モリトは723円で売却し2,700円(+3.8%)の利益(手数料は除く)でした✊
久々に立会外分売で利益が取れたのでうれしいです。
それでは個別に見ていきましょう!
要因分析:アイリックコーポレーション(7325)
この会社の前期(2022年6月期)通期の業績は、主力の保険販売事業で、新規案件及び大型契約の獲得により、前期の売上高を上回る結果となり、
前期比 増収増益で、売上高は1割強増、利益面は1割前後の増益で好調な結果で着地しました。
今期(2023年6月期)通期予想は、積極的なシステム投資や店舗網の拡大、大規模なブランディング活動を計画していますが、人財及びマーケティング拡大における先行投資を実施する事により、
前期比 増収減益で、売上高は2割弱増、利益面は3割減を見込んでいました。
株主還元は、配当利回り(予想)は1.53%(8/15時点) で、東証グローズの単純平均 0.31%(8/12時点) と比較すると高い水準で、
年間1株あたり0~20円で安定して推移しており、上場(2018年9月)以降の配当金は記念配当を除くと年間12円で一定でした。
配当性向は、30%~40%台でほぼ安定して推移していました。そして、会社の方針は配当性向30%を目処にしていましたので、安心できましたね。
さらに株主優待制度があり、毎年6月末に100~199株保有の株主は、ポイントに応じて食品・電化製品・体験等と交換可能な優待ポイント3,000ポイントが進呈されましたので、個人投資家にはうれしい内容でしたね。
株価モメンタムは、昨年4月に高値(1,395円)をつけた後は、高値切り下げ安値切り下げの下落トレンドで推移していました。
直近の株価は、6月下旬に高値(919円)をつけた後は調整し、今回の立会外分売と2022年6月期決算の発表の翌営業日(8/15)に窓を開けて、前日比 39円安(-4.74%)まで売られ、7/1につけた年初来安値(803円)を下抜けてきましたので、
この8/15の年初来安値を下抜けなければ、上昇に転じてくると予想していたのですが・・・。
ご参考(立会外分売前の分析):【立会外分売は買いか?】アイリックコーポレーション(7325)
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
立会外分売発表後の値動きは、乱高下しながらも、立会外分売前日に年初来安値(760円)をつけた後は上昇に転じてきて、分売日や分売日以降も小幅ながら、上昇してきました。
分売日前日までは需給悪化懸念が強かったのですが、それ以降は解消してきたと見ています。
要因分析:モリト(9837)
この会社の今期(2022年11月期)2Qの業績は、流行に左右されないメディカルウェア、作業服関連のビジネスが好調に推移し、
前年同期比 増収増益で、売上高は1割弱増、利益面は3~6割程度の増益で好調でした。
今期通期予想は、今2Q決算発表と同時に、高付加価値商品の開発・販売や新規取引の獲得により、売上高は微増、利益面は1割前後の増額修正をし、
その通期予想に対する進捗率は2Q終了時点で、売上高、利益面ともに5割を超えており順調でした。
株主還元は、配当利回り(予想)は4.05%(8/17時点) で、東証プライムの単純平均 2.30%(8/16時点) と比較すると高い水準で、年間1株あたり18~28円で安定して推移していました。
配当性向は、20%台~100%超とはらつきがありましたが、
直近の会社の方針は配当性向50%を基準にしていましたので、利益が増えるほど配当金も増えるということで期待感がありましたね。
株価モメンタムは、昨年7月から高値切り上げ安値切り上げで上昇し、今年3月下旬に高値(791円)をつけましたが、その後は調整し、この高値を超えられていませんでした。
直近の株価は、5月末の安値(705円)から上昇し、7月中旬に高値(786円)をつけた後は調整しており、
今回の立会外分売発表の翌営業日(8/17)は、短期的な需給悪化懸念からか、始値こそ安く始まりましたが、大きめの陽線をつけて値を戻し、前日比 29円安(-3.89%)で終了しており、
この日につけた安値(696円)を割り込まずに上昇に転じていくのか否か注目していましたが・・・。
ご参考(立会外分売前の分析):【立会外分売は買いか?】モリト(9837)
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
結局、立会外分売発表の翌々営業日から、需給悪化懸念が解消してきて、
株価は安値(696円)を割り込まずに、発表後の窓を開けて下落した分を戻してきています。
要因分析:東京自働機械(6360)
この会社の今期(2023年3月期)1Qの業績は、生産機械事業の売上が2Q以降に多くが予定されていることから1Qは少なく、
前年同期比 減収減益で、売上高は3割減、利益面は赤字転落でした。
今期通期予想は、前期比 増収増益で、売上高は2割強増、利益面は2~4割強の増益を見込んでおり、
その通期予想に対する進捗率は1Q終了時点で、売上高、利益面はともに遅れが発生しており、挽回が必要な状況でした。
株主還元は、配当利回り(予想)は3.65%(8/10時点) で、東証スタンダードの単純平均 2.17%と比較すると高い水準で、
配当金は年間1株あたり40~50円で、2020年3月期の記念配当10円を除くと年間40円で一定でした。
配当性向も、10%~20%台で安定していました。
株価モメンタムは、今年の5月に安値(1,433円)をつけた後は、26週移動平均線を超え上昇基調で推移していました。
直近の株価は、5月に年初来安値をつけた後は、右肩上がりで上昇し7月中旬に年初来高値(1,762円)をつけていましたが、その後は調整し、25日移動平均線を割り込んで推移していました。
今後の株価は、節目の1,500円程度や年初来安値(1,413円)を割り込まずに上昇に転じていくのか、それらを下抜けて下値模索をするのか注目していましたが・・・。
ご参考(立会外分売前の分析):【立会外分売は買いか?】東京自働機械(6360)
【立会外分売発表後の株価の動き】
<日足チャート(直近3か月)>
立会外分売発表後の値動きは、数日はそれほど下落はしなかったのですが、
立会外分売日(8/24)の前日に下落し、当日も大きめの陰線をつけて下落しましたが、ディスカウント率が大きかった(3.83%)せいか、分売値段までは下落せず、その後需給悪化が解消してきて、株価は落ち着いてきています。
この銘柄は出来高が少なすぎて、なかなか値動きが読めなく予想しずらかったと思います。
まとめ
アイリックコーポレーション(7325)、モリト(9837)、東京自働機械(6360)の立会外分売予想と一週間(5営業日)後の株価は、
銘柄名 | 事前予想 | 結果(損益) (「1週間(5営業日)後始値」 ー「分売値段」) [円](%) | 判定 |
アイリック コーポレーション | 中立 | +14 (+1.8) | 〇 |
モリト | 中立 | +26 (+3.7) | × |
東京自働機械 | 中立 | +32 (+2.1) | 〇 |
※事前予想の「買い」は3%以上の上昇、「中立」は±3%、「不参加」は3%以上の下落を想定しています。
でした。
今回は2勝1敗、勝率0.667。まあまあの結果でしたm(_ _”m)
分売日以降、需給悪化懸念が解消されてきて、分売発表後の下げを戻してきた銘柄が多かったです。
特にモリトは、需給悪化懸念が解消されるスピードが速く、分売発表日の翌々営業日から、窓を開けて下げた分を戻してきました。
今後の株価動向ですが、
アイリックコーポレーションは、分売日以降少しづつですが、値を戻してきています。
今後25日移動平均線や75日移動平均線を回復してくるのか注目です。
モリトは、分売日以降、25日移動平均線に跳ね返され、株価は再び調整してきています。
立会外分売発表後につけた安値(696円)の手前で下げ止まって、上昇に転じていけるのか注目です。
東京自働機械の株価は、ヨコヨコの展開が続いています。
地合いにもよると思いますが、ここから上昇していくのか楽しみです。
参考になればうれしいです✨
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。