【黒字転換銘柄は買いか?】ドトール・日レスホールディングス(3087)

コーヒーショップ株式投資
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こんにちは!

黒字転換を見込んでいる会社は、一般的に株価が上がりやすいと言われています。そこで、前期赤字から今期黒字転換を見込んでいる銘柄をピックアップし、今買うべき銘柄なのか?事業内容や直近の経営状況、客観的な株価指標、株価モメンタム等を総合的に勘案して判断しました。

今回は、東証1部から、小売業種のドトール・日レスホールディングスです。

最後までお付き合いいただけるとうれしいです!

事業内容

コーヒー

皆さんご存知の、「ドトールコーヒー」を運営している会社です。

「エクセルシオール カフェ」や郊外型カフェの「星乃珈琲店」も運営しています。

日本レストランシステム株式会社と株式会社ドトールコーヒーの株式移転により、2007年10月に経営統合し、株式会社ドトール・日レスホールディングスを設立、現在に至っています。

主な事業は、

  1. 喫茶店及び飲食店の経営
  2. パン及び洋菓子の製造並びに販売
  3. コーヒーの焙煎加工並びに販売
  4. フランチャイズチェーンシステムによる飲食店の加盟店募集及び指導
  5. 食品等の仕入・販売及び輸出入

をしています。

事業セグメントとしては、星乃珈琲店などのカフェや、洋風レストラン、カレーショップ、ワインバーなどの「日本レストランシステムグループ」、ドトールコーヒー、エクセシオールカフェや地域密着型のコーヒー専門店「カフェ コロラド」などの「ドトールコーヒーグループ」、そして、洋菓子製造卸のD&Nコンフェクショナリー及びベーカリーのサンメリーなどの「その他」の3つに分かれています。

2021年2月期通期のセグメント別売上高構成比は、

  • 日本レストランシステムグループ 34.2%
  • ドトールコーヒーグループ 60.5%
  • その他 5.3%

となっています。売上の約6割は、ドトールやエクセシオール カフェなどのコーヒーショップですね。

直近の経営状況

経営状況

前期(2021年2月期)通期の経営成績は、

  • 売上高 961.4億円(前年同期比 26.7%減
  • 営業損失 43.2億円
  • 経常損失 41.8億円
  • 親会社株主に帰属する当期純損失 109.8億円

でした。減収減益で、利益面は赤字になりました。

会社側のコメントは、この会社は、新型コロナウィルスがもたらした経営環境の変化をもろにうけ、営業自粛や営業時間の短縮など多くの店舗が通常の営業活動を控えることとなった。

このような状況のもとで、当社グループは、「外食業界におけるエクセレント・リーディングカンパニー」の地位確立を目指し、立地を厳選してグループ全体で73店舗(直営店53店舗、加盟店19店舗、海外1店舗)を新規出店しており、アフターコロナ、ウィズコロナに向けて着実に布石を打った。

既存事業においては、ブランド価値向上を目指した店舗改装を推進したほか、店舗におけるテイクアウトメニューや売店商品の拡充、また量販店などを中心とした卸売事業の拡大など、消費の変化にあわせた取組みを優先実施した。また、物流や購買の見直しを図り、業務の効率化を推進するとともに、徹底した管理コストの削減など、事業基盤の安定強化に努めた。

しかしながら、店舗休業や営業時間の短縮などが影響し売上は激減、また人件費や家賃などの固定費が収益を圧迫したことで前年実績を大きく下回ることとなり、当連結会計年度において店舗の減損損失およびコロナ関連の特別損失として人件費・賃借料・減価償却費などを計上した。

ということです。

財務面では、自己資本比率(自己資本(総資本-他人資本)÷総資産) ×100)が、2021年2月期末時点で81.4%と前期末(80.9%)と比較し、0.5ポイント上がっています。こちらは健全な状態です。

今期(2022年2月期)通期の会社予想は、

  • 売上高 1,222億円(前年同期比 127.1%増
  • 営業利益 30.5億円(同 +73.7億円
  • 経常利益 31.9億円(同 +73.7億円
  • 親会社株主に帰属する当期純利益 43.7億円(同 +153.5億円

としています。これに対する会社側コメントとしては、

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が引続き継続しており、従来の生活様式に変化が見受けられ、外出自粛や在宅勤務など行動規制の流れも顕著となっていることから、早期の消費動向の回復は見込めない。また、消費者の根強い低価格志向など生活防衛意識はさらに強くなると想定され、外食産業を取り巻く経営環境においても店舗における営業時間の短縮などは継続しており、厳しい状況に変化はないと考えている。

このような環境の中だが、当社はテイクアウトメニューの拡充や売店商品の拡大、さらに消費動向に合わせた卸売事業を充実させることで、事業の再構築を図る。

また状況が改善した際に反転攻勢するための準備を怠らず、積極的に取り組むことで、グループ全体の企業価値増大を図っていく。

ということです。

この予想は、一部店舗を除き店舗の休業がないことおよびワクチン投与が進んでいくことを前提での予想となっています。

株価指標

株価指標

6/18(金)終値時点の数値

  • 株価:1,744円
  • 時価総額:795.4億円
  • PER:13.2倍

PERは、同業で時価総額が近い、日本マクドナルドHLDG(2702) 31.4倍、サンマルクホールディングス(3395) 31.0倍、ロイヤルホールディングス(8179) 0倍と比較すると、低い水準となっています。

  • PBR:0.82倍
  • 信用倍率(信用買い残÷信用売り残):10.4倍
  • 年間配当金(会社予想):24円(年2回 8月 12円、2月 12円)、年間利回り:1.4%(配当性向 24.3%)

※直近5年間の配当金は、以下のようになっています。

決算期年間配当金(円)配当性向(%)
2017年2月期3023.7
2018年2月期3222.4
2019年2月期3223.9
2020年2月期3424.8
2021年2月期24-(赤字)
※ドトール・日レスホールディングス 年間配当金推移

配当金は、赤字ということで昨年は下がりましたが、その前の直近では、配当性向が25%弱と一定です。当社は、株主への利益還元を経営上の最重要課題の一つと位置付けています。

また、この会社は2月末の株主を対象に株主優待制度もあり、100株以上で株主優待カード(「ドトールコーヒーショップ」「エクセルシオール カフェ」で利用可)1,000円相当(300株以上 : 3,000円相当、500株以上 : 5,000円相当)がいただけます。こちらはうれしいですね!

  • 株主優待+配当金の年利回り(100株以上200株未満の場合):1.9% 

週足チャート(2年間):

出所:楽天証券サイト

株価は、昨年のコロナショック前の水準(2,000円程度)を回復できていません。外食産業は、コロナの影響を一番受けた業種といえますので、うなずけるところです。

直近では、1,400円~1,820円の間のレンジになっていますが、2021年初から、下値を切り上げる動きになっています。

まとめ

まとめ

2022年2月期は、黒字転換の予想ですが、店舗の休業がないことやコロナワクチン投与が進むという前提の計画です。

現時点の状況は、6/20までの東京や大阪などの緊急事態宣言の解除する見込みとなっていることやコロナワクチンの接種がある程度進んでいることから、今後業績を回復の可能性は大いにあると考えています。

しかしながら、2022年2月期の営業利益予想は、コロナ前の2020年2月期と比較すると1/3程度という予想ですので、やはり昨今の経営環境を受け、他の外食業態も同様ですが、業績の停滞は否めません。

株価は年初から、下値を切り上げていますので、あとは直近の高値(1,820円)を上抜けるかという点が、ポイントと考えます。

以上のことから、

レベル(最低⭐~最高⭐⭐⭐⭐⭐)
業績⭐⭐⭐
配当を含む株主還元⭐⭐⭐
株価モメンタム⭐⭐⭐
総合判定⭐⭐⭐(中立)
※「総合判定」で⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「見送り」

と判断しました。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。

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