公募増資・売出(以下、PO)の実施を発表した銘柄に関して、POに応募して買った場合、利益を得ることができるのか?直近の経営状況や客観的な指標、株価モメンタム等を踏まえ、総合的に分析しました。
今回は、東証J-REITのジャパン・ホテル・リート投資法人です。
最後までお付き合いいただけるとうれしいです!
- 公募増資・売出(PO)とは?
既上場企業が新たに発行する株式(公募株式)や既に発行された株式(売出株式)を投資家に取得させることをいいます。 正確には、「PO」は「Public(公開の)Offering(売り物)」の略で、日本語では「公募」と呼ばれます。「公募」とは、「不特定かつ多数の投資家に対し、新たに発行される有価証券の取得の申込を勧誘すること」をいいます。 また、「売出」とは、「既に発行された有価証券の売付けの申込み又はその買付けの申込の勧誘のうち、均一の条件で50人以上の者を相手方として行う」ことをいい、通常は「公募」と「売出」を合わせて「PO」と呼ばれます。 「新規公開株(IPO)」は未上場企業が直接金融市場からの資金調達や知名度・信用力の向上を目的として証券取引所に新規上場するために一般投資家に株式を取得してもらう行為であるのに対して、「公募・売出(PO)」は既に上場していて証券取引所での株式取引が行われている企業が追加の資金調達や大株主の保有株売却などを目的として一般投資家に株式を取得してもらう行為であり、「新規公開株(IPO)」と「公募・売出(PO)」の違いを簡単にいえば、実施する企業が「未上場」か「既上場」かの違いといえます。
POの概要

今回のPOは、公募による新投資口の発行です。発行価格等決定日や受渡期日、発行数量等は表1のようになっています。
ディスカウント率は、「発行価格等決定日」に決まり、その日の終値から数%(直近のJ-REITは2~2.5%)です。
参考までに、直近のJ-REITのPO銘柄のディスカウント率は、
- 日本ホテル&レジデンシャル、東海道リート:2.5%
- ユナイテッドアーバン、日本プライムリアルティ、日本ビルファンド: 2.0%
でした。
注意点として、どの証券会社でも購入できるわけでなく、主幹事(今回は、SMBC日興証券、みずほ証券、大和証券)はじめ、引受人の証券会社で購入申込可能です。
早ければ、3/3(火)の夕刻に、法人側から発行価格等のお知らせが適時開示であります。このブログ記事も更新しますので、チェックしてくださいね💖
| 発行価格等決定日 | 2026 年3月3日(火)から5日(木)までの間のいずれかの日 |
| 受渡期日 (POで買った場合はこの日から売却可能) | 2026 年3月10日(火)から 12日(木)までの間のいずれかの日。 ただし、発行価格等決定日の5営業日後の日 |
| ①公募による新投資口の発行 (一般募集)数量 | 848,991口 ※国内共同主幹事会社及び海外引受会社の買取引受けの対象投資口数:807,000 口 海外募集におけるにおける海外引受会社に付与する追加発行投資口数:41,991 口 (発行済み投資口数 5,097,006 口 の約16.6%) |
| ②投資口の売出し (オーバーアロットメントによる売出し) 数量 | 38,709 口(上限) ※上記の「発行価格等決定日」に決定。 SMBC日興証券が売出す。 |
| ③第三者割当による新投資口の発行 数量 | 8,359口(申込みがなかった口数は発行されない。) ※SMBC日興証券に割当 |
| 調達資金手取り概算額(上限) | 695 億円 |
| 発行価格 | (決定後記載) |
| ディスカウント率 | (決定後記載) |
| 申込単位数量 | 1 口 |
| 主幹事 | SMBC日興証券、みずほ証券、大和証券 |
【新投資口発行の目的及び理由】
- 同投資法人は、「安定性とアップサイド・ポテンシャル」が両立するポートフォリオの構築を目指しており、2/25付「国内不動産信託受益権の取得及び貸借に関するお知らせ(ハイアット リージェンシー 東京)」にて公表した資産の取得は、その方向性に合致するものと考えている。
- また、同投資法人は従前より、資産の取得に際してはエクイティ(株主資本)及びデット(負債)を適切に組み合わせた資金調達を行うことを基本方針としており、今回も一貫して同じ方針に基づく資金調達を予定している。
- 上記に記載した資産の取得等のための資金調達を実施するにあたり、財務の健全性の確保、マーケット動向及び1口当たり分配金の水準等も勘案の上、今回の新投資口の発行を決定した。
としています。
今回の資金調達によって、フルサービス(総合型)ホテル1物件(ハイアット リージェンシー 東京)の計1物件(取得予定価格 1,260億円)を2026年3月に取得予定です。
取得後のポートフォリオの合計は、52物件、取得金額は6,413億円に拡大します。
今回増資される投資口数は、発行済み口数の約16.6%(第三者割当を含めると、最大約17.4%)で、
直近のホテル特化型J-REITの、公募増資の発行済み総口数に対する割合(第三者割当を含む)は、
インヴィンシブル 13.9%(2024年7月実施)、日本ホテル&レジデンシャル 32.1%(2024年12月実施)、日本ホテル&レジデンシャル 39.0%(2025年12月実施)でしたので、それらと比較すると中規模の増資です。
また、この銘柄の直近の出来高(売買が成立した投資口の数量)の5日平均は16,864口、25日平均は18,097口(2/26時点)で、流動性は高い水準です。(※1日 1,000口を平均水準としています。)
【過去の公募増資結果】
ご参考までに、この投資法人は過去にも公募増資を実施しており、その時の結果は表2の結果になっています。
(※売買手数料は考慮していません。)
| 受渡 期日 | 発行 価格 [円] | ディス カウント率 [%] | 受渡日 始値[円] (増減率[%]) | 受渡日 終値[円](同) | 1週間後 の始値[円] (日付) | 損益[円] (騰落率 [%]) |
| 2024/ 7/4 | 75,558 | 2.0 | 79,200 (+4.8) | 80,500 (+6.5) | 77,000 (7/11) | 1,442 (+1.9) |
POで購入し、受渡日の寄付と大引や1週間後の寄付で売却した場合は1.9~6.5%の損益プラスの結果でした。
その時の地合いに良し悪しも影響してくると思いますので、ご参考まで。
【参考記事】
- 前回(2024年7月)の記事:【公募増資・売出(PO)は買いか?】ジャパン・ホテル・リート投資法人(8985) <2024年7月実施>
- 前回の振り返り:【結果検証:公募増資・売出(PO)は買いか?】平和不動産リート(8966)、星野リゾート・リート(3287)、ジャパン・ホテル・リート(8985)
どんな投資法人?

中長期的な観点から着実な成長と安定した収益の確保を目指し、資産の運用を行うことを基本方針とした、ホテル特化型のJ-REITです。
「国内レジャー客」及び「訪日外国人レジャー客」の需要の取込みが中長期的に期待できる地域において高い競争力を持つホテル用不動産等の取得や、
ポートフォリオ全体の収益力、安定性、質の向上を通じ、投資主価値の最大化を目指しています。
【J-REITの簡単な説明】
投資信託の仲間であり、我々投資家は、東京証券取引所でJ-REIT(不動産投資法人)商品を購入し、J-REITが、商業施設やホテル、住宅などの不動産を保有・運営してその家賃収入や売却益を得て、その収益の中から分配金として投資家に配分されるもの。
J-REITは全体的に、高配当な銘柄が多く存在します。そして、分配月もばらけていますので、複数のJ-REITを保有すると分散投資にもなりますし、ほぼ毎月分配金をいただける嬉しい状況になります。
【成長戦略】
同投資法人は、以下の成長戦略に則り、投資主価値の最大化を目指しています。
<外部成長戦略>
- 「国内レジャー客」及び「訪日外国人レジャー客」の需要の取込みが中長期的に期待できる地域において高い競争力を持つホテル用不動産等の取得
(重要な投資対象)
運営及び管理ノウハウ、投下資本、立地の制約から参入障壁が高い「フルサービスホテル」及び「リゾートホテル」
(戦略的投資地域)
北海道エリア、東京及びベイエリア、大阪・京都エリア、福岡エリア、沖縄エリア - ポートフォリオ全体の収益力、安定性、質の向上
<内部成長戦略>
アクティブ・アセットマネジメント戦略の着実な実行による「安定性」と「アップサイド・ポテンシャル」の両立
- アップサイドを実現する「アクティブ・アセットマネジメント戦略」の立案及び実施
- 安定収益の確保を実現する資本的支出の立案、実施、及び賃借人のモニタリング
<財務戦略>
- 財務の健全性及び安定性確保
- レンダーフォーメーション(調達先金融機関の構成)及び金融機関との関係強化
- 資金調達手法の多様化
としています。
【ポートフォリオの概要】
(2026年2月25日現在)
ポートフォリオの合計 物件数(全てホテル):51件、取得価格:5,153億円、総客室数:14,130室、1ホテルあたり客室数 平均277室
(以下は、取得価格ベース)
<ブランド別比率>
- ヒルトン 35.2%
- オリエンタルホテル 18.6%
- ホテル日航/ホテルJALシティ 6.5%
- ホリデイ・イン(IHG) 5.2%
- メルキュール/イビス(アコー) 4.7%
- シェラトン 3.4%
- ドーミーイン等(共立メンテナンス) 2.9%
- the b 2.4%
- その他 21.2%
となっており、「ヒルトン」が4割弱、「オリエンタルホテル」が2割弱を占めています。
<タイプ別比率>(取得価格ベース)
- フルサービスホテル 50.5%
- リミテッドサービスホテル 31.1%
- リゾートホテル 18.3%
となっており、「フルサービスホテル」が5割を占めています。
<地域別比率>
- 東京 22.7%
- 関東(東京除く) 15.7%
- 大阪 10.0%
- 沖縄 16.0%
- 関西(大阪除く) 6.7%
- 九州(沖縄除く) 17.0%
- 北海道 4.4%
- 中国 4.2%
- 中部 3.4%
となっており、「東京」が最も多く2割強、次に「九州(沖縄除く)」「沖縄」「関東(東京除く)」が多く、それぞれ2割弱となっています。
直近の運用状況

【2025年12月期の運用状況と2026年12月期の見通し】
(2026年2月25日発表)
| 決算期 | 営業 収益 [億円] (前期比 増減率 [%]) | 営業 利益 [億円] (同) | 経常 利益 [億円] (同) | 当期 純利益 [億円] (同) |
| 2024年12月期 実績 | 334 (26.0) | 207 (38.4) | 182 (39.1) | 182 (39.1) |
| 2025年12月期 実績 | 455 (36.1) | 310 (49.4) | 267 (46.4) | 271 (48.6) |
| 2026年12月期 法人予想 (2026年2月25日 修正) | 509 (11.9) | 342 (10.3) | 279 (4.4) | 279 (2.8) |
表3のとおり、前期比 増収増益で、営業収益は4割弱増、利益面は5割弱増で着地しました。
今期(2026年12月期)通期予想は、今回のPO発表時に上方修正(表4参照)しており、
前期比 増収増益で、営業収益は1割強増、利益面は微増~1割増を見込んでいます。
【前期(2025年12月期)の運用状況】
<運用実績>
国内の宿泊・観光マーケットは、堅調な国内宿泊需要に加え、訪日外国人(以下「インバウンド」)の数についても、2025年の年間で推計4,268万人、前年比+15.8%(日本政府観光局(JNTO))となり、年間における過去最高のインバウンド数を更新しました。
2025年7月に日本で大災害が起こるとの風説により香港を中心としたインバウンドが一時的に減少したほか、同年11月に中国政府が日本への渡航自粛を要請したこと等により同月以降の中国からのインバウンドには一部影響がみられたものの、
日本への旺盛なインバウンド需要のトレンド自体に変化はなく、インバウンド数の増加は継続しました。
また、宿泊旅行統計調査(観光庁)における国内宿泊施設の延べ宿泊者数(速報値)のうち、
2025年の日本人延べ宿泊者数は476百万人泊(前年比△3.8%)と底堅く推移した一方で、2025年の外国人延べ宿泊者数は177百万人泊(同+7.8%)と前年を超える水準で推移しました。
結果として、2025年の国内宿泊施設の延べ宿泊者数は653百万人泊(同△0.9%)となりました。
このような良好な環境のもと、同投資法人は、2025年1月に博多中洲ワシントンホテルプラザ(譲渡価格4,610百万円)を売却し、2025年2月にヒルトン福岡シーホーク(取得価格64,350百万円)を取得しました。
固定賃料のみの普通借家契約により賃料の上昇余地が限定的であった博多中洲ワシントンホテルプラザを売却するとともに、
国内外のレジャー需要が中長期的に期待できる地域において高い競争力を持つホテルであるヒルトン福岡シーホークを取得したことにより、同投資法人のポートフォリオの質の向上を図りました。
内部成長については、同投資法人は、ホテルを運営する各ホテルの賃借人及びオペレーターとの緊密なコミュニケーションを通じ、
客室改装を活かした宿泊単価の引き上げや、効果的なマーケティング施策・精緻なレベニューマネジメント(需要に応じて価格を変動させ、収益を最大化する管理手法)に伴う国内外レジャー需要の高単価での取り込みなどにより、収益向上を図りました。
併せて、運営コストの削減のための施策等にも継続して取り組み、利益率の向上に努めました。
また、同投資法人は、内部成長戦略の一つとして、収益向上及び競争力強化などを目的に戦略的CAPEX(企業が将来の成長や競争力強化を目的として行う設備投資や長期的な資産への支出)を実行しています。
成長期待の高いホテルを選別し、客室やレストラン等の売上の増加を企図した戦略的CAPEXを実行することで、改装によるホテル収益の向上を図りました。
このような取組みの結果、同投資法人が保有するホテルの業績について、当期の変動賃料等導入28ホテルのRevPAR(※1)は18,545円(前年比+14.3%)、GOP(※2)は29,497百万円(同+16.5%)となり、いずれも前年を大きく上回りました。
※1:「RevPAR」とは、販売可能客室数当たり宿泊部門売上(Revenue Per Available Room)をいい、一定期間の宿泊部門売上高合計(サービス料を含みます。)を同期間の販売可能客室数合計で除したものをいう。
※2:「GOP」とは、Gross Operating Profit(売上高営業利益)であり、ホテルの売上高から人件費、一般管理費等ホテルの運営にかかる費用を控除した残額をいう。
<資金調達の状況>
当期においては、2025年2月に、ヒルトン福岡シーホークの取得資金に充当するため、643億円の新規借入れを行いました。
当該借入れについては、借入期間を最長約7年とし、借入期間の長期化及び返済期限の分散を図りました。
併せて、当期に返済期日が到来した既存借入金について、合計310億円の借入れを実行し、最長9年となる長期借入金による借換えを実現しました。
うち194億円については、グリーンローン(環境改善や持続可能な事業に限定して資金を調達する融資)による借換えを行っています。
また、2025年9月に償還期限を迎えた第13回無担保投資法人債2,800百万円については、同年9月に第14回無担保投資法人債(グリーンボンド)1,800百万円と第15回無担保投資法人債800百万円を起債し、償還に充当した上で、残額については、手元資金により償還しました。
なお、一連の資金調達のうち873億円については、固定金利による調達又はスワップ契約締結による金利の固定化を実施しました。
これにより、当期末時点における有利子負債残高は2,693億円、うち1年内返済予定の長期借入金227億円、長期借入金2,129億円、1年内償還予定の投資法人債131億円、投資法人債206億円となっており、
当期末時点の当期末時価LTV(※3)は35.3%(前期末比 5.1ポイント増)、当期末時点における有利子負債総額に対する固定金利比率は80.1%(同 6.9ポイント増)となりました。
※3:期末時価LTV=期末有利子負債額/期末総資産額×100
【今期(2026年12月期)の見通し】
日本経済の先行きについては、物価上昇の継続や米国の通商政策による景気の下振れリスクなどに留意する必要があるものの、
雇用・所得環境の改善や政府の各種政策の効果が、緩やかな回復を支えていくことが期待されます。
国内の宿泊・観光マーケットについては、国内宿泊需要は引き続き底堅く推移することが期待されます。
インバウンド需要については、中国の動向に伴う影響が一定期間想定されるものの、他の国・地域からのインバウンド数の拡大により、旺盛なインバウンド需要は継続すると同投資法人は考えています。
同投資法人は、堅調な宿泊マーケットにおける積極的な需要獲得に努め、効果的なマーケティング施策や精緻なレベニューマネジメントを継続し、国内外レジャー需要を高単価で取り込むことにより、宿泊部門の売上の増加を目指しています。
併せて、非宿泊部門においても、改装等のハード面とサービス向上等のソフト面での両輪の効果的な取組みによって、売上の増加を図る方針です。
コスト面については、これまで賃借人及びオペレーターと協働して実現してきた、各ホテルの業務の見直し等による効率的な運営を継続するとともに、リソースの最適化を図り、収益性の向上に努める計画です。
さらに、特に成長期待の高いホテルを選別し、客室等の売上の増加を企図した戦
略的CAPEXによるリノベーションを実施していく予定です。
同投資法人は、世界的に海外旅行の潜在的需要は大きく、インバウンドの宿泊需要は中長期的に成長を続けるものと見込んでおり、宿泊・観光マーケットは拡大していくと考えています。
また、個別ホテルの立地や競争力、オペレーターの能力(他のホテルとの差別化、コスト管理も含めた収益力の向上、需要の取込み等を実行する能力)に加え、とりわけ同資産運用会社のアセットマネジメント力が、ホテルの業績の差別化につながると考えています。
このような環境認識のもと、同投資法人は同資産運用会社と共に、ホテル特化型J-REITとしてこれまで培った経験を活かした差別化戦略を継続して実行し、以下の運用を行っていく方針です。
<内部成長>
主に固定賃料により「安定性」を確保するとともに、ホテルの特性に即したブランドの採用やホテルマネージメントジャパングループとの連携等の多様な手段により、物件収益力と資産価値の向上を能動的に図るアクティブ・アセットマネジメント戦略の実行を通じて、「アップサイド・ポテンシャル」を追求する方針です。
固定賃料物件においては、各ホテルが立地するマーケットの賃料水準あるいは賃借人の信用力及び賃料負担力を踏まえた適正な賃料の設定・維持に引き続き注力していくとともに、宿泊マーケットの状況に応じて賃料引上げ(売上歩合賃料の導入を含む。)を目指していく方針です。
変動賃料物件や運営委託方式の物件においては、アクティブ・アセットマネジメント戦略の実践により変動賃料等の増加を図っています。
<外部成長>
「国内外のレジャー需要」が中長期的に期待できる地域における高い競争力を持つホテル用不動産等(ホテル・アセット)の取得を目指しています。
また、安定的な収益を確保するとともに、アップサイドの実現を図るため将来の成長性を意識したポートフォリオを構築する方針です。
また、物件の取得に際し、当該ホテル・アセットの建物及び設備といったハード面、ホテル賃借人及びホテル運営受託者の信用力(ホテル賃借人の賃料負担力を含む。)、運営及び管理能力といったソフト面
並びに需要の安定性及び成長性の基盤となるロケーションの面での優位性を重視しています。
<財務戦略>
財務の安定性・健全性の向上に注力し、緊密なコミュニケーション等により、取引金融機関との信頼関係の維持・向上し、レンダーフォーメーションの強化を図る方針です。
ホテルマーケットの更なる成長期待がある中、引き続き、借入コストに留意しながら、一定の固定金利比率の確保、借入期間の長期化及び返済期限の分散化を目指しています。
併せて、新規借入先の招聘や資本的支出の適正なコントロール等により、財務基盤の強化を図っていく方針です。
LTVについては、時価LTVによるレバレッジコントロールを行い、原則として時価LTV40%を上限に運用を行っていく方針です。
また、投資法人債の発行、グリーンファイナンスによる調達等の検討も含め、資金調達手段の一層の多様化を図っていくとしています。
【2024年12月期運用状況の予想の修正】
今回のPOと、2026年3月に予定している資産取得(国内ホテル1物件(ハイアット リージェンシー 東京)に伴い、
2026年12月期中間期(2026年1月~6月)と2026年12月期通期(2026年1月~12月)の運用状況の修正をしています。
2026年12月期通期の運用状況予想は、表4です。
| 営業 収益 [億円] | 営業 利益 [億円] | 経常 利益 [億円] | 当期 純利益 [億円] | 1 口当たり 分配金 [円] | |
| 前回 (2026/1/22) 発表予想 | 448 | 294 | 242 | 242 | 5,177 |
| 今回修正予想 | 509 | 342 | 279 | 279 | 5,177 |
| 増減額 | 61.3 | 47.9 | 36.9 | 36.9 | - |
| 増減率[%] | 13.7 | 16.3 | 15.2 | 15.3 | - |
前回発表予想から、営業収益は1割強、利益面は2割弱の増額をしています。
今回の公募増資による新規取得資産は取得金額で約24.4%の増加率(5,153→6,413億円)からすると、
営業収益と利益面の増額修正の割合はこれに比べて見劣りしており、物足りない印象です。
また、分配金予想は前回予想から変わらずです。
【格付けの状況】
(2025年12月31日現在)
- 日本格付研究所(JRC):長期発行体格付「A+」(ポジティブ)
(※A:債務履行の確実性は高い。) - 株式会社格付投資情報センター(R&I):発行体格付「A」(ポジティブ)
(※A:信用力は高く、部分的に優れた要素がある。)
投資口価格の動向

【2026/2/26(木)終値時点の数値】
- 投資口価格(1口当たり):85,700円
- 信用倍率(信用買い残÷信用売り残):41.6倍
- 年間分配金(法人予想):5,177円(年1回 12月)、利回り:6.04%
分配金利回り 6.04%(予想)は、上場株式の利回り(東証プライムの単純平均:2.13%(2/26時点))と比較すると2倍超の高い水準で、
J-REITの平均予想利回り(4.60%(2026年1月末時点:一般社団法人 不動産証券化協会データより))と比較しても高い水準です。
直近5期の分配金は、表5のようになっており、1口当たり366~5,061円で推移し、連続増配を継続中です。
また、コロナ禍ではホテルの稼働率が落ち込んだため、分配金も極端に減少しましたが、2023年12月期以降はコロナ禍以前の水準に戻っています。
| 決算期 | 1口当たり 分配金 [円] |
| 2021年12月期 | 366 |
| 2022年12月期 | 682 |
| 2023年12月期 | 3,015 |
| 2024年12月期 | 3,937 |
| 2025年12月期 | 5,061 |
【直近の投資口価格推移】
<週足チャート(直近2年間)>
2025年4月に安値(64,800円)をつけるまでは下落基調で推移していましたが、
その後は右肩上がりの上昇基調で、同年11月に高値(91,600円)をつけています。
<日足チャート(直近3か月間)>
昨年12月下旬の配当権利付き最終日(12/26)に高値(87,500円)をつけましたが、権利落ち日に急落し、翌月上旬に安値(80,900円)をつけました。
しかしその後は、高値切り上げ安値切り上げの上昇基調で推移しています。
そして今回のPO発表翌営業日(2/26)は、POによる1口当たり利益の希薄化懸念から、やや出来高を伴い前日比 800円安(-0.92%)と売られました。
今後の投資口価格は、25日移動平均線(赤線)や直近の安値(80,900円)の上をキープし、ヨコヨコから上昇に転じていくのか、割り込んで下値模索をするのか、要注目です。
まとめ

【ファンダメンタルズ】
- 中長期的な観点から着実な成長と安定した収益の確保を目指し、資産の運用を行うことを基本方針とした、ホテル特化型のJ-REITで、
「国内レジャー客」及び「訪日外国人レジャー客」の需要の取込みが中長期的に期待できる地域において高い競争力を持つホテル用不動産等の取得を通じ、投資主価値の最大化を目指している。 - 前期(2025年12月期)の運用状況は、前期比 増収増益で、営業収益は4割弱増、利益面は5割弱増で着地。
- 今期(2026年12月期)の運用状況予想は、今回のPO発表時に上方修正しており、前期比 増収増益で、営業収益は1割強増、利益面は微増~1割増を見込んでいる。
- 今回のPOと資金調達による資産取得により、今期の運用状況予想を前回発表予想から、営業収益は1割強、利益面は2割弱の増額修正をしており、
今回の公募増資による新規取得資産は取得金額で約24.4%の増加率(5,153→6,413億円)からすると、営業収益と利益面の増額修正の割合はこれに比べて見劣りしており、物足りない印象。
【インカムゲイン】
- 分配金の利回り(予想) 6.04%(2/26時点)は、東証プライム上場会社の単純平均2.13%(同)と比較すると2倍超の高い水準で、J-REITの平均的水準と比較しても高い水準。
- 直近5期の分配金は、1口当たり366~5,061円で推移しており、連続増配を継続中。
コロナ禍ではホテルの稼働率が落ち込んだため、分配金も極端に減少したが、2023年12月期以降はコロナ禍以前の水準に戻っている。 - 今回の増資後の今期の分配金は、前回予想から変わらずで前期比 116円増の予想。
【流動性】
- 直近の出来高の5日平均は16,864口、25日平均は18,097口(2/26時点)で、流動性は高い水準。
【投資口価格モメンタム】
- 週足レベルの投資口価格は、2025年4月に安値(64,800円)をつけるまでは下落基調で推移したが、
その後は右肩上がりの上昇基調で、同年11月に高値(91,600円)をつけている。 - 直近の投資口価格は、昨年12月下旬の配当権利付き最終日(12/26)に高値(87,500円)をつけたが、権利落ち日に急落し、翌月上旬に安値(80,900円)をつけた。
しかしその後は、高値切り上げ安値切り上げの上昇基調で推移している。
そして今回のPO発表翌営業日(2/26)は、POによる1口当たり利益の希薄化懸念から、やや出来高を伴い前日比 800円安(-0.92%)と売られました。 - 今後の投資口価格は、25日移動平均線や直近の安値(80,900円)の上をキープし、ヨコヨコから上昇に転じていくのか、割り込んで下値模索をするのか要注目。
以上をふまえ、
| レベル (最低⭐~ 最高⭐⭐⭐⭐⭐) | |
| ファンダメンタルズ | ⭐⭐⭐⭐ |
| インカムゲイン | ⭐⭐⭐⭐ |
| 流動性 | ⭐⭐⭐⭐ |
| 投資口価格モメンタム | ⭐⭐⭐ |
| 総合判定 | ⭐⭐⭐⭐ (買い) |
と判断しました。
参考になればうれしいです!最後までご覧いただき、ありがとうございました。
※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。




