【立会外分売は買いか?】イオン九州(2653) <2025年1月実施>

立会外分売
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こんにちは!

直近で立会外分売の実施を発表した銘柄に関して、分売で買った場合、利益を得ることができるのか?直近の経営状況や客観的な指標、株価モメンタム等を踏まえ、総合的に分析しました。

今回は、東証スタンダードから小売業種のイオン九州です。

最後までお付き合いいただけるとうれしいです!

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  • 立会外分売とは?
新規株主を増やすことを目的として、上場会社が大株主である銀行やオーナー経営者などの保有株を小口に分けて、証券取引所の立会外で不特定多数に売り出すこと。
取引開始前など取引時間外(=立会外)に売り出されることからこのように呼ばれる。
  • 立会外分売の魅力
    • 前日終値より安く購入可能
      • 立会外分配における買付側の購入価格は確定値段(1本値)で、分売実施日の前日終値よりディスカウントされるのが一般的。過去の例では、約3~5%のディスカウントで実施されています。
        (ディスカウント率は取引所の規定により最大10%)
    • 買付手数料はかからない
      • 立会外分売による買付は、通常の立会時間内の取引と種類が異なるため一般的に手数料はかからない。(売却時には通常の手数料が発生)
    • 即日売却OK
      • 立会外分売で取得した株式は、実施日(買付当日)から売却することが可能
  • デメリット:抽選で外れることもある
    • 買い申し込みが多いと、抽選ではずれて購入できないこともある。

立会外分売の概要

まとめ

実施日や株数は以下です。販売価格は、会社側から実施日前日に発表があります。

分売数量は決まっていて、100株単位で最大10,000株まで購入できます。

早ければ、1/28(火)の夕刻に、会社側からの適時開示で分売値段のお知らせがあります。このブログでも追記しますので、チェックしてくださいね💖

分売予定期間2025 年 1 月 29 日(水)~ 30 日(木)
分売数量867,200
(発行済み株式総数 34,833,558 株の約2.48%
分売値段(決定後記載)
ディスカウント率(決定後記載)
申込単位数量100 株
申込上限数量10,000 株
表1:イオン九州(2653) 立会外分売概要

【立会外分売実施の目的】

  • スタンダード市場の上場維持基準(流通株式比率)を充たすべく、同社株式の分布状況の改善および流動性の向上を図るため

としています。

同社が2024年5月30日に開示した、IR資料「上場維持基準の適合に向けた計画に基づく進捗状況について」によると、

2024 年2月期末時点において、東証スタンダードの上場維持基準の指標の内、「流通株式比率」の基準が25.0%以上のところ16.5%この基準を満たしておらず

各種取組みを行い、2025年度(2026年2月期)を目処に計画達成を目指すとしており、

前回(2024年11月実施)の分売で、同社株式総数の約3.5%分(122万株)を市場に流通させ、「流通株式比率」を増加させる目論見だったのですが、

そのうち、35.3万株しか実施されておらず、今回は前回の残りの株数(86.7万株)の分売を実施するものです。

今回の分売数量は、発行済み株式総数の約2.48%ほどほどの数量(※1)です。

※1:一概に言えませんが、目安として、5%以上:かなり多い、3%以上5%未満:多い、1%以上3%未満:ほどほど、1%未満:少ないとしています。

また、この銘柄の流動性は、直近の出来高(売買が成立した株式の数量)の5日平均は396百株、25日平均は220百株(1/22時点)で、流動性は低い水準です。

そして、今回の分売数量(8,672百株)は、1日の出来高(25日平均:220百株)の約39倍で、この銘柄の平均的な出来高からすると分売数量は多めといえます。

【過去の立会外分売の結果】

ご参考までに、この会社は、昨年11月に立会外分売を実施しており、その時の分売値段と分売日以降の株価の動きは、表2のようになっています。

※売買手数料は考慮していません。

分売日分売
株数
[万株]
分売
値段
[円]
ディス
カウント

[%]
分売日
始値
[円]
(騰落率

[%])
分売日
終値

[円]
(同)
1週間後の
始値
[円]
(日付)
損益
[円]
(騰落率

[%])
2024年
11月21日
35.32,6182.982,618
(±0)
2,613
(-0.2)
2,619
(11/28)
+1
(+0.0)
表2:イオン九州 過去の分売価格とその後の価格

分売値段で購入し、分売日の寄付又は大引分売日1週間後の寄付で売却した場合、損益率は-0.2+0.0%となっており、ほぼトントンの結果でした。

その時の地合いの良し悪しも影響してくるとは思いますが、ご参考まで。

【参考記事】

(前回の記事):【立会外分売は買いか?】イオン九州(2653)

(前回の振り返り):【結果検証:立会外分売は買いか?】佐藤食品工業(2814)、かんなん丸(7585)、イオン九州(2653)

どんな会社?

親会社であるイオン株式会社を中心とする企業集団イオングループに属し、九州地区におけるグループの中核企業として、衣料品、食品、住居余暇商品、ホームセンター商品等を販売する小売業を展開しており、

販売する商品及び販売形態により「スーパーマーケット・ディスカウントストア、総合スーパー(以下SM・DS、GMS)」「ホームセンター(以下HC)」「Food&Drug」の事業を主に展開している会社です。

同社は「SM・DS、GMS」事業の単一セグメントで、業態により、

  • SM・DS、GMS
    衣料品(衣料品、靴、鞄、服飾雑貨等)、食品、日用雑貨品、住居余暇商品(情報通信機器、化粧品、医薬品、日用雑貨、寝具、バス用品等のホームファッション、消耗品等)の販売
  • HC
    建材、木材、補修材、家庭用品、ペット用品、園芸用品、食品等を販売
  • その他
    食品、自転車関連商品等の販売、飲食サービスの提供。
    併せて、上記の店舗においてテナントの管理・運営や保育所および託児所等の経営。
    また、イオングループ各社とは、商品の仕入、店舗の賃借、同社店舗内へのテナント入店等の取引
  • Food&Drug(子会社:イオンウエルシア九州株式会社)
    食品、衣料品、化粧品、家庭用雑貨品等を販売

を行っています。

2024年2月期通期の製品およびサービス毎の売上高構成比は、

  • 衣料品 8.7%
  • 食品 77.6%
  • 住居余暇商品 9.9%
  • ホームセンター商品 3.7%
  • その他 0.2%

となっており、「食品」が8割弱を占めています。

直近の経営概況

経営状況

【2025年2月期3Q(2024年3月~11月)の経営成績】

(2025年1月10日発表:日本基準(連結))

決算期営業収益
[億円]
(前年
同期比
増減率
[%])
営業
利益
[百万円]
(同)
経常
利益
[百万円]
(同)
親会社株主
に帰属する
当期純利益

[百万円]
(同)
2024年2月期
3Q累計 ※2
3,765
(ー)
6,664
(ー)
6,881
(ー)
4,323
(ー)
2025年2月期
3Q累計
3,919
(4.1)
3,301
(△50.5)
3,495
(△49.2)
2,289
(△47.1)
2025年2月期
通期会社予想
(2025年1月21日
修正)
5,300
(3.8)
9,000
(△13.3)
9,300
(△11.7)
5,300
(△24.5)
通期予想に対する
3Qの進捗率[%]
73.936.637.543.1
表3:イオン九州 2025年2月期3Q経営成績(連結)と2025年2月期通期予想
※2:2024年2月期より連結財務諸表を作成しているため、2024年2月期3Qにおける対前年同期増減率については記載なし。

表3のように、前年同期比 増収減益で、営業収益は微増利益面は5割前後の減益でした。

今期(2025年2月期)通期の業績は、今回の立会外分売発表と同時に、純利益を除く各指標は下方修正純利益は上方修正しており、

前期比 増収減益で、営業収益微増利益面は1割強~2割強減を予想しています。

その通期予想に対する進捗率は3Q終了時点で、営業収益7割強でそこそこ利益面は割前後で遅れ気味です。

【2025年2月期3Qの状況、経営成績の要因】

同社が経営基盤としている九州においては、インバウンド需要の増加に加え、半導体関連産業を中心とした設備投資の活発化による地域経済への波及効果が生じつつありますが、

物価の上昇に伴う消費者の節約志向の強まり、業界の垣根を越えた競争の激化やM&Aによる寡占化など同社を含む九州のスーパーマーケット業界を取り巻く経営環境は厳しさを増しています

このような状況のもと、同社は「私たちの『たからもの』九州をもっと―。」というパーパス及び「お客さま満足と従業員の自己実現のため、絶えず『変革』と『挑戦』を続け、九州の成長とくらしの豊かさに貢献する。」という経営理念に基づき、

中期経営計画達成に向けて「成長領域へのシフト」「商品改革」「既存資産の魅力度向上」「生産性・経営効率の向上」「サステナブル経営の推進」を重点施策として取り組みを進めています。

店舗面では、当3Q連結累計期間において新たに12店舗を出店したほか、「イオンモール香椎浜(福岡県福岡市東区)」の敷地内に新たな商業施設「Kashii iina Terrace(かしい いーな てらす)」を開業しました。

このうち、中期経営計画において福岡市内への高速出店を目指している都市部小型スーパーマーケット「マックスバリュエクスプレス」は当3Q累計期間において新たに3店舗を出店し、累計15店舗となりました。

また、調剤併設型ドラッグストアと生鮮食品・弁当・惣菜を扱うスーパーマーケットを融合したフード&ドラッグ「ウエルシアプラス」については当3Q累計期間において新たに2店舗を出店累計7店舗となりました。

一方で、今後の成長に向けたスクラップ&ビルド等の取り組みとして10店舗を閉鎖したことで、11月末における店舗数は339店舗前期末比1店舗増)となりました。

売上高は、衣料品・住居余暇商品を中心に季節性の高い商品群が天候影響を受けたものの、新規出店に加えて、売上構成比の高い食料品の売上が堅調に推移したことで、

前年同期比104.2%単体業績では前年同期比103.7%となり、3Q累計期間として過去最高を更新しました。

商品別の動向では、衣料品・住居余暇商品は、6月の定額減税開始にあわせたセールスや猛暑対策商品の展開拡大、11月はブラックフライデーセールスを強化するなど消費喚起施策により、当該セールス期間の売上は好調だったものの、

1Qにおいては3月の天候影響に加えて前年のトラベル関連商品需要の反動

3Qにおいては10月の記録的な高気温等の影響により売上は伸び悩みました。

一方で、売上構成比の高い食料品では、日常消費に対する節約志向の高まりへの対応として、

「しあわせプラス(応援価格)」をはじめとする生活応援施策の品目数拡大や取引先と連携したオリジナル商品の展開「トップバリュベストプライス」の展開強化など、

値ごろ感を重視した訴求を強化したことで、売上は引き続き堅調に推移しました。

また、販売促進面では、イオングループの公式トータルアプリ「iAEON」の新規会員獲得アプリクーポン企画などの販促施策強化により需要喚起に努めました。

これらの取り組みにより、既存店の売上高は前年同期比で1Q 101.5%2Q 103.8%3Q 104.4%と伸長しました。

営業総利益は、戦略的に生活応援施策を強化したことで売上総利益率は前年同期に比べ0.3%低下したものの、売上高が伸長したことで売上総利益額は前年同期比102.9%となりました。

また、ショッピングセンター全体の集客に努めたことで、その他の営業収入前年同期比102.1%となり、営業総利益は同102.7%となりました。

販売費及び一般管理費は、新規出店や既存店活性化の推進など今後の成長に向けた先行投資に伴う減価償却費の増加に加え、

人的投資を積極的に実施した結果としての人件費の増加、前期より出店を開始したイオンウエルシア九州株式会社における先行投資に係る経費が増加しました。

また、高騰する電気代への対応として省エネ投資の推進による電気使用量の低減に努めましたが、

特に夏場以降の気温が高く推移した影響で電気使用量が増えたことに加え、政府による補助金が前年度より減額された影響もあり、3Qにおける既存店の水道光熱費は前年同期比115.1%となりました。

一方で、セルフレジや電子棚札等のDX投資や省力化什器の積極的な導入による効果創出に努めたことで店舗の総人時の低減が進み、人時生産性は前年同期に比べて1Q 102.0%、2Q 103.6%、3Q 104.2%改善傾向にあり、直近の11月度は108.0%と大きく改善しました。

以上の結果、当中間期連結会計期間の連結業績は、売上高にその他の営業収入を加えた営業収益が3,919億円(対前年同期増減率4.1%となり、過去最高を更新しました。

営業利益は33.0億円(同△50.5%経常利益は34.9億円(同△49.2%親会社株主に帰属する中間純利益22.8億円(同△47.1%となりました。

【財政面の状況】

自己資本比率>(自己資本(総資本-他人資本)÷総資産)×100

2025年2月期3Q末時点で27.3%と前期末(29.2%)から1.9ポイント低下しました。

主な負債と純資産の、前期末比の増減は以下となっています。

  • 負債 (億円)
    • 流動負債 +192
      (内訳)支払手形及び買掛金 +1151年内返済予定の長期借入金 +46.2
    • 固定負債 △51.6
      (内訳)長期借入金 △42.8
  • 純資産(億円)
    • 株主資本 +5.4
      (内訳)利益剰余金 +3.4自己株式 +2.0(自己株式数は減少)

自己資本比率の数値としては危険水域に近いレベルです。(20%以上を安全圏内としています。)

【今期(2025年2月期)通期業績予想の修正】

今回の立会外分売発表と同時に、2025年2月期通期の業績予想売上高は下方修正、利益面は営業利益と経常利益は下方修正純利益は上方修正しています。

2025年2月期通期の業績予想は表4です。

売上高
[億円]
営業
利益
[百万円]
経常
利益
[百万円]
親会社株主に
帰属する
当期純利益

[百万円]
1株当たり
当期純利益

[円]
前回(2024/4/10)
発表予想
5,34010,60010,6005,100148.95
今回修正予想5,3009,0009,0005,300155.91
増減額△40.0△1,600△1,300200
増減率[%]△0.7△15.1△12.33.9
表4:イオン九州 2025年5月期通期業績予想数値の修正(2024年12月25日発表)

前回予想と比べ、売上高は微減、利益面は営業利益と経常利益は1割強の減額純利益は微増の増額修正をしています。

修正の理由は、

  • 当期は今後の成長に向けた新規出店、既存店活性化を推進するとともに、生活必需品に対する消費者の生活防衛意識の高まりへの対応として「しあわせプラス(応援価格)」やトップバリュベストプライス商品等の生活応援施策、ブラックフライデーセールス等の販促施策等により需要を喚起してきたことで、
    既存店の売上高前年同期比は1Q 101.5%、2Q 103.8%、3Q 104.4%、同社における最大商戦となる4Qにおいても、足元の 12 月度は前年同月比105.2%となるなど、下半期の営業収益ほぼ当初計画通り進捗している。
  • 一方で、顧客の節約志向に対応するために生活応援施策を戦略的に強化したことで売上総利益率が前年同期を下回り、3Q累計期間における営業総利益は前年同期比 102.7%と増加したものの、当初想定を下回って推移している。
  • また、経費面では、セルフレジや電子棚札等の店舗 DX投資や省力化什器の積極的な導入による生産性向上を図り、人時生産性は前年同期に比べて1Q 102.0%、2Q 103.6%、3Q 104.2%、足元の 12 月度は 106.8%と改善傾向にあるものの、
    人的資本投資を積極的に実施した結果としての人件費の増加、新規出店や既存店活性化の推進、店舗 DX投資の推進等、今後の成長に向けた先行投資に加え、夏場以降の高気温に伴う電気使用量の増加など、各種コストの上昇を補うまでにはいたらず営業利益、経常利益は当初の計画を下回る見通しとなった。
    当期純利益については当初計画を上回る見込み。

としています。

なお、配当予想に関しては修正はありませんでした。

株価指標と動向

株価指標

【2025/1/22(水)終値時点の数値】

  • 株価:2,748円
  • 時価総額:957億円
  • PER(株価収益率(予想)):20.7倍

PERは、同業で時価総額が近い、フジ(8278) 22.4倍、イオン北海道(7512) 25.5倍、天満屋ストア(9846) 9.4倍と比較すると、中間的な水準です。

  • PBR(株価純資産倍率):1.83倍
  • 信用倍率(信用買い残÷信用売り残):ー(信用売り残無し)
  • 年間配当金(予想):45円(年2回 8月 20円、2月 25円)、利回り:1.63%(配当性向 28.8%)

配当利回り1.63%で、東証スタンダードの単純平均 2.53%(1/21時点) と比較すると低い水準です。

表5のように、直近5年間の配当金は、1株当たり10~50円で推移しており、連続増配を継続中です。

配当性向は、20%台~60%台で推移しており、業績によってばらつきがあります。

決算期1株当たり
年間配当金
[円]
配当性向
[%]
2020年2月期1063.4
2021年2月期1520.1
2022年2月期2025.0
2023年2月期2820.8
2024年2月期50
(内 特別配当5円
記念配当5円)
24.4
表5:イオン九州 年間配当金推移

この会社は、

中長期的な成長を目指し、企業の価値向上と利益配分のバランスの最適化を図ることを重要政策と位置づけ、

経営成績を反映させた配当性向の目安を30%に置き、株主への安定的な利益還元を図るとともに、更なる利益成長に努めていく方針です。

【株主優待】

この会社は株主優待があり、毎年8月末と2月末の年2回(イオンラウンジカードは2月末の年1回)、100株以上保有の株主は、以下の2点が進呈されます。

  1. 株主様優待券(100円券)
    全国のイオンや系列店で使用できる、お買い上げ1,000円ごとに1枚使用可能
    100株以上:50枚、200株以上:75枚、300株以上:100枚、500株以上:150枚、1,000株以上:200枚、3,000株以上:250枚)
  2. イオンラウンジ会員証(「イオンラウンジ」を月8回まで利用可能、1年間有効)

が進呈されます。

100株保有の場合、配当金+株主優待(優待券50枚(5,000円相当)×年2回=10,000円相当)利回りは5.27%になります。

個人投資家にとってうれしい内容ですね!

【直近の株価動向】

<週足チャート(直近2年間)>

2023年2月に安値(2,237円)をつけた後は、しばらく2,400円前後で推移していましたが、翌年の年始から急上昇しはじめ、同年2月に上場来高値(3,545円)をつけました。

しかしその後は調整しており、2,700~3,100円程度のレンジ内で推移しています。

<日足チャート(直近3か月間)>

11/14に高値(2,992円)をつけた直後に立会外分売の発表があり急落し、11/21に安値(2,598円)をつけました。

しかしその後は、高値切り上げ安値切り上げの上昇基調で推移しています。

そして今回の立会外分売と今期業績予想の修正発表の翌営業日(1/22)は、分売による需給悪化を懸念され、窓を開けて出来高を伴い前日比 130円安(-4.52%)と急落しました。

今後は、昨年11月につけた安値(2,598円)を割り込まずに、ヨコヨコから上昇に転じていくのか、割り込んで下値模索をするのか、要注目です。

まとめ

【業績】

  • 今期(2025年2月期)3Qの業績は、売上高は、売上構成比の高い食料品の売上が堅調に推移し3Q累計期間として過去最高を更新したが、
    販売費及び一般管理費は、今後の成長に向けた先行投資に伴う減価償却費の増加に加え、人件費の増加イオンウエルシア九州における先行投資があり、
    前年同期比 増収減益で、営業収益は微増利益面は5割前後の減益
  • 今期通期予想は、今回の立会外分売発表と同時に純利益を除く各指標は下方修正純利益は上方修正しており、
    前期比 増収減益で、営業収益微増利益面は1割強~2割強減を見込む。
  • その通期予想に対する進捗率は、3Q終了時点で、営業収益7割強でそこそこ利益面は割前後で遅れ気味

【株主還元】

  • 配当利回り(予想)は1.63%で、東証スタンダードの単純平均 2.53%(1/21時点) と比較すると低い水準
  • 直近5年間の配当金は、年間1株当たり10~50円で推移しており、連続増配を継続中
    配当性向は、20%台~60%台で推移しており、業績によってばらつきがある。
  • 会社の還元方針は、経営成績を反映させた配当性向の目安を30%に置き、株主への安定的な利益還元を図るとしている。
  • 株主優待があり、毎年8月末と2月末の年2回100株以上保有の株主は、全国のイオン系列店で使用可能な株主優待券(100円券 50枚)イオンラウンジカード(2月末の年1回)の2点が進呈される。
    100株保有の場合、配当金+株主優待(優待券50枚(5,000円相当)×年2回=10,000円相当)利回りは5.27%になる。

【流動性・分売数量】

  • 直近の出来高の5日平均は396百株、25日平均は220百株(1/22時点)で、流動性は低い水準
  • 分売数量は、発行済み株式総数の2.48%ほどほどの数量で、
    この銘柄の1日の平均的な出来高の約39倍であり、それからすると多めの数量

【株価モメンタム】

  • 週足ベースの株価は、2023年2月に安値(2,237円)をつけた後は、しばらく2,400円前後で推移していたが、翌年の年始から急上昇しはじめ、同年2月に上場来高値(3,545円)をつけた。
    しかしその後は調整しており、2,700~3,100円程度のレンジ内で推移している。
  • 直近の株価は、11/14に高値(2,992円)をつけた直後に立会外分売の発表があり急落し、11/21に安値(2,598円)をつけた。
    しかしその後は、高値切り上げ安値切り上げの上昇基調で推移。
    そして今回の立会外分売発表の翌営業日(1/22)は、分売による需給悪化を懸念され、窓を開けて出来高を伴い前日比 130円安(-4.52%)と急落
  • 今後の株価は、昨年11月につけた安値(2,598円)を割り込まずに、ヨコヨコから上昇に転じていくのか、割り込んで下値模索をするのか要注目。

以上のことから、

レベル
(⭐(最低)~
⭐⭐⭐⭐⭐(最高))
業績⭐⭐⭐
株主還元
(配当、株主優待等)
⭐⭐⭐⭐
株価モメンタム⭐⭐⭐
流動性⭐⭐
分売数量⭐⭐⭐
総合判定⭐⭐⭐
(中立)
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」

と判断しました。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。

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