【公募増資・売出(PO)は買いか?】TOKAIホールディングス(3167)

公募増資・売出(PO)
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こんにちは!

公募増資・売出(以下、PO)の実施を発表した銘柄に関して、POに応募して買った場合、利益を得ることができるのか?直近の経営状況や客観的な指標、株価モメンタム等を踏まえ、総合的に分析しました。

今回は、東証プライムから卸売業種のTOKAIホールディングスです。

最後までお付き合いいただけるとうれしいです!

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  • 公募増資・売出(PO)とは?
既上場企業が新たに発行する株式(公募株式)や既に発行された株式(売出株式)を投資家に取得させることをいいます。
正確には、「PO」は「Public(公開の)Offering(売り物)」の略で、日本語では「公募」と呼ばれます。「公募」とは、「不特定かつ多数の投資家に対し、新たに発行される有価証券の取得の申込を勧誘すること」をいいます。
また、「売出」とは、「既に発行された有価証券の売付けの申込み又はその買付けの申込の勧誘のうち、均一の条件で50人以上の者を相手方として行う」ことをいい、通常は「公募」「売出」を合わせて「PO」と呼ばれます。
「新規公開株(IPO)」は未上場企業が直接金融市場からの資金調達や知名度・信用力の向上を目的として証券取引所に新規上場するために一般投資家に株式を取得してもらう行為であるのに対して、「公募・売出(PO)」は既に上場していて証券取引所での株式取引が行われている企業が追加の資金調達や大株主の保有株売却などを目的として一般投資家に株式を取得してもらう行為であり、「新規公開株(IPO)」と「公募・売出(PO)」の違いを簡単にいえば、実施する企業が「未上場」か「既上場」かの違いといえます。

POの概要

まとめ

今回のPOは、大株主(あいおいニッセイ同和損害保険)からの株式の売出しです。売出価格等決定日や受渡期日、売出数量等は表1のようになっています。

ディスカウント率は、「売出価格等決定日」に決まり、その日の終値から数%です。

ちなみに、直近の主なPOのディスカウント率は、JR西日本(9021) 3.01%、ゆうちょ銀行(6178) 2.08%、デンソー(3387) 3.02%となっており、ほぼほぼ2~5%程度です。

ただ、ディスカウント率が大きいPOもあり、直近ではENECHANGE(4169)の8.1%が最大です。

注意点として、どの証券会社でも購入できるわけでなく、主幹事(今回はみずほ証券)はじめ、引受人の証券会社で購入申込可能です。

早ければ、8/27(水)の夕刻に、会社側から売出価格等のお知らせが適時開示であります。

このブログ記事も更新しますので、チェックしてくださいね💖

売出価格等決定日2025年8月27日(水)から9月1日(月)までの間のいずれかの日
受渡期日
(POで買った場合はこの日から売却可能)
売出価格等決定日の5営業日後の日
①株式売出し(引受人の買取引受による売出し)
数量
普通株式 7,559,800 株
発行済み株式総数 139,679,977 株 の約5.41%
②株式の売出し(オーバーアロットメントによる売出し)
数量
普通株式 1,133,900 株(上限の数量)
みずほ証券が売出す。
売出価格(決定後記載)
ディスカウント率(決定後記載)
申込単位数量100 株
主幹事みずほ証券
表1:TOKAIホールディングス(3167) PO概要

【株式売出しの目的】

  • 同社は、2023年5月に公表した「中期経営計画2025」において、
    1. 事業収益力の成長
    2. 持続的成長基盤の強化
    3. 人財・組織の活力最大化
      の3 つのテーマを掲げ、持続的な成長の実現に取り組んでいる。
  • また、企業価値の一層の向上に向け、成長に向けた投資と株主への還元のバランスを取りながら、資本効率を意識した経営を進めている
  • このような取り組みを進める中で、同社が保有する政策保有株式に関しては、個別の銘柄につき、保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っているかを取締役会で毎年定期的に精査し、保有意義が少ない株式については削減、売却を進めている。
  • 他方、株式市場においても、政策保有株式を見直す動きが進んでいるが、今般、同社株主である取引金融機関より同社株式売却の意向を確認した。
    これを受け、最適な株式売却の手法を検討してきたが、同社株式の円滑な売却機会を提供することで、資本市場における同社株主による市場売却の懸念に対応しつつ、株主構成の再構築及び流動性の向上を図るべく、株式の売出しを実施することとした。
  • また、同社は、株主還元の充実、資本効率の向上を図るとともに、本売出しに伴う株式需給への影響を緩和する観点から、取得価額の総額20億円、取得株式の総数2,200千株をそれぞれ上限とする自己株式の取得及び消却を実施することを決定した。

としています。

【株式の売出し数量/流動性】

今回の株式の売出数量は、発行済み株式総数の最大約6.22%(OAを含む)で、

直近の株式の売出のみのPOの売出株数比率(OAを含む)は、黒田グループ 63.7%、古河電気工業 2.54%、トランザクション 8.22%でしたので、それらと比較するとやや少ない数量です。

また、この銘柄の直近の出来高(売買が成立した株の数量)の5日平均は4,103百株、25日平均は2,260百株(8/21時点)で、流動性はやや高い水準です。(1日 1,000百株を平均的な水準としています。)

【自己株式取得と消却】

今回のPOと同時に、自己株式の取得と消却を発表しています。

内容は表2です。

取得期間今回の株式売出しの受渡期日の翌営業日(売出価格等決定日の6営業日後の日)から
2026年3月31日(火)まで
取得株式の総数普通株式 220 万株
発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合 1.67%
取得価額の総額20 億円(上限)
※取得株数の上限で割ると1株あたり909 円換算
取得方法東京証券取引所における市場買付け
表2:TOKAIホールディングス(7818) 自社株買い概要

(自己株式の取得を行う理由)

  • 同社は2023 年5 月に公表した「中期経営計画2025」において、キャッシュ・フローを成長投資に積極的に振り向けるとともに、株主への還元の一環として自己株式取得についても機動的に実施していく方針を掲げている。
  • この度、株主還元の充実、資本効率の向上を図るとともに、今回の普通株式の売出しに伴う株式需給への影響を緩和する観点から、自己株式の取得を実施する。
  • また、将来の株式の希薄化懸念を払拭するため、取得した自己株式(最大220万株)を消却(予定日:2026年4月10日)することとする。

としています。

この自社株買いにより、今回の株式の売出数量最大約869万株)に対し、そのうちの最大約25%を市場で買い入れて一時的な需給悪化の緩和を図っているといえます。

どんな会社?

1950年に都市ガス事業を開始して以来、事業の多角化を進め、LPガス、インターネット、CATV、アクアなど、顧客の生活に密着したさまざまな商品・サービスを幅広く提供している会社です。

また、営業エリア静岡県および関東一円から日本全国へ積極的な面的拡大を展開し、いまやその顧客は342万件にのぼっています。

事業内容は、「エネルギー」「情報通信」「CATV」「建築設備不動産」及び「アクア」の5つのセグメントがあり、それぞれ、

  • エネルギー
    LPガス・LNG・その他高圧ガス及び石油製品の販売、都市ガスの供給、関連商品の販売、関連設備・装置の建設工事、セキュリティ等
  • 情報通信
    ソフトウェアの開発、情報処理サービス、インターネット接続、通信機器販売及び代理店業務等
  • CATV
    放送、CATV網によるインターネット接続等
  • 建築設備不動産
    住宅等の建築、不動産の開発・販売及び賃貸、住宅設備機器等の建築用資材・機器の販売、建物等の附帯設備・装置の建設工事、リフォーム、土木工事、電気工事等
  • アクア
    飲料水の製造及び販売等

を行っています。

2025年3月期通期のセグメント別売上高構成比は、

  • エネルギー 43.5%
  • 情報通信 24.3%
  • CATV 15.0%
  • 建築設備不動産 11.0%
  • アクア 4.0%
  • その他(婚礼催事事業、船舶修繕事業、介護事業、保険事業等) 2.2%

となっており、「エネルギー」が4割強を占めています。

直近の経営概況

経営状況

【2026年3月期1Q(2025年4月~6月)の経営成績】

(2025年8月6日発表:日本基準(連結))

決算期売上高
[億円]
(前年
同期比
増減率
[%])
営業
利益
[億円]
(同)
経常
利益
[億円]
(同)
親会社株主
に帰属する
当期純利益

[億円]
(同)
2025年3月期
1Q累計
562
(4.1)
33.1
(33.6)
34.4
(31.5)
18.7
(39.9)
2026年3月期
Q累計
581
(3.4)
39.4
(18.7)
41.1
(19.5)
24.6
(31.9)
2026年3月期
通期会社予想
2,530
(3.9)
175
(3.9)
175
(0.7)
100
(8.5)
通期予想に対する
1Qの進捗率[%]
22.922.523.424.6
表3:TOKAIホールディングス 2026年3月期1Q経営成績(連結)と2026年3月期通期予想

表3のように、前年同期比 増収増益で、売上高は微増利益面は2割弱~3割強増でした。

今期(2026年3月期)通期の業績は、前期比 増収増益で、売上高は微増利益面は微増~1割弱増を予想しています。

その通期予想に対する進捗率は、1Q終了時点で、売上高利益面ともに2割強でそこそこです。

【2026年3月期1Qの状況、経営成績の要因】

グループ顧客件数の増加等による増収情報通信事業の法人向けストックビジネス拡大に加え、建築設備不動産の受注が順調に推移したこと等により、

売上高581億円(前年同期比+19億円・3.4%増と、5期連続の増収で過去最高を更新しました。

利益面については、グループ顧客件数増加に伴う増益に加え、顧客獲得費用の見直しを図ったこと等により、

営業利益が39億円(同+6億円・18.7%増経常利益が41億円(同+7億円・19.5%増四半期純利益が25億円(同+6億円・31.9%増となり、各利益項目がいずれも過去最高を更新しました。

また、中期経営計画の達成に向け、積極的な顧客獲得活動に取り組んだことにより、

前期末からガス(LP・都市ガス)顧客5,955件の純増CATV顧客が4,694件の純増アクア顧客が6,447件の純増ブロードバンド顧客が2,386件の純増合計で18,398件純増させ、当1Q末における継続取引顧客件数は3,441千件となりました。

【セグメント別の業績】

セグメント別の業績は表4です。

主力のエネルギー「CATV」「建築設備不動産」「アクア」前年同期比 増収増益

「情報通信」増収減益

「その他」増収赤字幅縮小となっています。

セグメント売上高
[億円]
(前年
同期比
増減率
[%])
営業
利益
[百万円]
(同)
エネルギー250
(1.4)
1,389
(39.8)
情報通信146
(4.8)
806
(△2.8)
CATV91.7
(2.2)
15.8
(6.4)
建築設備
不動産
54.8
(8.0)
93
(59.9)
アクア25.1
(10.3)
115
(146)
その他12.7
(6.8)
△15
(赤字幅
縮小
)
表4:2026年3月期1Q セグメント別業績

セグメント別の状況は以下です。

エネルギー

LPガス事業

新規顧客獲得を推進した結果、需要家件数は前連結会計年度末から5千件増加812千件となりました。

この需要家件数の増加等により、売上高は209億円(前年同期比1.8%増となりました。

都市ガス事業

需要家件数は前連結会計年度末並みの74千件となりましたが、産業用の販売量減少等により、売上高は4,056百万円(同1.0%減となりました。

これらにより、当セグメントの売上高は250億円(同1.4%増となり、売上高の増加に加えて顧客獲得費用を含むコスト削減を図り、営業利益は1,389百万円(同39.8%増となりました。

情報通信

コンシューマー向け事業

ISP事業やモバイル事業において、大手携帯キャリアと連携する等、顧客獲得を推進しました。

これらの施策の結果、ブロードバンド顧客は前連結会計年度末から2千件増加し676千件LIBMO(格安スマホサービス)については同1千件増加し80千件となりましたが、

売上高はARPU(1ユーザー当たりの平均売上高)が減少したことにより5,688百万円(同2.7%減となりました。

法人向け事業

キャリアサービス及びクラウドサービスが順調に進捗したことにより、売上高は8,976百万円(同10.1%増となりました。

これらにより、当セグメントの売上高は146億円(同4.8%増となりましたが、ネットワーク原価の増加や体制強化等により営業利益は806百万円(同2.8%減となりました。

CATV

地域密着の事業者として地元の情報発信や番組制作に注力し、魅力的なコンテンツの充実に努めました。

その結果、放送サービスの顧客件数前連結会計年度末並みの922千件となりましたが、通信サービスの顧客件数新規エリアにおいても営業活動を積極的に実施したことで、前連結会計年度末から4千件増加417千件となりました。

建築設備不動産

設備工事事業等が順調に推移しました。

アクア

大型商業施設等での催事営業WEB獲得、テレマーケティング等により更なる顧客基盤の拡充に取り組んだ結果、

顧客件数は前連結会計年度末から6千件増加198千件となりました。

その他

介護事業

利用者数が減少したこと等により、売上高は346百万円(同2.8%減となりました。

船舶修繕事業

売上高は311百万円(同0.5%増となりました。

婚礼催事事業

婚礼事業における売上単価が増加したこと等により、売上高は312百万円(同8.1%増となりました。

【財政面の状況】

自己資本比率>(自己資本(総資本-他人資本)÷総資産)×100

2026年3月期1Q末時点で45.2%と前期末(44.3%)から0.9ポイント増加しています。

主な負債と純資産の、前期末比の増減は以下となっています。(単位:百万円)

  • 負債 △3,601
    • 流動負債 △955
      (内訳)短期借入金 +4,471支払手形及び買掛金 △2,867未払法人税等 △1,283
    • 固定負債 △2,647
      (内訳)長期借入金 △2,442
  • 純資産 +634
    • 株主資本 +237
      (内訳)利益剰余金 +237
    • その他の包括利益累計額 +367
      (内訳)その他有価証券評価差額金 +405為替換算調整勘定 △179

自己資本比率の数値としては問題ないレベルです。(20%以上を安全圏内としています。)

キャッシュ・フロー>2026年3月期1Qのキャッシュ・フロー(以下、CF)の状況

  • フリーCF(営業活動によるCFと投資活動によるCFを合計した金額 ※1)1,467百万円の収入
    • 営業活動によるCF 6,668百万円の収入(前年同期 5,507百万円の収入
    • 投資活動によるCF 5,201百万円の支出(前年同期 6,701百万円の支出

 ※1 フリーCFの説明:

  • プラスの場合:会社が自由に使える資金が増える
  • マイナスの場合:会社が自由に使える資金が減る

前期(2025年3月期)1QのフリーCF(1,194百万円の支出)から2,661百万円増加しています。

営業活動によるCFの主な内訳(百万円):

  • 減価償却費 4,074
  • 売上債権の増減額(△は増加) 6,198
  • 未払費用の増減額(△は減少) 3,877

投資活動によるCFの主な内訳(百万円):

  • 利息及び配当金の受取額 203
  • 有形及び無形固定資産の取得による支出 △5,209
  • その他 △234

【今期(2026年3月期)の見通し】

同社グループは、2023年度から2025年度までの3ヵ年を対象としてTOKAIグループ「中期経営計画2025」を策定しました。

この中計では①事業収益力の成長②持続的成長基盤の強化③人財・組織の活力最大化について、同社グループの持続的成長に向けて取り組むべきテーマとしています。

2025年度は、売上高については主要事業を中心に顧客件数の増加エリア拡大による増収を計画し、相応の営業戦略コスト等を織り込みながら営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益の増益を見込んでいます。

なお、今1Q決算発表時は、2025年5月8日公表の通期予想から変更はありませんでした。

株価指標と動向

株価指標

【2025/8/21(木)終値時点の数値】

  • 株価:1,094円
  • 時価総額:1,528億円
  • PER(株価収益率(予想)):14.3倍

PERは、同業で時価総額が近い、日本ガス(8174) 22.6倍、岩谷産業(8088) 7.6倍、伊藤忠エネクス(8133) 13.6倍と比較すると、中間的な水準です。

  • PBR(株価純資産倍率):1.52倍
  • 信用倍率(信用買い残÷信用売り残):0.67倍
  • 年間配当金(予想):34円(年2回 9月 17円、3月 17円)、利回り:3.10%(配当性向 44.4%)

配当利回り3.10%で、東証プライムの単純平均2.47%(8/21時点) と比較すると高い水準です。

表4のように、直近5年間の配当金は、1株当たり30~34円で推移しており累進配当を継続中です。

配当性向は、40%台~60%台で推移しています。

決算期1株当たり
年間配当金
[円]
配当性向
[%]
2021年3月期3044.6
2022年3月期3246.7
2023年3月期3264.8
2024年3月期3350.8
2025年3月期3448.2
表5:TOKAIホールディングス 年間配当金推移

この会社は、

利益配分については、連結業績を反映した利益還元を基本としながら、配当性向40%~50%の範囲内安定的な配当の継続に努めていく方針です。

また、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としています。

【株主優待】

この会社は株主優待があり、毎年9月末と3月末の年2回100株以上保有の株主下記5種類の中から1点と、

希望の株主に同社グループ結婚式場共通婚礼10%割引券及び「ヴォーシエル」「葵」食事20%割引券が進呈されます。

  1. 同社グループ飲料水宅配サービス関連商品(下記のいずれか)
    • うるのん「富士の天然水きらり」500ml(100株以上:12本(1,255円相当)、300株以上:24本、5,000株以上:48本)又は
    • 飲料水宅配サービス「おいしい水の宅配便:うるのん」12lボトル(100株以上:1本(2,170円相当)、300株以上:2本、5,000株以上:4本)
  2. クオカード
    100株以上:500円分、300株以上:1,500円分、5,000株以上:2,500円分
  3. 同社グループ「ヴォーシエル」「葵」お食事券
    100株以上:1,000円分、300株以上:3,000円分、5,000株以上:5,000円分
  4. TLCポイント(同社グループ会員サービスのポイント)
    100株以上:1,000ポイント、300株以上:2,000ポイント、5,000株以上:4,000ポイント
  5. LIBMO(格安SIM/スマホサービス月額利用料割引)
    100株以上:350円×6ヶ月割引(2,100円相当)、300株以上:850円×6ヶ月割引(5,100円相当)、5,000株以上:1,880円×6ヶ月割引(11,280円相当)

100株保有の場合、配当金+株主優待(1,255円(天然水を選択した場合)×年2回=2,510円相当)利回りは5.40%となります。

個人投資家にとってうれしい内容ですね!

【直近の株価動向】

<週足チャート(直近2年間)>

しばらく900~1,000円程度のレンジ内での推移が続いていましたが、

2025年4月に安値(886円)をつけた後は、上昇基調で推移し、同年8月に高値(1,143円)をつけています。

<日足チャート(直近3か月間)>

5月に安値(965円)をつけた後は、ほぼヨコヨコでの推移でしたが、7月に入り右肩上がりの上昇基調で推移し、8/12に年初来高値(1,143円)をつけました。

そして今回のPO発表の翌営業日(8/20)は、POによる短期的な需給悪化懸念により出来高を伴い、前日比 20円安(-1.79%)と下落しました。

今後の株価は、25日移動平均線(赤線)や75日移動平均線(青線)で下げ止まりヨコヨコから上昇に転じていくのか、割り込んで下値模索を継続するのか、要注目です。

まとめ

【業績】

  • 今期(2026年3月期)1Qの業績は、グループ顧客件数の増加等による増収情報通信事業の法人向けストックビジネス拡大に加え、建築設備不動産の受注が順調に推移したこと等により、5期連続の増収で過去最高を更新し、
    利益面については、グループ顧客件数増加に伴う増益に加え、顧客獲得費用の見直しを図ったこと等により、各利益項目がいずれも過去最高を更新して、
    前年同期比 増収増益で、売上高は微増利益面は2割弱~3割強増
  • 今期通期予想は、売上高については主要事業を中心に顧客件数の増加エリア拡大による増収を計画し、相応の営業戦略コスト等を織り込みながら営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益の増益を見込み、
    前期比 増収増益で、売上高は微増利益面は微増~1割弱増
  • その通期予想に対する進捗率は、1Q終了時点で、売上高、利益面ともに2割強でそこそこ

【株主還元】

  • 配当利回り(予想)は3.10%(8/21時点)で、東証プライムの単純平均 2.47%(8/21時点)と比較すると高い水準
  • 直近5年間の配当金は、年間1株あたり30~34で推移しており累進配当を継続中
    配当性向は、40%台~60%台で推移。
  • 会社の還元方針は、利益配分については、連結業績を反映した利益還元を基本としながら、配当性向40%~50%の範囲内安定的な配当の継続に努めていく方針。
  • 今回のPOと同時にPOによる株式需給への影響を緩和する観点から、自社株買い自社株買いで取得した全株式を消却することを発表。
    この今回の株式の売出数量最大約869万株)に対し、そのうちの最大約25%を市場で買い入れて一時的な需給悪化の緩和を図っているといえる。
  • 株主優待があり、毎年3月末と9月末の年2回100株以上保有の株主は、保有株数に応じて天然水、クオカード、格安スマホの利用料割引等が進呈される。
    100株保有の場合、配当金+株主優待(天然水の場合2,510円相当)で、利回りは5.40%となる。

【流動性・新株式の発行株数】

  • 今回の株式の売出数量は、発行済み株式総数の最大6.22%で、
    直近の株式の売出のみのPOの売出株数比率(OAを含む)(黒田グループ、古河電気工業、トランザクション)と比較するとやや少ない数量
  • 直近の出来高5日平均は4,103百株、25日平均は2,260百株(8/21時点)で、流動性はやや高い水準

【株価モメンタム】

  • 週足ベースの株価は、しばらく900~1,000円程度のレンジ内での推移が続いていたが、
    2025年4月に安値(886円)をつけた後は、上昇基調で推移し、同年8月に高値(1,143円)をつけている。
  • 直近の株価は、5月に安値(965円)をつけた後は、ほぼヨコヨコでの推移だったが、7月に入り右肩上がりの上昇基調で推移し、8/12に年初来高値(1,143円)をつけた。
    そして今回のPO発表の翌営業日(8/20)は、POによる短期的な需給悪化懸念により出来高を伴い、前日比 20円安(-1.79%)と下落した。
  • 今後の株価は、25日移動平均線や75日移動平均線で下げ止まりヨコヨコから上昇に転じていくのか、割り込んで下値模索を継続するのか要注目。

以上のことから、

レベル
(⭐(最低)~
⭐⭐⭐⭐⭐(最高))
業績⭐⭐
株主還元
(配当、株主優待等)
株価モメンタム⭐⭐⭐⭐
流動性⭐⭐
株式の売出数量⭐⭐
総合判定⭐⭐
(買い)
※「総合判定」=⭐4つ以上「買い」、⭐3つ「中立」、⭐2つ以下「不参加」

と判断しました。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

※株式投資の実際の売買は、自己判断、自己責任でお願いします。

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